街路樹が楽器に―カリフォルニア発「都市の木」を活かす仕組み

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台風シーズンまっただなか。気象庁によると8月に発生した台風は10個。9月も引き続き台風が多い月になるので、気になるところですね。

ところで、こうした台風などによって倒れた街路樹を「楽器」として生まれ変わらせる取り組みがアメリカ・カリフォルニア州で広がっているのを知っていますか? 今回は、そんな取組みの背景にスポットを当ててみようと思います。

街路樹はなぜ「捨てられる」のか

街路樹は台風被害や病気、根の張りすぎによる歩道の破損などを理由に、日常的に伐採されています。

行政や樹木管理業者にとって、伐採後の木材処分はコストと手間のかかる課題です。焼却や埋め立てにまわされる木材も少なくありません。

伐採した木を使う「Street Tree Revival」

写真提供:Street Tree Revival(West Coast Arborists, Inc.)

この課題に向き合ったのが、カリフォルニア州の樹木管理会社 West Coast Arborists(WCA)です。同社はカリフォルニア州森林局(CAL FIRE)と協力し、「Street Tree Revival」という都市木材リサイクルプログラムを立ち上げました。

仕組みはシンプルです。

  • 各都市から「この木を伐採予定」という情報が入る
  • 使えそうな樹種・サイズであれば、廃棄せず丸太のまま集積場へ運ぶ
  • 家具メーカーや木工職人、楽器メーカーに製材前の丸太として販売する
  • 使えない部分はチップ・マルチ材として再利用する

 

伐採された街路樹。写真提供:Street Tree Revival(West Coast Arborists, Inc.)

WCAは木を伐るだけでなく、毎年1万8千〜2万本もの木を新たに植えて、新しいサイクルを生み出すことも設計しています。

TaylorやFenderが注目した理由

さて、ギターの話。

サウンドの良い木、というと従来はスプルースやマホガニー、ローズウッドなどの木材が定番でした。しかし牧畜・農業目的の森林破壊によって、これらの木材の入手は年々難しくなっています。

 

Taylor Guitar Builders Edition 324CE-2/写真提供:Street Tree Revival(West Coast Arborists, Inc.)

こうした状況の中、Taylor GuitarsやFenderといった大手ギターメーカーが街路樹に活路を見出しました。Taylorは街路樹の中から「シャメルアッシュ」など楽器に適した樹種を見つけ出し、「Urban Ash」シリーズとして製品化。Fenderも2023年にStreet Tree Revivalと組んだ一点物コレクションを発表するなど、街の木を楽器材として扱う動きが業界内でも広がりつつあります。

静かに広がる日本での取組み

カリフォルニアほど華やかな完成品の物語はまだ少ないものの、日本国内でも街路樹の伐採材を活かす取り組みは静かに広がっています。

  • 町田市:道路管理で伐採した街路樹の幹をストックし、木質バイオマス燃料や家具・雑貨に加工。「廃棄」ではなく「利用」する方針を掲げ、街路樹を使った木育活動にも力を入れています。2023年度には伐採したケヤキで積み木を1000ピース製作し、市内の保育園へ配布しました。
町田市、市内での街路樹伐採の様子(出典:「まちだの木」活用プロジェクトHPより)
  • 静岡市:市内の木材加工会社きんぱらと協力し、枯れたり腐ったりして伐採されたプラタナスや桜など約160本の利活用を目指す社会実験を実施。チップ処分だと1トンあたり約1万円かかる処分費用の削減も狙いです。

 

  • 東京都「とうきょうの木のすゝめ」:街の木は生育条件が悪く伐られやすい一方、奥山の天然林でも珍しいような大木が眠っていることがあり、都市は”隠れた木材資源”だという視点で街路樹由来の木工品を紹介しています。

 

現時点では、まだバイオマス燃料や積み木、家具素材に再利用という段階ですが、用途の幅はこれから広がっていきそうです。

「古い木」だからこその強さ

再生木材が選ばれる理由は、見た目の味わいだけではありません。

長年風雨や環境の変化にさらされてきた木材は、伐りたての新材に比べてすでに水分や内部応力が落ち着いており、反りや収縮、湿気による伸縮といった動きが起きにくくなっています。

写真提供:Street Tree Revival(West Coast Arborists, Inc.)

木目が締まり、質感も増していくため、寸法の安定性が求められる建築部材や床材などの用途とも相性が良いとされています。

WCAによると、街路樹由来の木材が家具や楽器に使うメリットはこの「時間を経た木の落ち着き」だ、ということです。

再生でリンクする「rewood」

この考え方は、これまで何度か紹介してきた再生家具「rewood(リウッド)」の取り組みとも重なります。rewoodは、家庭で使われなくなった一枚板の座敷机などを全国から買い取り、乾燥・再仕上げを施して新たな一枚板テーブルなどに再生するブランド。必要以上の森林伐採を減らし、資源を循環させる取り組みとして2022年度グッドデザイン賞を受賞しています。

何十年も家庭で使われ、時を重ねてきた一枚板だからこそ出せる風合いと安定感は、街路樹を再生するカリフォルニアの事例とも通じる「木を活かしきる」姿勢と言えるでしょう。

 

時代を経た美しさを愛でる贅沢。rewoodプレミア

rewood https://re-wood.jp/

【関連記事】

【岐阜・中津川】一枚板無人ショールームを徹底レポ/rewoodが目指す循環型インテリアとサステナブル

 

再生材は新しいストーリーを生み出す

この事例から見えてくるのは、「木を無駄にしない」という発想が、コスト削減や環境配慮にとどまらず、新しい表現やストーリーを生み出す力になるということです。

  • 樹種にこだわらず、木そのものの個性(木目・香り・出自)を活かす発想
  • 「捨てられるはずだった木」というストーリーが付加価値になる
  • 地域の木材(国産材・地域材)にも同じ可能性がある
街路樹再生のための丸太。写真提供:Street Tree Revival(West Coast Arborists, Inc.)

探っていくとキトヒトにも重なるところがあるテーマ。国産の街路樹・剪定材を使った家具や小物づくりの事例を、引き続き調べてみたいなと思います。

<参考>

 

 

スタッキングチェアとは。国産檜の椅子「コダマチェア ZEN」に込められた、山と職人の物語

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重ねられる椅子、と聞いて思い浮かべるもの

重ねられる椅子=スタッキングチェアと聞くと学校や会議、セミナーやイベントなど、大勢が一度に集まるときに並べられるいわゆる、いわゆるパイプ椅子のようなものを想像してしまうのですが、みなさんはいかがですか?

調べてみると、最近のスタッキングチェアって、すごくおしゃれなものが増えていることに驚きました。そもそもたくさんの椅子が必要になる場面がなかったので、これまで気にしたことがなかっただけなのですが……。スチールやアルミ、樹脂フレームのものから、木製まで。調べてみると、スタッキングチェアの世界は思っていたより広くて深い!

コダマプロジェクトが手がけるコダマチェア「ZEN」も、そんなスタッキングチェアのひとつ。使わないときは重ねておけて省スペース。しかも全部、檜の無垢材でつくられているんです。実は木の椅子でスタッキング、という組み合わせは珍しく、その背景にはコダマプロジェクトらしい開発の道のりがありました。

コダマスタッキングチェア「ZEN] 

そもそもスタッキングチェアとは

スタッキングチェアとは、重ねて収納できる椅子のこと。省スペース性が求められるオフィスや店舗、公共施設などで使われることが多く、軽さと強度を両立させる必要から、スチールやアルミ、樹脂といった素材でつくられるのが一般的です。

木、それも無垢の針葉樹でスタッキングチェアをつくる例は、実はあまり多くありません。針葉樹は広葉樹に比べて密度が低く、椅子としての強度を出しにくいとされてきたからです。「ZEN」は、その難しさにあえて挑んでつくられた椅子です。

東農檜(国産針葉樹)を使用した「ZEN」。重ねた佇まいもすっきりとして美しい

なぜ、檜でスタッキングチェアをつくったのか

「ZEN」の素材は、東白川村産の檜です。プロジェクトの拠点である東白川村は、日本の森林の50%以上を占める針葉樹の産地のひとつ。「上流の山と下流の街の人と人をつなぐ」というコダマプロジェクトのコンセプトを鑑みると、椅子の素材として東白川産の針葉樹を避けて通ることはできませんでした。

あえて檜を選ぶ。それは、産地にある木をそのまま活かすという、プロジェクトの姿勢そのものです。

【関連記事】

コダマプロジェクトとは?地域材活用の取組みと体験型家具・小屋「コダマベース」|ウッドデザイン賞受賞歴も

7000回の強度試験、そして一度壊れた背もたれ

デザインを手がけたのは村澤さん(ムラサワデザイン)、製作を担ったのは内木さん(然)という、コダマプロジェクトの家具部門を担うおふたり。

木材を太くすれば強度は出せますが、それでは見た目の軽やかさが損なわれます。檜本来の木目の美しさを活かしながら、必要な強度を確保する。デザインと強度、どちらも譲らないための答えを出すのに何度も試作を重ねたといいます。

実は、椅子というものは家具の中でも厳しい基準があるそうで、商品として完成させるまでには大変な苦労があるのだといいます。

人が安全に身体を預けられるかどうか、厳しい基準が設けられています。家庭用・オフィス用・学校用・公共施設用と、用途ごとに満たすべき強度基準があり、公共機関に置かれることを想定場合とかなりの強度、耐久性が求められるのは想像に難くないですよね。

日常使用を想定した静的試験、急な力を加えた際の衝撃試験、長期使用を想定した耐久性試験。この3つをクリアして、はじめて人の手元に届けられる状態になります。

座面に60kgの重りを載せ、背もたれに機械で負荷をかけるという椅子の強度試験。
「ZEN」の試作ではこの試験の段階で接合部分が剥がれてしまい、あえなく断念という結果に終わったことも。

コダマチェアの強度試験の様子

強度だけを優先するならば、椅子の足をがっちりと太くし、座面も分厚くすればクリアはできるでしょう。でも、それではデザインが損なわれ、さらに日常的に使うには重たすぎるという問題も出てきます。見た目を損なわず、軽くて丈夫、という理想を実現させるために、デザインを一から考え直すとことから再出発することにした村澤さんと内木さん。

椅子をすべてバラして接合部の加工を見直し、ダボとネジで補強。座面の間口を広めに、奥行きを浅く取ることで、直線的で北欧スタイルを思わせる脚のラインにリデザインする―。そうした地道なやり直しを重ね、最終的に超難関の約7000回の強度試験をクリアしました。

きれいに仕上がった椅子の裏側に、こんな開発秘話があるとは…。なんだか1脚の椅子の誕生にも重みが出てきますね。

「ZEN(然)」という名前

「ZEN」という名前について、由来はふたつあります。

ひとつは製作を担った工房の名前「然(ぜん)」から。もうひとつは、椅子のフレームがアルファベットの「Z」を描いていることから。工房の名と、椅子の構造。ふたつの「Z」が重なって、この名前になりました。

コダマスタッキングチェア「ZEN」¥49,500(税込)

「然」という字は、「自然」「天然」「当然」というように、ものごとが本来あるべき姿でそこにある、という意味を持つ字です。飾りたてず、無理に手を加えず、あるがままの状態を良しとする。この一字を名前に選んだ背景には、木という素材への向き合い方そのものが表れているように思います。

そしてローマ字で「ZEN」と書くと、日本語を知らない人にも「禅」を連想させます。静けさ、簡素さ、削ぎ落とされた美しさ。宗教的な意味合いを離れても、「ZEN」という響きにはそうしたイメージが自然と重なります。

優しい手触りは針葉樹ならでは

装飾を足すのではなく、引いていくことで完成に近づける。そう考えると、「然」も「ZEN」も、この椅子がどうつくられたかという事実と、驚くほど重なって見えてきます。名前を後から当てはめたというより、椅子そのものが持っていた性質に、ちょうど合う言葉が見つかった。そんなふうに感じます。

会議室の椅子は、なぜ座り心地を後回しにされるのか

さて、ちょっと話は変わりますが、学校の椅子、会議室の椅子って、長時間座ることが前提の場所なのに、座り心地について語られることはあまりありませんよね。
集中していれば椅子のことなど気にならない、というのも一理あるのですが、実際には長時間の窮屈な姿勢が、集中力や発想力にじわじわ影響しているのではないかと思うことがあります。

もし、あの場所にある椅子が、パイプ椅子ではなく、「ZEN」のような檜のスタッキングチェアだったら―。軽い、重ねられる、耐久性がある、という実用性はそのままに、座る人の体験はずいぶん変わるのではないでしょうか。

檜には、抗菌・防虫効果があるとされています。また、あの独特の香りにはリラックス効果があるとも言われ、脳や自律神経をリラックスさせる効果があるという研究結果も発表されています。森林浴に近い感覚を得られるという話も以前このブログでも紹介したとおり。長時間の会議などふと息が詰まりそうなときでも、ふと檜の香りがしてくると、思考をほぐしてくれそうな気がしますよね。

椅子ひとつで、空間は変わります。堅い議題を話し合う会議室に、木の質感とほのかな香りがあるだけで、意外といいアイデアが生まれやすくなるかも。ちょっと気が重いミーティング、「ZEN」みたいな檜の椅子が置いてあったらいいのにな~と妄想してしまいました。

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AI時代に“手触り”が求められる理由|デジタルAI疲れを癒す木の力とは

【参照】コダマスタッキングチェア「ZEN」

コダマスタッキングチェア ZEN・ゼン 「積み重ねるのは、椅子だけじゃない。地域とのつながりも。」

森林浴の新しいかたち──デジタル森林浴と木質空間の可能性

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森に行けなくても体験できる新時代の森林浴

イマーシブ技術によって、森は病院やオフィス、自宅へと広がり始めています。しかし、その技術が目指しているのは、本物の森を置き換えることではありません。

むしろ、木や森が持つ心地よさを、より多くの人に届けるための新しい入口なのかもしれません。


海外でも注目。森林浴ブームが続く理由

「森林浴」という言葉は、日本発祥であることをご存じでしょうか。今では海外でも「SHINRIN-YOKU」として知られ、世界各国で広まりつつあります。

1980年代から森林浴の心理的・身体的効果について研究が進められ、現在では、森林浴が私たちの心身にさまざまなよい影響を与えることが科学的にも明らかになってきました。

社会のデジタル化が進むにつれて、人は森から離れ、日常生活の中で自然を感じる機会が少なくなっています。森林浴ブームが続く背景には、こうしたストレス社会やデジタル化の影響も少なくありません。仕事や生活の多くの場面でデジタル機器を使う私たちにとって、心身をリセットし、リラックスできる時間はますます大切になっています。

みなさんもご存じのとおり、森林浴にはリラックス効果やストレス軽減効果が期待されています。長年の研究によって科学的なエビデンスが蓄積されたことで、森林浴は単なるレジャーではなく、心身を整える方法として注目されるようになりました。

海外メディアも取り上げる「SHINRIN-YOKU」

その人気は日本国内にとどまりません。アメリカをはじめ世界各国で「SHINRIN-YOKU」が紹介され、森林浴を診療に取り入れる医師もいます。ニューヨークタイムズやナショナル ジオグラフィックなど海外メディアでも、日本発祥の森林浴が心身の健康法として紹介されるなど、森林浴への関心は世界的に高まっています。


イマーシブ技術が森を再現し始めた

そんな中、「もっと身近に森を感じられないだろうか」という発想から生まれたのが、イマーシブ技術を活用したデジタル森林浴です。

イマーシブ(immersive)とは、「没入感のある」「没入型の」という意味の言葉。近年ではテクノロジーだけでなく、アートや演劇などエンターテインメントの分野でも広く使われています。

風景・音・香りにより森林環境を再現したデジタル森林浴の実験風景/提供:(国研)森林研究・整備機構森林総合研究所、撮影者 髙山範理氏(現:国学院大学 教授)

 

イマーシブ森林浴では、VR(仮想現実)などの技術を活用し、まるで本物の森の中にいるような空間をつくり出します。大型スクリーンに映し出される森林の映像、鳥のさえずりや風の音、木や土の香りなどを組み合わせることで、室内にいながら森の中にいるような没入体験を楽しめます。

こうしたデジタル森林浴の効果については、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所とフォレストデジタル株式会社の共同研究でも、ストレス軽減や疲労回復効果が報告されています。

【参考】

「デジタル森林浴」が⽇々のストレスを低減する!! -森林の環境が再現された室内体験がもたらす⼼⾝の疲労回復効果-

 


木材・木質空間との相性

イマーシブ森林浴が再現しようとしているのは、「森」という場所ではなく、森が人にもたらす心地よさ。

森から離れた都市でも木を感じられる空間をつくり、心身のバランスを整える。デジタルと自然のバランスを保ちながら、リラックスにつなげることが、その目的の一つなのだと感じます。

樹齢600年のブビンガを使ったオフィスのカフェスペース(CONNECT)

 

実は、この考え方は近年の建築にも通じています。

これまで木材は、「強度が高い」「耐久性がある」「調湿性がある」といった建材としての性能に注目されることが多くありました。しかし近年は、「木の空間で過ごすと心地よい」「木の香りで落ち着く」「木に触れると温かみを感じる」といった、体験としての価値にも注目が集まっています。

木内装や木質オフィス、木のホテルなど、木を活用した空間づくりが広がっている背景にも、こうした木の心理的・生理的な効果への期待があるのでしょう。

東濃杉を使ったオフィステーブル(CONNECT)

 

さらに近年では、「都市に森をつくる」という考え方のもと、都市部でも木造ビルや木質空間の整備が進んでいます。

木の産地に近い地域では、木造・木質の空間はごく自然な存在です。しかし今は、そうした空間がむしろ都市部で積極的に求められる時代になっています。

 

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木の空間×イマーシブはどう変わる?

木質空間には、木目の美しさや温もり、香り、調湿性など、五感に働きかけるさまざまな魅力があります。一方、イマーシブ技術は、映像や音響、香り、風などを組み合わせ、人をその場にいるかのような感覚へ導く技術です。

この二つが融合すれば、木の空間はさらに豊かな体験の場へと進化する可能性があります。

例えば、木造ホテルのラウンジで、窓一面に森の映像が広がり、鳥のさえずりや風の音が流れる。木の香りとともに、やわらかな風が吹き抜ける演出が加われば、室内にいながら森林浴に近い心地よさを味わえるかもしれません。

また、木質オフィスでは、休憩スペースにイマーシブ森林浴を取り入れることで、短時間でも気分転換やリフレッシュを促す空間づくりが期待されます。病院や福祉施設では、外出が難しい人でも自然とのつながりを感じられる環境づくりにも活用できるでしょう。

イマーシブ技術は、木の価値を置き換えるものではありません。むしろ、本物の木が持つ魅力や心地よさを、より多くの人へ届け、より深く感じてもらうための技術だといえます。

木の価値は、建材としての性能だけではありません。「その空間でどう過ごし、どう感じるか」という体験そのものへと広がり始めています。

イマーシブ森林浴は、その変化を象徴する新しい取り組みの一つなのかもしれません。

花梨の一枚板とバール材|”奇跡の杢目”の正体とは?

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木の家具を探していると、時折「バール材」という言葉を見かけることがあります。

独特のうねった木目、大理石のような複雑な模様――一度見たら忘れられないその表情は、実は自然が生み出した”奇跡”ともいえる現象によって生まれています。今回は、家具材として高い人気を誇る「バール材」の正体と、その中でも特に美しい杢目を見せてくれる「花梨(かりん)」の一枚板について、じっくりご紹介します。

自然が生みだした奇跡のカタチ。rewood一枚板(花梨 バール材)

■ バール材とは何か

バール材とは、樹木の幹や根元にできる「こぶ状の部分(バール)」から取れる木材のことを指します。英語の「burl(こぶ)」がそのまま名前の由来になっており、木材業界では古くから最高級の装飾材として扱われてきました。

バールは、樹木が虫による食害や菌類の侵入、傷、環境ストレスなどを受けた際に、その部分の細胞分裂が異常を起こすことでできると考えられています。人間で言えば「かさぶた」に近いような、樹木の自己防衛反応の痕跡です。そのためバールができる場所や大きさ、模様は木によってまったく異なり、同じものは二つとして存在しません。

なぜバール材はこれほど希少なのでしょうか。理由は単純で、すべての木にバールができるわけではないからです。一本の樹木の中でもバールができるのはごく一部、しかも大きく育つまでには数十年から百年単位の時間がかかります。

さらに伐採した後も、バール部分は繊維の向きが複雑なため乾燥時に割れやすく、板として仕上がるまでに歩留まりが大きく下がります。希少性と手間、その両方が価格や価値に直結しているのです。

古材 一枚板 一枚板テーブル 未仕上 プレミアム #TK-003 花梨コブ材

■ 花梨という樹種の特徴

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花梨はマメ科の広葉樹で、東南アジアを中心に分布しています。木材としては非常に硬く緻密で、耐久性に優れていることから、古くから唐木(からき)家具の材料として重宝されてきました。仏壇や座卓、床の間の装飾材など、日本の伝統的な調度品にも花梨材が数多く使われています。

色味は赤褐色から橙褐色まで幅があり、使い込むほどに飴色へと深く変化していくのも魅力のひとつです。硬さゆえに加工には手間がかかりますが、そのぶん傷がつきにくく、日常使いの家具としても長く付き合える木材です。

■ 花梨のバール一枚板が特別な理由

rewoodプレミアム (本花梨一枚板・厚板70mm/古材オイル仕上)#1369

花梨自体がもともと個性的な色合いを持つ木材ですが、そこにバールの複雑な杢が加わることで、表情は一気に唯一無二のものになります。赤褐色の地に、渦を巻くような濃淡の縞、時に玉杢のような小さな粒状の模様が散りばめられる――一枚板として大きな面積で見ると、まるで絵画のような迫力を感じさせてくれます。

一枚板としての木取りにも、通常の板以上の技術と経験が求められます。バール部分は繊維が乱れているため乾燥中に反りや割れが起こりやすく、じっくりと時間をかけた乾燥・養生が欠かせません。さらに、どこで木を挽くかによって現れる杢の表情がまったく変わるため、木取りの段階での見極めが仕上がりを大きく左右します。一枚板として世に出るまでには、こうした職人の目利きと手間が幾重にも重なっているのです。

■ バール材に杢が生まれるメカニズム

一枚板木目「虎杢」

バールの内部では、通常まっすぐに伸びるはずの木目(繊維)が渦を巻くように複雑に絡み合います。この乱れた繊維の集合体が、光の反射を複雑に変化させ、私たちが「杢(もく)」と呼ぶ独特の陰影や輝きを生み出します。

一枚板木目「虎杢」
メープル材のバーズアイ

杢の出方は樹種によって特徴があります。たとえばウォールナットのバールは黒みを帯びた渋い表情になりやすく、メープルのバールは細かい玉杢(バーズアイ)が集まったような愛らしい表情を見せることが多いとされます。そして花梨は、赤みを帯びた地色に、うねるような濃淡の縞模様が重なり合う、非常に個性の強い杢を見せることで知られています。

■ 存在感が光る花梨ダイニングテーブル

深く艶のある赤褐色と、緻密で力強い木目をもつ本花梨材のダイニングテーブル/rewoodプレミアム(古材・一枚板・オイル仕上げ)

花梨のバール一枚板は、その存在感の強さから、ダイニングテーブルの天板として選ばれることが多くあります。家族が集まる場所に、二つとない杢目を持つ天板があるというのは、日々の暮らしに小さな誇りを添えてくれるものです。

また、書斎のデスクや店舗のカウンターとして使われるケースも増えています。来客の目に触れる場所にあえて個性の強い一枚板を置くことで、空間全体の印象を大きく引き立てることができます。花梨は硬く傷がつきにくい特性も持つため、日常的に手や物が触れるカウンター材としても実用面で理にかなった選択と言えるでしょう。

■ 一枚板選びで失敗しないためのチェックポイント

一枚板を選ぶ際は、杢目の美しさだけでなく、以下の点も確認しておくと安心です。

・乾燥が十分にされているか

・割れや虫食い跡への補修の有無と処理の丁寧さ

・設置する部屋のサイズや動線に対して板のサイズが適切か

・脚部や仕上げ塗装との相性

特にバール材は割れが入りやすい木材のため、チギリ(蝶々の形をした木片で割れ止めをする伝統技法)が施されているかどうかは、品質を見極める上で重要なポイントになります。

■ rewoodで出会える花梨のバール一枚板

rewood一枚板ラウンジテーブル (花梨 コブ材 #007)¥220,000
rewood一枚板ラウンジテーブル (花梨 コブ材 #003)¥220,000

今回取り上げたような花梨のバール一枚板は、rewoodでも扱われています。

現代の生活に合うようにリデザインされたものから、未仕上げの材赤褐色の地色にうねるような杢が重なり合う様子は、写真だけでは陰影や質感まで伝えきれない部分が多く、実物を前にして初めて気づくこともあります。気になる方は、ショールームやオンラインでその表情を確かめてみてください。

■ショールーム見学はこちら⇒ rewood無人ショールーム「rewood warehouse」

 

花梨をはじめ樹齢150年以上の貴重な一枚板がストックされた「rewood warehouse」
熱狂的な収集家も多い花梨のコブ材や、ケヤキ、トチなど個性的な古材が揃います
全国各地から集められた一枚板が1,800枚以上も揃う「rewood warehouse」

【岐阜・中津川】一枚板無人ショールームを徹底レポ/rewoodが目指す循環型インテリアとサステナブル


バール材は、樹木が傷やストレスを乗り越えた証として生まれる、自然からの贈り物のような木材。

なかでも花梨のバールは、木そのものが持つ深い色合いと、複雑にうねる杢目が重なり合うことで、他の樹種にはない強い個性を放ちます。一枚板選びの際はぜひ「バール」という言葉にも注目してみてください。

【参考】一般財団法人 日本木材総合情報センター/木材の種類と特性「カリン」

<木曽五木>地味だけど頼れる。ネズコが天井材に愛される理由

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木曽五木と聞いて、まず思い浮かぶのはヒノキやコウヤマキかもしれません。香りがよく、木目も美しく、神社仏閣にも使われる「主役級」の木々ですよね。

でも今回紹介する「ネズコ」は、そのなかでちょっと異色の存在。派手さはないけれど、実は昔から暮らしの縁の下でずっと私たちを支えてきた木なんです。

「クロベ」とも呼ばれる、控えめな木

「ネズコ」という名前、実は当て字です。材の色が鼠色をしていることから、木偏に鼠と書いて「ネズコ」と読ませたのが由来だといわれています。ヒノキ科の常緑針葉樹で、色味も香りも装飾性も控えめ。木曽五木のなかでは一番地味な存在かもしれません。

また、葉が黒っぽいことから別名「クロベ(黒桧)」とも呼ばれます。材は鼠色、葉は黒っぽい色。ひとつの木に、動物と色、両方の由来が重なっているのも面白いところです。

軽くて狂いが少ない。実用性の塊

華やかさでは他の木曽五木に一歩譲るネズコですが、木材としての実力は侮れません。

  • 軽い:加工や運搬がしやすく、扱いやすい
  • 狂いが少ない:反りや割れが起きにくく、安定している
  • 加工しやすい:職人にとって扱いやすい木材

 

香りや木目の美しさで選ばれるヒノキやコウヤマキに対して、ネズコは「扱いやすさ」「安定感」という実用面の強さで評価されてきた木です。耐朽性もそこそこありながら、価格帯は比較的手頃という位置づけも、地味だけど頼れる所以かもしれません。

天井板、障子、下駄…目立たないけれど暮らしを支える木

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そんなネズコが古くから使われてきたのが、天井板や障子などの建具材、和机、下駄、指物(さしもの)といった道具たち。

どれも「見せる」ためというより「使う」ための場所。派手な化粧材として表舞台に立つことは少なくても、天井を見上げたとき、障子を開け閉めしたとき、下駄を履いたとき——気づかないうちに、ネズコは私たちの暮らしのすぐそばにありました。

 

「イヌ」がつく木、実は優秀?

イヌシデ

実はネズコ、関東では「イヌビ」とも呼ばれています。ねずみが由来なのに「イヌ」がつくとは、ちょっと意外ですよね。ちょっと調べてみたところ、「イヌ」がつく木は他にもたくさんあるみたいです。「イヌエンジュ」「イヌマキ」「イヌツゲ」「イヌシデ」などなど。一般的に植物の名前に「犬」がつくと、似ているけれど本家より役に立たない、または質が劣るという意味で使われることが多いんだとか。

ネズコの別名は「クロベ(黒檜)」。檜(ヒノキ)に似た木、という位置づけですが、ヒノキのようなあの独特の芳香はありません。もしかすると、「檜に似ているのに香りがない」というところから、「イヌ」がついたのかも?というのは筆者の勝手な想像ですが…。

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家具づくりの世界でも、この考え方と近いものがあるかもしれません。テーブルなら天板の樹種や木目の美しさに目が行きがちですが、脚部やフレーム、引き出しの内部といった見えない部分にこそ、狂いの少なさや安定感が求められることがあります。

表に立つ木と、支える木。その組み合わせがあってこそ、長く使える一台になるのだと思うと、ネズコの生き方は家具づくりの哲学そのものにも重なる気がしてきます。

「地味」だからこそ、長く愛される

ヒノキやコウヤマキのような主役級の木々に比べると、ネズコは決して目立つ存在ではありません。でも、狂いが少なく扱いやすいという特性は、まさに「長く使われる」ための資質そのもの。

派手さより、安定感。存在感より、扱いやすさ。

そう考えると、ネズコの控えめさこそが、何百年も暮らしのなかで生き残ってきた理由なのかもしれません。

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ちなみに「ネズコ」という響き、どこかで聞き覚えがある方も多いのでは。某有名アニメのヒロインを思い浮かべてしまうのは私だけでしょうか(笑)。作中のヒロインも、見た目とのギャップで芯の強さを感じさせるキャラクターですが、木のネズコもまさに「見た目は地味でも芯は強い」タイプ。そう思うと、この木にちょっと親近感がわいてきませんか。

木曽五木シリーズ、次回はいよいよ最後の1本、コウヤマキをご紹介する予定です。お楽しみに。


【参考】


【木曽五木シリーズ>

2026年のインテリアトレンドは「天然木回帰」|天然木家具が再び選ばれる背景とは

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2026年のインテリアトレンドとして注目される「天然木回帰」。天然木家具が人気を集める理由や、無垢材の魅力、サステナブルな暮らしとの関係を分かりやすく解説します。


 

インテリアのトレンドは時代とともに変化します。

ここ数年はミニマルなデザインや大量生産の家具が人気を集めてきましたが、2026年は「天然木回帰」ともいえる動きが広がっています。

天然木や無垢材を使った家具が再び注目されている背景には、単なる流行ではなく、人々の価値観の変化があります。

「長く使えるものを選びたい」「自然を感じながら暮らしたい」「本物に囲まれた生活がしたい」。

そんな思いが、天然木家具への関心を高めているのです。

 

天然木回帰とは?

「天然木回帰」とは、天然木や無垢材を使った家具やインテリアが再び注目されている流れのこと。

以前は価格や手入れのしやすさから、プリント化粧板や人工素材の家具が多く選ばれていました。

しかし最近では、木本来の木目や質感、経年変化を楽しめる天然木家具に魅力を感じる人が増えています。

流行というよりも、「良いものを長く使いたい」という価値観の広がりが背景にあります。

 

なぜ今、天然木家具が選ばれるのか

 

1.唯一無二の存在感

なんといっても、天然木の魅力はその木目や色合いにあります。

まっすぐ伸びる木目もあれば、ゆるやかに波打つ木目もあります。色合いも一つとして同じものはありません。どんな土で育ち、どんな風や雨、太陽の光を受けてきたのか。その長い年月が木目や色に刻まれているのです。

工業製品にはない、自然がつくり出した豊かな表情やぬくもり。その唯一無二の個性が、時代を超えて多くの人を惹きつけています。

 

2.時間とともに美しく育つ

子どもと一緒に成長する「コダマデスク」(スギ無垢材使用)

 

天然木家具は、日々の暮らしの中で色味が深まり、少しずつ風合いが変化していきます。

傷やシミさえも、その家具と過ごした時間を物語る味わいになります。「古くなる」のではなく、「育つ」という表現が似合う素材。暮らしに寄り添いながら、家族と一緒に成長していくのが天然木の魅力です。

 

3.デジタル社会だからこそ求められる自然

AIやスマートフォンなど、私たちの生活はますますデジタル化しています。便利になった一方で、自然素材に触れる時間は少なくなりましたよね。

木の香りや温もり、やさしい手触りは、画面越しでは得られない心地よさがあります。さらに言えば、約20万年以上も前から私たちの祖先“ホモサピエンス”は木に囲まれて、木に守られて生きてきたのですから、木にやすらぎを求めるとか、木にふれると落ち着くというのはごく自然なこと。

デジタル化が進んでいるからこそ、住まいの中に自然を取り入れたいという人が増えているのかもしれません。

 

4.サステナブルな暮らしへの関心

環境問題への意識が高まる中で、「長く使える家具」を選ぶこともサステナブルな行動の一つとして注目されています。

適切に管理された森林から生まれた木材は、再生可能な資源。家具を長く使うことは、新たな資源の消費を抑えることにもつながります。

不要となった座敷机を再生したrewoodのテーブル。大学や公共の場でも採用されています

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👉2025年も注目の“サステナブル”と、再生テーブル『rewood』の話

 

天然木・無垢材・プリント家具の違い

天然木を使ったrewoodの一枚板テーブル

 

天然木とは、本物の木を使った素材全般のこと。
無垢材だけでなく、天然木を薄くスライスした「突板(つきいた)」も天然木に含まれます。一方、「プリント化粧板」は木目を印刷して再現した素材で、天然木ではありません。

それを踏まえた上で、それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介してみようと思います。

項目 無垢材 突板(つきいた) プリント化粧板
素材 一本の木から切り出した天然の木材 天然木を0.2〜0.6mmほどに薄くスライスして合板などに貼ったもの 木目を印刷したシートを板材に貼ったもの
木目 一つひとつ異なる天然の木目 一つひとつ異なる天然の木目 印刷のため均一の木目
質感 木そのものの温もりと質感 自然な質感(合板など、基材の硬さを感じる場合も) 人工的な質感
経年変化 大きく楽しめる ある程度楽しめる ほとんどない
耐久性 非常に高い(再研磨が可能) 比較的高い(湿度変化による反りは起きやすい) 比較的低い(傷が付くと補修しにくい)
価格 高価 中価格帯 比較的安価
メンテナンス 定期的なお手入れがおすすめ 比較的手軽 ほぼ不要
おすすめの人 本物の木を長く愛用したい人 木の質感と価格のバランスを重視する人 コストを抑えたい人

 

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👉 知っておきたい「無垢材」と「突板」の違い

 

天然木家具を長く楽しむためのお手入れ

天然木家具は特別なお手入れが必要と思われがちですが、基本は乾拭きや定期的なメンテナンスで十分です。

正しくお手入れをすることで、10年、20年と長く使い続けることができます。

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木を選ぶことは、時間を選ぶこと

木は数年で育つものではありません。

製材として利用できるまでには、およそ50年。立派な木になるには100年、200年とかかるものもあります。

その長い年月を経て育った木が、家具となり、私たちの暮らしに寄り添います。

だからこそ、天然木家具は「消費するもの」ではなく、「受け継いでいくもの」。

木を選ぶということは、その長い時間に価値を見出すことでもあるのです。

 

まとめ

天然木回帰は、一時的なインテリアブームではありません。

本物志向、サステナブルな暮らし、自然とのつながりを求める価値観の変化が、その背景にあります。

木には、一つとして同じ表情がありません。

そして、人と同じように時間を重ねることで、さらに魅力を増していきます。

家具を選ぶことは、暮らしを選ぶこと。

もし次に家具を選ぶ機会があるなら、「何でできているか」だけでなく、「どんな時間を重ねてきた木なのか」という点にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

AI時代に“手触り”が求められる理由|デジタルAI疲れを癒す木の力とは

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUTインテリアの疑問・相談テーブルと椅子リビング空間に合う暮らしの提案天然素材 木のテーブル憧れのライフスタイル

みなさんはAIとどんな風に付き合っていますか?

最初は疑心暗鬼だった私も、今ではすっかりその便利さにのっかっています。あれこれ調べるのに使ったり、ときには愚痴を聞いてもらったりと、まぁまぁ頻繁に使っています。

ChatGPT、Claude、Geminiなど、デジタル革命の象徴ともいえるAIは、もはや現代社会になくてはならないものとなってきました。仕事柄、AIを駆使しているという人も増えているかと思います。

ただ、急速に進化し続けるAI時代において、こうした複数のAI ツールやデジタルデバイスを同時に操作したりすることで、私たちの脳は極度の疲労にさらされていると言われています。集中力の低下、意思決定の不安など、「AIデジタル疲労」と呼ばれるこの状態、みなさんも心当たりがあるのではないでしょうか。

優秀な人のほうが発症するリスクが高いといわれる「AIデジタル疲労」。知らず知らずのうちにたまったストレスは、身体的にも影響を及ぼすと考えられています。

たとえば、免疫機能の低下や倦怠感といった慢性的な体調不良の原因となるケースも少なくありません。

 

デジタル疲れを癒す木の力とは

そんなデジタル疲労を癒すのが「木」の力です。

以前も紹介しましたが、木には生理的なリラックス効果があります。

常にフル回転を強いられる脳を鎮静化させ、ストレスを和らげてくれるんです。

木の床を裸足で歩くとしっくりくる、木のテーブルに触るとなんだか落ち着く、木の香りがすると思わず深呼吸したくなる、そんな経験、みなさんにもあるのではないでしょうか。

漠然とした癒しのイメージだけでなく、科学的な根拠もあります。森林総合研究所の調査を紹介してみましょう。

 

<手すりを使った触覚の実験>

木製の手すりを握ったときと、金属製のものを握ったときと比較。

出典:森林総合研究所「人間の快適性に及ぼす木材の触覚、視覚及び嗅覚刺激の効果の解明」

 

木材に触れたときは、血圧の上昇が抑制される、つまりストレスが低くなるという傾向があることが判明しました。特に無塗装の木材で効果が大きいこともわかったといいます。

さらに被験者の実感は、両者を比較すると木材のほうが「温かい」「やわらかい」「自然な」印象を与えることがわかりました。

人間ははるか昔、700万年以上も前からずっと木に囲まれて暮らしてきました。自然の中で木に守られて暮らしてきた時代のほうが、このデジタル時代よりもずっとずっと長いのです。だから、木の触り心地や匂いは、きっとヒトのDNAのなかにしっかりと組み込まれているのでしょうね。香りや手触りが私たちを癒すというのも当然といえば当然の話です。

 

「木」は血圧、心拍、脳血液の動きに働きかける

林野庁「建物の内装木質化のすすめ~科学的データが占める内装木質化の効果~」をもとに、手触り以外の【身体面での効果】も紹介してみますね。

 

〇免疫力アップ

ヒノキの精油を揮発させた室内に3日間滞在したところ、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が増加したというデータがあります。

NK細胞は、血液やリンパにのって体内を巡回パトロールしてくれる免疫細胞。ヒノキの香りは、免疫力アップの鍵を握るこのNK細胞を活性化させてくれます。

さらに、ストレス指標である尿中ノルアドレナリンも低下。ヒノキの香りがストレス緩和に大きく関与していることがわかります。

出典:『建物の内装木質化のすすめー科学的データが示す内装木質化の効果ー』。「身体面の効果 (8)免疫力アップの効果」(日本住宅・木材技術センター)を基に作成

 

〇リフレッシュ・覚醒

木材率が高い空間では、血圧、心拍、脳血液の動きに有効な変化をもたらすことがわかっています。例えば木材率90%の部屋では血圧が低下、45%の部屋では心拍数が増加したという研究結果が出ています。

心拍数を適度にあげることは、集中力を高め脳の活性化につながります。この結果をみると、木材率が高い空間ではよりリラックスして脳も覚醒するということがわかります。

天然木をつかったCONNECTオリジナルテーブル&ソファ 「VITA」

 

〇疲労感を緩和

スギの木に囲まれた空間で30分過ごしたときの気分について、「緊張」「抑うつ」「疲労」「混乱」という項目で指標が低下するという結果に。一方で、ポジティブな心理を表す「活気」は上昇することがわかりました。これはスギ材の視覚から得る心地よさや、香りの影響だと考えられています。

また、作業用のブースや机を無垢材にすると、作業のミスが減少し、疲労を抑える可能性が発表されています。

 

出典:齋藤ゆみほか(2009)「木質空間およびビニル空間における疲労・ストレスの緩和効果―生化学的・心理学的指標による比較」『木材学会誌』55巻2号,101–107,表2・表3をもとに作成。参照:『建物の内装木質化のすすめ』(日本住宅・木材技術センター)

 

〇不眠症状の緩和

「寝室に木材・木質の内装や家具、建具が多いと答える人ほど不眠症の疑いが少なく、寝室で精神的なやすらぎを感じる割合が高い」ということも、実験から明らかになりました。

寝室に木製の家具を置くなど、木材や木質のものを取り入れることで、不眠症状の緩和がみられ、質のよい眠りが得られることが期待されています。

岐阜県産の天然スギでつくられた「コダマベッド・シングルフレーム」¥136,500(税込)

 

毎日つかうものを木に替えてみる

木は、製材として使えるようになるまで約50年、立派な木になるまでには100年、200年という長い年月をかけて育ちます。瞬時に答えを返すAIとは対照的に、木は悠久の時間を生きてきた存在です。

デジタルテクノロジーが加速する今だからこそ、人を癒やし、心を整えてくれるのは、木が長い時間の中で育んできた包容力なのかもしれませんね。木とともに過ごす空間は、これからの時代にこそ求められる豊かさを与えてくれる気がします。

木の空間がもたらす心地よさは、効率だけでは得られない豊かさも思い出させてくれます

 

「森林大国日本」とはいえ、近くに森なんてないよ!という都市暮らしの人も多いのも現実。住まいの中に少しでも木を感じられる場所をつくってみるのもひとつの方法です。リビングのテーブル、書斎の椅子、寝室のベッド、子どもの勉強机―。毎日手に触れるものから、まずは変えてみるのが手軽でいいかもしれませんね。

一本の木でつくられるオイル仕上げの「ビークチェア」¥29,900(税込)
東濃杉だけを使用した「コダマソファ」 ¥290,000(税込)

 

 

 

【参考】

林野庁「建物の内装木質化のすすめ~科学的データが占める内装木質化の効果~」

森林総合研究所「人間の快適性に及ぼす木材の触覚 視覚及び嗅覚刺激の効果の解明」

 

 

増築でも引っ越しでもない第三の選択|動かせる小屋「コダマベース」で

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「もう一部屋あったらいいのに」

そう思う瞬間は、意外と多いですよね。

私は、最近アトリエがほしいな~と思っています。

趣味で絵を描いているのですが、家のなかに自由にできる場所がない!

駐車場でやってみようと思ったのですが、絵の具がアスファルトに流れてしまって大惨事になりました。運が悪いことに赤色。もうサスペンスの世界です。さらには蚊に刺されすぎて、ぜんぜん集中できない。

こういうとき、自由に使える部屋があったらいいのに、と思います。

 

例えば、在宅で仕事をしているとき。誰にも邪魔されずに考えたいとき。私と同じように趣味に没頭したいのに、リビングではどうしても集中できないとき。

家そのものに不満があるわけじゃない。でも、このままでは少し足りない。

そんな“あと一歩”の違和感を抱えたまま、暮らしている人は少なくないのではないでしょうか。

 

家を変えるか、そのままでいるか

これまで、その違和感に対する選択肢は大きく二つでした。

ひとつは引っ越し。部屋数の多い家へ、より広い空間へ引っ越すという選択。

もうひとつは増築やリフォーム。今の家に手を加えて、空間を広げる方法です。

どちらも“アリ”ですよね。ただ、どちらもそれなりに大きな決断が必要になります。

引っ越しにはコストも手間もかかるし、生活環境そのものが変わる。お子さんがいる場合は、転園転校も考えなくてはいけません。リフォームも、時間や制約の問題がつきまとう。

「そこまでではないんだけど…」という感覚をすくいあげてくれるのが、第三の選択です。

 

第三の選択という発想

家を変えるのでもなく、我慢するのでもない。外に“もう一部屋”をつくるという発想。

庭や敷地の一角に、小さな空間を置く。
住むための家ではなく、使うための部屋。

それは、いわゆるタイニーハウスのように生活機能をすべて詰め込んだ「小さな家」ではなく、あくまで暮らしの外側にある“拡張された一室”。

だからこそ、軽やかに取り入れられるのが魅力といえそうです。

 

コダマベースというかたち

駐車場一台分のスペースに置けるコダマベース

 

“外に置く部屋”という考え方の中で、ひとつのカタチとして作られたのがコダマベースです。

水回りが整っているわけでもなければ、そこで生活が完結するわけでもない。けれど、その分だけ軽やかで、取り入れやすい。

庭先や別荘地の一角に置くことで、暮らしの中にもうひとつのリズムが生まれる。家の延長でありながら、少しだけ切り離された場所。近いのに、ちゃんと距離をとることもできる。

その距離感が、思考や時間の質を変えてくれるような気がします。

 

「住む」じゃなくて「使う」

家の中にすべてを収めようとすると、どうしても役割がぶつかりますよね。仕事と休息、集中とリラックス…。

その相反するものの一部を外に出してみると、暮らしの質はかなり変わるような気がします。

例えば、

  • 仕事に集中するためのワークスペース
  • 本を読むための静かな部屋
  • 音楽や制作に没頭する場所
  • 誰にも邪魔されない“こもり部屋”

用途を限定しないからこそ、使い方は人それぞれに広がっていきます。

 

新しくつくらなくてもいい

こうした第三の選択肢がいいな、と思う理由はもうひとつあります。それは、「中古」という選択が可能なこと。

多くの場合、タイニーハウス、トレーラーハウスは必要がなくなれば中古として手放すことができます。「コダマベース」も、もちろんそう。

それってかなり心強い感じがしませんか。小屋といっても、駐車場1台分のスペースは必要となるのだから、不要になったときのことを考えると、最初の1歩を踏み出す勇気が出ない~という人も多いと思います。でも、不要になったら中古で買い取ってもらえると思えば、試してみようかなと思えるのではないでしょうか。

コダマベース引き取り

 

中古で売ることができるということは、中古も販売されているということ。最初の一歩を例えば、中古で購入するという手もありかもしれませんね。

小さな空間は、必ずしも新しくつくる必要はありません。中古に少し手を加えながら自分の場所にしていくというのも、面白味のある方法と捉えることもできそうです。

私のように“お古”が好き、とか使い込まれている感じが好きという人には、中古のほうが向いているかもしれません。

 

「余白」をつくるということ

今の時代、家はどんどん多機能になっています。

働く場所であり、休む場所であり、楽しむ場所…。ひとつの空間に求められる役割が増えている一方で、面積は簡単には増えない。

だからこそ必要なのは、「広さ」ではなく「余白」なのかもしれません。

余白とは、何かのために用意された場所ではなく、そのときどきで意味が変わる場所。

予定を詰め込むのではなく、少しだけ余らせておく感覚。外に一部屋を持つという選択は、その余白をつくる行為に近いのかもしれません。

コダマベースのヒノキの香りでリラックス

 

 

暮らしを変えすぎないという選択

引っ越すほどではない。でも、このままでも少し足りない。そんなとき、無理に大きな変化を選ばなくてもいい。

暮らしを壊して作り直すのではなく、少しだけ広げる。

増築でも引っ越しでもない第三の選択は、そのための現実的な方法のひとつといえます。

コダマベース本体: 外装ヒノキ無垢仕様 / 内装ヒノキ材 ¥3,850,000(税込)

 

小さな建築は、暮らしそのものではなく、暮らしを支える“余白”として存在する。

それは決して派手ではないけれど、日々の感覚をじんわりと変えていく。

 

もしかしたら今の時代に求められているのは、ほんの少しの余白なのかもしれないな~。暮らしも時間の使い方とか…。タイパ重視になりすぎて、いろいろ詰め込まれているのは、家も同じなのかも。機能を詰め込みすぎて飽和してる、そんな状態だと、家もかわいそうな気がしてきました。

余白って、大切。

心にも余白。暮らしにもほんの少しの余白がほしい。赤とピンクの絵の具で塗りつぶした余白のないキャンバスを見ながら、そんなことを考えたのでした。

■コダマベース納品事例

カフェ、パン屋さん、美容室から、プチガレージ、おばあちゃんの農作業部屋、子ども部屋など、ユーザーの活用法をチェック!

起業したての三人が挑む銘木一枚板の世界|MUCADEの挑戦とは

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古民家見学会で出会った、勢いのある三人組

先日の古民家「コダマヴィレッジ」の見学会で、とても活気のある3人組に出会いました。

最近は古民家に興味をもつ若者も増えてきているので、「彼らもそんな流れかな?」と思いながら話しかけてみると——

なんと、銘木の一枚板を扱う販売・輸出事業を三人で手がけているとのこと。

左から、中村真也(まさや)さん、井上貢太郎さん、橋爪塁成さん

しかも、立ち上げたばかり。
会社の名前は「MUCADE.inc」。

法人登記からわずか2週間。
勢いのままに走り出した彼らが、なぜこの世界に飛び込んだのか。気になって話を聞かせてもらいました。

海外生活で気づいた、日本の木の価値

井上貢太郎さん

CEOを務めるのは、井上貢太郎さん。

2年間の中東生活を経て帰国したとき、日本の風景や建築の美しさに改めて気づいたといいます。

「中東って砂とか石の建築が多くて、現代建築もコンクリートが中心なんですよね。だからこそ、日本の“木”の良さってすごいなって思ったんです。さらに、一枚板なんてほんとすごいじゃないですか! 樹齢1000年の歴史が家の中にあるってめちゃくちゃ面白くないですか?」

と井上さん。

林業の現場にも飛び込んで知見を広めていくなかで出会ったのが、「銘木」と「一枚板」。そこから一気に、この世界に引き込まれていったそうです。

そんな井上さんが声をかけたのが、福岡県出身の中村さんと青森県出身の橋爪さん。3人は東京の大学での同級生だったそうで

「東京で消耗してる2人に、“一緒にやってみようぜ!”って声かけたんです(笑)」

軽やかだけど、どこか覚悟も感じるスタート。

中村さんはこう話します。

「同年代に一枚板の話をすると、“それって買えるの?”ってなるんですよね。
そもそも知られてない。だからこそ、興味のある人に届けたいし、海外にも広げたい」

初セリでいきなり屋久杉16枚!? その行動力

驚いたのが、彼らの最初の一手。

なんと、初めてのセリで屋久杉を16枚購入

「まとめて買うと安くするよって言われて、よっしゃ!って(笑)」と井上さん。

この勢い、なかなか真似できない…。

「神社のご神木みたいな、ストーリーのあるものを仕入れて販売していきたい」と語る姿からは、単なる物販ではない価値づくりへの意識も感じられました。

16枚の屋久杉!!

 

EC×動画×AI。MUCADEの強みは“掛け算”

 

さらに、MUCADEの面白さはそこにとどまりません。橋爪さんは、EC販売に向けた動画制作なども得意分野。

Web制作やAI開発といったデジタル領域も強みにしているのです。

実際にショールームを見ながら、こんなアイデアも飛び出していました。

「AIアバターが説明してくれるショールームとか、面白そうですよね」

銘木という伝統的な素材と、テクノロジーの掛け合わせ。
この視点が、彼らの大きな武器になりそうです。

MUCADEの名前に込められた意味とは?

https://mucade.com/

ちなみに「MUCADE」という社名、気になりますよね。

これは“百足(ムカデ)”が由来。

一見ちょっと意外ですが、実はかなり縁起のいい存在なんです。

  • 金運・商売繁盛の象徴
  • 「お足(お金)」に通じることから千客万来の意味
  • 前にしか進まない=勝負運の象徴
  • 毘沙門天の使いともいわれる存在

 

見た目の印象とは裏腹に、かなりパワフルな意味が詰まっています。

3人も「これもMUCADEの思し召し!」と笑っていましたが、こういう感覚、なんだかいいですよね。

 

ご縁をつなぐ旅の途中で出会ったrewood

彼らとrewoodの出会いも、偶然の連続でした。

全国の銘木市場を巡るため、井上さんと中村さんが東京から熊本まで車中泊しながら移動。その途中で岐阜に立ち寄り、紹介を受けたのがきっかけだったそうです。rewoodの仕上げ加工を手掛ける工房を見学したり、名古屋市のショールームへ出向いたりと、数々の出会いがあったといいます。

水野さん(左)とMUCADEのみなさん

今回の「コダマヴィレッジ」の見学会も

「法人登記して改めて挨拶に行ったら、水野さんからこの見学会を教えてもらったんです」

と話していました。

行動していると、本当に縁がつながっていく。
そんな流れを体現しているようでした。

無人ショールームで体感する、一枚板の魅力

「コダマヴィレッジ」見学会の流れで、3人と一緒にrewoodのショールーム「warehouse」の見学もしてきました。

(※「warehouse」の様子はこちら

一枚板がずらりと並ぶ光景に見とれながら
「やっぱり木っていいよね」と自然に言葉がこぼれる私たち。

さらに、車で3分ほどの場所にはもう一つのショールーム「Raw」もあって、そちらも一緒に見学させてもらいました。

“素材が語る場所”というコンセプトの通り、厳選された一枚板が静かに存在感を放っていました。

ヒノキチップが敷かれた床、木の香りに包まれた空間。
その中に置かれた屋久杉のテーブルは、圧倒的な存在感でした。

屋久杉の一枚板

銘木の未来を切り拓く、三人のこれから

銘木という伝統的な素材を軸にしながら、
EC、動画、AIといった得意分野を掛け合わせていくMUCADEの3人。

まだ始まったばかりのプロジェクトですが、
その動き方や視点には、すでに独自の面白さがあります。

ムカデのように前へ前へと進みながら、
たくさんのご縁をつないでいく彼ら。

銘木の新しい可能性を切り拓いてくれそうです。

これからの展開、かなり楽しみです。

MUCADE.inc
https://mucade.com/

 MUCADE.inc |僕たちは前澤社長に木を売りたい

 

【岐阜県中津川市】コダマプロジェクト新拠点誕生|築120年古民家の活用がはじまる

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山道をドライブするのは久しぶり。この日は晴天で、夏を迎える前の新緑が太陽に照らされ、まぶしく輝いていました。

そんな日に私が向かったのは、岐阜県中津川市にある築120年以上の古民家。ここで「この場所をどう活用するかを一緒に考える会」が開かれると聞き、足を運びました。

ジブリの世界観を味わえる古民家

「この道で合ってるよね?」と少し不安になりながら山道を進み、くねくねと続く坂を登っていくと——
その先に現れたのは、まるでジブリの世界のような木のトンネル。そこを抜けた瞬間、視界が一気に開け、圧倒的な自然が広がります。

家の前には水をたたえた田んぼ。その上には、ぽっかりと浮かぶ空と雲。思わず「眼福…」とつぶやいてしまうような、贅沢な景色でした。

この古民家は「コダマヴィレッジ(仮)」と名付けられた、築120年以上の日本家屋。およそ10年もの間、空き家の状態が続いていたそうです。

コダマプロジェクトの新しい拠点

今回、この場所を活用するのは「上流の山」と「下流の街」をつなぐことをテーマにしたコダマプロジェクト
人と人、資源とアイデアを結び、新しい価値を生み出す拠点として、この古民家を再生しようという取り組みです。

土間に一歩足を踏み入れると、ひんやりとした空気に包まれます。外とはまるで別世界。
玄関を上がって見上げると、いろりの煤で燻された梁や天井が広がり、年月を重ねた建物ならではの味わいが感じられます。

1階には8畳ほどの部屋が3つ、奥には床の間。玄関を挟んで反対側には、キッチンとお風呂があります。
2階へ上がると、窓の向こうには山あいの景色が一望でき、思わず深呼吸したくなるような開放感があります。

かつて養蚕が行われていた名残もあり、2階の一角には当時の道具がそのまま残されていました。
この土地の歴史が、静かに息づいているのを感じます。

素材×アイデアで古民家を使う

この日は約20人が集まり、会場は終始にぎやかな雰囲気。
それぞれの分野で活動する人たちが、「この古民家をどう活かせるか」に思いを巡らせていました。

今回の会のテーマは、
「古民家を見て、感じて、未来を一緒に“妄想”すること」

たとえばこんなアイデアが挙がっていました。

・ものづくりのショールーム
・展示会スペース
・マルシェやイベント会場
・期間限定のカフェ など

プロデューサーの水野さんは「コダマヴィレッジ」の未来像をこう話します。

「山で生まれる素材と、街で生まれるアイデアを持ち寄って、みんなでつくる“共創フィールド”にしていきたい」

また、敷地には畑もあるそうで、農業や食に関わる取り組みも期待できそうです。

古民家から生まれる新プロジェクトに大きな期待

近年は、自然に囲まれた暮らしやスローライフへの関心が高まり、地方移住や古民家再生に注目が集まっています。
コロナ禍を経て、暮らし方を見直した人も多いのではないでしょうか。

そうした流れの中で、このような自然豊かな集落は、「憧れの場所」としての価値を持ち始めています。

ひっそりと佇む山あいの古民家。
ここからどんな人が集まり、どんなアイデアが生まれていくのか。

空き家だった場所が、新しい価値を生む拠点へ。

これからの変化が、とても楽しみです。
コダマプロジェクトの今後の展開に、引き続き注目していきたいと思います。

■コダマプロジェクト

https://kodama-p.com/

コダマプロジェクトとは?地域材活用の取組みと体験型家具・小屋「コダマベース」|ウッドデザイン賞受賞歴も