気候変動や資源の枯渇といった地球規模の問題が、いよいよ現実味を帯びてきた今。「サステナブル」という考え方は、もはや一時的な流行ではなく、私たちの暮らしの中に根づきはじめています。
ファッション、食、住まい、さまざまな分野で、「環境への配慮」と「長く大切に使うこと」が、もの選びの基準になりつつあります。そんな時代の流れのなかで、家具業界でも注目されているのが循環型素材の活用やアップサイクルの取り組み。
「CONNECT」の髙橋さんに2025年の家具のトレンドと、インテリアのアップサイクルについて話を聞いてみました。
************

最近は、家具のデザインというより素材を意識しているお客さまが本当に増えています。
SDGsやサステナブルというテーマは何年も前からいわれています。
家具は長く使えば使うほど味わいが出て、愛着もわくもの。ただ、経年変化や使い勝手、家族構成の変化などで処分を検討しなくてはいけない場面も出てきますよね。
最近ではそういった場面を視野に入れて、素材そのものがリサイクル、またはリメイク可能かどうかという点を、購入の時点から気に掛ける方が多くなってきました。
家具のリサイクルは環境への負荷を減らす有効な手段ですし、不要な家具を捨てないことは、ゴミ処理の負担を減らすことができるので廃棄物の削減にもなります。
“サステナブル”は一時のトレンドではなく、この先もずっとテーマになり続ける重要な要素です。
2025年のトレンドは3つ
2025年に注目の代表的なインテリアスタイルとしては、3つ挙げられます。
◆ビンテージナチュラル
・自然素材を活かし、使い込まれた味わい
・無垢材とアイアンなど、落ち着きのあるアンティークな風合い
◆モダンスタイル
・洗練された直線的なデザインが特徴
・モノトーンや光沢のある素材との組み合わせでシンプルにまとめる
◆ジャパンディスタイル
・和と北欧のミックススタイル
・木材、リネン、ウールなど自然素材を多く取り入れた温かみのある空間づくりを演出
どのスタイルにもマッチするのが自然素材を使ったサステナブルなインテリア。デザインの好みだけでなく、環境負荷の少ない素材、製造方法でつくられているか、そういった部分にも目をむけて選んでみるのがおすすめです(髙橋さん)。
************
「木を、もう一度。」──再生木材が紡ぐストーリー
循環型の素材やアップサイクルの取組みが進むなか、注目されているのが「rewood(リウッド)」。
「rewood」の語源は、「re(再び)」と「wood(木)」。つまり、“木を、もう一度”。
「使われていた一枚板を再生し、地球の未来を明るく」というコンセプトを掲げ、30年~40年前につくられた座敷机のアップサイクルに取り組んでいます。
インスタグラムを見てみると、現在の木材市場では見られないサイズや貴重な樹種が揃っているのがわかります。加工の工程もストーリーズにアップされていて、新たな命が吹き込まれているんだな~と感じることができます。
テーブルとしてだけでなくソファの背板として使う、オリジナルデザインも展開。世界に本当に1つだけの家具を手に入れることができるのもおもしろそうですよね。
サステナブルは“我慢”じゃない。“選ぶ喜び”へ
“サステナブル”という言葉は、どこか“制限”や“我慢”と結び付けられて、少し窮屈に感じることもあります。
でも、rewoodのような取り組みは、むしろ気持ちをスッキリさせてくれるというか、新しい選択肢をもらったような感覚です。
捨てることへの罪悪感や、「古いものを使っている」という意識すら感じさせず、自然と“これがいい”と思える家具になっている。それがこれからの家具選びの、新しいスタンダードになっていくのかなと思いました。
rewoodのようなアップサイクルの取組みは、“モノとの付き合い方”そのものを見直すきっかけを与えてくれているのかもしれませんね。
買って、使って、壊れたら捨てるという一方通行の消費ではなく、修理しながら育てていく。やがてまた誰かの手に渡るかもしれない。そんな循環を前提としたモノづくりは、今まさに私たちが必要としているライフスタイルの在り方だなと感じました。
【参考】
rewood
https://re-wood.jp/?srsltid=AfmBOoqGffaj6zpn0tb9Ef5o1mbQSiZ1CoMoldOLBdivxDP2ykqyxOGw