ヒノキでできた鏡餅 ~鏡餅の意味とは?~

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お正月の風物詩でもある鏡餅、みなさんのお宅ではどうされていますか?

地域によって異なりますが、末広がりの「8」をもつ12月28日から飾りはじめ、だいたい1月の中旬に鏡開きをするというのが一般的な風習ですね。

鏡餅は、その丸いフォルムから夫婦円満や家族の健康を祈る意味があるとされています。

「神道いろは」(神社本庁教学研究所監修)には、『正月に一年の無病息災を祈り、餅を食べる歯がための習俗が平安時代の貴族社会に見られた』と書かれています。

さらに、「和の行事を楽しむ絵本」(永岡書店出版、三浦康子著)の一節には

『鏡餅は、年神様へのお供え物であり、年神様が辿る場所です。

昔からかがみには神様が宿るとされているので「鏡餅」と呼ぶようになり、丸い形は昔のかがみが丸型だったことに由来しています。

また、餅は「望月(=満月)に通じて、円満も表します。大小2段に重ねるのは、月と太陽(=陰と陽の象徴)を表しているからだといわれています。

さまざまな縁起物を飾りつけ、床の間、神棚、台所など、年神様にいてほしい場所に供えます』

と紹介されています。

鏡餅は年神様をお迎えする場所。お正月の終わりに鏡開きをして年神様の恩恵を体内に取り込んでお見送りをする、というのが習わしだったんですね。

 

さて、本題。

ヒノキでできた鏡餅「コダマのヒノキ鏡餅」を紹介したいと思います。

岐阜県のロクロ職人さんが丁寧に手作りした木の鏡餅です。

コダマのヒノキ鏡餅

 

ヒノキのいい香りとなめらかなフォルム。見るからに縁起がよさそうですよね。ヒノキは伊勢神宮や法隆寺など名だたる神社仏閣に使われています。本物のお餅のように食べることはできませんが、これなら年神様の居場所としてもふさわしいのではないでしょうか。

岐阜県の東濃地域で育った天然木をそのまま無塗装で仕上げているため、空気や人の手にふれて色が濃くなっていきますが、サンドペーパーで磨けばまた白いヒノキの木肌がよみがえります。こうして毎年気持ちをこめて磨いてお供えし、新しい年を迎えるというのもなかなかいいなぁと思いました。

鏡餅の飾りにも、さまざまな意味が込められています。

【裏白】シダ植物の葉。清廉潔白な心を表します。対になった葉模様から、夫婦仲むつまじく白髪になるまでの長寿を願います。

【譲り葉】新しい葉が出てから古い葉が落ちるので家系が続くようにとの祈りを込めて。

【橙】1本の木に何代も実がなることや、「だいだい」という読み方から、代々家が続くようにとの願いを表します。

 

ほかにも、昆布や柿などをお供えする地域もあるそうですよ。

昔は、新米で作ったお餅を鏡餅にしてお供えしていましたが、今は買ってきたパックの鏡餅で済ませているというご家庭も多いのではないでしょうか。手軽に用意できるのは大きなメリットですよね。鏡餅の由来や意味を振り返りつつ、それぞれのご家庭に合ったもので年神様をおもてなししてみてください。(ま)

 

 

コダマのヒノキ鏡餅

https://kodama-p.com/item/kodama_kagamimochi/

 

 

 

無垢材を選びたい本当の理由② ~リメイクできない家具もある~

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前回、soiro living(以下soiro)さんのリメイク家具の納品に同行した話をお伝えしましたが、今日はその続編。

なぜ無垢材を選ぶほうがいいのか―。家具を購入するときに考えておくべきことをお伝えします。

 

「子どもが生まれた」

「家を購入した」

「引っ越すことになった」

 

人生ではさまざまなライフイベントが待ち受けています。

家具の購入やリメイクが必要になるタイミングでもありますね。

日用品などと違って、家具は頻繁に買い替えるものではないので、最初の購入時にしっかりした見極めが大切といえます。

 

では、なぜ無垢材がいいのか。

無垢材とは「木」そのもの。表面を削っても「木」。当然、ヒノキならどこまでいってもヒノキですし、ウォルナットはどこを切ってもウォルナットでしかありません。

 

これに対して、化粧材というものがあります。

粉状にした木材を圧縮したMDFや、木材のチップを固めて作ったパーティクルボードに、木材でできた薄いシート(突板)を貼りつけたものを指します。均一で整った見た目の化粧材は、見た目はきれいでとても軽いです。天然の無垢材よりもスッキリした印象で好き、という人もいるかと思います。

ただ、この化粧板、無垢材とはまったく違います。

化粧板の場合、表面の突板が経年変化によりはがれてしまって中の素材が見えてしまうことも。リメイクしたくても、カットした断面に木材チップが見えてしまうので処理に困ることもあります。

一方、無垢材の場合は表面に傷やシミがつくことはあっても、はがれてしまうことはありません。たとえ表面が削れたとしても、見えるのはどこまでいっても同じ木です。

 

前回紹介したリメイク家具の場合も

「大きく形を変えることができたのは、ちゃんとした木でできているものだったからです」とsoiroさん。化粧材の家具の場合は釘で固定することが難しく、思ったようなリメイクができないことも多いそう。

「海外では、1つの家具を大事に使い続け次世代に受け継ぐのが普通のことです。いい家具を長く育てるという感覚があるからでしょうね」とsoiroさん。

使い込んだ無垢材に付いた傷は、味わいのひとつ。豊かな表情をもった1つの個性として愛着がもてるものへと変化していきます。

循環型社会への転換が求められるなか、家具だけでなく“家具を育てる感覚”も次世代に伝えていけたらいいなと感じました。

家具選びの際は、10年、20年後の暮らしをちょっと想像しながら、長く寄り添ってくれそうなものを探してみてくださいね。(ま)

 

【取材協力】

soiro living

https://www.soiro.net/

 

 

無垢材を選びたい本当の理由① リメイク家具の納品現場に同行取材しました

投稿日カテゴリーALL BLOGDIY

いきなりですが、このピンクのカップボード個性的ですよね。実は無垢材で作られたヴィンテージ家具をリメイクしたものなんです。

とあるご縁で仲良くさせていただいているsoiro living(以下soiro)さん。家具のリメイクやDIYサポートなどを手掛けていらっしゃるのですが、今回はリメイクが完了した家具の納品があるということで、同行させてもらうことに。

何のリサーチもなく同行したのですが、現場で完成品を見て驚きました。ポップでかわいい! 実は、納品した場所はヘアメイクやエステなどを行っているサロン。壁紙も紫やペールグリーンなどポップなカラーでまとめられていて、なるほどここならピッタリ!といった感じでした。

ポップな色に生まれ変わったカップボードですが、元の姿はこちら。

知り合いから譲りうけたものの、どう使うのがいいかずっとアイデアを練っていたというオーナー。soiroさんに相談を持ち掛けたのは2年ほど前。色や形など、じっくりとすり合わせをしながらリメイクを進めていったそうです。

もともと上下に分かれる仕様だったため、上段部分の奥行を減らし、引き出しだった部分をカット。下段との間に空間を作りました。引き戸だった収納部も扉に変更、土台部分に足を付けたことで、どっしりとしたシルエットがかなりすっきり。ヨーロッパの家具のようなシルエットに仕上がっていました。

ヴィンテージの家具がなぜか集まってくる(羨ましい!)というオーナーさん。サロンにはほかにもチェストや椅子など、ディテールに凝ったものが置かれていました。

ポップな家具と重厚なヴィンテージの色味は、相反するもののようですが、壁紙やほかの家具とのバランス次第ではうまくマッチするのだな、と感心してしまいました。

「家具は手入れをしたり作り替えたりしながら、長く愛着を持って使ってもらいたい」というsoiroさん。暮らし方や自分らしさは変わっていくもの。家具もそれに合わせてアップデートしていくことが必要になってきます。

合わなくなったから捨てるのではなく、どうやって使っていくかを考えていきたいものです。

今回のカップボードがこうしたリメイクを施せたのは“本物”でできていたから。無垢材でできた家具であれば、強度を保ちつつ形を変えることが可能です。

なぜ無垢材がいいのか、という理由はそんなところにあります。買った時だけでなく、作り替えたいときにも本領を発揮してくれるんですね。

次回、家具のリメイクやDIYについてもう少し詳しく紹介していきたいと思います。(ま)

 

【取材協力】

soiro living

https://www.soiro.net/

 

 

マクドナルドのスプーンが木製に! 国産木材を使用した店舗づくりにも注目

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朝食は朝マック! 週末は子どもとハッピーセット!
時間がない日のランチ、ちょっとした おやつなど、さまざまな場面で活躍してくれるマクドナルド。私もよく利用していますが、先日ストローが紙製に変わったことに気づきました。

日本マクドナルドでは、環境のためはもちろんおいしさや安全性、使いやすさを考慮しながらプラスチックに変わる紙製のストローや木製のスプーン・フォーク・ナイフ・マドラーを開発。2022年10月から全国約2900店舗のマクドナルドで導入しました。紙製・木製に切り替えることにより、なんと年間約900トンのプラスチックごみの削減になるそうです。

マクドナルドのレシートの裏にもメッセージが書かれています

 

今後も、「2025年末までに、すべてのお客様提供用パッケージ類を、再生可能な素材、リサイクル素材、または認証された素材に変更する」(※1、2)という公約を掲げ、環境に配慮した取り組みを進めていく方針とのこと。

 

そんなマクドナルドですが、実は木造の店舗が増えているのを知っていますか?

日本マクドナルドは2019年に、新規出店や改装、建て替えの際の外装や軸組に国産木材を積極的に使用していくことを発表しています。

同年の12月にリニューアルオープンした京都五条桂店を筆頭に、2021年6月末時点で木造店舗数は15、外装や内装に木材を使用している店舗は49にのぼります(※3)。

あのマクドナルドがなぜ国産木材を使用していくことにしたのか。実は林野庁が推進する「ウッド・チェンジ・プロジェクト」に賛同してのこと。

これまでキトヒトでも取り上げてきた日本の森林問題。森林を守るため、建物を木造・木質化する、暮らしに国産木材を取り入れるなどのアクションを通じ、日本の林業の活性化を目指すのが「ウッド・チェンジ・プロジェクト」です。

林野庁ホームページより

日本の森林の約4割は人が育てた人工林。木を「伐って、使って、植えて、育てる」というサイクルが成り立ってはじめて森がいきていけるのです。主伐期を迎えた木を適切に伐って使うことは、日本の森にとって大切なこと。マクドナルドもこの取り組みに賛同して木造店舗の建築に取り組んでいる、というわけです。「ウッド・チェンジ・プロジェクト」については、もう少し詳しくふれてみたいので、また後日ご紹介しますね。

今や多くの企業が取り組んでいるSDGs。紙や木製化、木造化は今後も進んでいきそうです。私たちも暮らしの中で見直せるものがないか、考えて取り組んでいきたいですね。(ま)

 

<参考>

(※1)

https://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2022/1004a/

(※2)子ども用ストローやマックシェイク用のストローなど一部メニューはプラスチック製で提供

 

(※3)WOOD CHANGEコラム2021vol.2より

https://event.rakuten.co.jp/area/japan/woodchange/columns2021/column_2/

 

北欧のシンボル・白樺。スキンケアやキシリトールガムにも使われているって知ってた?

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先日、長野県の白樺湖へ遊びに行ってきました。

周囲約4km、標高約1500mに位置する人口の湖です。夏は涼しく冬は白銀の世界を楽しませてくれる観光地で、その名の通り、白樺の木が茂る美しい景観が広がっています。

白樺は、長野だけでなく福井、岐阜、静岡県より北の標高の高い地域に生育する樹木。国内だと北海道の白樺林も有名ですね。白い樹皮と美しい木目は、“高原の白い貴公子”ともよばれ、北欧フィンランドでもシンボル的な存在として扱われているそうです。

そんな白樺は、なんともけなげな木でもあるのです。放牧や山火事などで裸になってしまった場所にいち早く芽吹き定着。太陽の強い光にさらされても、たくましく発育して林を作り上げていくのです。荒地にいち早く命を吹き込む白樺ですが、ほかの樹木が茂るようになると、光が遮られ、育つことができなくなって枯れてしまうのだそう。

逆にいうと、放牧や伐採といった人間の行為がなければ、白樺は育たないともいえます。

最近では、人々の生活が変化し山の手入れが行き届かない地域も増えてきました。一部の白樺林では手入れがされず、腐って風や雪による倒木が深刻化しているそう。白樺の景観を維持するためには、適切な管理が不可欠なんですね。

さて、白樺の木の特徴についてですが、材質は柔らかいため、木材としてはマイナーな存在。ただ、一部では建材や家具などに使用されているケースもあります。

白く美しい樹皮にはベチュリンと呼ばれる抗菌作用のある物質が含まれています。倒木して木が腐っていっても樹皮だけは残るのだそう。一般的には雑貨に使われることが多く、樹皮を編み込んだカゴやオーナメントなどが人気。パンやお菓子を入れてナチュラルなテイストを楽しむ人が多いようです。

また、北欧では昔から美容や健康のために白樺の樹液をスキンケアとして利用していたそう。日本でも白樺の樹液を使ったスキンケア商品が開発・販売されています。

そうそう、あのキシリトールガムに含まれる甘味料も白樺の樹液から採取されているんですって!

調べてみると、白樺って身近な存在なんですね。(ま)

 

<参考>

(一財)日本木材総合情報センター

国立研究開発法人森林研究・整備機構

木のお医者さん“樹木医”ってすごい!

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUT

最近テレビや動画でちょくちょく目にするようになった樹木医。樹木医とは、天然記念物などの貴重な樹木から街路樹などの身近な樹木など、木の健康を維持する専門家。いわば木のお医者さんです。

人間と同じように、樹木もストレスや病気や害虫によって元気がなくなることがあります。そこで樹木医の登場。原因は何か、対処法はどんなものがあるのかを考え、薬を処方したりときには伐採をします。

木の生態を理解し、診断、治療することで、倒木による被害の抑制や、木の保護育成を行います。病害虫の種類ももちろん把握していなくてはいけないし、その解決法もしかり。

日光の当たり具合、土壌など、生育環境についても物理学的な観点から調査し、樹木にとってよりよい環境づくりを手助けしているんですね。

さて、実際にどんな方法で木を診断しているのかというと―。まずは目視。目に見えて傷んでいるところだけでなく、周囲の環境もチェックします。時には木の上に上って日当たりや枝葉の成長具合を調査したりもするそうです。

続いて、木槌で幹をコンコンと叩いて幹の空洞をチェック。さらには、音波で木の内面を測定する機械やファイバースコープを使って、樹木の腐食具合を調べます。

本当に人間と同じですね。

幹が空洞になった木は倒木の危険が。倒れる前に伐採します

 

現在、樹木医は3000名ほど。

樹木医になるには、特定の樹木医研修を受講して資格試験に合格する必要がありますが、そもそも受験の条件として「樹木医補養成機関として登録されている大学・学部を修了し樹木医補の認定を受けてから1年以上の実務経験がある」、もしくは「樹木の保護、管理、診断、治療等に関する業務経歴が7年以上」が必要なのだとか。試験の合格率は20%程度と、かなり難しい資格のようです。

 

長崎県の「あこう大樹」や青森県の「北金ケ沢のイチョウ」、岐阜県の「淡墨の桜」、長野県の「月瀬の大杉」など、幹の周囲1,000cm級の巨木は、数百年という単位で成長してきたもの。枯れてしまっては取り返しがつきません。

また、身近な木も倒木によって人的被害が起きてしまわないよう、適切な処置が必要となります。

私たちの身の回りにあるこうした樹木を守るためには、知識や技術をもった樹木医によるお手入れが必要なんだな、と改めて感じました。樹木医ってすごい!(ま)

<続>木にふれる木育施設「おもちゃ美術館」。NEW OPENも続々!

投稿日カテゴリーALL BLOG木育

それぞれの地域の特色や自然、文化、遊びを融合した「おもちゃ美術館」。戦前に建てられた小学校の校舎や、閉店した百貨店の跡地を利用するなど、建物の歴史や背景、再生のストーリーにも注目が集まっています。

今回は前回に引き続き、東海以南にある「おもちゃ美術館」を紹介します。

 

◆徳島県板野郡「徳島木のおもちゃ美術館」:2021年10月オープン

阿波人形浄瑠璃や遊山箱など、木にまつわる地域文化・芸術が盛り込まれた館内は圧巻!「ごっこフォレスト」では、徳島の特産物を模した木のおもちゃで、収穫ごっこが楽しめます。

県土の約3/4が森林という徳島。木にまつわる文化・芸術を空間デザインに取り入れ、魅力を発信しています

https://www.tokushima-toymuseum.com/

 

 

◆香川県高松市「讃岐おもちゃ美術館」:2022年4月オープン

赤ちゃん木育広場では、地元・飯野山を模した山や庵治石でつくられたゆりかごでゆったりと遊ぶことができます。小豆島の木桶の中でのお茶遊び、和三盆の壁面遊び、うどん屋さんごっこを通して讃岐の文化にふれる体験ができます。

讃岐の伝統工芸品が並ぶミュージアムショップ、讃岐の食材を活かしたカフェが併設。一日みっちり楽しめますよ

https://npo-wahaha.net/stm/

 

★NEW★徳島県那賀町「町山のおもちゃ美術館」:2023年春オープン予定

※HP、詳細未定

 

◆高知県佐川町「佐川おもちゃ美術館」:2023年春オープン予定

全国で森林率No.1を誇る高知県にもついにおもちゃ美術館がオープンします。道の駅と隣接したミュージアムのためアクセスも良好。木育のほか植育・職育もコンセプトに掲げています。

※HP未定

 

◆山口県長門市「長門おもちゃ美術館」:2018年4月オープン

見所は水上おもちゃ美術館とも言われているキッズクルーズ船「弁天」! 船長の服や帽子を身に着けて船長気分を味わいながら静かな内海をゆっくり航海できます。運が良ければイルカに会えるかもしれません!

木育船「弁天」には仕掛けがたくさん!美術館の目の前に広がる海の魅力を感じながら、キッズクルーズが楽しめます

https://www.nagato-toymuseum.com/

 

◆福岡県福岡市「福岡おもちゃ美術館」:2022年4月オープン

九州初の木育施設。博多銘菓のおもちゃや、博多ラーメン屋台でラーメンがつくれる地域文化を楽しむ仕掛けが盛りだくさん。福岡・大川の職人が手掛けるキッズサイズの家具ギャラリーも併設。メイドインジャパンのおもちゃや家具に出会える日本最大の場所といえます。

「ららぽーと福岡」内にある美術館。地元の家具メーカー6社のギャラリーショップや、おもちゃコンサルタントが選出した「グッド・トイ」で遊べるエリアもあります

https://art-play.or.jp/ftm/

 

◆沖縄県国頭村「やんばる森のおもちゃ美術館」:2014年4月オープン

世界自然遺産に登録された「やんばるの森」の敷地内にある美術館。樹齢300年のリュウキュウマツで作られたトンネルをはじめ、やんばる船やボールプールなど、沖縄ならではの木材に親しむことができます。

琉球王朝時代から、豊富な資源によって沖縄の人々の暮らしを支えてきた「やんばるの森」。美術館の床材には森の60%を占めるイタジイの木が使われています

https://www.kunigami-forest-park.org/toy_museum/

 

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「木とふれあい、木に学び、木と生きる」―。木育や森林文化の継承をすすめる全国のおもちゃ美術館。いかがでしたか。そのほか、移動型のおもちゃ美術館もあるそうですよ。「全国おもちゃ美術館オフィシャルファンブック」も販売中。続々とオープンするおもちゃ美術館の魅力がたっぷり紹介されています。

https://goodtoy-guide.com/?pid=169592040

読み物としてもおもしろそうですよね。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。(ま)

 

【協力】

NPO芸術と遊び創造協会

東京おもちゃ美術館

 

 

 

木にふれる木育施設「おもちゃ美術館」。NEW OPENも続々!

投稿日カテゴリーALL BLOG木育

「木とふれあい、木に学び、木と生きる」。

すべての人が木との関わりを深め、環境づくりや豊かな心を育むことを目的とした木育。その取組みは全国で広がりをみせています。

なかでも、木をふんだんに使ったおもちゃ美術館は子どもたちが思う存分楽しめる施設として人気です。今後オープンする予定の施設も含め、まとめてみました。

 

◆岩手県花巻市「花巻おもちゃ美術館」:2020年7月オープン

一度は閉館となった地域の百貨店が、みんなの想いによりおもちゃ美術館として見事に復活。大食堂の名物である10段ソフトクリームをつみきにして「木のソフトクリーム積み上げ大会」も行っています。

地域に愛される大食堂「マルカンビル」内に併設。0歳~100歳まで楽しめるグッド・トイが並ぶ体験型施設です

https://www.hanamaki-toymuseum.com/

 

◆東京都檜原村「檜原森のおもちゃ美術館」:2021年11月オープン

村の総面積の93%が森林という檜原村(ひのはらむら)。館内は、村内産の木材で山・森・川・まちがつくられ、のびのびとした雰囲気が広がります。大自然を活かした外遊びイベントも好評です。

東京で唯一の村「檜原村」。旧小学校を活用してつくられています

https://www.hinohara-toymuseum.com/

 

◆東京都新宿区「東京おもちゃ美術館」:2008年4月オープン

無垢の杉材で作られたおもちゃでゆったり遊べる「赤ちゃん木育ひろば」、木のおままごとブース、世界中のアナログゲームコーナー、大人と子どもが一緒に楽しめる電動いとのこ体験など老若男女楽しめる施設が充実しています。

日本中のおもちゃ作家の作品がずらりと並ぶ日本有数のトイショップを備えています

https://art-play.or.jp/ttm/guide/

 

◆静岡県焼津市「焼津おもちゃ美術館」:2021年7月オープン

八丁櫓をモチーフにした船の遊具や滑り台で、港町・焼津文化を全身で体験することができます。本物さながらの木製マグロの解体ショーは必見。すくい上げたお魚で市場ごっこやお寿司屋さんごっこができるオリジナル遊具もたくさん!

「ターントクルこども館」の中にある美術館。絵本の図書館「やいづ えほんと」も併設しています

https://yaizu-kodomokan.com/

 

★NEW★長野県木曽町「木曽おもちゃ美術館」:2022年秋オープン予定

木曽五木で作られた内装・家具と触れながら木の香りに包まれる施設です。木工体験はもちろんそば打ち・味噌づくりなどの郷土食体験、機織りなどの工芸体験など木曽の伝統文化にふれる体験ができます。

https://kiso-toymuseum.com/

 

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東海地区までのおもちゃ博物館をご紹介しました。地域ごとに特色があり、おもしろいですよね。

次回は、東海以南のエリアをご紹介したいと思います。お楽しみに!!(ま)

 

紅葉といえば楓(カエデ)。“木の真珠”と呼ばれるカエデのこと

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すっかり秋の深まりを感じるようになったこのごろ。秋といえば、楽しみなのが紅葉です。

紅葉の代表格で思い浮かべるのはモミジとカエデ。似たような樹木ですが、違いって何?と思われる方もいらっしゃると思います。

実は両者に違いはありません。植物学的にはモミジもカエデもムクロジ科カエデ属。真っ赤に色づくイロハモミジも植物学的にいえば「カエデ」と呼ぶほうが正しいというわけです。

現在、日本に自生しているカエデは26種類ほど。庭木としても人気が高く、私たちの目を楽しませてくれます。そんなカエデですが、観賞用としてだけでなく、家具にも使用され身近な樹木として親しまれています。

主にダイニングテーブルやイスとして使われることが多く、頑丈で重厚感があるのが特徴。スベスベしていて色白、艶やかな光沢をもつカエデは、“木の真珠”とも呼ばれているそうです。(私のお肌もこんな感じだったらいいのに…笑)

手触りは滑らかで、緻密な木目には透明感があるのでナチュラルなインテリアにしたい方にはおすすめの木材。癖のない色なのでほかの樹種や異素材とも組み合わせがしやすく、オールラウンダーな木材といえそうです。

ボーリング場やダンスフロアにも使用されるほど頑丈で、傷がつきにくいのも特徴。小さなお子さんがいる家庭やペットがいても、気にすることなく使えそうですよね。

経年変化により、少しずつ飴色になっていくのも魅力。より深みを増していく過程も含めて楽しめる木材です。

まれにバーズアイ(鳥眼杢目)とよばれる模様が浮き出ているものがあります。これらは希少価値があるため高額で取引されているようです。照明にも映える斑紋、ちょっと興味がわきますよね。

バーズアイ

 

ちなみに、カエデを英語にすると「メープル」。メープル材と同じなの?と思う方もいるかもしれませんが、厳密にいうと違います。

建築や家具業界では、国産のものは「カエデ」、外国産の輸入材を「メープル」と呼んで区別しています。メープルで連想するのがカナダですが、カナダのメープル材は「サトウカエデ」という樹種で、メープルシロップが採取できる木です。加工している時は甘い香りがするそうですよ。

日本ではカエデのほかにも様々な樹木が紅葉しています。ケヤキ、ナラ、サクラ、ニレ、タモなども紅葉するんですって。色づく樹種が多いため、日本は他国と比べても紅葉が綺麗だといわれています。赤や黄色に色づく景色を眺めながら、深まる秋を感じてみたいものですね。(ま)

 

 

 

【シリーズ木育】岐阜県美濃市「morinos」で森とたわむれる ~建物編~

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岐阜県美濃市にある森林総合教育センター「morinos」。前回の「morinos ~遊び編~」に続き、今回は~建物編~をお送りします。

注目したいのは、「morinos」の入り口となっている建物についてです。

日本の森林文化と岐阜県が誇る木材加工の最先端技術を凝縮したこだわりの建築物がこちら。

▲ドイツの「ハウス・デス・ヴァルデス(森の家)」に着想を得た「morinos」。V字に組み上げられた柱は、ドイツ語で森を表すWald(ヴァルト)の「W」にも見えます

 

意匠原案は、日本を代表する建築家・隈研吾氏。使っているのはすべて岐阜県産の木材です。建築の計画案は「morinos」がある岐阜県立森林文化アカデミーの木造建築専攻の学生たちが、1週間のワークショップを経て作成。最終日に、隈研吾氏を招いて講評会を行い、隈氏の提案を元に学生が基本設計案を作り上げました。

▲木を贅沢に使った空間。経年とともに増す風合いも味わい深い

切り出した桧の丸太をV字にデザインした「V柱」は、遠くから見ても印象的です。樹齢100年を超える大木を敷地内の演習林から切り出して成型、組み立てと複雑な作業を伴って完成されたもので、令和2(2020)年度木材利用優良施設コンクールにおいて、「林野庁長官賞」を受賞しています。

室内におかれた家具は、ミズナラとコナラでつくられたカウンターチェアや、さまざまな樹種を使った「みみ付きデスク」と「工作椅子」が設置されています。県内産の6種類の木材でできた机と椅子は、天板の厚みや幅が同じでも持ち上げた時の重みが違います。針葉樹と広葉樹、木材による違いを体感として感じることができるのは貴重な経験ですよね。

▲「みみつきデスク」。県内産の6種類の樹木でつくられた机。針葉樹、広葉樹など樹木の種類によって重さが違うことを体験できます

ソファのある図書スペースには、森をテーマにした絵本や図鑑、資料などがあるので自由研究にも使えそうです。

 

▲館内の図書スペース。絵本や図鑑を見ながらゆったりした時間を過ごすのもいいですね

 

森と暮らす楽しさと森林文化の豊かさを次世代へ伝えていくことを目的とした岐阜県の公共施設「morinos」。森に生えている木が、どんな形で私たちの暮らしに使われているのか、森を体感しながら、木と暮らすことについて考えるきっかけになったらいいなと思います。

子どもキャンプやプレーパーク、大人向けのカルチャー講座や生木を使った木工、薪割り、馬搬など、イベントや講座・研修なども実施しているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。(ま)

 

morinos 

◆YouTube「morinosチャンネル」 

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