お正月の玄関を彩る門松。竹と松をあしらう理由とは

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新しい年がもうすぐそこまで来ています。

早いものですね。新年を迎える準備は進んでいますでしょうか。

今日は、お正月の玄関を彩る門松についてご紹介してみようと思います。

門松は、松飾り、飾り松、立て松などとも呼ばれ、鏡餅やしめ縄とおなじく、年神様を家に迎え入れるための飾り。年神様が降りてくる時の目印として飾るものです。

門松は、松や竹といった常緑の木が使われています。長さの違う3本の竹に松と梅の枝をあしらって荒縄で結んだものが一般的ですね。

門松が飾られるようになったのは平安時代。当時は、貴族の間で松の木を引き抜く「小松引き」という遊びが行われていました。遊びの後、持ち帰った松を長寿祈願のために飾ったことが門松のはじまりだといわれています。

神聖な松と繁栄長寿を意味する竹

松や竹は冬になっても枯れず、青々としていることから生命力の象徴とされてきました。また、松は「祀る」という言葉につながることから、神聖な樹木ともいわれています。竹は、成長が早くまっすぐ伸びるのが特徴。健やかな成長や繁栄、長寿を表すとも言われています。

竹を切るとき、節の部分を入れて切ると、その切り口が笑っているように見えることから「笑う門に福来る」で、さらに縁起がいいという説もあるんですよ。

 

門松はどこに飾っても大丈夫

生活スタイルの変化やマンションなど集合住宅が発達してきたことで、門松が飾られることは以前より少なくなりました。門松は名前の通り、玄関の門に飾るのが習わしではありますが、マンションなどの場合、どこに飾ったらいいのかわからないという人も多いようです。

門松は神様への目印なので外に飾るのが一般的。でも、玄関周辺にスペースがない場合は、リビングやキッチンなど好きな場所に飾っても問題ありません。

最近、ホームセンターや園芸ショップなどでは、ミニサイズの門松や、門松をモチーフにしたかわいらしい寄せ植えが販売されているのを目にしますよね。各地でワークショップも開催され、現代風にアレンジした門松を自分で作ることもできます。

昔ながらの風習は大事にしつつ、今のライフスタイルに合うようにアレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。

竹を使ったモダンなインテリアが人気

若い世代には、特に竹は直線的なフォルムがモダンでおしゃれというイメージもあるようで、日常的なインテリアに取り入れる人も増えてきました。

竹に穴をあけて光が透ける用に細工した照明は、みなさんも目にしたことがあるのではないでしょうか。竹でできた間接照明も、スタイリッシュでなかなか素敵ですよね。

竹は毎年地下茎の節にある芽から成長し、あっという間に大きくなるのが特徴。1日で100センチ以上伸びたという記録もあります。竹は上には伸びても幹が太くなることがないため、洗練された植栽アイテムとして利用されることも多くなりました。

そうそう、松といえば盆栽。小さな鉢のなかに自然界を映し出す日本伝統の盆栽に、松は欠かせないアイテムです。いま海外では「BONSAI」として、密かなブームがきているんですって。

縁起のいい松竹梅。門松を飾って日本文化を再確認してみるというのもおすすめです。

 

 

【参考】

森林・林業学習館

https://www.shinrin-ringyou.com/topics/kadomatu.php

日本最古の椅子と椅子の歴史

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インテリアの中でもひときわ注目されるのが椅子。時代のなかでたくさんの名作が生み出されてきました。

そんな椅子についての歴史を、「歴史の流れがひと目でわかる 年表&系譜付き 新版 名作椅子の由来図典」に基づいてちょっとさかのぼってみましょう。

日本で一番古い椅子は弥生時代前期

椅子、というと想像するのが背もたれと肘掛けが付いているタイプではないでしょうか。日本では、この「チェア」タイプが普及したのは明治以降。それまでは“腰掛けのようなスツールタイプが使われていました。

日本で一番古い椅子(腰掛け)は弥生時代前期と推定される機織用のもの。徳島市の庄・蔵本遺跡で1992年に見つかりました。

素材は広葉樹のクヌギ。装飾などはなく、ずっしりと重たい椅子で、形状などから機織りをするときに女性や子どもが座っていたといわれています。

機織りの様子(イメージ)

静岡県の登呂遺跡では、座面と脚をホゾ組みした椅子が出土しています。座面と脚を外せばコンパクトに収納できるし、移動するのにも簡単ですよね。こちらは地元静岡県産のスギでできています。弥生時代から古墳時代にかけて、数多くの椅子(腰掛け)が見つかっていますが、その用途は日常生活で使うというよりも、作業用または祭礼用に使われたのではないかと推測されています。

椅子は権威の象徴だった

でもやっぱり「椅子」と言われてイメージするのは背もたれと肘掛けがあるタイプですよね。日本に現存する肘掛けタイプで一番古いのは、正倉院に所蔵されている「赤漆槻木胡床(せきしつつきのきこしょう)」です。

あぐらをかいて座れるくらい座面が広く、直線的なデザインが特徴です。ケヤキ材に赤い漆が塗られていて、脚先や座面の角には金銅製の金具が取り付けられています。

これは天皇が儀式の際に座るためのものだそう。貴族たちは背もたれのないスツールタイプの椅子に座っていたということから、椅子は権威や身分の高さを示す道具だったとされています。

背もたれのないタイプは胡床(こしょう)や床几(しょうぎ)と呼ばれています

明治時代には学校で椅子が使われるように

家庭に椅子が普及してきたのはいつごろなのでしょう。

床に座る生活をしてきた昔の日本人。鎖国が終わり欧米諸国との交流が始まったころから椅子にふれる機会が増え、明治時代になるころには学校で椅子が使われるようになったことで、少しずつ一般家庭にも普及していったとされています。

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海外から持ち込まれた椅子をもとに、江戸時代末期には日本人の大工も椅子をつくり始めます。日本の職人たちは、外国から入ってきた椅子を真似てつくり、和室でも使える椅子なども考案されました。

時を経て、戦後はアメリカ文化が流入し、住宅には洋間が作られるようになり椅子の生活が広まっていきました。日本でもデザイナーたちの名作が作り出され、ニューヨーク近代美術館(MOMA)のパーマネントコレクションに選定される椅子が次々と登場するなど、世界でも認められるようになっていきました。

イメージ

今ではすっかり当たり前になった椅子ですが、さかのぼれば歴史があるものですね。

ちなみに、世界中で現存する最古の椅子は紀元前5500年~7000年ごろ、新石器時代。トルコのチャタルホユック(チャタル・ヒュユク)遺跡から出土したものだそうですよ。

【参考】

「歴史の流れがひと目でわかる 年表&系譜付き 新版 名作椅子の由来図典」西川栄明著(誠文堂新光社)

 

 

クリスマスツリーはなぜモミの木なのか

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わくわくするクリスマス。もうすぐやってきますね。

お父さんお母さんサンタさんは、子どもの願を叶えるべくがんばっていらっしゃるころかなと思います。

 

さて、クリスマスといえばクリスマスツリー。モミの木ですよね。なぜクリスマスにモミの木を飾るようになったのか。

ちょっと気になったので調べてみました。

 

永遠の命と力強さの象徴

 

クリスマスツリーの起源は諸説あるようです。

「クリスマスの文化史」(若林ひとみ著)によると、「クリスマスツリーは、キリスト教以前の異教時代に、冬至に魔よけとして常緑樹を家の内外に飾った習慣にその起源を持つ」と書かれています。

モミの木は過酷な冬も緑を保つ常緑針葉樹。永遠に枯れない、生命の力強さの象徴として、冬の特別な時期・クリスマスに飾られるようになったという説もあります。

また、キリスト教の教えを見せる劇のなかで、アダムとイブが住んでいた「エデンの園」の場面でリンゴを吊るしたモミの木を小道具に使ったことがクリスマスツリーの始まりという言い伝えもあります。

 

クリスマスツリーの発祥は北ヨーロッパ

クリスマスツリーは北ヨーロッパが発祥といわれています。原住民が冬至のお祭りに木に飾りをつけていたことがはじまりとか。ちなみに、ドイツ東部ではセイヨウイチイ、南西部ではツゲ、スイスではセイヨウヒイラギ、地域によっては樫の木が用いられていました。

 

 

1860年、日本初のクリスマスツリーが登場

日本で初めてクリスマスツリーが登場したのはいつだったのでしょう。

 

「1860年にプロセインの公使オレインブルクが、杉、竹、椿の木などを使って初めてクリスマスツリーを飾った」

 

と「クリスマスの文化史」(P46)に書かれています。

 

天井まで届くほどの木にフルーツや精巧な砂糖菓子やロウソクを飾ったそうです。

 

その後、輸入食材などを扱う明治屋が1886年12月7日、横浜にクリスマス装飾を施し大売出しをしたことから、クリスマスの認知度が高まり民間にも浸透していきました。このことから12月7日は「クリスマスツリーの日」とされています。

 

クリスマスツリーの飾りつけの意味とは

ツリーに飾り付けをするのも楽しみのひとつですが、それぞれの飾りにも意味があるのを知っていますか。

例えばリンゴは、アダムとイブの象徴のようなもの。リンゴの赤は愛、丸い形は永遠と地上を表しています。お菓子やケーキをモチーフにしたものは、神様の恵みを意味しているそうです。

昔はいつでも甘いお菓子を食べられたわけではないので、子どもたちはこのクリスマスをとても楽しみにしたいた、というのもわかる気がしますね。

 

実は身近な存在のモミの木

モミの木が多いのは日本では本州の中南部。その立ち姿が美しいことから神社の境内に植えられていることも。

モミは私たちの身近なところにも。香りがなく、調質性に優れ、抗菌性が高いことから、かまぼこの板や米びつ、すし桶など、直接食材がふれるものにも使用されてきました。

薄い黄色や白い木肌は神聖なイメージがあるということで、冠婚葬祭に使う道具にも使われています。

家の内装材に使われることもあるので、みなさんのおうちのどこかにもあるかもしれませんね。

 

一部の地域ではモミの天然林が見られますが、近年木の衰弱が目立っているという話もきかれます。

「永遠の命や力強さの象徴」と紹介しましたが、実はモミの木はデリケート。大気汚染や煙、暑さには弱い樹種です。

ここでも人の生活が木に与えている影響は少なくなさそうです。

 

日本のクリスマスツリーは「ウラジロモミ」

 

さて、そんなモミの木。

日本でクリスマスツリーとして使われているのは「ウラジロモミ」という種類で、実はこれ正確には「モミ」とは別の種なんだとか。

「ウラジロモミ」は葉の裏が白っぽいのが特徴。表面は艶やかな緑の葉をつけ、美しい円錐形の樹形に育つためクリスマスツリーにぴったりということで、使われるようになったようです。

「ドイツでは、ツリーの飾りつけは部屋を閉めきって大人が行い、子供は24日の晩まで見てはいけないことになっていた。ツリーの下にプレゼントを並べ終え、ロウソクに火を灯して準備万端整ったところで〈開かずの間〉のドアが開き、子供たちは目の前の光景に息をのむのであった。」(「クリスマスの文化史」P42)

みなさんのおうちでは、どんなクリスマスを演出するのでしょう。想い出に残る素敵なクリスマスを!!

 

【参照】

「クリスマスの文化史」若林ひとみ著(白水社)

「クリスマス事典」(あすなろ書房)

森林・林業学習館「日本の樹木」

https://www.shinrin-ringyou.com/tree/momi.php#sec02

 

「クロモジ」を使った「森ノ茶」。山の素材を活用して新しい価値を生み出す人に出会いました

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とある山奥。

秘密のアトリエで催された、特別な食事会に行ってきました。

山道の途中にあるアトリエは古民家を改築した一軒家で、石垣や縁側、大きな引き戸や小上がりがあり、おおらかさと凛とした空気がとても心地よく感じられました。

スパイスを使ったお料理をコースで堪能したあと、食後にオーダーしたのがこちら。

「クロモジ」を使ったほうじ茶のチャイです。

「クロモジ」って聞いたことありますか?

クスノキの一種で、山地に生える落葉低木です。幹が細く、大きな木の陰に隠れて育つため、あまり目立たない存在なのですが、実は和製ハーブといってもいいくらい香りがいいんです。

漢字では「黒文字」ですが、英語では「spicebush(スパイスブッシュ)」。その名の通り、樹皮や枝葉に爽やかでスパイシーな香りがあるのが特長です。香りには、抗不安作用、リラックス効果があるとされるシネオールやリナロールが含まれているので、アロマオイルや生薬としても活用されているそうです。

今回いただいたチャイのベースになっているのは、愛知県北設楽郡設楽町で作られている「森ノ茶」。「クロモジ」とほうじ茶をブレンドしたお茶です。

発案したみやびさんにお話を聞きました。

「設楽町は町の9割が山なんです。森林資源をどうやったら活用できるのか森を持続させるためには何ができるのか、というのを町のおじいちゃんたちと考えていて、できあがったのが『森ノ茶』なんです」と、みやびさん。

設楽の森では下草として刈られてしまう「クロモジ」。採取・乾燥など地元の集落の方たちが力を合わせて行い、山を隔てた隣町・新城市の製茶メーカーと連携して有機栽培のほうじ茶とブレンドすることで製品化に成功したそうです。

みやびさん https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

「繋ぐ人/forestderector」として活動しているみやびさんは、“森と街をつなぐ”をコンセプトに森の新しい価値を生み出す活動をしています。

「『森ノ茶』を通して、森林の可能性や持続性に目を向けてもらえたらうれしいです」と話していました。

https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

森の木1本1本にストーリーがある。それを大切にしていきたい」と話していたみやびさん。

家や家具、暮らしの中で身近にある木。それだって元をたどればふるさとの山がある。そんな風に考えたら、家も家具も木でできたものすべてがとても愛しいものに思えてきそうですよね。

温かいチャイに癒されながら、みやびさんの言葉に深くうなずいたのでした。

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すっかり秋の香りに包まれた山道を、旧友とドライブしながら訪れた秘密のアトリエ。

鳥の声や川のせせらぎをBGMにしながらいただいたブランチ、デザート、そして「森ノ茶」のチャイ。街でいただくのとはちょっと違った特別な食事会で、心身ともにほぐれるひとときでした。

 

 

 

【写真提供】

https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

【参照】

「リナロール香気の持つ抗不安作用と その脳内機序」柏谷英樹著

https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/57/3/57_204/_pdf/-char/ja

東北森林管理局

https://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/sidou/jumoku/shubetu/kuromoji.html

公益社団法人日本薬学会

https://www.pharm.or.jp/flowers/post_50.html

 

日本初!総ヒノキのトレーラー式木製サウナが登場

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空前のサウナブーム到来からだいぶ経ちますが、いまだその熱は冷めやらず。今や「街を歩けばサウナ―に当たる」くらい、サウナ好きが増えている印象を受けます。

サウナといっても仕様はさまざま。

最近では家庭用サウナボックスや、浴槽にかぶせるだけのサウナ傘など、リーズナブルで簡単に設置できるサウナも販売されています。

ほかにもベランダ用のテントサウナや室内に設置できる据え置きサウナなど、バリエーションはさまざま。

今ではサウナ施設に行くだけでなく、こうしたアイテムを使って「家サ活」を楽しむ人が増えたと聞きます。

「家サ活」派にとっては、いつでも好きなときにサウナが楽しめるおうちサウナはとっておきの場所ですね。

ただ、本当のサウナ好きならやっぱり木でできた空間にこだわりたいところ。木の香りに包まれた空間でまったり過ごす時間は、心身ともに“ととのう”最高のリラックスタイムですよね。そんなこだわり派に注目されているのがサウナトレーラーです。

サウナトレーラーとは、その名の通りトレーラーをサウナに改造したもの。けん引車でひいて運べるタイプのサウナ。思いついたらいつでも山へ!海へ!好きな景色の中でサウナが楽しめる「コダマカーゴ/サウナタイプ」もそのひとつ。

岐阜県産のヒノキを使った日本初の木製トレーラー「コダマカーゴ」をサウナにカスタマイズしたアイテムで、キャンプギアとしても注目を集めています。

総ヒノキ材でできた薪式サウナの温度は100℃超え!ロウリュも楽しめちゃう本格派です。

なんといっても、けん引免許不要で自家用車でお気に入りの場所にサウナを持っていけるのは最高ですよね。

動画サイトはコチラ

景色のいい川沿いでサウナを堪能して、水風呂の代わりに川に飛び込む、なんていう大人の遊びも可能にしてくれます。思う存分サウナを楽しんだら、お気に入りの景色に囲まれて河原で外気浴をするという贅沢な時間も夢ではなくなります。

医学的に未解明ではあるものの、サウナには多くの健康増進効果があるとされています。汗をかいて血流が促進されることで肌の新陳代謝が活発になったり、肩こりなどの解消、疲労回復、低温サウナの場合は安眠効果も得られたりと、さまざまな効果が挙げられています。さらに、ヒノキには殺菌・抗菌・抗ウイルス作用、血圧低下の効果があることも知られています。

現代人の健康志向にサウナはぴったりなのかもしれませんね。

最近では、サウナトレーラーがイベントに登場し、目にする機会が増えました。どこかで目にすることがあったら、ぜひ試してみてください。

【参考】

コダマカーゴ

北海道森林管理局「ヒノキ(ヒノキ科)」

 

タイニーハウスとは? 人気の理由とメリット・デメリット

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コロナ禍を経て需要の高まりをみせている「タイニーハウス」。

人気の理由としては

・安価でマイホームが手に入る

・ランニングコストが節約できる

・DIYしやすい

・種類によって移動が可能

といった点が挙げられます。固定資産税がかからない、建築申請が不要などほかにもメリットはたくさんあります。

木材で作られているものも多く、木の暮らしに憧れている人たちからも支持されている「タイニーハウス」について、紐解いてみます。

 

1.タイニーハウスとは?

タイニーハウスとは「Tiny(小さな)」+「House(家)」。明確な規定はないものの、概ね20㎡ほどの家のことをいいます。日本の一戸建ての広さはおよそ92㎡(※)なので、通常の家よりもとてもコンパクトな設計となっています。

「タイニーハウス」の発祥の地であるアメリカでは、2008年のリーマンショックをきっかけにムーブメントとなり、世界に広がっていきました。日本に広まったのは、2011年東日本大震災がきっかけ。広々とした家に住むことが豊かさの象徴のようにいわれてきたそれまでの日本。たくさんの家が一瞬にして倒壊するのを目の当たりにした人々は、この震災をきっかけに“モノを所有すること”、“これまでの生き方”を見つめ直すようになりました。

(※)総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」による

 

2.シンプルでミニマルな暮らしを実現させる家

平均的な家と比べると1/4くらいのスペースになるので、「本当にそれで暮らせるのかな」と心配になる人もいるかもしれませんね。

でも、ちょっと自分の身の回りを見渡してみてください。本当に生活に必要なものって、意外と絞られてきませんか。

最近ではミニマリストも増えてきました。人々の“豊かさ”への考え方も「たくさんのモノを持つこと」から「必要最低限のモノで身の丈にあった暮らしをする」という考え方へとシフトしてきました。

こうした背景から、身の丈にあったシンプルな「タイニーハウス」が注目されているのです。

必要最小限の設備だけでシンプルに暮らすミニマリストにも注目されるタイニーハウス

 

3.タイニーハウスの種類

大きく分けると2種類あります。

  • 基礎付きタイプ

一般の住宅と同じように土地に定着させるタイプで、タイニーハウスのなかでは最もスタンダードなスタイルといえるかもしれません。地中にコンクリートを流し込み、上部構造となる建物を支える基礎工事をします。「スモールハウス」や「マイクロハウス」と呼ばれるものもこれにあたります。

  • 移動できるタイプ

シャーシといわれるタイヤ付きの土台に載せて車で牽引できるタイプで、トレーラーハウスと呼ばれています。アメリカではこちらが主流。建物ではなく車両として扱われるので、不動産取得税や固定資産税も発生しません。いつでもどこにでも移動できるという自由さと身軽さが魅力です。

ほかにも、コンテナを改造した「コンテナハウス」や、木の上につくられた「ツリーハウス」などもタイニーハウスの仲間です。

 

4.タイニーハウスのメリットとデメリット

冒頭でもチラッと人気の理由について紹介しましたが、メリットとデメリットについてもう少し細かくみてみましょう。

<メリット>

・初期費用が抑えられる

タイニーハウスの価格帯はおよそ300万円~800万円(土地代別)。もちろん設備をどこまで揃えるかで価格は変わってきますが、一般的な新築住宅よりもかなり低価格ですよね。選ぶものや場所によっては長期のローンを組んで無理する、という選択をしなくても済みそうです。

・ランニングコストが抑えられる

居住空間が小さいので、照明や空調など電気代が抑えられるのもメリットのひとつ。最近では太陽光パネルを設置して自家発電をしている人もいるそうです。

・こだわりの空間がつくりやすい

大きな家の場合、外装、内装、建具など、こだわりを実現しようと思うとコストがかさみますよね。例えば、材質。小さい空間なら、国産の木材にこだわったとしても最小限のコストで抑えられるはず。限られた予算でこだわりを実現することができます。DIYしやすいのもメリットです。

構造・外・内装材の木、合板、積層材に全て東濃スギや東濃ヒノキを使用したタイニーハウス(コダマベース

 

<デメリット>

・プライベート空間が少ない

小さな家だけあって、必然的にプライベートの確保は難しくなります。2人以上で暮らす場合、テラスや庭など、周囲の空間を利用してストレスなく暮らせる方法を考える必要があるかもしれません。

・家族が増えたらどうする?

子どもができた、となった場合はタイニーハウスに住み続けるのは難しい場合も。土地に余裕がある場合は、もう1つタイニーハウスを増やすという選択もあります。まずは「家族が増えた場合はどうするのか」を話し合っておくのがいいかもしれませんね。

 

5.増築したい場合にも活躍

タイニーハウスの中でもさらにコンパクトな10㎡未満の「小屋」タイプも最近注目を浴びています。家族が増えた、子ども部屋が欲しい、プライベート空間を増やしたいという場合、小屋タイプのタイニーハウスを設置するのも一案です。

10㎡未満の建物の場合、建築確認申請(※)は不要、セルフビルドできるキットも販売されているので、家族で作ってみるというのもいいかもしれません。

セカンドプレイスとしての需要も(コダマベース)

小屋タイプを購入する人は、すでに住まいとしての家は所有している場合が多いとか。例えば、国産材のスギとヒノキを使った「コダマベース」の場合、「趣味の部屋がほしい」、「集中できるワークスペースがほしい」、「夢だった小さなお店を開きたい」という理由から、セカンドプレイスとして購入するパターンが多いそうです。

小さなお花屋さん、パン屋さん、エステ店を開業したい人からの問合せも多いそう

10㎡以下というと車一台分のスペース。駐車場くらいのスペースがあれば、簡単にこだわりのセカンドプレイスが実現できます。生活と一線をひいた自分だけの場所っていいですよね~。仕事場にしても趣味にしても、創造的なインスピレーションがわいてきそうです。

(※)新築や増築工事の際、特定の機関や行政に必要書類を添えて申請。建築基準法や条例に適合しているかの確認を受けること。建物の床面積に応じて手数料がかかります。地域によって10㎡未満でも建築確認が必要なケースもあるので自治体に確認を。

岐阜県東白川村の東濃スギと東濃ヒノキを使用。駐車場一台分のスペースに設置可能な確認申請のいらない動かせる小屋「コダマベース」
~まとめ~

最近ではレンタルできるタイニーハウスも出てきているのだとか。使わなくなったら返却もできるし、そのまま買い取りもできるモノもあるそう。タイニーハウスを設置して宿泊施設にしていたり、見学や体験できる場所もあったりします。購入を検討している人は一度チェックしてみるといいかもしれませんね。

 

【コダマベース】

https://kodama-p.com/

https://www.youtube.com/@kodamabase

 

 

 

世界から森が消滅する日―。動物園に行って考えたこと

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動物園というものがそんなに好きではなかった子ども時代。動物たちを見て「窮屈な檻に入れられてかわいそう」という気持ちのほうが大きくて、あまり楽しめなかったような記憶があります。

そんな私ですが、先日所用があって久しぶりに東山動物園を訪れました。約450種類の動物たちがいて、そのユニークな生態を見て回るなかで、目に付いたのが「森林破壊」についてのパネルです。

オランウータンの展示場に設置されたパネル

オランウータンのエリアでは、「食べものが実る木も、寝床も、ヒトの畑になった」というキャッチコピーがついたポスターが張られていました。近くには「失われるスマトラ島の森」についてのパネルも。

オランウータンが生息するスマトラ島。島の58%が森林だった1985年から約30年経った2016年には24%にまで減少。森が小さく分断されることで、オランウータンたちの生息地が減少してしまっていることが紹介されていました。

東山動物園のポスター

 

理由は、私たち人間の暮らしにあります。

日本で食用油や洗剤として使われるパーム油、タイヤなどに使われる天然ゴム、ベニヤ板の素材となるラワンなどの木材、これらを作るために、遠いスマトラ島の森が伐採されているのです。

遠いスマトラ島の森林から多くの資源が日本に輸入されています

 

森林破壊はスマトラ島に限ったことではありません。世界の森林面積は1990~2020年の30年間で1億7800万ha(日本の国土面積の約5倍)が減少したという調査結果があります(※)。

国連の報告によると、2015年以降、1年ごとに約10万平方キロメートルの森林が失われているとのこと、ほぼ東京都と同じくらいの面積の森が毎年失われていると知って驚きました。このままいったら、世界から森が消滅する日も遠くない気がします。森がなくなったら、人間も生きてはいけません。

日本の消費が世界の森林に影響を及ぼしている現状。何とかしないと、とは思っても私たちにできることって何があるのでしょう。

パネルで紹介されていたのは、「森林保全の取り組みをしている企業の製品を選ぶこと」。パーム油の持続可能な生産を認証する「RSPO」、持続可能な森林管理を認証する「FSC森林管理」などのマークがついている製品を購入することで、森林保全に貢献できます。

たとえば「FSC(Forest Stewardship Council)」は森林管理協議会という国際的な第三者機関が定めた規格をもとに「責任ある森林管理につながる木材」として認証されたラベル。

「FSC」の認証材を取り扱うお店は、日本ではまだ多くないそうですが、家具を購入するとき、DIYで木材を買うとき、印刷用の紙を選ぶときなど、日々の買い物の中でちょっと意識してみるといいかもしれません。

大きなことはできなくても、まずは「知る」ということが第一歩。

みんなの人気者・コアラや、アフリカゾウ、トラも森林破壊によって絶滅のおそれが危惧されています。あとで調べたところ、東山動物園内の約450種類のうちなんと100種類が絶滅危惧種に指定されていました。

動物園の役割には、来て見て楽しむというレクリエーションのほかに「種の保存」、「調査研究」、「環境教育」が挙げられています。

絶滅の危機に瀕している生き物たちを保護し、生態の調査や研究をして、こうした生き物たちがどうやって生きているのか、人はどう関わっていけばいいのかを考えるきっかけづくりの場として、動物園が機能しているんですね。動物園の大きなミッションを知って、印象がだいぶ変わった気がします。(ま)

 

 

※世界森林資源評価(FRA)2020 メインレポート概要より

https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaigai/attach/pdf/index-5.pdf

 

【参考】

東山動物園

https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/

世界自然保護基金(WWF)

https://www.wwf.or.jp/campaign/forest/

「栞(しおり)」の語源は「枝折る(しおる)」。しおり専門のアトリエに行ったお話

投稿日カテゴリーALL BLOG

読書の秋。

みなさん本を読むのは好きですか?

途中読みになっている本に挟んでおく「栞(しおり)」について、今日は書いてみたいと思います。

「しおり」とは「枝折る(しおる)」が名詞化された言葉。山道などを歩く際、迷わないように木の枝を折って道しるべにするという動作からきた言葉なのだそう。

 

本に挟む栞をこれまであまり意識してこなかったのですが、先日とある場所を訪れてから、栞って素敵だな~と思ったのでご紹介させてください。

場所は名古屋市中川区。「中川運河しおりのアトリエ」。

この日は「図書館と読書週間のしおり展」が開催中で、戦時中に印刷されたしおりや、作家さんのイラストが載っているポップなものなど、栞コレクターの豊嶋利雄さんの所蔵品も含め、幅広く展示されていました。

「“モノづくりや芸術文化にふれる場所をつくりたい”という思いからオープンした場所です」と話す館長の古田正宏さん。栞についてあれこれ伺っていると、木でできた栞を発見!

 

「木の栞は神社仏閣や図書館、出版社で配るノベルティで作られることが多いですね。お寺からの依頼で、取り壊す本堂の柱を使って栞を作ってほしいというものもありました。檀家さんにお配りする用にとのことでしたが、こうしたストーリーがあると栞が単なるモノではなく、思い入れのあるものになっていくと思います」と話してくれた古田さん。

写真提供:近藤印刷

 

薄くスライスされた木に、これまた薄い和紙を挟んで作る木の栞。古田さんによると「ねじれたり、たわんでしまったりして、シート状にするのが非常に難しい」とのこと。

 

実はアトリエを運営しているのはお隣にある近藤印刷という老舗印刷会社。長年の技術によって木を安定したシート状の製品化を販売できるようになりました。

木材によって色や質感が違うので選ぶのも楽しい。写真提供:近藤印刷

 

同社のノベルティ専門ブランド「印刷工房エシカ」でも木を扱った商品が開発されています。たくさんの人に配られるのがノベルティ。 “いらないもの”として捨てられてしまうことが多いのが現実だったりしますよね。

「捨てられてしまうものを作りたくない」と誕生したのが「印刷工房エシカ」なのだそう。

写真提供:近藤印刷

廃材の木質チップからできたMDF材や、間伐材を使用した栞やコースターを制作。木の温もりを感じるうえ、さりげなくおしゃれで印象に残るノベルティですよね。

もちろん、オリジナルでロゴを印刷したり箔押ししたりもできるそうですよ。

 

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「栞」をきっかけに、いろいろ考えた一日でした!

環境のこと、木のこと、運河のこと…。私にとって道しるべとなるものって何だろう???とか。

一冊の本が道しるべになるということもあるはず。

そんな本と出合えたらいいな~と思いながら、栞を片手に本を読み進めたいと思います。

 

みなさんの道しるべは何ですか?(ま)

 

 

◆「中川運河しおりのアトリエ」※要予約

https://www.canalbookmark.com/

◆「印刷工房エシカ」

https://ethical-print.jp/

 

テーブル付きソファはなぜ人気なの?メリットを紹介します

投稿日カテゴリーALL BLOGrecommendリビング空間に合う暮らしの提案

テーブルとソファが一体となった「テーブル付きソファ」。

最近需要が高まっているようです。

人気の理由に挙げられるのは“トータルコーディネートのしやすさ”

テーブルとソファ、部屋の中でもかなり存在感が大きいものですよね。これを別々に購入すると、微妙に高さや色味が合わないなど、部屋全体のトータルコーディネートにも影響が出てしまいます。そんな時のお助けアイテムが「テーブル付きソファ」。ソファに合わせて設計されているうえ、椅子を何脚か置くよりもまとまり感が出るというメリットもあります。

もう1つの人気の理由は“ライススタイルに合わせやすい”という点。家族が増えてもお子さんが小さいうちは並んで座ることが可能。抱っこしたり一人座りさせたり、お父さんお母さんが食事している間に子どもが隣で寝っ転がってもいいし、いろいろな使い方ができるのは魅力です。部屋にスペースができてソファ単体で使いたいとなった場合も、そのまま活用できるのもメリットといえます。

ダイニングテーブル付きソファの場合は「ソファを置きたいけれど場所がない」という場合の解決策としても活躍してくれます。座面の高さに合わせたテーブルなので、リラックスタイムだけでなく食事もしやすい設計になっているのが最大の特長ですね。

これからの季節はダイニングテーブルに椅子というスタイルで食事をしていると足元が寒い、なんていう悩みも出てきそう。そういう場合は、こたつテーブル付きのソファもいいかもしれません。こたつとソファ、両方を置く場所はないという人にも嬉しいアイテムです。

ソファの背面にテーブルがセットされている変わり種アイテムもあります。こちらの「VITA」はソファの前ではなく背面にテーブルが設置できるタイプ。天然木を使ったナチュラルな風合いは、どんなインテリアにも似合いそう。クッションを置く場所によって向きを変えられるのがオモシロイですね。

「VITA」

 

「VITA」は座面の向きを変えていろいろな使い方ができます

ロータイプの「CITA」はこちら。和室にも合いそうな雰囲気で、子どもが転がり落ちる心配もなさそう。フレキシブルに使えるのって魅力的ですね。

「CITA」

部屋の広さも家族の人数もさまざま。テレビを見たりパソコンで仕事をしたり、食事をしたり、ゴロゴロしたり…。それぞれが別々のことをしながらも近くにいられる、そういった使い方ができるのがテーブル付きソファの一番の魅力なのかもしれません。(ま)

 

 

不思議な根っこは地球を守る!? 災害の軽減・地球温暖化を防止するマングローブの偉大なチカラ

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUT

アジア、アフリカ、オセアニア、中南米などの熱帯・亜熱帯地方には100種類以上のマングローブ植物が存在しているといわれています。生育地の最北端は、日本の鹿児島県南部。日本にもマングローブ林は存在するんですね。

その容姿は実に独特。干潮時にあらわれる根はかなりインパクト大です!

タコの足みたいな根「支柱根」を持つものや、タケノコのような根っこ「旬根(しゅんこん)」、板状に広がって発達した「板根(ばんこん)」を持つものなど、根の種類もさまざま。

タコの足のように伸びた「支柱根」

 

 

マングローブが生育する熱帯地方は、台風が発生する地域でもあります。過酷な環境課でも自分が倒れてしまわないよう、独自の進化で根を張り支えているのですね。

地中から伸びるタケノコのような根っこ「旬根」

 

さらに、湿地帯の土に残るわずかな酸素を取り入れるため、地下にあるべき根の一部が地上に出て呼吸をするという重要な役目も担っています。
通常の植物の根は地中にあって普段目にすることはありませんが、マングローブの根は潮が引いた時間であれば地上に見えているのでじっくりと観察することができますよ。

板状に発達した「板根」

 

こうしたマングローブの特性は、私たち人間に大きな恩恵をもたらしてくれます。

例えば、2004年に起きたスマトラ沖の大地震。翌年の読売新聞の記事によると

「ペナン島があるペナン州では55人が死亡し、約300人が住む島西海岸の漁村パンタイ・アチェでは3メートルの津波が見舞われたが、パンタイ・アチェでは小舟が30隻壊されただけで、家屋は破壊されずに済み、犠牲者も漁に出ていた2人だけという最小限の被害で済んだ。なぜなら、マングローブの群生林が「緩衝装置」の役割を果たしたからである。」と記されています。

津波の際、マングローブの根につかまって流されずに済んだという人の記録もたくさん残っているそうです。

海の災害から守ってくれるだけでなく、地球温暖化の防止にも重要な役割をしています。

世界各国で二酸化炭素の排出量を削減する取り組みが行われているのは皆さんもご存じかと思います。地球温暖化は二酸化炭素の排出により進行し、今やかなり深刻な状態に陥っています。

 

調査によると、マングローブ林は陸上の森林と比べて大量の二酸化炭素を吸収していることがわかっています。満潮時に海水におおわれるマングローブは、通常の森林より空気にふれる時間が短いため、落ち葉や枯れた枝などが分解されるスピードが遅いことが理由とされています。

河口部分の湿地に根を張り、地中に多くの炭素を貯蔵するマングローブ林。私たち人間の生活も守ってくれる貴重な天然資源なのですね。(ま)