「ゴッホの椅子」。人間国宝が愛したスペインの民藝椅子

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オランダの画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。彼の油絵に由来する、その名も「ゴッホの椅子」と呼ばれる椅子があるのをご存知でしょうか。

民藝やインテリアに造詣の深い方なら知っているかもしれませんね。私はつい最近知りました。

フィンセント・ファン・ゴッホの銅像

 

無骨で粗削り。手作業で組み上げられる「ゴッホの椅子」

ゴッホといえば、いわずと知れたポスト印象派の画家です。

さも知っているかのように書いていますが、ゴッホ、いやアート自体数年前までさほど興味がなかった私です…。

2022年に開催された「ゴッホ展」を見に行ったのがきっかけで、ゴッホの生涯や絵に興味がわいて、どこに行ってもゴッホの文字が目に入るようになりました。

そんななか最近出会ったのが「ゴッホの椅子」という本です。正式なタイトルは「ゴッホの椅子 ~人間国宝・黒田辰秋が愛した椅子。その魅力や歴史、作り方に迫る~」(久津輪雅著:誠文堂新光社刊)。2016年に発行された本で、新しい本ではないのですがとても新鮮な気持ちでページをめくっていました。

丸太を削った脚、植物を編み込んだ座面、無骨で粗削りともいえるこの椅子。木材を生木のまま手作業で一気に組み上げるというスペインの民藝椅子で、ゴッホの油絵≪ファン・ゴッホの椅子≫、≪アルルの寝室≫に描かれている椅子に似ていることから日本では「ゴッホの椅子」という愛称で親しまれてきました。

「ゴッホの椅子」が展示されている日本民藝館(東京都目黒区)。西館開館日の第2・3水曜日、第2・3土曜日のみ見ることができます

 

1960年代に民藝運動の活動家によって日本に紹介されると、「ゴッホの椅子」はたちまち人気に。無骨で粗削りともいえる姿に魅入られた日本の工芸家たちによってさらに広められていきます。

なかでも「ゴッホの椅子」を愛してやまなかったのが、工芸家でのちに人間国宝にもなった黒田辰秋です。「ゴッホの椅子」が日本に紹介されたころの時代背景や、黒田氏の椅子づくりにかける情熱、ヨーロッパへの「ゴッホの椅子」視察旅行のエピソードなどがつづられたのがこの本なのです。

 

黒田氏が「ゴッホの椅子」の視察に訪れたスペインのグラナダ地方(イメージ)

 

「王様の椅子」、皇居の椅子をつくった黒田氏が惹かれた「ゴッホの椅子」

黒田辰秋の代表作のひとつとして本の中で紹介されているのは、映画監督・黒澤明のために作られた「王様の椅子」。厚みが9cmもあるナラの厚板が4枚も使われていて、サイズは高さ約130cm、幅85cm、奥行80cmとかなりの大きさです。背もたれには黒田氏を象徴するモチーフ“彫花文”があしらわれ、漆塗りで重厚感たっぷり。黒澤監督が座っている写真が載っているのですが、彼をがっちりと支える堂々とした佇まいは、まさに「王様の椅子」。

また1968年、黒田氏は宮内庁からの依頼で皇居の新宮殿で使うテーブルや椅子を制作。日本産、日本製の最高級品で揃えるという方針に合わせ、宮崎県産のクリを使い高価な純日本産の漆を20回も塗って仕上げられました。この時のデザインの参考になったのは中国の曲木椅子だったそうです。

 

皇居の千草・千鳥の間に置かれた黒田氏が制作した椅子宮内庁HPより

 

重厚感たっぷりな「王様の椅子」と、最高級の素材で仕上げた皇居の椅子。素朴なつくりの「ゴッホの椅子」とはまったく結びつかないように思えますが、黒田氏の椅子づくりの根底には「ゴッホの椅子」づくりが大きく影響していたようです。

皇居の調度品を制作する前年の1967年、黒田氏は「ゴッホの椅子」の故郷・スペインへ視察を決意。椅子づくりの村への視察は「創作は、歴史の積み重ねの上にあるべきだという黒田の思いからだった」(P57)と本書には書かれています。

現地で黒田氏が撮影した映像が残されています。

 

視察を終えて帰国した黒田氏はその後も、この時の映像を客人や作業員たちに披露して熱く想い出話を語っていたそうです。椅子文化が根付いているヨーロッパへの視察は、黒田氏にとって実りあるものだったことがうかがえます。

 

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スペインの庶民のためにつくられてきた椅子が、日本でなぜこんなにファンを増やしてきたのか。貴重な写真と資料も併せてじっくり読ませてもらいました。本の最終章では、ゴッホの椅子のつくり方まで紹介されています。

「ゴッホの椅子」を所蔵する民藝館や資料館も掲載されていたので、機会があれば実物を見てみたいな~。みなさんも、興味があればぜひ読んでみてください。

 

【参考】

「ゴッホの椅子 ~人間国宝・黒田辰秋が愛した椅子。その魅力や歴史、作り方に迫る~」(久津輪雅著:誠文堂新光社刊)

東京文化財研究所「黒田辰秋」

 

暮らしと家具の需要と変化

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ニトリ、IKEA、無印良品など、手ごろな価格で家具が手に入る時代。生活スタイルの変化によって、家具の需要もずいぶんと変化したように感じます。

 

名古屋市の老舗家具店「みずのかぐ」の高橋さんと、「暮らしと家具の需要と変化」についてお話してきました。

 

 

婚礼家具の黄金期! なんでも売れた時代

 

「みずのかぐ」の創業は1960年。ちょうど日本の高度経済成長期にあたります。一般家庭に洋家具が浸透し、生活様式も洋風化、家具産業が目覚ましく成長した時代です。

学校や会社もどんどん増えて、それにつれて家具産業もピークを迎えます。

 

「当時は何でも売れたと聞いています(笑)。家具屋の黄金期だったんじゃないでしょうか。婚礼家具の全盛期もあって、洋服箪笥、整理箪笥、和箪笥の3点セットは飛ぶように売れました」(高橋さん)

戦後のベビーブームで生まれた団塊の世代と呼ばれる人たちが1970年ごろに結婚適齢期を迎え、空前の結婚ラッシュが到来したことも追い風になっていたといいます。

国民の生活水準が向上し、結婚式や新生活への投資額も大きくなるとともに、その豪華さも競うようになりました。婚礼家具は嫁入り道具のメイン。華やかで豪華なものを持たせて嫁がせるのが親の誇りでもあった時代です。

「1990年ごろ、バブル期の手前までは婚礼家具は売れていた」と高橋さん。ただその後、住まいのスタイルが変わり、家具の需要も大きく様変わりします。

 

 

LDKの浸透で家具の需要に大きな変化

 

団塊世代の結婚ラッシュと高度成長期の流れのなか、住宅不足を補うように団地が形成されはじめ、建売住宅の建築が勢いを増します。狭いスペースをやりくりするなかでLDKという間取りが広まります。

「平成に入ると完全にLDKの時代に変わっていましたね。キッチンとダイニングが一体化。リビングにはローテーブルとソファを置くという暮らしが定着したように思います。

床は全面フローリングになり、LDKのつながりのある間取りが若い人たちに好まれるようになりました。

新築の家では洋服ダンスはクローゼットに代わり、食器棚も作り付けのケースが増えて、婚礼家具はだんだん衰退していきました」と高橋さん。

「まとめてド~ンと買うというより、1点ずつ好きなものを吟味して買いたいっていう人が増えましたよね。婚礼家具は親が買ってくれるものだったけれど、今は限られた居住スペースだからこそ、自分たちの好みで決めたいという人が多いと思います。そういう人たちに寄り添った提案ができるかどうかが、家具店の勝負どころなんじゃないかな」(高橋さん)。

 

 

オリジナルブランドで勝負する時代へ

 

2020年のコロナ禍を経て、一時的なマイナス要素があったものの、家具・インテリアの販売市場は伸びています。総務省の調査によれば、家具への家計支出額は前年比を上回っていることがわかります。

 

コロナ禍をきっかけに暮らしを見直す人は多かったですよね。そうした背景から、大手量販店やネット販売に注力してきた家具店などが好調だったようです。

 

「コスパ重視の人、ブランド好きな人、個性重視の人など、好みはさまざま。多様化の時代にどんな提案ができるのかが家具店の力の見せどころかなと思います」と高橋さん。

 

https://item.rakuten.co.jp/mizunokagu2/c/0000000117/

ニーズに対応するため、「みずのかぐ」では、オリジナルブランドの開発を続けています。

高橋さんが手掛ける「CONNECT」は、オリジナルのオーダー家具を扱うショップや、一枚板を再生し利活用する「rewood」、北欧デザインオリジナル輸入家具ブランド「NORTE」を展開しています。

 

「ダイニングテーブルやソファなど、暮らしのインテリアをトータルで提案できるのが家具店の強み。ネットの販売方法も含めて、工夫しながら時代にのっていかないと!と思っています」

 

「仕入れて売っていた時代は終わった」と高橋さん。これからは、中小規模の家具店もオリジナルブランドで勝負する時代なんですね。

 

【参考】

CONNECT https://connect-m.jp/

春の使者・桜。木材としても優秀な桜についてのお話

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3月27日は「桜の日」。

もうすぐ春ですね。

 

先日、出掛けた先で河津桜を見かけました。

ほかの桜より一足早く、2月上旬あたりから開花しはじめる早咲きの桜です。

名前の通り、伊豆の河津町が河津桜の誕生の地。ここ数年で全国各地に知られるようになり、現地で行われる「河津桜まつり」は200万人規模のイベントになっているそうです。

お花見が始まったのは平安時代

 

古くから日本人の目を楽しませてきた桜。お花見は春の楽しみのひとつですね。

桜をめでるお花見が始まったのは平安時代と言われています。鑑賞意識の高まりとともに、種子や接ぎ木によって園芸品種として広まっていきました。

桜の代名詞といえば「ソメイヨシノ」。桜の交配が盛んになった江戸時代後期、「エドヒガン」と「オオシマザクラ」を交配させて誕生した栽培品種です。

接ぎ木で育てられるため、全国にある「ソメイヨシノ」は、すべて原木のクローンなんですよ。

木材としても優秀な桜

 

ほかにも枝垂桜や山桜など国内だけで10数種類が分布している桜ですが、木材としても利用されています。

 

桜は広葉樹の中でも密度が高いという特性があります。つまり、強度があり耐久性に優れているといえます。

また、品種によって独特の美しい木目があり、高級家具や楽器などに重宝されることも。

 

桜材の代表格は「ヤマザクラ」。芯はピンク色、緑色の縞模様が特徴です。桜のなかでも耐久性が高いといわれています。木肌がなめらかで光沢があり、使い込むほどに深みがでます。特にピンクがかった木目がだんだんと褐色になっていくにつれ、アンティーク感が増すというのが魅力です。

ちなみに「カバザクラ」や「ミズメザクラ」といった品種を目にすることもありますが、実はこの2種は桜材ではないんです。この2種はカバノキ科。白樺などと同じ種類になります。

もう1つ海外の樹種でブラックチェリーがあります。ウォールナットやメープルと並んで北米三大銘木と呼ばれていたりします。

加工しやすく狂いが出にくいとして、ヨーロッパを中心に意匠性の高い家具や建具、フローリング材として高い人気を誇っています。

そうそう、燻製用スモークチップとしても桜は人気ですよね。暖かくなってきたので、お花見にキャンプにアウトドアの計画でも立てて春を満喫しましょう!

 

 

【参考】

農林水産省「aff」

https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2303/spe1_01.html

(一財)日本木材総合情報センター

https://www.jawic.or.jp/woods/sch.php?nam0=sakura

 

森林総合研究所関西支所研究情報 No.95

https://www.ffpri.affrc.go.jp/fsm/research/pubs/joho/documents/res_info_095.pdf

 

失敗しないタイニーハウス選び 2024

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コンパクトでミニマルな暮らしを実現できる「タイニーハウス」。

木製のタイニーハウスは「キトヒト」の読者のなかにも気になっている方が多いのではないでしょうか。住居以外の場所“セカンドプレイス”、“サードプレイス”として購入を検討する人も増えています。

タイニーハウスについては、以前もこのブログでご紹介しましたが、今回はもう少し深堀りしてみたいなと思います。

以前の記事はコチラ

失敗しないためのポイント

タイニーハウスを選ぶ時、みなさんが気になるのはやはり費用ではないでしょうか。

ブームになって以降、住宅メーカーだけでなくアウトドアブランドや生活雑貨ブランドまでタイニーハウスを手がけています。価格も100万円台~800万円と幅があります。

こうなってくると、何を基準に選べばいいの?と戸惑いますよね。本体価格だけ見て決めてしまうと、後で後悔することも。

当然、大きさや仕様によってかかる費用は変わってきますがそのほかにも意外な落とし穴があります。

今回は、失敗しないためのタイニーハウス選びについて、考えておいたほうがいいことをまとめてみました。

 

1.大きさと仕様

タイニーハウスの大きさは、10㎡以下か10㎡以上かで価格が大きく変わってきます。

10㎡以下であれば基本的に建築確認申請が不要(※)。手軽で費用が抑えられるのが魅力です。10㎡を超える場合は建築確認申請や現地調査が必要で、その分手間や費用がかさむため、費用は高くなります。

キッチンやトイレ、シャワーなどインフラ設備を付けるかどうかも大きな選択です。インフラを付けた場合、費用はさらに200万円以上ほど増えると考えておいたほうがよさそうです。標準仕様としてインフラ設備が備わっているタイプだと600万円~900万円が相場のようです。

10㎡以下、インフラなしであれば300万円ほどで手に入れることができます。

(※)建築確認要請不要の条件:10㎡以下であること/防火地域・準防火地域以外の地域であること/増改築・移転の場合

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2.自作する?完成品を買う?

とにかく価格を抑えたいという人は、キット販売という商品もあります。セルフビルドが前提のため、完成品よりも安価で200万円弱で購入できるものもあります。

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キット販売の場合、以下の点には注意が必要です。

◆組み上げまでの日数

パーツとなる木材が届いてからすぐに組み上げをしていかないと、部材に狂いが生じてしまいます。商品によっては、届いてから7日以内で完成させないといけないものもあるので、スケジュールをしっかり立てる必要があります。

◆最低でも大人2人必要

作業できる人材の確保も必須条件。丸太を組み上げる作業の場合、最低でも大人2人の手が必要になります。組み上げをプロにお願いするとなれば、さらに200万円ほど上乗せという可能性もあります。

◆一般資材は別途必要

キットとはいっても塗料や補助材、養生材などの資材は含まれていない場合も。必要な資材を別途購入していたら、意外と高額になってしまったということがないように、必要なものはあらかじめ洗い出して予算を立てたほうがいいかもしれませんね。

キット商品は、家族や仲間でつくり上げるのが魅力。本体以外の必要経費を踏まえ、しっかり計画を立てる必要がありあそうですね。

 

3.オプションに要注意

自分で作るのは自信がないという人は完成品を選べばいいのですが、その際にも注意しておきたいことがあります。

100万円~300万円の手ごろな価格帯の場合、断熱材が入っていないことがほとんど。タイニーハウスを離れや書斎、小さな店舗として使う場合、断熱材は必須です。これがオプションなのかどうかチェックしておいたほうがいいでしょう。

またエアコンなど設置したい場合はコンセントがないと使えません。電気系統の工事もオプションとなっている場合、しっかりと見積もりをとって比較検討するのがおすすめです。

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4.配送料や見積もり料金にも落とし穴が

タイニーハウスがいくらコンパクトとはいえ、やはり納品するためには4tトラックやユニックなどの大型車両が必要。そのため、納品設置料を別途上乗せしなくてはいけない場合もあります。設置料無料なのか別途必要かどうかで、かなり金額が変わってくるので要注意です。

「現地調査と見積もりだけで30万円」というちょっとびっくりする情報も耳にします。事前の確認はしっかりしておきたいところですね。

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めんどうなのは苦手。あれこれ考えずに理想を手に入れたいという人は

1.10㎡以下

2.インフラなし

3. 完成品を納品

4.コンセント、分電盤設置済み

というタイニーハウスを選ぶのが賢い選択。

国産ヒノキの無垢材を使ったタイニーハウス「コダマベース」を作るコダマプロジェクトの表を参考までにチェックしてみてください。

メーカーごとにサイズや仕様が違うのがわかります。

コダマプロジェクト2024年作成

 

「コダマベース」の場合、断熱材は標準仕様。愛知県・岐阜県は送料・設置料込みで納品が可能。駐車場1台分のスペースがあれば設置できるサイズです。他メーカーと同じく10㎡以下なので固定資産税や確認申請も不要です。

コダマベース

 

もう1つ特徴的なのが国産材を使用している点。

この国で育った針葉樹の檜は、外国からの輸入材に比べて調湿・断熱効果が高いことがわかっています。高温多湿の日本で生まれ育った木材を使うことは、長期的な管理のしやすさに加え、国内の林業活性化にもつながります。

檜風呂の効果はみなさんも一度は体験したことがあるのではないでしょうか。なめらかな手触りや香りが心身ともにリラックスさせてくれますよね。国産の檜をつかったタイニーハウスであれば、そんなリラックス効果も期待できます。

 

コダマベース/販売開始から2年。コスパの良さで注目されているアイテムです

 

まとめ

コロナ禍を経て、タイニーハウスはさらに注目を浴びるアイテムとなりました。

限られたスペースだからこそ、自分のこだわりを実現できる夢の箱ともいえます。自分だけの空間は、想像以上に豊かな時間を育んでくれそうですよね。

デザイン性やサイズ、材質、メンテナンスのしやすさのほか、今回紹介した意外な落とし穴にも気を付けて理想のタイニーハウスを選んでください。

 

【参考】

コダマベース https://kodama-p.com/category/item/architecture/

 

森林×脱炭素チャレンジをサザエさん一家が応援!

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サザエさん一家「森林の環(もりのわ)応援団」に!

 

お茶の間でおなじみのサザエさん一家。

実は林野庁が推進する森林×脱炭素チャレンジの応援団として、2023年の4月から活動しているんです。

サザエさん一家といえば、波平さん、フネさん、マスオさん、カツオくん、ワカメちゃん、タラちゃんと、みんな海にまつわる名前ですよね。そんな一家がどうして森を応援するの?と疑問に思う人もいるかもしれません。

 

日本は国土の7割が森林という森林大国。古くから木材を住まいや道具に使うなど、豊かな森林資源に恵まれてきました。

森林を通った雨水は川へ流れ、そして海へと流れつきます。

海がいきいきと豊かであるためには、上流の森林もまた豊かであることが大切。「森は海の恋人」ともいわれるほど、その関係性は深いものなんです。

つまり森が豊かになるということは、サザエさん一家にとっても大切なことなんですね。

 

▲長谷川町子美術館と林野庁との協力関係に基づいて開催した「サザエさん一家”もりのわ”話吹き出しコンテスト」の受賞作品

 

サザエさん一家も応援する森林×脱炭素チャレンジとは、森づくりなどを通して脱炭素社会の実現に貢献している企業の取組みを顕彰する制度のこと。サザエさん一家は林野庁が進める森林×脱炭素チャレンジの応援団「森林の環(もりのわ)応援団」として、イベントに参加したり有識者にインタビューしたり、表彰式に登場したりと精力的に活動しています。

 

【緊急対談】農林水産省×フグ田サザエ氏

 

「伐って、使って、植えて、育てる」でCO2吸収量を増加

 

日本の人工林の木は、伐り時を迎えています。

高度経済成長期に植えられた人工林は50年以上が経ち、高齢化。こうした木を伐って若い木を植えることで、二酸化炭素の吸収量をあげることができます。

伐った木は二酸化炭素を閉じ込めておく機能があるため、伐採した後も建物などに利用することで地球上の二酸化炭素を減らすことにもつながります。

「伐って、使って、植えて、育てる」森林資源の循環利用が林野庁の目指す理想。サザエさん一家が応援団となってくれたら、森に興味を持つ人が増え、森の役割に気づく人が増えるかもしれませんね。

 

アプリを使った森づくりも

 

森林×脱炭素チャレンジ2023では13社が受賞。トレーラーハウスや⽣活⽤品など間伐材を有効活⽤した製品の開発、独⾃の技術を⽣かした効率的な苗⽊⽣産、未利⽤材の⽊質バイオマス利用による資源の有効活用、アプリを活用した森づくりなどに取組んだ企業が受賞しました。

生活者である私たちが気軽に参加できる取組みも増えてきています。ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティングのアプリ「Green Ponta Action」では、ユーザーが森林づくりを応援できる仕組み「森づくり応援プロジェクト」を始動。アプリ内でユーザーが森づくりに貢献するアクションを「宣言」。前日よりも宣言を増やすことを目標に掲げ、達成できた日数に応じて管理企業が森づくりを推進するというもの。ユーザーが思いを「宣言」するだけで気軽に森づくりに参加できる点が評価されました。

 

▲サザエさんと学ぼう!森林と木の話」。令和5年度こども霞が関見学デーのプログラムの様子。サザエさん一家との○×クイズや木工ワークショップが開催されました

 

自分の生活と森づくりってあまり関係なさそうだなと思う人もいるかもしれませんね。でも車を動かせばCO2が発生します。冷暖房、給湯、照明などの利用でもCO2は発生しています。日常生活に伴って排出されるCO2の7割が「食」「住」「移動」に関連するもの(※)。排出したCO2を吸収してくれる森林は、私たちの生活に直結していることがわかります

森を守ることは海を守ること。

私たちもサザエさん一家と一緒に、森づくり、森林資源の循環利用に意識を向けていきたいですね。

 

※令和2年「脱炭素型ライフスタイルの施策について」(環境省)

 

 

【参考】

サザエさん一家「森林の環応援団」活動記録(林野庁)

https://www.rinya.maff.go.jp/j/kouhou/230619.html

rewoodの幸せの鳥「Living_bird」。 廃材に新しい“いのち”を

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幸せの象徴 “鳥”をモチーフにした「Living_bird」

さて、画像のこちら、何だかわかりますか?

実はこれ、座敷机の脚なんです。

 

座敷机は、昔ながらの和風住宅の客間や居間に置かれて畳の上で使うための机のこと。どっしりした脚で「座卓」ともよばれています。

古くから日本に親しまれてきた座敷机ですが、生活スタイルの変化により和室が減ったことから、座敷机も不要なものとして廃棄されているのが現状です。この廃棄される座敷机の脚を使って作られたのが「Living_bird」。可愛らしいフォルムでおうちを彩ってくれそうなアイテムですよね。

天然の木ならではの温もりを感じられる「Living_bird」。幸せを呼ぶ象徴と言われる「鳥」をモチーフに3タイプつくられています。

 

rewood 「Living_bird」

 

 

優しい人が集まる場所に―。「Swallow(燕~ツバメ~)」

rewood 「Living_bird」

 

昔からツバメが巣をつくると商売が繁盛するという言い伝えがありますよね。さらに、ツバメは自分を守ってくれそうな優しい人のところに巣をつくるともいわれています。つまり、ツバメがいるところには優しい人が集まり幸せが訪れるということ。

どんな角でも自立するデザインも秀逸ですよね。どこに置くか考えるのが楽しくなりそうなアイテムです。

 

 

“森の賢者”をモチーフにした「Owl(梟~フクロウ~)」

rewood 「Living_bird」

 

「福老」=豊かに年を重ねる

「不苦労」=難を逃れる

として、古来の人々もフクロウを身近に置いていたといいます。アイヌや西洋の神話には守り神としても登場するフクロウ。一家の守り神としてお部屋に置いてみたくなります。

 

夫婦円満の象徴「Crane(鶴~ツル~)」

rewood 「Living_bird」

 

鶴の夫婦は仲が良く一生連れ添うことから「夫婦鶴(めおとづる)」と呼ばれ、昔から夫婦円満の象徴とされてきました。“鶴は千年”という言葉もあるように「長寿」を象徴する鳥でもあります。

「鶴九皐に鳴き声天に聞こゆ」(つるきゅうこうになき こえ てんにきこゆ)ということわざがありますが、高く響き渡る声は深い谷底からでも天に届くという意味で、身を隠しても名声が広がるというたとえでも使われます。

天にもつながる神聖な声をもつ鶴。大切な人への贈り物としても喜ばれそうです。

 

貴重な一枚板を無駄にはしない。rewoodの試み

「Living_bird」を手掛けるのはrewood。日本各地で不要とされた座敷机を救出し、今の暮らしに寄り添うアイテムへとつくりかえる活動をしています。

そもそも座敷机は、樹齢200年をこえる木から作られています。一枚板でできた天板は、一本の丸太から切り出した贅沢なもの。自然がつくりだした貴重な資源です。

1990年~2000年ごろ一枚板ブームがおこり、約30万台もの座敷机が生産されました。それが、時代の移り変わりとともに廃棄されている―なんとも悲しい現実です。

「Living_bird」は、こうした廃棄される座敷机の脚を再利用しています。

材質はブビンガとタガヤサンという木材。ブビンガは赤みがかった色と美しい縞模様が特徴。タガヤサンは、漢字で書くと「鉄刀木」。紫檀、黒檀と並び「三大唐木」のひとつで高級家具に使われてきました。現在は流通量が少なく、貴重価値の高い銘木です。

一枚板でできた座敷机って、かなり貴重な材でできていたんですね。

 

 

 

rewood 「Living_bird」

 

貴重な地球の資源を再利用することは、現代に生きるわたしたちの使命といえるかもしれません。新しく生まれ変わった“幸せの鳥たち”。家族の幸せを見守るアイテムとして、新築のお祝いやお子様誕生のお祝いなんかにも喜ばれそうですね。

 

【参考】

rewood https://re-wood.jp/

 

お正月の玄関を彩る門松。竹と松をあしらう理由とは

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUTリビング空間に合う暮らしの提案憧れのライフスタイル

新しい年がもうすぐそこまで来ています。

早いものですね。新年を迎える準備は進んでいますでしょうか。

今日は、お正月の玄関を彩る門松についてご紹介してみようと思います。

門松は、松飾り、飾り松、立て松などとも呼ばれ、鏡餅やしめ縄とおなじく、年神様を家に迎え入れるための飾り。年神様が降りてくる時の目印として飾るものです。

門松は、松や竹といった常緑の木が使われています。長さの違う3本の竹に松と梅の枝をあしらって荒縄で結んだものが一般的ですね。

門松が飾られるようになったのは平安時代。当時は、貴族の間で松の木を引き抜く「小松引き」という遊びが行われていました。遊びの後、持ち帰った松を長寿祈願のために飾ったことが門松のはじまりだといわれています。

神聖な松と繁栄長寿を意味する竹

松や竹は冬になっても枯れず、青々としていることから生命力の象徴とされてきました。また、松は「祀る」という言葉につながることから、神聖な樹木ともいわれています。竹は、成長が早くまっすぐ伸びるのが特徴。健やかな成長や繁栄、長寿を表すとも言われています。

竹を切るとき、節の部分を入れて切ると、その切り口が笑っているように見えることから「笑う門に福来る」で、さらに縁起がいいという説もあるんですよ。

 

門松はどこに飾っても大丈夫

生活スタイルの変化やマンションなど集合住宅が発達してきたことで、門松が飾られることは以前より少なくなりました。門松は名前の通り、玄関の門に飾るのが習わしではありますが、マンションなどの場合、どこに飾ったらいいのかわからないという人も多いようです。

門松は神様への目印なので外に飾るのが一般的。でも、玄関周辺にスペースがない場合は、リビングやキッチンなど好きな場所に飾っても問題ありません。

最近、ホームセンターや園芸ショップなどでは、ミニサイズの門松や、門松をモチーフにしたかわいらしい寄せ植えが販売されているのを目にしますよね。各地でワークショップも開催され、現代風にアレンジした門松を自分で作ることもできます。

昔ながらの風習は大事にしつつ、今のライフスタイルに合うようにアレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。

竹を使ったモダンなインテリアが人気

若い世代には、特に竹は直線的なフォルムがモダンでおしゃれというイメージもあるようで、日常的なインテリアに取り入れる人も増えてきました。

竹に穴をあけて光が透ける用に細工した照明は、みなさんも目にしたことがあるのではないでしょうか。竹でできた間接照明も、スタイリッシュでなかなか素敵ですよね。

竹は毎年地下茎の節にある芽から成長し、あっという間に大きくなるのが特徴。1日で100センチ以上伸びたという記録もあります。竹は上には伸びても幹が太くなることがないため、洗練された植栽アイテムとして利用されることも多くなりました。

そうそう、松といえば盆栽。小さな鉢のなかに自然界を映し出す日本伝統の盆栽に、松は欠かせないアイテムです。いま海外では「BONSAI」として、密かなブームがきているんですって。

縁起のいい松竹梅。門松を飾って日本文化を再確認してみるというのもおすすめです。

 

 

【参考】

森林・林業学習館

https://www.shinrin-ringyou.com/topics/kadomatu.php

日本最古の椅子と椅子の歴史

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUT

インテリアの中でもひときわ注目されるのが椅子。時代のなかでたくさんの名作が生み出されてきました。

そんな椅子についての歴史を、「歴史の流れがひと目でわかる 年表&系譜付き 新版 名作椅子の由来図典」に基づいてちょっとさかのぼってみましょう。

日本で一番古い椅子は弥生時代前期

椅子、というと想像するのが背もたれと肘掛けが付いているタイプではないでしょうか。日本では、この「チェア」タイプが普及したのは明治以降。それまでは“腰掛けのようなスツールタイプが使われていました。

日本で一番古い椅子(腰掛け)は弥生時代前期と推定される機織用のもの。徳島市の庄・蔵本遺跡で1992年に見つかりました。

素材は広葉樹のクヌギ。装飾などはなく、ずっしりと重たい椅子で、形状などから機織りをするときに女性や子どもが座っていたといわれています。

機織りの様子(イメージ)

静岡県の登呂遺跡では、座面と脚をホゾ組みした椅子が出土しています。座面と脚を外せばコンパクトに収納できるし、移動するのにも簡単ですよね。こちらは地元静岡県産のスギでできています。弥生時代から古墳時代にかけて、数多くの椅子(腰掛け)が見つかっていますが、その用途は日常生活で使うというよりも、作業用または祭礼用に使われたのではないかと推測されています。

椅子は権威の象徴だった

でもやっぱり「椅子」と言われてイメージするのは背もたれと肘掛けがあるタイプですよね。日本に現存する肘掛けタイプで一番古いのは、正倉院に所蔵されている「赤漆槻木胡床(せきしつつきのきこしょう)」です。

あぐらをかいて座れるくらい座面が広く、直線的なデザインが特徴です。ケヤキ材に赤い漆が塗られていて、脚先や座面の角には金銅製の金具が取り付けられています。

これは天皇が儀式の際に座るためのものだそう。貴族たちは背もたれのないスツールタイプの椅子に座っていたということから、椅子は権威や身分の高さを示す道具だったとされています。

背もたれのないタイプは胡床(こしょう)や床几(しょうぎ)と呼ばれています

明治時代には学校で椅子が使われるように

家庭に椅子が普及してきたのはいつごろなのでしょう。

床に座る生活をしてきた昔の日本人。鎖国が終わり欧米諸国との交流が始まったころから椅子にふれる機会が増え、明治時代になるころには学校で椅子が使われるようになったことで、少しずつ一般家庭にも普及していったとされています。

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海外から持ち込まれた椅子をもとに、江戸時代末期には日本人の大工も椅子をつくり始めます。日本の職人たちは、外国から入ってきた椅子を真似てつくり、和室でも使える椅子なども考案されました。

時を経て、戦後はアメリカ文化が流入し、住宅には洋間が作られるようになり椅子の生活が広まっていきました。日本でもデザイナーたちの名作が作り出され、ニューヨーク近代美術館(MOMA)のパーマネントコレクションに選定される椅子が次々と登場するなど、世界でも認められるようになっていきました。

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今ではすっかり当たり前になった椅子ですが、さかのぼれば歴史があるものですね。

ちなみに、世界中で現存する最古の椅子は紀元前5500年~7000年ごろ、新石器時代。トルコのチャタルホユック(チャタル・ヒュユク)遺跡から出土したものだそうですよ。

【参考】

「歴史の流れがひと目でわかる 年表&系譜付き 新版 名作椅子の由来図典」西川栄明著(誠文堂新光社)

 

 

クリスマスツリーはなぜモミの木なのか

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わくわくするクリスマス。もうすぐやってきますね。

お父さんお母さんサンタさんは、子どもの願を叶えるべくがんばっていらっしゃるころかなと思います。

 

さて、クリスマスといえばクリスマスツリー。モミの木ですよね。なぜクリスマスにモミの木を飾るようになったのか。

ちょっと気になったので調べてみました。

 

永遠の命と力強さの象徴

 

クリスマスツリーの起源は諸説あるようです。

「クリスマスの文化史」(若林ひとみ著)によると、「クリスマスツリーは、キリスト教以前の異教時代に、冬至に魔よけとして常緑樹を家の内外に飾った習慣にその起源を持つ」と書かれています。

モミの木は過酷な冬も緑を保つ常緑針葉樹。永遠に枯れない、生命の力強さの象徴として、冬の特別な時期・クリスマスに飾られるようになったという説もあります。

また、キリスト教の教えを見せる劇のなかで、アダムとイブが住んでいた「エデンの園」の場面でリンゴを吊るしたモミの木を小道具に使ったことがクリスマスツリーの始まりという言い伝えもあります。

 

クリスマスツリーの発祥は北ヨーロッパ

クリスマスツリーは北ヨーロッパが発祥といわれています。原住民が冬至のお祭りに木に飾りをつけていたことがはじまりとか。ちなみに、ドイツ東部ではセイヨウイチイ、南西部ではツゲ、スイスではセイヨウヒイラギ、地域によっては樫の木が用いられていました。

 

 

1860年、日本初のクリスマスツリーが登場

日本で初めてクリスマスツリーが登場したのはいつだったのでしょう。

 

「1860年にプロセインの公使オレインブルクが、杉、竹、椿の木などを使って初めてクリスマスツリーを飾った」

 

と「クリスマスの文化史」(P46)に書かれています。

 

天井まで届くほどの木にフルーツや精巧な砂糖菓子やロウソクを飾ったそうです。

 

その後、輸入食材などを扱う明治屋が1886年12月7日、横浜にクリスマス装飾を施し大売出しをしたことから、クリスマスの認知度が高まり民間にも浸透していきました。このことから12月7日は「クリスマスツリーの日」とされています。

 

クリスマスツリーの飾りつけの意味とは

ツリーに飾り付けをするのも楽しみのひとつですが、それぞれの飾りにも意味があるのを知っていますか。

例えばリンゴは、アダムとイブの象徴のようなもの。リンゴの赤は愛、丸い形は永遠と地上を表しています。お菓子やケーキをモチーフにしたものは、神様の恵みを意味しているそうです。

昔はいつでも甘いお菓子を食べられたわけではないので、子どもたちはこのクリスマスをとても楽しみにしたいた、というのもわかる気がしますね。

 

実は身近な存在のモミの木

モミの木が多いのは日本では本州の中南部。その立ち姿が美しいことから神社の境内に植えられていることも。

モミは私たちの身近なところにも。香りがなく、調質性に優れ、抗菌性が高いことから、かまぼこの板や米びつ、すし桶など、直接食材がふれるものにも使用されてきました。

薄い黄色や白い木肌は神聖なイメージがあるということで、冠婚葬祭に使う道具にも使われています。

家の内装材に使われることもあるので、みなさんのおうちのどこかにもあるかもしれませんね。

 

一部の地域ではモミの天然林が見られますが、近年木の衰弱が目立っているという話もきかれます。

「永遠の命や力強さの象徴」と紹介しましたが、実はモミの木はデリケート。大気汚染や煙、暑さには弱い樹種です。

ここでも人の生活が木に与えている影響は少なくなさそうです。

 

日本のクリスマスツリーは「ウラジロモミ」

 

さて、そんなモミの木。

日本でクリスマスツリーとして使われているのは「ウラジロモミ」という種類で、実はこれ正確には「モミ」とは別の種なんだとか。

「ウラジロモミ」は葉の裏が白っぽいのが特徴。表面は艶やかな緑の葉をつけ、美しい円錐形の樹形に育つためクリスマスツリーにぴったりということで、使われるようになったようです。

「ドイツでは、ツリーの飾りつけは部屋を閉めきって大人が行い、子供は24日の晩まで見てはいけないことになっていた。ツリーの下にプレゼントを並べ終え、ロウソクに火を灯して準備万端整ったところで〈開かずの間〉のドアが開き、子供たちは目の前の光景に息をのむのであった。」(「クリスマスの文化史」P42)

みなさんのおうちでは、どんなクリスマスを演出するのでしょう。想い出に残る素敵なクリスマスを!!

 

【参照】

「クリスマスの文化史」若林ひとみ著(白水社)

「クリスマス事典」(あすなろ書房)

森林・林業学習館「日本の樹木」

https://www.shinrin-ringyou.com/tree/momi.php#sec02

 

「クロモジ」を使った「森ノ茶」。山の素材を活用して新しい価値を生み出す人に出会いました

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUT憧れのライフスタイル

とある山奥。

秘密のアトリエで催された、特別な食事会に行ってきました。

山道の途中にあるアトリエは古民家を改築した一軒家で、石垣や縁側、大きな引き戸や小上がりがあり、おおらかさと凛とした空気がとても心地よく感じられました。

スパイスを使ったお料理をコースで堪能したあと、食後にオーダーしたのがこちら。

「クロモジ」を使ったほうじ茶のチャイです。

「クロモジ」って聞いたことありますか?

クスノキの一種で、山地に生える落葉低木です。幹が細く、大きな木の陰に隠れて育つため、あまり目立たない存在なのですが、実は和製ハーブといってもいいくらい香りがいいんです。

漢字では「黒文字」ですが、英語では「spicebush(スパイスブッシュ)」。その名の通り、樹皮や枝葉に爽やかでスパイシーな香りがあるのが特長です。香りには、抗不安作用、リラックス効果があるとされるシネオールやリナロールが含まれているので、アロマオイルや生薬としても活用されているそうです。

今回いただいたチャイのベースになっているのは、愛知県北設楽郡設楽町で作られている「森ノ茶」。「クロモジ」とほうじ茶をブレンドしたお茶です。

発案したみやびさんにお話を聞きました。

「設楽町は町の9割が山なんです。森林資源をどうやったら活用できるのか森を持続させるためには何ができるのか、というのを町のおじいちゃんたちと考えていて、できあがったのが『森ノ茶』なんです」と、みやびさん。

設楽の森では下草として刈られてしまう「クロモジ」。採取・乾燥など地元の集落の方たちが力を合わせて行い、山を隔てた隣町・新城市の製茶メーカーと連携して有機栽培のほうじ茶とブレンドすることで製品化に成功したそうです。

みやびさん https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

「繋ぐ人/forestderector」として活動しているみやびさんは、“森と街をつなぐ”をコンセプトに森の新しい価値を生み出す活動をしています。

「『森ノ茶』を通して、森林の可能性や持続性に目を向けてもらえたらうれしいです」と話していました。

https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

森の木1本1本にストーリーがある。それを大切にしていきたい」と話していたみやびさん。

家や家具、暮らしの中で身近にある木。それだって元をたどればふるさとの山がある。そんな風に考えたら、家も家具も木でできたものすべてがとても愛しいものに思えてきそうですよね。

温かいチャイに癒されながら、みやびさんの言葉に深くうなずいたのでした。

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すっかり秋の香りに包まれた山道を、旧友とドライブしながら訪れた秘密のアトリエ。

鳥の声や川のせせらぎをBGMにしながらいただいたブランチ、デザート、そして「森ノ茶」のチャイ。街でいただくのとはちょっと違った特別な食事会で、心身ともにほぐれるひとときでした。

 

 

 

【写真提供】

https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

【参照】

「リナロール香気の持つ抗不安作用と その脳内機序」柏谷英樹著

https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/57/3/57_204/_pdf/-char/ja

東北森林管理局

https://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/sidou/jumoku/shubetu/kuromoji.html

公益社団法人日本薬学会

https://www.pharm.or.jp/flowers/post_50.html