失敗しないタイニーハウス選び 2024

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コンパクトでミニマルな暮らしを実現できる「タイニーハウス」。

木製のタイニーハウスは「キトヒト」の読者のなかにも気になっている方が多いのではないでしょうか。住居以外の場所“セカンドプレイス”、“サードプレイス”として購入を検討する人も増えています。

タイニーハウスについては、以前もこのブログでご紹介しましたが、今回はもう少し深堀りしてみたいなと思います。

以前の記事はコチラ

失敗しないためのポイント

タイニーハウスを選ぶ時、みなさんが気になるのはやはり費用ではないでしょうか。

ブームになって以降、住宅メーカーだけでなくアウトドアブランドや生活雑貨ブランドまでタイニーハウスを手がけています。価格も100万円台~800万円と幅があります。

こうなってくると、何を基準に選べばいいの?と戸惑いますよね。本体価格だけ見て決めてしまうと、後で後悔することも。

当然、大きさや仕様によってかかる費用は変わってきますがそのほかにも意外な落とし穴があります。

今回は、失敗しないためのタイニーハウス選びについて、考えておいたほうがいいことをまとめてみました。

 

1.大きさと仕様

タイニーハウスの大きさは、10㎡以下か10㎡以上かで価格が大きく変わってきます。

10㎡以下であれば基本的に建築確認申請が不要(※)。手軽で費用が抑えられるのが魅力です。10㎡を超える場合は建築確認申請や現地調査が必要で、その分手間や費用がかさむため、費用は高くなります。

キッチンやトイレ、シャワーなどインフラ設備を付けるかどうかも大きな選択です。インフラを付けた場合、費用はさらに200万円以上ほど増えると考えておいたほうがよさそうです。標準仕様としてインフラ設備が備わっているタイプだと600万円~900万円が相場のようです。

10㎡以下、インフラなしであれば300万円ほどで手に入れることができます。

(※)建築確認要請不要の条件:10㎡以下であること/防火地域・準防火地域以外の地域であること/増改築・移転の場合

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2.自作する?完成品を買う?

とにかく価格を抑えたいという人は、キット販売という商品もあります。セルフビルドが前提のため、完成品よりも安価で200万円弱で購入できるものもあります。

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キット販売の場合、以下の点には注意が必要です。

◆組み上げまでの日数

パーツとなる木材が届いてからすぐに組み上げをしていかないと、部材に狂いが生じてしまいます。商品によっては、届いてから7日以内で完成させないといけないものもあるので、スケジュールをしっかり立てる必要があります。

◆最低でも大人2人必要

作業できる人材の確保も必須条件。丸太を組み上げる作業の場合、最低でも大人2人の手が必要になります。組み上げをプロにお願いするとなれば、さらに200万円ほど上乗せという可能性もあります。

◆一般資材は別途必要

キットとはいっても塗料や補助材、養生材などの資材は含まれていない場合も。必要な資材を別途購入していたら、意外と高額になってしまったということがないように、必要なものはあらかじめ洗い出して予算を立てたほうがいいかもしれませんね。

キット商品は、家族や仲間でつくり上げるのが魅力。本体以外の必要経費を踏まえ、しっかり計画を立てる必要がありあそうですね。

 

3.オプションに要注意

自分で作るのは自信がないという人は完成品を選べばいいのですが、その際にも注意しておきたいことがあります。

100万円~300万円の手ごろな価格帯の場合、断熱材が入っていないことがほとんど。タイニーハウスを離れや書斎、小さな店舗として使う場合、断熱材は必須です。これがオプションなのかどうかチェックしておいたほうがいいでしょう。

またエアコンなど設置したい場合はコンセントがないと使えません。電気系統の工事もオプションとなっている場合、しっかりと見積もりをとって比較検討するのがおすすめです。

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4.配送料や見積もり料金にも落とし穴が

タイニーハウスがいくらコンパクトとはいえ、やはり納品するためには4tトラックやユニックなどの大型車両が必要。そのため、納品設置料を別途上乗せしなくてはいけない場合もあります。設置料無料なのか別途必要かどうかで、かなり金額が変わってくるので要注意です。

「現地調査と見積もりだけで30万円」というちょっとびっくりする情報も耳にします。事前の確認はしっかりしておきたいところですね。

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めんどうなのは苦手。あれこれ考えずに理想を手に入れたいという人は

1.10㎡以下

2.インフラなし

3. 完成品を納品

4.コンセント、分電盤設置済み

というタイニーハウスを選ぶのが賢い選択。

国産ヒノキの無垢材を使ったタイニーハウス「コダマベース」を作るコダマプロジェクトの表を参考までにチェックしてみてください。

メーカーごとにサイズや仕様が違うのがわかります。

コダマプロジェクト2024年作成

 

「コダマベース」の場合、断熱材は標準仕様。愛知県・岐阜県は送料・設置料込みで納品が可能。駐車場1台分のスペースがあれば設置できるサイズです。他メーカーと同じく10㎡以下なので固定資産税や確認申請も不要です。

コダマベース

 

もう1つ特徴的なのが国産材を使用している点。

この国で育った針葉樹の檜は、外国からの輸入材に比べて調湿・断熱効果が高いことがわかっています。高温多湿の日本で生まれ育った木材を使うことは、長期的な管理のしやすさに加え、国内の林業活性化にもつながります。

檜風呂の効果はみなさんも一度は体験したことがあるのではないでしょうか。なめらかな手触りや香りが心身ともにリラックスさせてくれますよね。国産の檜をつかったタイニーハウスであれば、そんなリラックス効果も期待できます。

 

コダマベース/販売開始から2年。コスパの良さで注目されているアイテムです

 

まとめ

コロナ禍を経て、タイニーハウスはさらに注目を浴びるアイテムとなりました。

限られたスペースだからこそ、自分のこだわりを実現できる夢の箱ともいえます。自分だけの空間は、想像以上に豊かな時間を育んでくれそうですよね。

デザイン性やサイズ、材質、メンテナンスのしやすさのほか、今回紹介した意外な落とし穴にも気を付けて理想のタイニーハウスを選んでください。

 

 

【参考】

コダマベース https://kodama-p.com/category/item/architecture/

 

rewoodの幸せの鳥「Living_bird」。 廃材に新しい“いのち”を

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幸せの象徴 “鳥”をモチーフにした「Living_bird」

さて、画像のこちら、何だかわかりますか?

実はこれ、座敷机の脚なんです。

 

座敷机は、昔ながらの和風住宅の客間や居間に置かれて畳の上で使うための机のこと。どっしりした脚で「座卓」ともよばれています。

古くから日本に親しまれてきた座敷机ですが、生活スタイルの変化により和室が減ったことから、座敷机も不要なものとして廃棄されているのが現状です。この廃棄される座敷机の脚を使って作られたのが「Living_bird」。可愛らしいフォルムでおうちを彩ってくれそうなアイテムですよね。

天然の木ならではの温もりを感じられる「Living_bird」。幸せを呼ぶ象徴と言われる「鳥」をモチーフに3タイプつくられています。

 

rewood 「Living_bird」

 

 

優しい人が集まる場所に―。「Swallow(燕~ツバメ~)」

rewood 「Living_bird」

 

昔からツバメが巣をつくると商売が繁盛するという言い伝えがありますよね。さらに、ツバメは自分を守ってくれそうな優しい人のところに巣をつくるともいわれています。つまり、ツバメがいるところには優しい人が集まり幸せが訪れるということ。

どんな角でも自立するデザインも秀逸ですよね。どこに置くか考えるのが楽しくなりそうなアイテムです。

 

 

“森の賢者”をモチーフにした「Owl(梟~フクロウ~)」

rewood 「Living_bird」

 

「福老」=豊かに年を重ねる

「不苦労」=難を逃れる

として、古来の人々もフクロウを身近に置いていたといいます。アイヌや西洋の神話には守り神としても登場するフクロウ。一家の守り神としてお部屋に置いてみたくなります。

 

夫婦円満の象徴「Crane(鶴~ツル~)」

rewood 「Living_bird」

 

鶴の夫婦は仲が良く一生連れ添うことから「夫婦鶴(めおとづる)」と呼ばれ、昔から夫婦円満の象徴とされてきました。“鶴は千年”という言葉もあるように「長寿」を象徴する鳥でもあります。

「鶴九皐に鳴き声天に聞こゆ」(つるきゅうこうになき こえ てんにきこゆ)ということわざがありますが、高く響き渡る声は深い谷底からでも天に届くという意味で、身を隠しても名声が広がるというたとえでも使われます。

天にもつながる神聖な声をもつ鶴。大切な人への贈り物としても喜ばれそうです。

 

貴重な一枚板を無駄にはしない。rewoodの試み

「Living_bird」を手掛けるのはrewood。日本各地で不要とされた座敷机を救出し、今の暮らしに寄り添うアイテムへとつくりかえる活動をしています。

そもそも座敷机は、樹齢200年をこえる木から作られています。一枚板でできた天板は、一本の丸太から切り出した贅沢なもの。自然がつくりだした貴重な資源です。

1990年~2000年ごろ一枚板ブームがおこり、約30万台もの座敷机が生産されました。それが、時代の移り変わりとともに廃棄されている―なんとも悲しい現実です。

「Living_bird」は、こうした廃棄される座敷机の脚を再利用しています。

材質はブビンガとタガヤサンという木材。ブビンガは赤みがかった色と美しい縞模様が特徴。タガヤサンは、漢字で書くと「鉄刀木」。紫檀、黒檀と並び「三大唐木」のひとつで高級家具に使われてきました。現在は流通量が少なく、貴重価値の高い銘木です。

一枚板でできた座敷机って、かなり貴重な材でできていたんですね。

 

 

 

rewood 「Living_bird」

 

貴重な地球の資源を再利用することは、現代に生きるわたしたちの使命といえるかもしれません。新しく生まれ変わった“幸せの鳥たち”。家族の幸せを見守るアイテムとして、新築のお祝いやお子様誕生のお祝いなんかにも喜ばれそうですね。

 

【参考】

rewood https://re-wood.jp/

 

炭を使ってごはんをおいしく炊こう!

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「炭火で焼くとおいしくなる」と言われていますが、その理由はなぜか知っていますか。
それは、炭が出す輻射熱と赤外線の効果によるもの。

食材を芯から熱し、うまみ成分であるグルタミン酸を生成してくれるからなんです。

うなぎや焼き鳥などに炭が使われるのは、水分を含まない炭を使うことでパリッとした食感に仕上がるからなんですって。

 

焼き物だけでなく、ごはんを炊く時にも炭は大いなる力を発揮します。

方法は簡単です。ごはんを炊く時に炊飯器に白炭(備長炭)をポイっと入れておくだけ。

炭から出た遠赤外線が米を芯から熱し、うまみ成分を引き出してふっくらおいしいごはんに仕上がります。

前回の記事で、炭には小さな穴がたくさん空いているという話を紹介しましたが、それもごはんをおいしくしてくれる秘密。この穴が炊飯に使われる水のカルキ臭や不純物を炭が吸着してくれるのです。穴からは炭のミネラル分が溶けだすため、水質がまろやかになり、いっそう米をおいしく炊き上げてくれますよ。

さらには、水道水に入れておくだけで浄水器と同じような効果を発揮したり、生野菜や果物を長持ちさせたりする効果も。

炭をつくる時に出る煙から抽出した木酢液には殺菌作用があり、土壌改良や病虫害対策など農業や園芸の分野でも使われています。

 

炭って本当にすごいですね。

 

最後に、炭をとことん楽しめる施設をご紹介したいと思います。

炭といえば備長炭。日本有数の備長炭の産地・和歌山県にある「道の駅 紀州備長炭記念公園」です。

写真提供:道の駅 紀州備長炭記念公園

 

江戸時代に生まれた「紀州備長炭」の歴史的背景だけでなく、炭焼き窯の見学や、炭焼き体験もできます。

さらに、備長炭を使ったおもしろいメニューをいただくことも。

インパクト大なこちらは備長炭を麺に練り込んだ「備長炭ラーメン」。ほかにも夏季限定の「冷炭めん」や「梅炭そば」などが楽しめます。

「備長炭ラーメン」(写真提供:道の駅 紀州備長炭記念公園)

 

備長炭で丁寧に濾過した水を使った「備長炭コーヒー」も味わえます。
屋根付きのBBQ場も用意されていて、備長炭を使ったバーベキューも体験できます。(時期や料金などはHPで要確認)

旧石器時代にすでに炭は使われていたという記述もありあす。いにしえから日本人の暮らしに根付いてきた炭について、2回にわたってお届けしました。

ぜひみなさんの暮らしにも役立ててみてください。(ま)

 

【参考】

林野庁「木炭のはなし」

https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/mokutan/

 

道の駅 紀州備長炭記念公園

https://www.binchotan.jp/

 

「子どもに伝えたい和の技術8 木づくり」

(2017年/和の技術を知る会著、株式会社文溪堂発行)

 

キャンプの必須アイテム「炭」はどうやって作られている?

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古くから燃料として重宝され、日本人の暮らしに深く関わってきた「炭」。キャンプシーズンには欠かせないアイテムですよね。冬は暖を取るために使われたりもしますし、天然の消臭剤として使っているという人も多いのではないでしょうか。

この炭、どうやって作られているのか知っていますか?

 

炭の原料は木です。

木は空気中で燃やすと酸素と結合して二酸化炭素を出しますが、空気を遮断して蒸し焼き状態にすることで炭化した固形物「炭」となるのです。

 

炭にも種類があります。

 

【黒炭】

原材料は主にナラ、クヌギ、カシ。炭窯の中に入れ400℃~700℃で熱して炭化させたもの。比較的着火が簡単で大きな熱量が得られます。バーベキューや暖炉によく使われるのはこの黒炭です。

 

【白炭】

原材料はウバメガシ、カシ類など。1000℃以上で熱した後、炭窯の外に出して灰をかけて消火させて作ります。炭質は硬く着火しにくいものの、安定した火力を長時間保つことができます。うなぎのかば焼きなどに使われる備長炭はこの仲間です。

写真提供:紀州備長炭記念公園

 

【オガ炭】

木工加工の際にでるおがくずや樹皮を高温・高圧力で圧縮形成し炭化したものです。備長炭に似た性質から、焼き肉や焼き鳥などに使用されます。

 

◆木炭の性質

木炭には無数の小さな穴があります。これが水分やにおいの元を吸い取ってくれる理由。家の湿度調節や消臭、有毒な化学物質の吸着に威力を発揮します。

写真提供:紀州備長炭記念公園

 

木炭の中でも有名な紀州備長炭の場合、小さな穴は特に多いらしく、炭1グラムあたりテニスコート1面分(※)にもなるのだとか! 驚きですね。(ま)

 

<次回「炭を使ってごはんをおいしく炊こう!」に続く>

 

 

※道の駅 紀州備長炭記念公園HPより

 

 

【参考】

林野庁「木炭のはなし」

https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/mokutan/

 

道の駅 紀州備長炭記念公園

https://www.binchotan.jp/

 

「子どもに伝えたい和の技術8 木づくり」

(2017年/和の技術を知る会著、株式会社文溪堂発行)

無垢材を選びたい本当の理由② ~リメイクできない家具もある~

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前回、soiro living(以下soiro)さんのリメイク家具の納品に同行した話をお伝えしましたが、今日はその続編。

なぜ無垢材を選ぶほうがいいのか―。家具を購入するときに考えておくべきことをお伝えします。

 

「子どもが生まれた」

「家を購入した」

「引っ越すことになった」

 

人生ではさまざまなライフイベントが待ち受けています。

家具の購入やリメイクが必要になるタイミングでもありますね。

日用品などと違って、家具は頻繁に買い替えるものではないので、最初の購入時にしっかりした見極めが大切といえます。

 

では、なぜ無垢材がいいのか。

無垢材とは「木」そのもの。表面を削っても「木」。当然、ヒノキならどこまでいってもヒノキですし、ウォルナットはどこを切ってもウォルナットでしかありません。

 

これに対して、化粧材というものがあります。

粉状にした木材を圧縮したMDFや、木材のチップを固めて作ったパーティクルボードに、木材でできた薄いシート(突板)を貼りつけたものを指します。均一で整った見た目の化粧材は、見た目はきれいでとても軽いです。天然の無垢材よりもスッキリした印象で好き、という人もいるかと思います。

ただ、この化粧板、無垢材とはまったく違います。

化粧板の場合、表面の突板が経年変化によりはがれてしまって中の素材が見えてしまうことも。リメイクしたくても、カットした断面に木材チップが見えてしまうので処理に困ることもあります。

一方、無垢材の場合は表面に傷やシミがつくことはあっても、はがれてしまうことはありません。たとえ表面が削れたとしても、見えるのはどこまでいっても同じ木です。

 

前回紹介したリメイク家具の場合も

「大きく形を変えることができたのは、ちゃんとした木でできているものだったからです」とsoiroさん。化粧材の家具の場合は釘で固定することが難しく、思ったようなリメイクができないことも多いそう。

「海外では、1つの家具を大事に使い続け次世代に受け継ぐのが普通のことです。いい家具を長く育てるという感覚があるからでしょうね」とsoiroさん。

使い込んだ無垢材に付いた傷は、味わいのひとつ。豊かな表情をもった1つの個性として愛着がもてるものへと変化していきます。

循環型社会への転換が求められるなか、家具だけでなく“家具を育てる感覚”も次世代に伝えていけたらいいなと感じました。

家具選びの際は、10年、20年後の暮らしをちょっと想像しながら、長く寄り添ってくれそうなものを探してみてくださいね。(ま)

 

【取材協力】

soiro living

https://www.soiro.net/

 

 

無垢材を選びたい本当の理由① リメイク家具の納品現場に同行取材しました

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いきなりですが、このピンクのカップボード個性的ですよね。実は無垢材で作られたヴィンテージ家具をリメイクしたものなんです。

とあるご縁で仲良くさせていただいているsoiro living(以下soiro)さん。家具のリメイクやDIYサポートなどを手掛けていらっしゃるのですが、今回はリメイクが完了した家具の納品があるということで、同行させてもらうことに。

何のリサーチもなく同行したのですが、現場で完成品を見て驚きました。ポップでかわいい! 実は、納品した場所はヘアメイクやエステなどを行っているサロン。壁紙も紫やペールグリーンなどポップなカラーでまとめられていて、なるほどここならピッタリ!といった感じでした。

ポップな色に生まれ変わったカップボードですが、元の姿はこちら。

知り合いから譲りうけたものの、どう使うのがいいかずっとアイデアを練っていたというオーナー。soiroさんに相談を持ち掛けたのは2年ほど前。色や形など、じっくりとすり合わせをしながらリメイクを進めていったそうです。

もともと上下に分かれる仕様だったため、上段部分の奥行を減らし、引き出しだった部分をカット。下段との間に空間を作りました。引き戸だった収納部も扉に変更、土台部分に足を付けたことで、どっしりとしたシルエットがかなりすっきり。ヨーロッパの家具のようなシルエットに仕上がっていました。

ヴィンテージの家具がなぜか集まってくる(羨ましい!)というオーナーさん。サロンにはほかにもチェストや椅子など、ディテールに凝ったものが置かれていました。

ポップな家具と重厚なヴィンテージの色味は、相反するもののようですが、壁紙やほかの家具とのバランス次第ではうまくマッチするのだな、と感心してしまいました。

「家具は手入れをしたり作り替えたりしながら、長く愛着を持って使ってもらいたい」というsoiroさん。暮らし方や自分らしさは変わっていくもの。家具もそれに合わせてアップデートしていくことが必要になってきます。

合わなくなったから捨てるのではなく、どうやって使っていくかを考えていきたいものです。

今回のカップボードがこうしたリメイクを施せたのは“本物”でできていたから。無垢材でできた家具であれば、強度を保ちつつ形を変えることが可能です。

なぜ無垢材がいいのか、という理由はそんなところにあります。買った時だけでなく、作り替えたいときにも本領を発揮してくれるんですね。

次回、家具のリメイクやDIYについてもう少し詳しく紹介していきたいと思います。(ま)

 

【取材協力】

soiro living

https://www.soiro.net/

 

 

DIYしてますか?

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みなさんは、DIYしますか?
私は、子どものころは工作が苦手で、DIYなんてまったく興味がありませんでしたが、大人になるにつれてフツフツとやりたい欲が出てきました。

最初に作ったのはカラーボックスを流用した靴の棚。捨てるつもりのカラーボックス、せっかくなら何かに流用してみようと思ったのがきっかけでした。
分解して、好きなサイズにカットして、穴をあけたり釘を打ったり。自分好みの色に仕上げられるのが何より嬉しかった記憶があります。

ところで、DIYの語源って何かご存じですか。
「Do It Yourself」=「自分自身でやる」を略したもの、ということは知っていても、言葉が生まれた背景についてはご存じない方が多いのではないでしょうか。

この言葉が生まれたのは第二次世界大戦が終わった後のイギリス。戦禍でボロボロになってしまった街を復興させるためのスローガンとして掲げられたものだそう。自分たちの街を自分たちの手で復興させよう、そういった気持ちの表れが「Do It Yourself」なのです。
アンティークを愛するイギリスでは、新築よりも年季の入った古い家が好まれる風土が根付いています。自分たちで手入れし守り続けたものこそが価値のあるもの。マイホームを自分で手入れするのは当たり前のことなんですね。

なんでもこなすイギリス流のDIYはハードルが高いかもしれませんが、ちょっとした小物や家具のリメイクなら気軽に始められるはず。

コストをかけずに自分好みのものを作り出すという点では、“買う”よりも充実感や達成感が味わえるのも事実。「こんなの欲しいけど、なかなか好みのものがなくて」という人は、一度DIYにチャレンジしてみるといいと思います。
木を使ったものなら比較的簡単に仕上がるのでおすすめですよ。キッチンで使うスパイスラックとか、ブックエンドとか、小さなものならグルーガン(溶かして使う接着剤)を使えば、釘などを使うよりも楽々! ヴィンテージ風に加工できる塗料を使ったり、ステンシルなどで工夫してみたり、自分だけのアイテムを作るのはワクワクしますよね。

ちなみに最近私が作ったものは、廃材を使ったミニギタースタンドです。

▲DIYで作ったミニギタースタンド。枝にとまっているのはフクロウの形をしたチューナーです。自分が手掛けたものは、愛着もひとしおです

名古屋市中村区の大門商店街の中にある「soiro living」さんで、サポートしてもらって作りました。工房を時間単位で借りられて、特殊工具も使わせてもらえるのがありがたい! 誰でも利用できるので、興味がある方はのぞいてみてください。

最近ではDIYスペースが設置されたホームセンターも増えています。ダイソーやセリアといった100均でもかなりの品揃え。気軽にDIYできる環境が整っているので、お子さんと一緒に楽しんでみるのもいいかもしれませんね。(ま)

【掲載ショップ】
「soiro living」
https://www.soiro.net/