フィンランド発祥の“幸運が訪れる”マグカップ。「ククサ」が欲しい

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUT

「ククサ」をご存じですか。
キャンプ好きな人や北欧雑貨が大好き、という方にはおなじみかもしれませんね。

北欧のフィンランドが発祥のマグカップです。

 

先日、大阪にある国立民族学博物館に行った際、ショーケースに並んでいたククサを見て、とても興味を惹かれました。

▲国立民族学博物館のショーケースにあったククサ

 

ショーケースの商品紹介文によると

 

「ククサとは…

フィンランドの北部ラップランドに住んでいたサーミの人々に古くから伝わる白樺のコブをくり抜いて作られる手作りのマグカップ。

材料となるバハカと呼ばれる白樺のコブは、十分な大きさに育つまで30年、小さなコブでも10~15年ほどかかるため、取れる量に限りがある」

 

とのこと。かなり貴重な材料で作られていることが想像できますね。

 

自然が作り出したコブから作るということは、2つとして同じものはないということ。さらに、くりぬきという手法のため継ぎ目はなく美しい流線形のフォルムを作り出すことができます。木目や色味も1点もの。

そんな特別感からか“贈られた人には幸運が訪れる”という言い伝えもあるそうで、フィンランドでは大切な人へのプレゼントにする風習もあるとか。

近年は北欧の木材事情もあり、バハカが入手困難で、ククサの値段も上がっていると聞きます。ほっこりとした流線形のフォルム、軽くて丈夫、実用性も高いとなれば、少々お値段がはっても欲しくなってしまいますよね。

 

毎日のコーヒータイムに、アウトドアに活躍してくれそうなククサですが、ちょっと注意が必要な点も。

実はククサでコーヒーを淹れると劇的にマズイらしいんです!(涙)

伝統的なククサは塩水で長時間煮るというという工程を踏んでいるからで、最初のうちはこの塩分がコーヒーなどの飲み物にしみ出してくるため、とんでもない味になるそう。使用していくうちに塩味は抜けていきますが、最初のうちは塩っぽくなっても大丈夫な飲みもの(スープとか?)にしたほうが無難かもしれませんね。

お手入れについては、ほかの木製品と同様、乾燥する前にオイルなどでしっかりと保湿をするというメンテナンスが必要です。食洗器は使用不可。手洗いした後しっかりと乾かし、オイルを塗って大切に使いたいものです。

目下、「これだ!」というククサを探し中ですが、“贈られた人が幸せになる”という言い伝えだとしたら、誰かにプレゼントされるのを待っていたほうがいいことになりますかね。。。

どうなんでしょう。(ま)

 

Matsuoライタープロフィール
古道具や古着、古民家など“お古”に惹かれるライター。雑誌、webを中心にまちづくり、ものづくり、グルメ、音楽、著名人インタビューなど多ジャンルの取材・執筆を手がけています。生活者の視点で、身の回りの“木”に関する話題をお届けしていきます。

水野 照久監修者
名古屋で創業60年を迎える家具店の代表。2代目代表として約30年「家具は人をシアワセにする」を理念として、木を素材としたいくつかのブランドをプロデュースし、新しいモノづくりにデザイナーと作り手と取り組む。