東京新木場「木材会館」。映画、CM、TVにも登場する国産材をふんだんに使った木のビル

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新年のご挨拶にはだいぶ遅くなってしまいましたが、みなさま今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、今回は東京都江東区新木場にある木材会館についてお伝えしようと思います。

新木場駅の構内。木材推しです!

 

新木場駅を降りてすぐの場所にある木材会館。映画やドラマのロケ地としても使用される撮影スポットでもあります。

駅前のモニュメント

 

近づいて全貌が見えると、思わずパシャパシャと写真を撮りまくり。

外観がすでにかっこいい!

木とコンクリートがランダムに組み合わさって、リズミカルな印象を受けます。「木材を使っています!」というこのインパクトは、さすが木材会館というだけあります。

木材業界のシンボル「木材会館」

 

 

■ヒノキの大梁がダイナミックな7階ホール

ヒノキの香りと自然光に包まれてなんとも開放的!

天井から壁にかけて、大きなL字型の大梁が並んでいます。圧倒的な存在感を放つダイナミックな梁は、誰もがしばらくポカンと見上げてしまうほど。

入口から奥までが24m、幅19mという実際にも広い空間なのですが、さらに広く感じさせているのは5.4mという天井の高さかもしれません。

5.4mという高さは、万が一床面で火災が起きたとしても、炎や高温の煙が梁に触れないようにするためなんだとか。この天井高を確保することで、木を不燃化することなく自然のまま使用することが可能になったとのことです。

板状の木を積み上げたデザインに注目が集まる7階大ホールの入り口

 

ちなみに木の不燃化処理とは、不燃薬剤に木を浸して木材の中の水分と薬剤を転置する方法だそう。木が重たくなる、木の質感が変わってしまうこともあるため、できる限り自然のまま使いたいというのが同会館のデザインに反映されているようです。

梁に使われているのは岐阜県産の良質なヒノキ。ヒノキの角材を束ねてボルトで縫い合わせ一体化したものを1本の梁として使っているとのこと。接着剤をいっさい使わずに仕上げているため、ボルトを外せば元の角材に還元され、他の用途への流用が可能。ビルの寿命後の再利用まで考えられているのはさすがですね。

 

■思わず裸足で歩きたくなるヒノキ舞台

舞台では演劇なども行われるそう

1階のギャラリーにはヒノキ舞台が設置されています。舞台の東側にはヒノキの角材がランダムに組み合わされた壁。ユニークですよね。暗号でも唱えたら「ゴゴゴー!」と音を立てて開きそう(笑)。

せっかくなので靴下を脱いで裸足で舞台に立ってみました。冬だったのにそんなに冷たさを感じず、木の心地よさが足の裏から伝わってくるような気がしました。

ヒノキ舞台のある1階ギャラリー

 

奥には茶室も用意されています。

水屋を備えた本格的な茶室で、お茶や生け花、詩吟の教室などに使われているそうです。

1階の茶室

 

■小ホールに立つスギの木立!?

波打つデザインに木目の美しさが際立つカウンター

入口には木目の特徴をデザインに活かした大きなカウンターが目に留まります。ヒノキの角材を波上に削り、波状に削り、積み重ねて製作されたもの。板目と柾目の違いがはっきりと目に見えて、木の力強さとかエネルギーを感じます。

案内してくださったガイドさんが「奥に木立がありますよ」と言うので、ホールの奥に進むとこんなスペースが用意されていました。

5cmほどの幅にカットされたスギ板が天井から床に、何本も張り巡らされ、本当に「スギの木立」が表現されていました。カーテンをあければ自然光が木立の間から差し込んでくるデザインに。光の入り方もデザインの妙といえそうです。

6階小ホールにあらわれたスギの木立

 

 

■「都市建築における木の復権を目指す」木材会館

エントランスホール

 

国産材の需要低迷という状況を変えたい、「木の国 日本」の名にふさわしい建築を、という想いでつくられた木材会館。

2009年の竣工から今年で16年が経とうとしています。

時を経るにつれて木は変色します。私が訪れた際も、バルコニーなど日差しを受ける場所はもれなくグレーに色が変わっていました。木とのコントラストを生み出しているコンクリートも、木の灰汁によって少しずつ黄ばんでいき、もしかしたら数年後、数十年後にはコンクリートと木が同じような色になっているということもありえるそうです。時間の経過とともに、変化していくのも木のおもしろみですよね。

最上階にあたる7階のバルコニー

木材会館を見学して、改めて日本は木の国なんだな~と実感しました。

 

今回は昼間におじゃましたのですが、木材会館は実は夜景も美しいのだとか。オフィスの明かりがついたとき、この外観はどんな見え方をするのか、実際に見てみたいところ。今度は夜に訪れてみたいと思います。

1階屋内階段

 

事前予約で見学可能なので、興味がある方はぜひ訪れてみてください。

https://www.mokuzai-tonya.jp/mokuzaikaikan/index.html

 

【参照】

木材会館小冊子「都市建築物にも木の潤いを!―中高層ビルへの木材活用策―」(東京木材問屋協同組合)

7階バルコニーの眺望も見どころのひとつ!

オフィスで天然木のテーブルを使うメリットとは

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木製会議用テーブルが増えている理由。その魅力と効能とは

前回、木造の高層ビルが増えているというお話をしましたが、そこまで大規模でないにしろ、中小企業にも木質化のブームはすでに到来。会議室や休憩室など部分的な内装の木質化を進める動きが年々活発化しています。

■オフィスで無垢材を使うメリット

オフィス内を木質化すると生産性があがるとか、リラックスした気分になれるというメリットが実証されています。とある実験では、木質化(ウォールナット)された空間と非木質化(クロス張り)の空間で脳の血流と心拍を測定したところ、木質化空間のほうがだるさやぼやけなどの疲労感が軽減するという結果に。

会社の休憩スペースがこんな感じだったら素敵ですね!樹齢600年のブビンガ材を輪切りにした一枚板

 

林野庁も「建物の内装木質化のすすめ」として取組みを進めています。木質化の効果について、検証により実証された効果を資料から一部紹介してみますね。

<心理面の効果>

スギ材から揮発した匂いがストレスを抑制

<身体面・衛星面の効果>

ヒノキの匂い成分がヒトの免疫機能の働きを上昇

感情の落ち込み、疲労感、ストレスが緩和

木の吸放湿作用が室内空間の湿度をある程度一定に保つ

空気浄化効果、精油の抗菌効果

<生産性の効果>

無垢材の部屋は深睡眠の時間が長く日中の作業効率が向上

集中しやすい、発想力が発揮しやすい効果

サイズオーダー無料・CONNECTのカスタムテーブル。足をスチール製にすることも可能。天板の樹種も選べます

 

などなど。空間に占める木の割合が増えるほど、その効果もあがっていくそう。無機質な会議室より木に囲まれた空間のほうが、積極的なディスカッションができるというイメージも、こうした実験結果を見ると納得できますね。

 

一枚板 テーブル ウォルナット。ダイニング用テーブルも組み合わせによってはミーティングデスクとして利用できます

 

私の個人的な自己分析結果でいくと、従来の会議室では「会議だ、がんばらねば」というやや硬いモード。それに対して木質化された空間での会議だと「よし!会議がんばるぞ」というテンションになります(笑)。

単純に木質化空間が好きという主観的要素もありますが、みなさんもそんな気がしませんか? 会議室もしくは個人で使うテーブルや椅子が木に替わった、というシーンを想像してみてください。テンションが下がる人っていない気がしますがいかがでしょう。

もしかしたら殺伐とした会議も穏やかに進んでいくとか、そんなメリットもあるかもしれませんね。

 

来客用のVIPルーム。無垢材ならではの落ち着いた空間が広がります

 

■デスクだけでも無垢材に

大きな改装は今すぐ無理という場合、デスクだけでも無垢材に替えてみるという会社も最近増えています。

これまでは、汚れにくい、傷がつきにくいといった理由から化粧板のデスクが主流でしたが、今の時代は木の温もりです!

一日の多くを過ごすオフィス。快適な空間になったらいいですよね。

杉材の一枚板でできた個人のワークデスク。リラックスして仕事に打ち込めそうです
会社のエントランスに置かれた東濃杉の特注ベンチ

 

※画像はすべてCONNECT

 

【参考】

林野庁補助事業「木材利用に取り組む民間 企業ネットワークの構築事業」

https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/kidukai/attach/pdf/wckyougikai-47.pdf

 

脱炭素社会の実現に貢献。木造高層ビルが続々と誕生予定

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最近、オフィスビルが次々と木造化されるというニュースをよく聞きます。

有名なところだと、東京海上日動ビル本館・新館の建て替え。国産木材をふんだんに使用した新オフィスが2028年の竣工の予定です。完成すれば、木の使用料が世界最大規模となる高さ100メートルの「木の本店ビル」となります。

三井不動産と竹中工務店が手がける、仮称・日本橋本町木造計画(むろまち小路)は、「日本橋に森をつくる」をコンセプトにした国内最大規模の木造賃貸オフィスビル。2026~27年に竣工予定だそうです。ほかにも、環境配慮型の木質耐火部材を日本で初めて採用したオフィスビルが秋葉原にできるとか。

都市の木造化が進んでいるのを実感しますね。

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■進化した技術と木材

 

建築の技術革新ってすごいですよね。高層ビルを鉄筋コンクリートではなく木造で建てることができるなんて!

木造化が進んでいる理由として、耐震性や耐火性、断熱性に優れた木材が開発されたことが大きいようです。これまでの木造技術では強度に不安があったため、高層ビルを建てることが難しいという現状がありました。建物が密集する都市部では、防火規制も厳しいため木材を柱や梁として使用することが難しかったことも原因としてあげられています。

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それが、ここ数年で飛躍的に進化!耐火、耐震、断熱効果に優れたCLTという木材が普及したことで、木造中高層ビルが実現できるようになったのです。

今では、オフィスビルだけでなくマンションや学校の校舎にも進化した木材と木造技術が用いられるようになっています。

構造躯体として建物を支えると共に、断熱性や遮炎性、遮熱性、遮音性などの複合的な効果も期待できる木材「CLT」(画像提供:一般社団法人日本CLT協会)

 

■大量の木材を使うことで脱炭素社会の実現へ

 

木造化のもう1つの理由は、脱炭素社会への意識が高まったこと。

2050年までに温室効果ガスの排出をトータルしてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指す、と宣言している日本。二酸化炭素を吸収する森林を健康に保てるかどうかが、目標を達成するための鍵になってくるのです。

高層ビルの木造化には、当然大量の木を使います。となると、国内の森林資源は有効活用され、森を支える地域の経済が潤うわけで。その結果、適切に管理できるようになり森は健康を取り戻し、脱炭素社会の実現にも近づくことができるのです。

そしてもう1つの理由は法整備が進んだこと。

2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が制定され、国をあげて木材利用の促進に取り組んできました。

2021年には「「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に改名されて、対象を公共建築物から建築物一般に拡大されました。

こうした背景から、木造建造物が増えているんですね。

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私たちの身近なところでも木造建造物が増えていたり、オフィスを木質化するという動きも活発になってきています。

次回、そのあたりも掘り下げてみようと思います。

 

 

 

<関連記事>

マンションも木造の時代!木造中高層マンションが増えている

https://00m.in/aetCX

 

 

“森のリトリート”を体験。岐阜県の小さな村・東白川村のリトリートとは

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くねくねとした山あいの道。車の窓を開けると、風とともに森の香りが広がります。川沿いを山の奥へと進んだ先にあるのが岐阜県で一番小さな村「加茂郡東白川村」です。標高1,000m級の山に囲まれた村には東西にかけて白川が流れ、周辺に集落が点在しています。

前日に大雨が降ったせいか、この日は早朝から霧がかった風景が広がり、緑を覆うヴェールのように幻想的な雰囲気が漂っていました。

美しい森が広がる東白川村。今日はここで“森のリトリート”を体験します。

 

■リトリートとは

最近よく聞くワード「リトリート」。

日常生活から離れて心身をリラックスさせる時間の使い方のことをいいます。本来の「retreat」には、避難、避難所、隠居所、静養所 〔軍隊などが〕撤退、退却すること、という意味もあります。

忙しい毎日から一歩下がって、静かな場所で自分を向きあう、そんな意味もこめられた言葉です。

メンタルヘルスの分野で重要とされている

・Rest(休息)

・Recreation(遊びや娯楽)

・Relaxation(リラクゼーション)

・Retreatment(再治療)

という4Rを満たすものとして、注目されています。

 

■森の空気と同調する心地よさ

 

森に一歩足を踏み入れると、空気が変わるのを感じることができました。

 

まずは全身で大きく深呼吸。

ぼんやりとカメラのピントをぼかす感じで森全体を眺めるように視野を広げます。森全体を視野に入れながら、今度は自分の心がピンとくる場所を見つけます。ふわ~っと森を眺めていると、「ここかな」という場所にフォーカスがあたるから不思議です。

“自分の場所” を見つけたら、その場所でしばらく森と呼吸を合わせるように深く大きく深呼吸を繰り返していきます。

何も考えず、ただぼ~っと森に心身をゆだねます。

 

すると小鳥たちのさえずり、草のこすれる音、小川のせせらぎがだんだんと大きく聞こえるようになって、自分も森の一部になったような気持ちに。樹々の呼吸と自分の呼吸がだんだん同調していくような気がして、気がつくとほわ~っと心地よい気分に満たされていました。

 

■DNAレベルで安心する森の効果

マイナスイオンやフィトンチッドの作用により、森林浴にリラックス効果があるということは以前もこのブログで紹介してきました。それを身をもって感じられた“森のリトリート”体験。ちょっとスピリチュアルな感じがして敬遠しがちな人もいるかもしれませんが、森林浴効果はちゃんと科学的にも立証されています。

興味がある方はこちらの記事を読んでみてください。森林浴の研究をしている千葉大学環境健康フィールド科学センター自然セラピー研究室名誉教授・医学博士の宮崎良文教授と池井晴美准教授のインタビューです。


政府広報オンライン

VOL.192 MAY 2024
JAPAN’S HEALING FORESTS (PART 1)人はなぜ、森へ行くとリラックスするのか。」


 

太古の昔から人類の歩みは自然とともにありました。森から食べ物や水を得て命をつないできたのが人間です。自然の中にいることが、人間にとっては“自然なこと”。都会暮らしをしていても、DNAレベルでは自然に回帰することを求めている、ということなのでしょう。

まちの喧騒から逃れて森のなかでリラックスすることは、もともと持っていた人間本来の力を取り戻すことにもつながるのかもしれません。

“森のリトリート”を体験したことで、忙しい暮らしに戻ってきても、森でのあの時間を思い出すと気持ちがリラックスします。

意識的に時間を作って心と身体を整えるのは、まちに住む私たちにとって必要なのものだと実感しました。

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今回の“森のリトリート”は、「コダマフォレストキャラバン」の一環として開催されたもの。リトリート以外にも間伐体験や製材工場の見学、木工ワークショップなど、1日みっちり森を体験できるプログラムが盛りだくさんでした。次の回でも引き続き、「コダマフォレストキャラバン」について紹介していこうと思います。

【参考】

コダマフォレストキャラバン

コダマフォレストキャラバン2025開催決定!

 

失敗しないタイニーハウス選び 2024

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コンパクトでミニマルな暮らしを実現できる「タイニーハウス」。

木製のタイニーハウスは「キトヒト」の読者のなかにも気になっている方が多いのではないでしょうか。住居以外の場所“セカンドプレイス”、“サードプレイス”として購入を検討する人も増えています。

タイニーハウスについては、以前もこのブログでご紹介しましたが、今回はもう少し深堀りしてみたいなと思います。

以前の記事はコチラ

失敗しないためのポイント

タイニーハウスを選ぶ時、みなさんが気になるのはやはり費用ではないでしょうか。

ブームになって以降、住宅メーカーだけでなくアウトドアブランドや生活雑貨ブランドまでタイニーハウスを手がけています。価格も100万円台~800万円と幅があります。

こうなってくると、何を基準に選べばいいの?と戸惑いますよね。本体価格だけ見て決めてしまうと、後で後悔することも。

当然、大きさや仕様によってかかる費用は変わってきますがそのほかにも意外な落とし穴があります。

今回は、失敗しないためのタイニーハウス選びについて、考えておいたほうがいいことをまとめてみました。

 

1.大きさと仕様

タイニーハウスの大きさは、10㎡以下か10㎡以上かで価格が大きく変わってきます。

10㎡以下であれば基本的に建築確認申請が不要(※)。手軽で費用が抑えられるのが魅力です。10㎡を超える場合は建築確認申請や現地調査が必要で、その分手間や費用がかさむため、費用は高くなります。

キッチンやトイレ、シャワーなどインフラ設備を付けるかどうかも大きな選択です。インフラを付けた場合、費用はさらに200万円以上ほど増えると考えておいたほうがよさそうです。標準仕様としてインフラ設備が備わっているタイプだと600万円~900万円が相場のようです。

10㎡以下、インフラなしであれば300万円ほどで手に入れることができます。

(※)建築確認要請不要の条件:10㎡以下であること/防火地域・準防火地域以外の地域であること/増改築・移転の場合

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2.自作する?完成品を買う?

とにかく価格を抑えたいという人は、キット販売という商品もあります。セルフビルドが前提のため、完成品よりも安価で200万円弱で購入できるものもあります。

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キット販売の場合、以下の点には注意が必要です。

◆組み上げまでの日数

パーツとなる木材が届いてからすぐに組み上げをしていかないと、部材に狂いが生じてしまいます。商品によっては、届いてから7日以内で完成させないといけないものもあるので、スケジュールをしっかり立てる必要があります。

◆最低でも大人2人必要

作業できる人材の確保も必須条件。丸太を組み上げる作業の場合、最低でも大人2人の手が必要になります。組み上げをプロにお願いするとなれば、さらに200万円ほど上乗せという可能性もあります。

◆一般資材は別途必要

キットとはいっても塗料や補助材、養生材などの資材は含まれていない場合も。必要な資材を別途購入していたら、意外と高額になってしまったということがないように、必要なものはあらかじめ洗い出して予算を立てたほうがいいかもしれませんね。

キット商品は、家族や仲間でつくり上げるのが魅力。本体以外の必要経費を踏まえ、しっかり計画を立てる必要がありあそうですね。

 

3.オプションに要注意

自分で作るのは自信がないという人は完成品を選べばいいのですが、その際にも注意しておきたいことがあります。

100万円~300万円の手ごろな価格帯の場合、断熱材が入っていないことがほとんど。タイニーハウスを離れや書斎、小さな店舗として使う場合、断熱材は必須です。これがオプションなのかどうかチェックしておいたほうがいいでしょう。

またエアコンなど設置したい場合はコンセントがないと使えません。電気系統の工事もオプションとなっている場合、しっかりと見積もりをとって比較検討するのがおすすめです。

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4.配送料や見積もり料金にも落とし穴が

タイニーハウスがいくらコンパクトとはいえ、やはり納品するためには4tトラックやユニックなどの大型車両が必要。そのため、納品設置料を別途上乗せしなくてはいけない場合もあります。設置料無料なのか別途必要かどうかで、かなり金額が変わってくるので要注意です。

「現地調査と見積もりだけで30万円」というちょっとびっくりする情報も耳にします。事前の確認はしっかりしておきたいところですね。

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めんどうなのは苦手。あれこれ考えずに理想を手に入れたいという人は

1.10㎡以下

2.インフラなし

3. 完成品を納品

4.コンセント、分電盤設置済み

というタイニーハウスを選ぶのが賢い選択。

国産ヒノキの無垢材を使ったタイニーハウス「コダマベース」を作るコダマプロジェクトの表を参考までにチェックしてみてください。

メーカーごとにサイズや仕様が違うのがわかります。

コダマプロジェクト2024年作成

 

「コダマベース」の場合、断熱材は標準仕様。愛知県・岐阜県は送料・設置料込みで納品が可能。駐車場1台分のスペースがあれば設置できるサイズです。他メーカーと同じく10㎡以下なので固定資産税や確認申請も不要です。

コダマベース

 

もう1つ特徴的なのが国産材を使用している点。

この国で育った針葉樹の檜は、外国からの輸入材に比べて調湿・断熱効果が高いことがわかっています。高温多湿の日本で生まれ育った木材を使うことは、長期的な管理のしやすさに加え、国内の林業活性化にもつながります。

檜風呂の効果はみなさんも一度は体験したことがあるのではないでしょうか。なめらかな手触りや香りが心身ともにリラックスさせてくれますよね。国産の檜をつかったタイニーハウスであれば、そんなリラックス効果も期待できます。

 

コダマベース/販売開始から2年。コスパの良さで注目されているアイテムです

 

まとめ

コロナ禍を経て、タイニーハウスはさらに注目を浴びるアイテムとなりました。

限られたスペースだからこそ、自分のこだわりを実現できる夢の箱ともいえます。自分だけの空間は、想像以上に豊かな時間を育んでくれそうですよね。

デザイン性やサイズ、材質、メンテナンスのしやすさのほか、今回紹介した意外な落とし穴にも気を付けて理想のタイニーハウスを選んでください。

 

 

【参考】

コダマベース https://kodama-p.com/category/item/architecture/

 

テーブル付きソファはなぜ人気なの?メリットを紹介します

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テーブルとソファが一体となった「テーブル付きソファ」。

最近需要が高まっているようです。

人気の理由に挙げられるのは“トータルコーディネートのしやすさ”

テーブルとソファ、部屋の中でもかなり存在感が大きいものですよね。これを別々に購入すると、微妙に高さや色味が合わないなど、部屋全体のトータルコーディネートにも影響が出てしまいます。そんな時のお助けアイテムが「テーブル付きソファ」。ソファに合わせて設計されているうえ、椅子を何脚か置くよりもまとまり感が出るというメリットもあります。

もう1つの人気の理由は“ライススタイルに合わせやすい”という点。家族が増えてもお子さんが小さいうちは並んで座ることが可能。抱っこしたり一人座りさせたり、お父さんお母さんが食事している間に子どもが隣で寝っ転がってもいいし、いろいろな使い方ができるのは魅力です。部屋にスペースができてソファ単体で使いたいとなった場合も、そのまま活用できるのもメリットといえます。

ダイニングテーブル付きソファの場合は「ソファを置きたいけれど場所がない」という場合の解決策としても活躍してくれます。座面の高さに合わせたテーブルなので、リラックスタイムだけでなく食事もしやすい設計になっているのが最大の特長ですね。

これからの季節はダイニングテーブルに椅子というスタイルで食事をしていると足元が寒い、なんていう悩みも出てきそう。そういう場合は、こたつテーブル付きのソファもいいかもしれません。こたつとソファ、両方を置く場所はないという人にも嬉しいアイテムです。

ソファの背面にテーブルがセットされている変わり種アイテムもあります。こちらの「VITA」はソファの前ではなく背面にテーブルが設置できるタイプ。天然木を使ったナチュラルな風合いは、どんなインテリアにも似合いそう。クッションを置く場所によって向きを変えられるのがオモシロイですね。

「VITA」

 

「VITA」は座面の向きを変えていろいろな使い方ができます

ロータイプの「CITA」はこちら。和室にも合いそうな雰囲気で、子どもが転がり落ちる心配もなさそう。フレキシブルに使えるのって魅力的ですね。

「CITA」

部屋の広さも家族の人数もさまざま。テレビを見たりパソコンで仕事をしたり、食事をしたり、ゴロゴロしたり…。それぞれが別々のことをしながらも近くにいられる、そういった使い方ができるのがテーブル付きソファの一番の魅力なのかもしれません。(ま)

 

 

知っておきたい「無垢材」と「突板」の違い

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「無垢」と「突板」は、家具に使われる素材のなかで特に目にすることの多い用語です。この2つの違い、みなさんはご存じでしょうか。

無垢とはその名の通り、まじりけがない木材のこと。森から切り出した木をそのまま使った木材のことをいいます。製材加工をして形を整えたり削ったりはしますが、木をまるごと使っているのが無垢材です。

▲無垢材のテーブル(rewoodプレミアムテーブル)

無垢材はなんとなく知っているけど、突板は知らないという方も多いのではないでしょうか。そもそも読み方もトツバン?トッパン?とわかりにくいですよね。正解は「ツキイタ」です。

突板は、0.2ミリほどの厚みにスライスした木のシートを芯材となるベニヤや板の表面に張り付けたものを指します。一見“木の家具”のように見えますが、実際は“木の風合いを感じられる家具”という違いがあります。

では、それぞれについてのメリットデメリットって何なんでしょう。

 

無垢家具のメリット

・経年変化によって味わい深くなる

・傷も味となる

・ヤスリがけで傷を直すことができる

・調湿作用がある

・重厚感があって頑丈

無垢家具のデメリット

・天然木そのもののため継ぎ目がある

・膨張と収縮がおこりやすく割れやヒビが入ることも

・傷やシミがつきやすい

・重い

・価格が高いものが多い

 

突板家具のメリット

・整った木目

・価格が手ごろなものが多い

・軽量で持ち運びが楽

突板家具のデメリット

・表面のシートが剥離する可能性がある

・修理が難しい

ウッドショックやコロナ禍の影響で無垢材の価格が高騰しているのは事実。お手頃価格の突板家具を検討する人も多いですよね。

ここでもう1つ頭に入れておいた方がいいのが突板の芯材について。よく使われるのがMDFという素材で、原料となる木材チップをさらに細かくし、接着剤で固めてボード状にしたものです。接着強度の高い石油系物質を使った接着剤を使用しているものもあり、こうしたものに含まれる化学物質は、アレルギーの原因になるともいわれているので避けたいところ。

ただ、最近では環境への意識の高まりから化学物質の放出を抑えた接着剤を使用する動きも広がっています。好みが変わったときに買い替えが比較的簡単にできるという点は、突板家具のいいところでもあります。きちんと調べて用途にあったものを選んでみたいですね。

無垢材か、突板か―。悩みどころではありますが、一生ものには無垢、よく動かすものには取り回しの効く突板家具と、使い分けをするのも一案かと思います。

自分がどんな生活をしたいのか、何に重点をおきたいのか、しっかりと考えて家具選びをしてみてくださいね。(ま)