2026年のインテリアトレンドは「天然木回帰」|天然木家具が再び選ばれる背景とは

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2026年のインテリアトレンドとして注目される「天然木回帰」。天然木家具が人気を集める理由や、無垢材の魅力、サステナブルな暮らしとの関係を分かりやすく解説します。


 

インテリアのトレンドは時代とともに変化します。

ここ数年はミニマルなデザインや大量生産の家具が人気を集めてきましたが、2026年は「天然木回帰」ともいえる動きが広がっています。

天然木や無垢材を使った家具が再び注目されている背景には、単なる流行ではなく、人々の価値観の変化があります。

「長く使えるものを選びたい」「自然を感じながら暮らしたい」「本物に囲まれた生活がしたい」。

そんな思いが、天然木家具への関心を高めているのです。

 

天然木回帰とは?

「天然木回帰」とは、天然木や無垢材を使った家具やインテリアが再び注目されている流れのこと。

以前は価格や手入れのしやすさから、プリント化粧板や人工素材の家具が多く選ばれていました。

しかし最近では、木本来の木目や質感、経年変化を楽しめる天然木家具に魅力を感じる人が増えています。

流行というよりも、「良いものを長く使いたい」という価値観の広がりが背景にあります。

 

なぜ今、天然木家具が選ばれるのか

 

1.唯一無二の存在感

なんといっても、天然木の魅力はその木目や色合いにあります。

まっすぐ伸びる木目もあれば、ゆるやかに波打つ木目もあります。色合いも一つとして同じものはありません。どんな土で育ち、どんな風や雨、太陽の光を受けてきたのか。その長い年月が木目や色に刻まれているのです。

工業製品にはない、自然がつくり出した豊かな表情やぬくもり。その唯一無二の個性が、時代を超えて多くの人を惹きつけています。

 

2.時間とともに美しく育つ

子どもと一緒に成長する「コダマデスク」(スギ無垢材使用)

 

天然木家具は、日々の暮らしの中で色味が深まり、少しずつ風合いが変化していきます。

傷やシミさえも、その家具と過ごした時間を物語る味わいになります。「古くなる」のではなく、「育つ」という表現が似合う素材。暮らしに寄り添いながら、家族と一緒に成長していくのが天然木の魅力です。

 

3.デジタル社会だからこそ求められる自然

AIやスマートフォンなど、私たちの生活はますますデジタル化しています。便利になった一方で、自然素材に触れる時間は少なくなりましたよね。

木の香りや温もり、やさしい手触りは、画面越しでは得られない心地よさがあります。さらに言えば、約20万年以上も前から私たちの祖先“ホモサピエンス”は木に囲まれて、木に守られて生きてきたのですから、木にやすらぎを求めるとか、木にふれると落ち着くというのはごく自然なこと。

デジタル化が進んでいるからこそ、住まいの中に自然を取り入れたいという人が増えているのかもしれません。

 

4.サステナブルな暮らしへの関心

環境問題への意識が高まる中で、「長く使える家具」を選ぶこともサステナブルな行動の一つとして注目されています。

適切に管理された森林から生まれた木材は、再生可能な資源。家具を長く使うことは、新たな資源の消費を抑えることにもつながります。

不要となった座敷机を再生したrewoodのテーブル。大学や公共の場でも採用されています

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👉2025年も注目の“サステナブル”と、再生テーブル『rewood』の話

 

天然木・無垢材・プリント家具の違い

天然木を使ったrewoodの一枚板テーブル

 

天然木とは、本物の木を使った素材全般のこと。
無垢材だけでなく、天然木を薄くスライスした「突板(つきいた)」も天然木に含まれます。一方、「プリント化粧板」は木目を印刷して再現した素材で、天然木ではありません。

それを踏まえた上で、それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介してみようと思います。

項目 無垢材 突板(つきいた) プリント化粧板
素材 一本の木から切り出した天然の木材 天然木を0.2〜0.6mmほどに薄くスライスして合板などに貼ったもの 木目を印刷したシートを板材に貼ったもの
木目 一つひとつ異なる天然の木目 一つひとつ異なる天然の木目 印刷のため均一の木目
質感 木そのものの温もりと質感 自然な質感(合板など、基材の硬さを感じる場合も) 人工的な質感
経年変化 大きく楽しめる ある程度楽しめる ほとんどない
耐久性 非常に高い(再研磨が可能) 比較的高い(湿度変化による反りは起きやすい) 比較的低い(傷が付くと補修しにくい)
価格 高価 中価格帯 比較的安価
メンテナンス 定期的なお手入れがおすすめ 比較的手軽 ほぼ不要
おすすめの人 本物の木を長く愛用したい人 木の質感と価格のバランスを重視する人 コストを抑えたい人

 

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👉 知っておきたい「無垢材」と「突板」の違い

 

天然木家具を長く楽しむためのお手入れ

天然木家具は特別なお手入れが必要と思われがちですが、基本は乾拭きや定期的なメンテナンスで十分です。

正しくお手入れをすることで、10年、20年と長く使い続けることができます。

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👉 意外と簡単! 天然木テーブルのお手入れ方法

👉 木製家具。傷やシミがついた時のお手入れ方法

木を選ぶことは、時間を選ぶこと

木は数年で育つものではありません。

製材として利用できるまでには、およそ50年。立派な木になるには100年、200年とかかるものもあります。

その長い年月を経て育った木が、家具となり、私たちの暮らしに寄り添います。

だからこそ、天然木家具は「消費するもの」ではなく、「受け継いでいくもの」。

木を選ぶということは、その長い時間に価値を見出すことでもあるのです。

 

まとめ

天然木回帰は、一時的なインテリアブームではありません。

本物志向、サステナブルな暮らし、自然とのつながりを求める価値観の変化が、その背景にあります。

木には、一つとして同じ表情がありません。

そして、人と同じように時間を重ねることで、さらに魅力を増していきます。

家具を選ぶことは、暮らしを選ぶこと。

もし次に家具を選ぶ機会があるなら、「何でできているか」だけでなく、「どんな時間を重ねてきた木なのか」という点にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

AI時代に“手触り”が求められる理由|デジタルAI疲れを癒す木の力とは

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みなさんはAIとどんな風に付き合っていますか?

最初は疑心暗鬼だった私も、今ではすっかりその便利さにのっかっています。あれこれ調べるのに使ったり、ときには愚痴を聞いてもらったりと、まぁまぁ頻繁に使っています。

ChatGPT、Claude、Geminiなど、デジタル革命の象徴ともいえるAIは、もはや現代社会になくてはならないものとなってきました。仕事柄、AIを駆使しているという人も増えているかと思います。

ただ、急速に進化し続けるAI時代において、こうした複数のAI ツールやデジタルデバイスを同時に操作したりすることで、私たちの脳は極度の疲労にさらされていると言われています。集中力の低下、意思決定の不安など、「AIデジタル疲労」と呼ばれるこの状態、みなさんも心当たりがあるのではないでしょうか。

優秀な人のほうが発症するリスクが高いといわれる「AIデジタル疲労」。知らず知らずのうちにたまったストレスは、身体的にも影響を及ぼすと考えられています。

たとえば、免疫機能の低下や倦怠感といった慢性的な体調不良の原因となるケースも少なくありません。

 

デジタル疲れを癒す木の力とは

そんなデジタル疲労を癒すのが「木」の力です。

以前も紹介しましたが、木には生理的なリラックス効果があります。

常にフル回転を強いられる脳を鎮静化させ、ストレスを和らげてくれるんです。

木の床を裸足で歩くとしっくりくる、木のテーブルに触るとなんだか落ち着く、木の香りがすると思わず深呼吸したくなる、そんな経験、みなさんにもあるのではないでしょうか。

漠然とした癒しのイメージだけでなく、科学的な根拠もあります。森林総合研究所の調査を紹介してみましょう。

 

<手すりを使った触覚の実験>

木製の手すりを握ったときと、金属製のものを握ったときと比較。

出典:森林総合研究所「人間の快適性に及ぼす木材の触覚、視覚及び嗅覚刺激の効果の解明」

 

木材に触れたときは、血圧の上昇が抑制される、つまりストレスが低くなるという傾向があることが判明しました。特に無塗装の木材で効果が大きいこともわかったといいます。

さらに被験者の実感は、両者を比較すると木材のほうが「温かい」「やわらかい」「自然な」印象を与えることがわかりました。

人間ははるか昔、700万年以上も前からずっと木に囲まれて暮らしてきました。自然の中で木に守られて暮らしてきた時代のほうが、このデジタル時代よりもずっとずっと長いのです。だから、木の触り心地や匂いは、きっとヒトのDNAのなかにしっかりと組み込まれているのでしょうね。香りや手触りが私たちを癒すというのも当然といえば当然の話です。

 

「木」は血圧、心拍、脳血液の動きに働きかける

林野庁「建物の内装木質化のすすめ~科学的データが占める内装木質化の効果~」をもとに、手触り以外の【身体面での効果】も紹介してみますね。

 

〇免疫力アップ

ヒノキの精油を揮発させた室内に3日間滞在したところ、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が増加したというデータがあります。

NK細胞は、血液やリンパにのって体内を巡回パトロールしてくれる免疫細胞。ヒノキの香りは、免疫力アップの鍵を握るこのNK細胞を活性化させてくれます。

さらに、ストレス指標である尿中ノルアドレナリンも低下。ヒノキの香りがストレス緩和に大きく関与していることがわかります。

出典:『建物の内装木質化のすすめー科学的データが示す内装木質化の効果ー』。「身体面の効果 (8)免疫力アップの効果」(日本住宅・木材技術センター)を基に作成

 

〇リフレッシュ・覚醒

木材率が高い空間では、血圧、心拍、脳血液の動きに有効な変化をもたらすことがわかっています。例えば木材率90%の部屋では血圧が低下、45%の部屋では心拍数が増加したという研究結果が出ています。

心拍数を適度にあげることは、集中力を高め脳の活性化につながります。この結果をみると、木材率が高い空間ではよりリラックスして脳も覚醒するということがわかります。

天然木をつかったCONNECTオリジナルテーブル&ソファ 「VITA」

 

〇疲労感を緩和

スギの木に囲まれた空間で30分過ごしたときの気分について、「緊張」「抑うつ」「疲労」「混乱」という項目で指標が低下するという結果に。一方で、ポジティブな心理を表す「活気」は上昇することがわかりました。これはスギ材の視覚から得る心地よさや、香りの影響だと考えられています。

また、作業用のブースや机を無垢材にすると、作業のミスが減少し、疲労を抑える可能性が発表されています。

 

出典:齋藤ゆみほか(2009)「木質空間およびビニル空間における疲労・ストレスの緩和効果―生化学的・心理学的指標による比較」『木材学会誌』55巻2号,101–107,表2・表3をもとに作成。参照:『建物の内装木質化のすすめ』(日本住宅・木材技術センター)

 

〇不眠症状の緩和

「寝室に木材・木質の内装や家具、建具が多いと答える人ほど不眠症の疑いが少なく、寝室で精神的なやすらぎを感じる割合が高い」ということも、実験から明らかになりました。

寝室に木製の家具を置くなど、木材や木質のものを取り入れることで、不眠症状の緩和がみられ、質のよい眠りが得られることが期待されています。

岐阜県産の天然スギでつくられた「コダマベッド・シングルフレーム」¥136,500(税込)

 

毎日つかうものを木に替えてみる

木は、製材として使えるようになるまで約50年、立派な木になるまでには100年、200年という長い年月をかけて育ちます。瞬時に答えを返すAIとは対照的に、木は悠久の時間を生きてきた存在です。

デジタルテクノロジーが加速する今だからこそ、人を癒やし、心を整えてくれるのは、木が長い時間の中で育んできた包容力なのかもしれませんね。木とともに過ごす空間は、これからの時代にこそ求められる豊かさを与えてくれる気がします。

木の空間がもたらす心地よさは、効率だけでは得られない豊かさも思い出させてくれます

 

「森林大国日本」とはいえ、近くに森なんてないよ!という都市暮らしの人も多いのも現実。住まいの中に少しでも木を感じられる場所をつくってみるのもひとつの方法です。リビングのテーブル、書斎の椅子、寝室のベッド、子どもの勉強机―。毎日手に触れるものから、まずは変えてみるのが手軽でいいかもしれませんね。

一本の木でつくられるオイル仕上げの「ビークチェア」¥29,900(税込)
東濃杉だけを使用した「コダマソファ」 ¥290,000(税込)

 

 

 

【参考】

林野庁「建物の内装木質化のすすめ~科学的データが占める内装木質化の効果~」

森林総合研究所「人間の快適性に及ぼす木材の触覚 視覚及び嗅覚刺激の効果の解明」

 

 

増築でも引っ越しでもない第三の選択|動かせる小屋「コダマベース」で

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「もう一部屋あったらいいのに」

そう思う瞬間は、意外と多いですよね。

私は、最近アトリエがほしいな~と思っています。

趣味で絵を描いているのですが、家のなかに自由にできる場所がない!

駐車場でやってみようと思ったのですが、絵の具がアスファルトに流れてしまって大惨事になりました。運が悪いことに赤色。もうサスペンスの世界です。さらには蚊に刺されすぎて、ぜんぜん集中できない。

こういうとき、自由に使える部屋があったらいいのに、と思います。

 

例えば、在宅で仕事をしているとき。誰にも邪魔されずに考えたいとき。私と同じように趣味に没頭したいのに、リビングではどうしても集中できないとき。

家そのものに不満があるわけじゃない。でも、このままでは少し足りない。

そんな“あと一歩”の違和感を抱えたまま、暮らしている人は少なくないのではないでしょうか。

 

家を変えるか、そのままでいるか

これまで、その違和感に対する選択肢は大きく二つでした。

ひとつは引っ越し。部屋数の多い家へ、より広い空間へ引っ越すという選択。

もうひとつは増築やリフォーム。今の家に手を加えて、空間を広げる方法です。

どちらも“アリ”ですよね。ただ、どちらもそれなりに大きな決断が必要になります。

引っ越しにはコストも手間もかかるし、生活環境そのものが変わる。お子さんがいる場合は、転園転校も考えなくてはいけません。リフォームも、時間や制約の問題がつきまとう。

「そこまでではないんだけど…」という感覚をすくいあげてくれるのが、第三の選択です。

 

第三の選択という発想

家を変えるのでもなく、我慢するのでもない。外に“もう一部屋”をつくるという発想。

庭や敷地の一角に、小さな空間を置く。
住むための家ではなく、使うための部屋。

それは、いわゆるタイニーハウスのように生活機能をすべて詰め込んだ「小さな家」ではなく、あくまで暮らしの外側にある“拡張された一室”。

だからこそ、軽やかに取り入れられるのが魅力といえそうです。

 

コダマベースというかたち

駐車場一台分のスペースに置けるコダマベース

 

“外に置く部屋”という考え方の中で、ひとつのカタチとして作られたのがコダマベースです。

水回りが整っているわけでもなければ、そこで生活が完結するわけでもない。けれど、その分だけ軽やかで、取り入れやすい。

庭先や別荘地の一角に置くことで、暮らしの中にもうひとつのリズムが生まれる。家の延長でありながら、少しだけ切り離された場所。近いのに、ちゃんと距離をとることもできる。

その距離感が、思考や時間の質を変えてくれるような気がします。

 

「住む」じゃなくて「使う」

家の中にすべてを収めようとすると、どうしても役割がぶつかりますよね。仕事と休息、集中とリラックス…。

その相反するものの一部を外に出してみると、暮らしの質はかなり変わるような気がします。

例えば、

  • 仕事に集中するためのワークスペース
  • 本を読むための静かな部屋
  • 音楽や制作に没頭する場所
  • 誰にも邪魔されない“こもり部屋”

用途を限定しないからこそ、使い方は人それぞれに広がっていきます。

 

新しくつくらなくてもいい

こうした第三の選択肢がいいな、と思う理由はもうひとつあります。それは、「中古」という選択が可能なこと。

多くの場合、タイニーハウス、トレーラーハウスは必要がなくなれば中古として手放すことができます。「コダマベース」も、もちろんそう。

それってかなり心強い感じがしませんか。小屋といっても、駐車場1台分のスペースは必要となるのだから、不要になったときのことを考えると、最初の1歩を踏み出す勇気が出ない~という人も多いと思います。でも、不要になったら中古で買い取ってもらえると思えば、試してみようかなと思えるのではないでしょうか。

コダマベース引き取り

 

中古で売ることができるということは、中古も販売されているということ。最初の一歩を例えば、中古で購入するという手もありかもしれませんね。

小さな空間は、必ずしも新しくつくる必要はありません。中古に少し手を加えながら自分の場所にしていくというのも、面白味のある方法と捉えることもできそうです。

私のように“お古”が好き、とか使い込まれている感じが好きという人には、中古のほうが向いているかもしれません。

 

「余白」をつくるということ

今の時代、家はどんどん多機能になっています。

働く場所であり、休む場所であり、楽しむ場所…。ひとつの空間に求められる役割が増えている一方で、面積は簡単には増えない。

だからこそ必要なのは、「広さ」ではなく「余白」なのかもしれません。

余白とは、何かのために用意された場所ではなく、そのときどきで意味が変わる場所。

予定を詰め込むのではなく、少しだけ余らせておく感覚。外に一部屋を持つという選択は、その余白をつくる行為に近いのかもしれません。

コダマベースのヒノキの香りでリラックス

 

 

暮らしを変えすぎないという選択

引っ越すほどではない。でも、このままでも少し足りない。そんなとき、無理に大きな変化を選ばなくてもいい。

暮らしを壊して作り直すのではなく、少しだけ広げる。

増築でも引っ越しでもない第三の選択は、そのための現実的な方法のひとつといえます。

コダマベース本体: 外装ヒノキ無垢仕様 / 内装ヒノキ材 ¥3,850,000(税込)

 

小さな建築は、暮らしそのものではなく、暮らしを支える“余白”として存在する。

それは決して派手ではないけれど、日々の感覚をじんわりと変えていく。

 

もしかしたら今の時代に求められているのは、ほんの少しの余白なのかもしれないな~。暮らしも時間の使い方とか…。タイパ重視になりすぎて、いろいろ詰め込まれているのは、家も同じなのかも。機能を詰め込みすぎて飽和してる、そんな状態だと、家もかわいそうな気がしてきました。

余白って、大切。

心にも余白。暮らしにもほんの少しの余白がほしい。赤とピンクの絵の具で塗りつぶした余白のないキャンバスを見ながら、そんなことを考えたのでした。

■コダマベース納品事例

カフェ、パン屋さん、美容室から、プチガレージ、おばあちゃんの農作業部屋、子ども部屋など、ユーザーの活用法をチェック!

起業したての三人が挑む銘木一枚板の世界|MUCADEの挑戦とは

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古民家見学会で出会った、勢いのある三人組

先日の古民家「コダマヴィレッジ」の見学会で、とても活気のある3人組に出会いました。

最近は古民家に興味をもつ若者も増えてきているので、「彼らもそんな流れかな?」と思いながら話しかけてみると——

なんと、銘木の一枚板を扱う販売・輸出事業を三人で手がけているとのこと。

左から、中村真也(まさや)さん、井上貢太郎さん、橋爪塁成さん

しかも、立ち上げたばかり。
会社の名前は「MUCADE.inc」。

法人登記からわずか2週間。
勢いのままに走り出した彼らが、なぜこの世界に飛び込んだのか。気になって話を聞かせてもらいました。

海外生活で気づいた、日本の木の価値

井上貢太郎さん

CEOを務めるのは、井上貢太郎さん。

2年間の中東生活を経て帰国したとき、日本の風景や建築の美しさに改めて気づいたといいます。

「中東って砂とか石の建築が多くて、現代建築もコンクリートが中心なんですよね。だからこそ、日本の“木”の良さってすごいなって思ったんです。さらに、一枚板なんてほんとすごいじゃないですか! 樹齢1000年の歴史が家の中にあるってめちゃくちゃ面白くないですか?」

と井上さん。

林業の現場にも飛び込んで知見を広めていくなかで出会ったのが、「銘木」と「一枚板」。そこから一気に、この世界に引き込まれていったそうです。

そんな井上さんが声をかけたのが、福岡県出身の中村さんと青森県出身の橋爪さん。3人は東京の大学での同級生だったそうで

「東京で消耗してる2人に、“一緒にやってみようぜ!”って声かけたんです(笑)」

軽やかだけど、どこか覚悟も感じるスタート。

中村さんはこう話します。

「同年代に一枚板の話をすると、“それって買えるの?”ってなるんですよね。
そもそも知られてない。だからこそ、興味のある人に届けたいし、海外にも広げたい」

初セリでいきなり屋久杉16枚!? その行動力

驚いたのが、彼らの最初の一手。

なんと、初めてのセリで屋久杉を16枚購入

「まとめて買うと安くするよって言われて、よっしゃ!って(笑)」と井上さん。

この勢い、なかなか真似できない…。

「神社のご神木みたいな、ストーリーのあるものを仕入れて販売していきたい」と語る姿からは、単なる物販ではない価値づくりへの意識も感じられました。

16枚の屋久杉!!

 

EC×動画×AI。MUCADEの強みは“掛け算”

 

さらに、MUCADEの面白さはそこにとどまりません。橋爪さんは、EC販売に向けた動画制作なども得意分野。

Web制作やAI開発といったデジタル領域も強みにしているのです。

実際にショールームを見ながら、こんなアイデアも飛び出していました。

「AIアバターが説明してくれるショールームとか、面白そうですよね」

銘木という伝統的な素材と、テクノロジーの掛け合わせ。
この視点が、彼らの大きな武器になりそうです。

MUCADEの名前に込められた意味とは?

https://mucade.com/

ちなみに「MUCADE」という社名、気になりますよね。

これは“百足(ムカデ)”が由来。

一見ちょっと意外ですが、実はかなり縁起のいい存在なんです。

  • 金運・商売繁盛の象徴
  • 「お足(お金)」に通じることから千客万来の意味
  • 前にしか進まない=勝負運の象徴
  • 毘沙門天の使いともいわれる存在

 

見た目の印象とは裏腹に、かなりパワフルな意味が詰まっています。

3人も「これもMUCADEの思し召し!」と笑っていましたが、こういう感覚、なんだかいいですよね。

 

ご縁をつなぐ旅の途中で出会ったrewood

彼らとrewoodの出会いも、偶然の連続でした。

全国の銘木市場を巡るため、井上さんと中村さんが東京から熊本まで車中泊しながら移動。その途中で岐阜に立ち寄り、紹介を受けたのがきっかけだったそうです。rewoodの仕上げ加工を手掛ける工房を見学したり、名古屋市のショールームへ出向いたりと、数々の出会いがあったといいます。

水野さん(左)とMUCADEのみなさん

今回の「コダマヴィレッジ」の見学会も

「法人登記して改めて挨拶に行ったら、水野さんからこの見学会を教えてもらったんです」

と話していました。

行動していると、本当に縁がつながっていく。
そんな流れを体現しているようでした。

無人ショールームで体感する、一枚板の魅力

「コダマヴィレッジ」見学会の流れで、3人と一緒にrewoodのショールーム「warehouse」の見学もしてきました。

(※「warehouse」の様子はこちら

一枚板がずらりと並ぶ光景に見とれながら
「やっぱり木っていいよね」と自然に言葉がこぼれる私たち。

さらに、車で3分ほどの場所にはもう一つのショールーム「Raw」もあって、そちらも一緒に見学させてもらいました。

“素材が語る場所”というコンセプトの通り、厳選された一枚板が静かに存在感を放っていました。

ヒノキチップが敷かれた床、木の香りに包まれた空間。
その中に置かれた屋久杉のテーブルは、圧倒的な存在感でした。

屋久杉の一枚板

銘木の未来を切り拓く、三人のこれから

銘木という伝統的な素材を軸にしながら、
EC、動画、AIといった得意分野を掛け合わせていくMUCADEの3人。

まだ始まったばかりのプロジェクトですが、
その動き方や視点には、すでに独自の面白さがあります。

ムカデのように前へ前へと進みながら、
たくさんのご縁をつないでいく彼ら。

銘木の新しい可能性を切り拓いてくれそうです。

これからの展開、かなり楽しみです。

MUCADE.inc
https://mucade.com/

 MUCADE.inc |僕たちは前澤社長に木を売りたい

 

【岐阜県中津川市】コダマプロジェクト新拠点誕生|築120年古民家の活用がはじまる

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山道をドライブするのは久しぶり。この日は晴天で、夏を迎える前の新緑が太陽に照らされ、まぶしく輝いていました。

そんな日に私が向かったのは、岐阜県中津川市にある築120年以上の古民家。ここで「この場所をどう活用するかを一緒に考える会」が開かれると聞き、足を運びました。

ジブリの世界観を味わえる古民家

「この道で合ってるよね?」と少し不安になりながら山道を進み、くねくねと続く坂を登っていくと——
その先に現れたのは、まるでジブリの世界のような木のトンネル。そこを抜けた瞬間、視界が一気に開け、圧倒的な自然が広がります。

家の前には水をたたえた田んぼ。その上には、ぽっかりと浮かぶ空と雲。思わず「眼福…」とつぶやいてしまうような、贅沢な景色でした。

この古民家は「コダマヴィレッジ(仮)」と名付けられた、築120年以上の日本家屋。およそ10年もの間、空き家の状態が続いていたそうです。

コダマプロジェクトの新しい拠点

今回、この場所を活用するのは「上流の山」と「下流の街」をつなぐことをテーマにしたコダマプロジェクト
人と人、資源とアイデアを結び、新しい価値を生み出す拠点として、この古民家を再生しようという取り組みです。

土間に一歩足を踏み入れると、ひんやりとした空気に包まれます。外とはまるで別世界。
玄関を上がって見上げると、いろりの煤で燻された梁や天井が広がり、年月を重ねた建物ならではの味わいが感じられます。

1階には8畳ほどの部屋が3つ、奥には床の間。玄関を挟んで反対側には、キッチンとお風呂があります。
2階へ上がると、窓の向こうには山あいの景色が一望でき、思わず深呼吸したくなるような開放感があります。

かつて養蚕が行われていた名残もあり、2階の一角には当時の道具がそのまま残されていました。
この土地の歴史が、静かに息づいているのを感じます。

素材×アイデアで古民家を使う

この日は約20人が集まり、会場は終始にぎやかな雰囲気。
それぞれの分野で活動する人たちが、「この古民家をどう活かせるか」に思いを巡らせていました。

今回の会のテーマは、
「古民家を見て、感じて、未来を一緒に“妄想”すること」

たとえばこんなアイデアが挙がっていました。

・ものづくりのショールーム
・展示会スペース
・マルシェやイベント会場
・期間限定のカフェ など

プロデューサーの水野さんは「コダマヴィレッジ」の未来像をこう話します。

「山で生まれる素材と、街で生まれるアイデアを持ち寄って、みんなでつくる“共創フィールド”にしていきたい」

また、敷地には畑もあるそうで、農業や食に関わる取り組みも期待できそうです。

古民家から生まれる新プロジェクトに大きな期待

近年は、自然に囲まれた暮らしやスローライフへの関心が高まり、地方移住や古民家再生に注目が集まっています。
コロナ禍を経て、暮らし方を見直した人も多いのではないでしょうか。

そうした流れの中で、このような自然豊かな集落は、「憧れの場所」としての価値を持ち始めています。

ひっそりと佇む山あいの古民家。
ここからどんな人が集まり、どんなアイデアが生まれていくのか。

空き家だった場所が、新しい価値を生む拠点へ。

これからの変化が、とても楽しみです。
コダマプロジェクトの今後の展開に、引き続き注目していきたいと思います。

■コダマプロジェクト

https://kodama-p.com/

コダマプロジェクトとは?地域材活用の取組みと体験型家具・小屋「コダマベース」|ウッドデザイン賞受賞歴も

【岐阜・中津川】一枚板無人ショールームを徹底レポ/rewoodが目指す循環型インテリアとサステナブル

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rewood無人ショールームに行ってきました!

 

岐阜県中津川市付知町の、とある倉庫。

灯りがついた瞬間、思わず「おぉ!」と声をあげてしまいました。

大胆で個性豊かな表情をした天然木がずらり! 広々とした倉庫には、全国各地から集められた一枚板が、なんと1,800枚以上も並べられています。

ここは、循環型一枚板テーブルの販売を手掛けるrewoodのショールーム「rewood warehouse」。第1倉庫、第2、第3と3つの倉庫には、未仕上げの素材がずらりと並び、自由に撮影や採寸もできます。

無人ショールームの魅力・メリットとは

 

一般的なショールームと違うのは、販売員がいないこと。

そう、基本、無人なんです!(※第2木曜のみ完全予約制でスタッフが常駐)

訪れた人は、自分たちだけでじっくりと見学することができるって、自由でいいですよね。

お店の人の前では、なかなか言えないようなこと(例えば、この材は好きじゃない、とか(笑))も、気にせず口に出すことができるし、予算についても気兼ねなく口にしながら見学ができるので、気楽でいいと考える人も多いのではないでしょうか。

一般の方だけでなく、工務店や設計士、デザイナーなど建築関係の方がお客様を連れて見学に来ることも多いのだとか。スタッフが介入せずその場で施主と相談できるのもいいですよね。

説明をしてほしい人にとっては少し不安があるかもしれませんが、そこは大丈夫。説明が必要な場合は、QRコードを読み取ってLINEでスタッフに質問することも可能。予約をすれば第2木曜のみスタッフがショールームで直接対応してくれます。

 

未仕上げ材を一気に見られる3つのショールーム

「rewood warehouse」には3つの倉庫があります。

まちなかにあるショールームではなかなか実現できなさそうな、大規模なショールームが3つもあるなんて、さすがは木材のまち。林業が盛んな土地柄だからできることなんですね。それぞれ、どんなものが置いてあるのか、ご紹介していきたいと思います。

 

■第1倉庫(warehouse1):希少なカウンター材

主にカウンター材のストック。座卓として使われていたものや、お寿司屋さんやバーのカウンターとして使われていたもの、建材として使用されていたものが並んでいます。森林保護の観点から合法伐採のみが許された「パープルハート」の一枚板、木曽檜の巨木から切り出した一枚板、式年遷宮の柱材、御神木の輪切り一枚板など、希少材も数多く取り揃えられています。

■第2倉庫(warehouse2):輪切り、変形木材

第1倉庫を出てすぐ。屋外にある第2倉庫です。ここは輪切りと変形木材のストックが積み上げられています。

これだけの数が一挙に揃っているのは、なかなかの迫力!厚みや径、樹種もさまざま。東南アジアの建築で300年以上の長い年月を支えてきた、ヴィンテージチークの古材もあります。

■第3倉庫(warehouse3):プレミアム一枚板

現在の木材市場では珍しい、樹齢150年以上の貴重な素材の一枚板「rewood premium/リウッドプレミアム」のストック。熱狂的な収集家も多い花梨のコブ材や、ケヤキ、トチなど個性的な古材が揃います。

世界三大銘木と呼ばれるチークの炭化した古材もありました。

油分も水分も抜けたチークはずっしりと重く、持ち上げようと思いましたがとてもじゃないけど無理。これが時間を経てきたものの重みなんだな~と思ったり…。

今や天然チークの伐採は厳しく制限されています。新しく伐るのではなく、今あるものを再び活かすというrewoodの思想を実感できた瞬間でもありました。

 

rewoodが取組む本気のサーキュラーエコノミー

存在感がある立派な木材たち。見ているだけで惚れ惚れとしてしまいますが、これはゴミとして捨てられるはずだったものをレスキューしたもの。

「大きすぎるから」

「重たいから」

「今の家の雰囲気に合わないから」

そんな理由でゴミとして扱われてしまう貴重な木材をレスキューし、もう一度使えるように加工して新しいユーザーに届ける、それがrewoodなのです。

100年、200年と長い年月をかけて育ってきた木が、数十年使われただけでゴミとして捨てられてしまう。そんな現状にブレーキをかけ、本気のサーキュラーエコノミーに取組む、そんな理念をもってrewoodは運営されています。

職人さんが一枚一枚手作業で、天板のウレタン塗装をはがしていきます。これでデザインも一新!時代にあった一枚板へと生まれ変わります

 

釘の跡や傷、色の濃淡―。倉庫におかれた一枚板にはそれぞれの顔があります。

新しさや機能、デザインだけで評価するのではなく、それがどんな理想や思いから生まれたのか、その背景にあるストーリーまで含めて、ひとつの価値なのだな~と、じわじわと実感します。

 

大自然に育まれた一枚板の魅力

ここで1つ、想像してみたいと思います。

例えば、私たちが新しくできたお店に行ったとして、その空間にどんなものが置いてあったら素敵だと思いますか?

新しいもの、機能的なもの、デザインの凝ったもの、でしょうか。

もちろん好みによる部分はありますが、きっとそれだけではないはず。

鹿児島にできたrewood無人ショールーム

 

長い時間を重ねてきた木材には、それだけで人を惹きつける力があるように思います。人間の力の及ばない大自然の中で育まれてきたたくましさ、それと対照的な柔らかく、なめらかな質感。ダイナミックでありながら、どこか包み込むようなあたたかさもある。まるで自然そのもののような存在です。

rewoodのような時代を経た一枚板には、そんな力が宿っているような気がします。

お店でも家でも、人が集う空間に置かれているだけで、空間の印象はぐっと変わる。それは、きっと多くの人が直感的に感じられるはずです。

 

“価値のあるもの”を自分の手で選ぶ時代へ

「rewood warehouse」は、“売るための場所”ではなく“選ぶための場所”。

自分の目で見て触って選ぶという体験そのものが、未来の自然を守る一助となる―。全国から集められた多種多様な一枚板に囲まれながら、そんなことを考えたのでした。

 

■見学希望の方はこちら

rewood warehouse
付知倉庫 無人ショールーム

rewood公式ラインより事前に申し込み。

お申し込み後に岐阜県中津川市付知町の詳細が送られてきます。

無人ショールームとなりますが、見学当日は担当者がLINEで質問等に対応してくれます。

 

■rewoodホームページ

https://re-wood.jp/

コダマプロジェクトとは?地域材活用の取組みと体験型家具・小屋「コダマベース」|ウッドデザイン賞受賞歴も

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUTDIYインテリアの疑問・相談リビング空間に合う暮らしの提案天然素材 木のテーブル憧れのライフスタイル

コダマプロジェクトとは?「山と街をつなぐ地域材活用の取り組み」

コダマプロジェクトとは、地域の山で育った木(地域材)を活かしながら、山と街、人と人をつなぐ取組みです。

特徴的なのは、家具や建築といった“モノづくり”を軸にしながらも、単なる製品開発にとどまらない点にあります。

木材がどこで育ち、誰が関わり、どのように手元に届くのか——

その一連の流れを、使い手にまでオープンにしていること。

いわば、“素材の背景まで含めて届けるプロジェクト”です。

日本は森林が豊かな国。けれど今、街で使われている木の多くは、遠く海外からやってきたものです。
山には使われないままの木が残り、林業もかつての勢いを失いつつあります。

そんな流れを見直し、山と街のつながりを取り戻そうとしているのが、コダマプロジェクトです。

□コダマプロジェクトHP

ウッドデザイン賞受賞|評価された“連携・協働の仕組み”

この取り組みは、社会的にも評価されています。

コダマプロジェクトは、ウッドデザイン賞 ソーシャルデザイン部門(コミュニケーション分野)において、「パートナーシップ/連携・協働のシステム・仕組み」として受賞。

評価されたのは、木製品のデザイン性ではなく、山側(林業・製材)と街側(販売・生活者)をつなぐ仕組みそのもの。

プロジェクトには、

  • 林業従事者
  • 製材・木工
  • 家具販売
  • デザイナー
  • 使い手

といった多様な立場の人が関わっています。

それぞれが分断されがちな木材流通の中で、顔の見える関係を築いている点が評価につながっています。

□ウッドデザイン賞 ソーシャルデザイン部門

体験型家具「コダマデスク」とは? 特徴と仕組み

自然由来の植物系オイル仕上げで子どもにも安心して使えるコダマデスク(森林体験合宿付)¥220,000

山での体験合宿がセットになった学習机

コダマプロジェクトを象徴するプロダクトが、体験型の学習机「コダマデスク」です。

この机の特徴は、購入するとまず山へ行くこと

親子で一泊二日の合宿に参加し、

  • 木の伐採現場の見学
  • 丸太切り体験
  • 山の自然に触れる時間
  • 自分の机に取り付けるパーツの制作

といったプロセスを経て、後日机が自宅に届きます。

単なる家具購入ではなく、
「木が机になるまで」を体験する設計になっています。

 

天然素材のデスクは長く使えるのが魅力。コダマデスクは3パーツに分解できるから大人になっても使える

コスト公開による透明性

もうひとつの特徴が、価格の透明性です。

コダマデスクでは、

  • 伐採・製材費
  • 加工費
  • 組立費

など、各工程のコストが公開されています。

一般的には見えにくい部分まで開示することで、価格ではなく納得感で選ぶという価値観を提示しています。

作り手と使い手をつなぐ仕組み

この取り組みによって変わるのは、使い手だけではありません。

これまで林業に携わる人たちは、自分たちの木材が誰に使われているかを知る機会がほとんどありませんでした。

しかしコダマプロジェクトでは、実際に使う家族と出会うことができる。

その結果、作り手の側にも仕事への実感や意識の変化が生まれているといいます。

 

小屋「コダマベース」とは? 価格・用途・魅力

コダマベースの特徴(地域材・施工方法)

コダマプロジェクトの次の展開として生まれたのが、木造のコンパクトな小屋「コダマベース」です。

岐阜県産のスギやヒノキといった地域材を使用し、山の近くで組み立てたものを街へ運び、設置する仕組み。

このプロセス自体も、山と街をつなぐ構造の延長にあります。

□動かせる小屋「コダマベース」

使い方(書斎・趣味部屋・ワークスペース)

コダマベースは、コンパクトで自由度の高い空間です。

販売開始から6年。認知度があがり年間販売台数も増えている注目の小屋。

どんな目的で購入されるのかといえば

  • 在宅ワーク用の書斎
  • アトリエ
  • 趣味に没頭する部屋
  • 家とは少し距離を置ける場所

といった用途が多いとか。

「部屋を増やす」というよりも、
暮らしにもうひとつの選択肢を加える存在といえそうです。

□動かせる小屋「コダマベース」納品事例

なぜ小屋という形なのか

住宅のような大規模建築ではなく、あえて“小屋”という形が選ばれるのか―。

理由のひとつは、現実的なハードルの低さにあります。

  • 設置の自由度
  • コストのコントロール
  • 導入のしやすさ

こうした点から、
地域材の活用をより身近なものにするアプローチとして、小屋という形が採用されています。

なぜ地域材が注目されているのか|林業と木材利用の現状

日本は国土の約7割を森林が占めていますが、現在流通している木材の多くは輸入材です。

その背景には、

  • 海外材の価格競争力
  • 林業の担い手不足
  • 木材流通の分断

といった課題があります。

また、戦後に植林されたスギなどが成長期を迎え、伐採されないまま放置されている木が増えていることも問題視されています。

地域材を活用することは、

  • 森林の健全な循環
  • 地域経済の活性化
  • 環境負荷の低減

といった複数の側面に関わるテーマでもあります。

コダマプロジェクトが提案する新しい価値観

コダマプロジェクトが提示しているのは、単なる木製品の魅力ではありません。

  • どこから来た素材か
  • 誰が関わっているのか
  • 自分がどう関わるのか

そうした背景まで含めて選ぶという、
新しい価値基準です。

インターネットで何でも手に入る時代だからこそ、
こうした“見える関係性”に価値を感じる人は増えています。


地域材と暮らしをつなぐ新しい仕組み

コダマプロジェクトは、地域材を活かしながら、山と街をつなぐ取り組みです。

ウッドデザイン賞の受賞が示すように、その本質はモノではなく仕組みのデザインにあります。

体験型家具「コダマデスク」、
動かせる小屋「コダマベース」。

それぞれは単体のプロダクトでありながら、暮らしと地域をつなぐ接点として機能しています。

地域材や木の暮らしに関心がある方は、こうした取組みから見てみるのもひとつの方法かもしれません。

□コダマプロジェクトHP

森と林の違いから考える|再生木材の家具と木と暮らすという選択

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森さん、林さん。

どちらも木を使った苗字です。

森は木が3つ、林は2つ。

ここで森や林がつく言葉を思い浮かべてみました。(みなさんも、パッと思いつく単語をあげてみてください)

「森」

鎮守の森

森林

森羅万象

 

「林」

竹林

雑木林

防風林

人工林

母樹林

針葉樹林

広葉樹林

 

こうしてみると、「森」がつく言葉って意外と思いつかないものですね。

 

森と林、違いは「木」の本数じゃなかった!

ところで、漢字は象形文字から作られたという話は皆さんご存知かと思います。ということは、林は木が2本隣同士に並び、森は木が3本、森のほうが茂っているようなイメージがありますよね。

 

でも実際に辞書を引いてみると、私が考えていたものとは逆でした。

 

森:「樹木が成り立つ所」

林:「樹木の群がり生えた所」

 

とあります。意味からみると、林のほうが木が多そうです。確かに、「熱帯雨林」「密林」など、木が密集しているものに「林」の文字が使われています。逆に、神社などにある「鎮守の森」は、そこまで木が生い茂っている様子はないけれど「森」と呼ばれていますよね。

 

調べてみたところ、「森」「林」の意味は、使われている木の本数で規模や面積などをはかれるものではないということがわかりました。

 

「森」は「盛り」、「林」は「生やし」。

「森」と「林」の違いを端的に教えてくれるサイトはないものかと探していたら、ジャパンナレッジの記事を見つけました。元小学館辞典編集部編集長の神永 曉さんが書かれた記事ですが、そのなかに、書かれていた一文にハッとしました。

 

まさか子どもに、「森」の方が「林」よりも、「木」の数が1つ多いので、「森」の方が木がうっそうと茂っていたり、樹木が生えている面積が大きかったりする、などと答えている人はいないと思うが。

 

恥ずかしながら私です。大人になるまでちゃんと考えたことがなかった…。

語源をたどると

「森」は「盛り」、

「林」は「生やし」。

盛り上がっているのが「森」で、樹木が集まってはえている状態が「林」なのだそう。

かろうじて私の頭に浮かんだ「鎮守の森」も、地域の神様をまつった神社を取り囲む木立のこと。小高く盛り上がっているように見えることから「盛り」=「森」なんですね。

「林」は「生やし」―。

生やすのは人だから。そう考えると人の手が入っているのが林と考えるのもあながち間違いではないのかも? と調べてみたところ、日本の林業ではその解釈で区別することもあるようです。

人の手によって「生やし」→「映やす」→「栄やす」。例外もあるでしょうが、健全に育つように管理、保護しているものが「林」という解釈のようです。

 

森林は❝緑のダム❞

「森」「林」の違いがわかったところで、そんな2つが合体した「森林」についても。

樹木が密生している場所である森林は、“緑のダム”とも呼ばれています。みなさんもご存知の通り、水を貯えたり放出したりする調節機能があるんです。森があることで土壌が安定し、雨が多いときには水を吸収し、川への流出を緩やかにしてくれます。土の中に貯えた水を調節しながら放出することで川の増水などを防ぐ役割もあります。

ただ、最近は林業の人手不足が深刻さを増し、森林の手入が行く届かないという現状がいたるところでおこっています。手入れが行き届かなくなった人工林は、土が流れ出やすい状態になることも。

本来、人工林は木を育てる過程で間伐を行い、光や風が通る環境をつくっていきます。そうすることで、地面には下草が育ち、土がしっかりと保たれます。けれども、管理が難しくなった森では木が密集し、光が届かず、地面を覆う草も育ちにくくなります。その結果、雨のたびに土が流れやすくなってしまうのです。

日本だけでなく、熱帯雨林のジャングルでも同じような状況が生まれています。木材として利用するために樹齢100年を超える木が容赦なく切り倒されています。時間をかけて育った木が、あっけなく消費されてあっけなく使い捨てになる感じは、なんだか腑に落ちないですよね。

森林の循環の中にある暮らし

とはいえ、木を伐ることが悪いというわけではありません。日本は人工林が多いので、むしろ間伐が必要です。大事なのは無駄な伐採をしないということ。

「再生」「リサイクル」は今や当たり前の時代。ノートやコピー用紙、段ボールやガラス、日常のいろんなものが再生されています。木も同じ。たとえば、古い家の梁や床材を使った家具。学校や工場で使われていた木材を再加工したテーブル。ワイン樽を解体してつくった棚やスツールなど、再利用は進んでいます。

座卓を再生したダイニングテーブル(rewood

使われなくなった座卓をリメイクしたテーブルも、注目を集めています。今では手に入りにくい希少な木材を使った、重厚な一枚板。デザインが古いという理由だけで手放されていたものを、現代の暮らしに合うかたちへと整えています。

日本に眠る一枚板を買い取り、再び活かすことは、不要な伐採を減らし、持続可能な森づくりにもつながるのです。

再生材は仕事用のデスクや洗面台などにも利用でき、個性的な趣を演出してくれます(rewood

人の暮らしは、森と林の循環の中にあります。
「森」と「林」の違いを考えていくうちに、人と自然は生かし生かされる関係にあるのだな~と感じました。

レスキューされた一枚板が展示保管されている無人ショールームREWOOD WAREHOUSE(岐阜県中津川市)。好きな時に見学ができます。見学予約はHPをご覧ください。https://re-wood.jp/rewood-warehouse/

 

【参考】

ジャパンナレッジ

「森」と「林」の違いって何?

https://japanknowledge.com/articles/blognihongo/entry.html?entryid=495

 

森林・林業学習館

「森」と「林」の違い

https://www.shinrin-ringyou.com/topics/mori-hayashi.php

 

 

長い時間を生きた木と向き合う。国松希根太《WORMHOLE》という作品

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奇妙な斑点・ワームホール

イメージ

だいぶ昔、楽器店で少し不思議な見た目のギターを見かけたことがあります。ボディにはポツポツと黒い斑点のようなものがあり、ところどころに、うねるようなひび割れも入っていました。よく見ると、その斑点はただの模様ではなく、小さな穴。

調べてみると、それは「ワームホール」と呼ばれるものだと知りました。つまり、虫食いです。

こうした虫食いの木材は、一般的には楽器にはほとんど使われません。そのため流通することも少なく、ちょっと珍しい存在。そんなこともあって、ずっと記憶に残っていました。

 

樹齢300年超のミズナラを使った「WORMHOLE」

《WORMHOLE》2025年 約390×120×100cm 木(ミズナラ) 2025年日本国際博覧会 展示風景 展示場所:コネクティングゾーン ポップアップステージ北 空の広場 撮影:忽那光一郎(画像提供:十和田市現代美術館)

 

ところで、なぜ急にそんな昔の記憶を思い出したのかというと、「WORMHOLE」というアート作品を知ったからです。
樹齢およそ300年のミズナラなどの巨木を用いた作品で、大きな木そのものをアートへと昇華させています。形や大きさは作品ごとに異なりますが、多くは高さ2メートルほどのスケールで、圧倒的な存在感を放っています。2025年に大阪で開催された国際博覧会では、4メートル弱の作品も展示され、話題となりました。

作者は、彫刻家の国松希根太(くにまつ・きねた)さん。北海道生まれで、2002年から北海道白老町を拠点に制作活動を続けています。

国松希根太 撮影:笹島康仁

【国松希根太 プロフィール】1977年北海道生まれ。多摩美術大学美術学部彫刻科を卒業後、2002年より飛生アートコミュニティー(北海道、白老町)を拠点に制作活動を行なう。また Ayoro Laboratory (2015-)の活動を立石信一(現:国立アイヌ民族博物館学芸員)と展開、飛生アートコミュニティーで結成されたアーティスト・コレクティブ THE SNOWFLAKES (2020-)の一員としても活動を続ける。※十和田市現代美術館HPより抜粋(画像提供:十和田市現代美術館)

 

国松さんの作品「WORMHOLE」。
タイトルの「ワームホール」は、宇宙に存在する時空をつなぐといわれるトンネルのこと。同時に、木にあいた虫食い穴のイメージも重ねられていて、作品には「時空を超えてワープする入り口(穴)」「虫食い穴」という、二つの“穴”が表現されています。

 

この作品に惹かれた理由は、ひとことで言うと「木のオーラ」。

木というのは、自然の中に立っているときがいちばん美しい——そう思っていたのですが、この作品を見たとき、むしろ自然の中にあるとき以上の存在感をまとっているように感じたのです。

 

木肌にまとうオーラと人間味

《WORMHOLE》 2024年 札幌国際芸術祭2024 展示風景 撮影:藤倉翼(画像提供:十和田市現代美術館)

 

どこか、人が立っているようにも見える「WORMHOLE」。このシリーズは木の表面をバーナーで焼き、黒く焦がした部分がつくられています。角度によっては、その黒い部分がぽっかりと開いた穴のようにも見えて、少し不穏な気配も漂います。

国松さんは、動画の中である体験について語っていました。

“近づいてはいけない洞窟”を訪れたときのことです。

自然に岩が崩れてできた洞窟で、アイヌの人たちはそこを「あの世への入り口」と呼んでいるのだそうです。

 

洞窟の中は、真っ暗。

 

「真っ暗闇って、ちょっと怖い。自然は美しいだけじゃなくて、そういうちょっと怖いっていう意識も必要だなと感じていた時期があった。でも真っ暗闇の中って、何かを想像したり自分のことを感じたりする場所でもある」

そんな言葉が、印象に残りました。

 

十和田での制作風景 2025年10月4日   撮影:小山田邦哉

 

美しい木目があらわれている面と、黒く焦がされた面。ゴツゴツとした無骨な表情と、つるりと整えられた滑らかな面。

その対比を見ていると、どこか人間の精神のあり方にも重なって見えてきます。表面では笑っていても、内面では怒っていたり。逆に、いかつい表情の奥に、とても繊細な感情を抱えていたり。

やわらかく自然な木肌と、焦げた黒のコントラスト。そのバランスが、見る人の想像力をぐっと引き出してくれるように感じました。こうした木の個性は、国松さんの手によって引き出されているのかもしれません。

 

 

ここまで、まるで実際に見てきたかのように書いてしまいましたが、実はまだ画像で見ただけ。きっと実物は、もっと迫力があり、圧倒される存在なのだろうと想像しています。

現在、青森県の十和田市現代美術館にて国松さんの展覧会が開催されています。遠くの方も近くの方も、実際の作品をぜひ目にしてもらいたいと思います。(展覧会の詳細は文末に)

 

時空を超えて「命に向きあう」感覚

イメージ

 

国松さんは、樹齢の長い大木を素材に作品を制作するなかで、「命に向き合っているような感覚がある」と話します。「WORMHOLE」という作品名に込められた「時空を超えてワープする入り口(穴)」という意味も、そうした感覚とどこか重なっているように感じられます。長い年月を生きてきた木と、今ここにいる自分自身。時空を越えて向き合う時間のなかで、新たに見えてくるものがあるのかもしれません。

 

国松さんの作品を見ながら、木という素材について改めて考えました。

虫が通った跡や、長い年月のなかで刻まれた傷や割れ。かつては“欠点”とされていたようなものも、見方を変えれば、その木が生きてきた時間の証でもあります。家具の世界でいうと、そうした跡を欠点として消すのではなく、木が過ごしてきた時間の一部として受け止め、家具に生かすという考え方が、最近になってまた注目されているようにも感じられます。

rewood/Instagram

 

長い年月を重ねた木を前にすると、ただの素材というより、どこか“生きてきたもの”と向き合っているような感覚になることがあります。国松さんが語っていた「命に向き合っている」という言葉も、少しわかる気がしました。

rewood/Instagram

 

 rewoodプレミアム/樹齢150年以上の貴重な材を再生したテーブル

 


 ■国松希根太 連鎖する息吹

《ICE CAVE》2024年 40.5×36.5×30cm 木(センノキ)に胡粉 撮影:瀧原界

 

会期:2025年12月13日(土) – 2026年5月10日(日)

場所:十和田市現代美術館(青森県十和田市西二番町10-9)

時間:9:00 – 17:00(入場は閉館の30分前まで)

休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)

料金:一般1800円(常設展含む)、高校生以下無料

 

【画像提供】十和田市現代美術館

アイキャッチ画像: 《WORMHOLE》2024

札幌国際芸術祭2024 展示風景

撮影:藤倉翼

 

水没にも耐える。タイの暮らしを支える“最強の木”チーク

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タイの旅で出会った最強の木材・チーク

サワディーカー!

タイの旅を終えて、すっかりかぶれております。

タイといえば、あちこちで木のスプーンや器が売られていますよね。木は地元の人たちにとって非常に身近な存在。なかでも世界三大銘木とされるチークは、タイでもっともよく見かける木材といってもいいかもしれません。

ウォールナット、マホガニーと並び、世界三大銘木と称されるチークは、東南アジアを主な産地とし、タイはその中心的な生産国です。チークは天然の油分を多く含み、腐食に強い木材。そのため古くから家具や船舶、床材などに使われてきました。耐久性・耐水性が高く、雨季のある熱帯地域では“最強の木材”として重宝されてきた背景があります。

 

水没に耐える木の歩道。川とともに育まれる水辺の暮らし

チャオプラヤー川やメコン川をはじめ、タイは大小さまざまな川に囲まれた国です。水上マーケットが各地にあるのも、そんな水辺の暮らしが根づいているからでしょう。

今回の旅では、水上マーケットで知られるアンパワーを訪れました。川沿いでは今も、地元の人たちが昔ながらの水上生活を続けています。

アンパワー運河の両岸には、おみやげ物屋やタイ料理店、スイーツのお店がびっしりと並び、活気あるマーケットが広がります。……が、私が行った日は、ほぼクローズ! 水上マーケットの開催は週末・祝日限定だったのです…。いつでも開いていると思い込んでいたので、これは完全にリサーチ不足でした(泣)。

▲本当はこんな感じを想像していた。マーケットはスケジュール確認が必須ということを学びました(当たり前すぎる…)

とはいえ、人の少ないアンパワーも悪くありませんでした。人混みの中では見逃してしまいがちな足元や橋げた、建物のつくりを、落ち着いて眺めることができたのは貴重な経験だったなと思います。

店舗の前の歩道や、川へ降りるための木のはしご。がっちりとした商店の扉は、チーク材が使われているように見えます。水のそばで暮らす人たちにとって、チークが欠かせない木材であることが、風景から自然と伝わってきます。

 

▲両岸に並ぶお店。扉が閉まった状態を見られたのもマーケットがクローズだったおかげ…!?

もっとも、樹種がはっきり分かるわけではありません。
ただ、これだけ人に踏まれ湿気にさらされている様子を見ると、使われている木がかなりタフな性格であることは伝わってきます。あれもチークかな?これもかな~と想像しながら歩くのも楽しいものです。

アンパワーで一泊し、翌朝目を覚ますと、前日に歩いていた歩道がすっかり水没していました。どうやら潮の満ち引きによるもののようで、商店の人たちは特に驚く様子もありません。毎日のように水に浸かり、また乾き、そこを観光客が行き交う。その過酷さを静かに受け止めているのが、この木の強さなのだと実感しました。

▲翌朝の水没した歩道。川沿いのベンチもこうやって、濡れては乾きを繰りかえしているんだなぁ

千年を超えて古代寺院を支える

現存する国内最古の木造建築とされる「ワット・プラタート・ランパーン・ルアン」にもチーク材が使われています。1000年ものあいだ美しさを保つ古代寺院で、高さ45mの仏塔のほか、15世紀半ばに建てられた三層屋根の本堂にもチーク材が用いられています。柱や、壁画が描かれた壁にもチークが使われており、時を重ねた美しさが感じられます。

この寺院があるランパーンという街は、タイでも有数のチーク材の産地だったそうです。場所は北部チェンマイ近郊。今回は訪れることができませんでしたが、次の旅ではぜひ足を運びたい場所です。

旅の中盤で訪れたアユタヤ駅の待合に置かれた重厚な木製ベンチも、おそらくはチーク材。タイ国鉄の駅舎や家具には、耐久性と格式を兼ね備えたチークが古くから用いられてきたそうです。こうした日常の中にこそ、タイと木の深い関係が残っているんですね。

▲アユタヤ駅のホームにあったベンチ。使い込まれた深い色とがっちりした感じが、“いかにもタイ”という感じがします

ちょうどいい力の抜け具合がタイの魅力

タイでは至るところで木造建築や木製家具を目にしました。日本も同じく木の文化をもつ国。親近感がわきますが、同時に日本にはないタイ独特の魅力も感じました。それは、ちょうどいい力の抜け具合。おおらかさといってもいいのかもしれません。おおらかゆえに扱いも大胆で、チークのような強い木でなければ成り立たない、という場面もあるのかもしれませんね。

▲自然の形をうまく生かした運河沿いのベンチ

家具や内装材としても人気のチークは、成長が比較的ゆるやかなため木目が詰まり、傷がつきにくいのも特長です。経年変化で飴色へと変わり、重厚感が増していきます。オリエンタルな雰囲気が好きな人にはぴったりで、近年は高級住宅のフローリングや壁材として使われることも多いそうです。モダンなインテリアのアクセントとしても、しっくりはまりそうですね。

旅先で出会った暮らしの中の「木」。チーク材のタフさは、川とともに暮らすタイの人たちのおおらかさにもリンクしているような気がするのでした。

▲タラートノイのカフェにて

CONNECTではさまざまな樹種の家具を取り揃えています。ショールームまたはwebショップでぜひご覧ください。

CONNECTショールーム

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