御神木って何? 白蛇が住む御神木と伊勢神宮の御神木の話

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神霊が宿るとされる御神木

神社に行くと、木の幹にしめ縄を張り巡らせてあったり、柵が設けてあったりしますね。一般的には神社の境内にあり、神聖視されている樹木のことをいいます。

 

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御神木と聞いて、愛知県名古屋市の熱田神宮の「大楠」を思い出しました。熱田神宮は三種の神器のひとつ「草薙剣」を祀る神社として有名ですが、境内には大きなクスノキが茂っています。

なかでも「7本楠」という、ひときわ大きなクスノキが7本あるのはご存知ですか? 参拝客が目にすることができるなかで一番大きなものは手水舎の傍にある「大楠」。樹齢1000年以上といわれるその姿には神気を感じます。弘法大師のお手植えともいわれているこの「大楠」。幹の中には白蛇が住んでいて、時折顔を出すそうです。なんでもこの白蛇、神の化身とも言われていて、見かけると金運があがるという言い伝えもあるのだとか。

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残念ながら、私はいまだに白蛇を拝んだことがありません…。

「大楠」の根本には、卵のお供えが置かれています。白蛇がおなかをすかせて卵を食べにくるときが、顔を見られるチャンスかもしれませんね。

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伊勢神宮の御神木の行事

御神木絡みでいえば、来年は20年に一度の伊勢神宮の式年遷宮ですね。社殿と神宝を新調し、大御神を新宮へ遷すという一大イベント。9年の歳月をかけて行われる神宮最大の行事です。

来年の式年遷宮に向けて、御神木のお祭りがすでにスタートしています。

新宮用のご用材の安全な伐採を祈祷する「山口祭」、正殿の心御柱(しんのみはしら)用の御神木の神を祀る「木本祭(このもとさい)」、御神体を納める器に使う檜を伐りだす「御杣始祭(みそまはじめさい)」、伐採されたご用材を曳き入れる「御樋代木奉曳式(みひしろぎほうえいしき)」など、全部で10の御神木に関するお祭りや行事が執り行われます。

 

「御木曳行事」は遷宮諸祭・行事の中で最もにぎやかとされる行事です

 

その後、「鎮地祭」、「後鎮祭」など、社殿建築に関する行事が14、「御装束神宝読合(おんしょうぞくしんぽうよみあわせ)」から、最後の「御神楽(みかぐら)」など9つある神還しの儀式を合わせ、全部で33ものお祭りと行事が行われます。

御神木の行事、「御木曳(おきひき)行事」は、遷宮一連の祭事のなかでも、最もにぎやかな行事。市民が参加できる数少ない機会というのもありますし、全国から見物客もやってきて盛り上がるそうですよ。

「御木曳行事」の際、御神木はこの五十鈴川を川曳して運ばれます

 

ちょっと気になった御神木についてのお話でした。

 

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ちなみに、CONNECTにも「御神木」があるんです。もちろん通称ですが、特別なパワーに敬意をこめて「御神木」と呼んでいます。

CONNECTの「御神木」

 

樹齢1500年以上の木曽檜の巨木。樹齢を重ねた木は包み込むような柔らかさと特別なエネルギーが宿っているなぁと感じます。

木肌に触れるだけでエネルギーを感じたり、癒されたりするのって「木」ならではの感覚なんじゃないかな~と思っています。

 

そんな御神木も、環境の変化や腐朽によって厳しい状況になっているものもあり、伐採するか否かの決断を迫られているものもあるそうです。。

2020年の「令和2年7月豪雨」で、岐阜県瑞浪市「大湫神明神社」の樹齢約670年のスギが倒木したのが思い出されます。地盤が緩んだことも原因のひとつではあるけれど、それだけでなく根の体積が幹に比べて小さく経年腐朽などの要因も加わってバランスを崩したという見方もあるようです。

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ご神木が置かれている環境も厳しいのだなと感じてしまいました。そんななかで1000年以上樹齢を重ねているって、もう奇跡に近いことなんじゃないかとすら思ってしまいますね。

 

 

【参考】

熱田神宮「大楠」

https://www.atsutajingu.or.jp/jingu/about/keidai/keidai22.html

 

伊勢神「式年遷宮」

https://www.isejingu.or.jp/sengu/the62nd/

 

伊勢御遷宮委員会

https://isesengu.jp/okihiki/index.html

 

CONNECT Instagram

https://www.instagram.com/connect.interior/

 

ヒノキでできた鏡餅 ~鏡餅の意味とは?~

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お正月の風物詩でもある鏡餅、みなさんのお宅ではどうされていますか?

地域によって異なりますが、末広がりの「8」をもつ12月28日から飾りはじめ、だいたい1月の中旬に鏡開きをするというのが一般的な風習ですね。

鏡餅は、その丸いフォルムから夫婦円満や家族の健康を祈る意味があるとされています。

「神道いろは」(神社本庁教学研究所監修)には、『正月に一年の無病息災を祈り、餅を食べる歯がための習俗が平安時代の貴族社会に見られた』と書かれています。

さらに、「和の行事を楽しむ絵本」(永岡書店出版、三浦康子著)の一節には

『鏡餅は、年神様へのお供え物であり、年神様が辿る場所です。

昔からかがみには神様が宿るとされているので「鏡餅」と呼ぶようになり、丸い形は昔のかがみが丸型だったことに由来しています。

また、餅は「望月(=満月)に通じて、円満も表します。大小2段に重ねるのは、月と太陽(=陰と陽の象徴)を表しているからだといわれています。

さまざまな縁起物を飾りつけ、床の間、神棚、台所など、年神様にいてほしい場所に供えます』

と紹介されています。

鏡餅は年神様をお迎えする場所。お正月の終わりに鏡開きをして年神様の恩恵を体内に取り込んでお見送りをする、というのが習わしだったんですね。

 

さて、本題。

ヒノキでできた鏡餅「コダマのヒノキ鏡餅」を紹介したいと思います。

岐阜県のロクロ職人さんが丁寧に手作りした木の鏡餅です。

コダマのヒノキ鏡餅

 

ヒノキのいい香りとなめらかなフォルム。見るからに縁起がよさそうですよね。ヒノキは伊勢神宮や法隆寺など名だたる神社仏閣に使われています。本物のお餅のように食べることはできませんが、これなら年神様の居場所としてもふさわしいのではないでしょうか。

岐阜県の東濃地域で育った天然木をそのまま無塗装で仕上げているため、空気や人の手にふれて色が濃くなっていきますが、サンドペーパーで磨けばまた白いヒノキの木肌がよみがえります。こうして毎年気持ちをこめて磨いてお供えし、新しい年を迎えるというのもなかなかいいなぁと思いました。

鏡餅の飾りにも、さまざまな意味が込められています。

【裏白】シダ植物の葉。清廉潔白な心を表します。対になった葉模様から、夫婦仲むつまじく白髪になるまでの長寿を願います。

【譲り葉】新しい葉が出てから古い葉が落ちるので家系が続くようにとの祈りを込めて。

【橙】1本の木に何代も実がなることや、「だいだい」という読み方から、代々家が続くようにとの願いを表します。

 

ほかにも、昆布や柿などをお供えする地域もあるそうですよ。

昔は、新米で作ったお餅を鏡餅にしてお供えしていましたが、今は買ってきたパックの鏡餅で済ませているというご家庭も多いのではないでしょうか。手軽に用意できるのは大きなメリットですよね。鏡餅の由来や意味を振り返りつつ、それぞれのご家庭に合ったもので年神様をおもてなししてみてください。(ま)

 

 

コダマのヒノキ鏡餅

https://kodama-p.com/item/kodama_kagamimochi/

 

 

 

馬籠散策で出会った木曽五木の「ひのきぼんぼん」の話

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石畳が敷かれた風情あふれる岐阜県中津川市の宿場町・馬籠宿。歴史あふれる街並みは観光客で常に賑わいを見せています。

馬籠宿といえば文豪・島崎藤村の生誕地としても有名なまち。馬籠には藤村の生家・旧宅跡が「本陣」として残されています。この「島崎藤村宅(馬籠宿本陣)跡」は、日本遺産「木曽路はすべて山の中~山と守り 山に生きる~」の構成文化財に指定されているんです。といっても、「それなに?」という方も多いかもしれませんね。

まず「日本遺産」とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として文化庁が認定するもの。その1つのストーリーが、先述した「木曽路はすべて山の中…」ということなんです。

▲「藤村記念館」

京都から続くこの旧街道は馬籠宿の先では「木曽路」と呼ばれる江戸時代の情景を残す険しい80㎞ほどの区間に入り、その先もさらに延びて東京に続いているそう。石畳の坂道はノスタルジックで、当時の趣を残す古民家や脇を流れるせせらぎ、水車をみやりながらの散策はとても楽しいものです。

が、なにせ日ごろの運動不足のせいで、途中で息切れが…。「もう無理、休憩!」と入ったカフェでひと休み。シックな古民家の佇まいの中でいただくコーヒーは格別でした。店内には民芸品も飾られています。木曽五木でできた曲げ物や漆器などが並べられていて、休憩しながらショッピングも楽しんだのでした。

数々のお土産物店を物色して一番印象に残ったのは、ヒノキをカンナで削ったくずをボール状にした「ひのきぼんぼん」。捨てられてしまうカンナ屑を商品化するなんて、素敵ですよね。

▲「ひのきぼんぼん」150円!!

お店の方によると、ヒノキには防虫・防カビ効果があるだけでなく、浴室に飾るとヒノキの香りが充満してヒノキ風呂の気分を味わえるのだとか。

木材の厳しい保護政策がなされていた江戸時代には、「木 (木曽五木) 一本、首一つ」ともいわれるほどの厳しい統制下におかれていた木曽五木。ウッドショック禍の現代においても、木材は貴重な資源です。カンナ屑や木片もアイデア次第でこうして生活に役立てることができるんだな~と、感心しながら馬籠を後にしました。(ま)

▲馬籠本陣資料館の脇にたてられた「木曽五木」の看板にも「木 (木曽五木) 一本、首一つ」の説明が書かれています

 

<木曽五木>アスナロの名前の由来は「明日はヒノキになろう」?!

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「アスナロ」という樹木を皆さんはご存知でしょうか?

大きなものでは30mの高さに成長し、あのユニバーサルスタジオジャパンでクリスマスツリーとして飾られたこともある樹木なんです。

アスナロは意外と身近にも自生していて、素敵な名前の由来もあったりするので、どんな樹木なのか今回ご紹介させていただければと思います!

 木曽五木の1つとされるアスナロは、ヒノキ科の日本固有種で北海道から九州まで広く自生する常緑針葉樹。

葉の裏に白い模様がある点はヒノキに似ていますが、アスナロの葉の先端は丸く、ヒノキの葉よりも大きくて分厚い形状になっているのが特徴です。

アスナロには「ヒノキチオール」という成分が豊富に含まれ、殺菌力と耐湿性が高いため、アスナロで作ったまな板は高級品として扱われることも。料理をする人にとってまな板は基本的に毎日使うものですし、初期投資が多少高くても長く使える点はメリットといえます。

また、家の垣根や防風樹としても用いられるアスナロ。強い風を防ぐために公園などの街路樹として植えられたりもしているんです。

注意深く辺りを見渡せば、近所で見つけられるかもしれません。

アスナロは漢字表記で「明日檜」や「翌檜」と書き、「明日はヒノキになろう」という意味から名付けられたのが有力な説とされています。

枕草子に「何の心ありてあすはひのき(明日は桧)とつけけむ」といった一説があり、「ヒノキのような立派な木になりたい」という想いが名前に込められているといわれています。

もちろんアスナロがヒノキに変わることはありませんが、憧れの人のようになりたいという気持ちは、皆さんも共感できる部分はあるのではないでしょうか?

僕自身は憧れを抱きつつも、他人と比べず、自分の個性を活かすことに考え方がシフトしていきました。

アスナロにも個性や特長があり、無くてはならない存在だと思うので、ヒノキにはなれずとも立派に輝いているように思います。

樹木の名前を調べてみると、他にもユニークな名前の由来を発見できるかもしれません。(ユ)

バスタイムにおすすめ!ヒノキの香り

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仕事や家事を終えた後、1日の疲れを癒してくれるバスタイム。

お風呂でお気に入りの音楽を聴いたり、何も考えずにのんびりしたり、人それぞれの時間の過ごし方がありますよね。

僕は色々な種類の入浴剤を使うのが好きで、その日の気分に合わせて花や果物の香りを選んで楽しんでいます。

なかでも、ヒノキの香りはおすすめです。

以前、このブログでもヒノキの効能について紹介しましたが、ヒノキなど多くの樹木には「アルファピネン」という成分が含まれています。

アルファピネンにはリラックス効果を促し、睡眠の質を上げる、疲労回復や免疫力を高めるといった効果が科学的にも証明されているのです。

温泉や温浴施設に行けばヒノキ風呂に入る機会はあるかと思いますが、自宅でも簡単にヒノキの香りを楽しむことはできます。

 

たとえば、ヒノキのオイルを湯船に垂らすという方法。

先ほどもヒノキの香りはリラックス効果があると話しましたが、ヒノキのオイルは気分的なものだけでなく、肉体的な疲れに対しても効果があるんです。具体的な効果として、血行促進の作用があるため、肩こりや冷え、むくみの改善などが挙げられます。

また、ヒノキのオイルには「アルファカジノール」という成分が含まれ、免疫力を上げてくれるので、アレルギー性鼻炎に対しての効果も期待できるそうです。ハウスダストや花粉症にお悩みの方は試してみるといいかもしれません。

他にも、ヒノキの葉から採取したオイルが染み込んだウッドキューブは、湯船に浮かべることで天然のヒノキの香りを感じられるアイテムです。

使い終わったら乾燥させておくことで、2~3回繰り返し使うことができるのも嬉しいところ。それでも香りが薄くなってきたら、表面を紙やすりで削れば香りが復活するそうなので、繰り返し使えて便利ですね。(ユ)

<木曽五木>東京スカイツリーのモデルになった木!コウヤマキ

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「コウヤマキ(高野槙)」は、日本固有種の常緑針葉樹で、1科1属1種という植物学上では珍しい日本の特産種です。

名前の由来は、和歌山県にある高野山に多く自生しているところから。高野山では、アカマツ、スギ、ヒノキ、ツガ、モミと共に「高野六木(こうやりくぼく) 」に指定されています。

ヒマラヤスギ、ナンヨウスギと同様に世界三大美樹に選ばれるほど美しい木で、一般的な高さは約20~30mですが、大きいものだと40mを超えることも。

水に強い性質があり、弥生・古墳時代から木棺の材料として使われたり、船や風呂桶に使われたりした結果、個体が激減してしまいました。そのため、木曽五木や高野六木に指定されて保護されることになったのです。

現代では地球温暖化の影響もあり、日本と韓国の済州島といった限られた場所にしか自生しておらず、今でも希少な樹木です。

 

コウヤマキは東京スカイツリーのモデルになった木で、デザインを監修した彫刻家の澄川喜一さんの故郷である島根県にも自生しているそう。

放射状に広がる枝が傘の骨のように見えるので、英名はumbrella pine(傘松)。
そしてその美しい立ち姿から、スカイツリーを設計するうえで、イメージにピッタリの樹木だったのでしょうね。

コウヤマキは別名で「クサマキ(臭い槙)」と呼ばれることもあり、その由来は独特な甘いフルーティーな香りを持っているところから。

さらに抽出したオイルには保湿力があり、エッセンシャルオイルや美容液として使われたり、歯周病の治療に使われたりもするそうです。

見た目の美しさだけでなく、良い香りもする万能さを持ち合わせているということですね。(ユ)

<木曽五木>伐採後、200年以上強度が上がり続ける!ヒノキの驚くべき力

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「ヒノキ(檜)」といえば誰もが知っている木材ですよね。
特性として高い耐久性と抗菌作用があり、木曽五木の中でも優れた木材とされています。

まず名前の由来は諸説あるのですが、1つは火起こしにヒノキが使われたことから「火の木」と呼ばれるようになったという説。もう1つは「日の木」から来ているという説。

伊勢神宮にもヒノキが使われていて、神宮は太陽神である天照大神の建物とされているそうです。太陽=日から「日の木」とする説があるみたいですね。

高品質の建築材としても扱われるヒノキは、年輪がきめ細やかで美しく、伊勢神宮のほかにも法隆寺、五重の塔などの重要な建築物にも使われています。

そしてここからが衝撃の事実。ヒノキは伐採された後、約200年間は強度が上がり続けるのです!しかも、200年ほどでピークを迎えた後、少しずつ強度は落ちていきますが、約1,000年後でも伐採時とほぼ同等の強度を保っているとのこと。

普通は伐採されたら段々と強度は失われてしまう気がしますが、本当に不思議ですよね…。
607年に建てられた法隆寺など、1,000年以上前の建物が現存していることに歴史のロマンすら感じます。

さて、そんなヒノキですが、あの香りに癒し効果があることはよく知られていると思います。温泉でヒノキ風呂に入ったときや、ヒノキのアロマの香りに癒された経験がある方は多いのではないでしょうか。

その理由は、香り成分であるアルファピネンという物質が関係しているから。
ヒノキの香りを嗅ぐことで副交感神経が活性化され、心拍数が低下してリラックスした状態になるとのこと。

今は湯船に浮かべられるヒノキのウッドボールやチップなどが販売されているので、癒しの香りで一日のリフレッシュをしてみてはいかがでしょうか。(ユ)

<木曽五木>「さっぱり」が名前の由来!? サワラについて

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以前の記事で「木曽五木」についてふれましたが、5種類の木についてちょっと深堀りしてみたいと思います。

今回ご紹介するのは「サワラ(椹)」。サワラはヒノキ科の日本固有種。各地の山に自生し、渓流付近の湿気の多い場所で見ることができます。高さは約30〜40m、大きいものでは約50mにもなる大木です。

外見がヒノキによく似ていますが、サワラの葉先はヒノキよりも鋭く尖っている点や、葉の裏の模様がヒノキは「Y」で、サワラは「X」になっているといった違いがあります。

ところで、サワラの名前の由来は「さっぱり」だと知っていましたか?
樹皮に光沢がなく香りが少ないので、さっぱりした印象があるところから来ているそうです。

関東地方ではサワラは生け垣に使われ、糠目(ぬかめ)のヒノキという意味で「ヌカッピ」と呼ばれたりもするようです。

 

サワラは、香りが少なくて殺菌作用もあるため、ご飯を入れるおひつや飯台、香りをつけたくない水桶などに使用されています。他には、かまぼこ板や下駄、家具といった和製品にも。

建築材にもよく利用され、調湿作用や断熱作用があるので、家のフローリングに適した木材だとされています。ジメジメした季節にはサラッとした感触で、冬場は底冷えを防いでくれるので、一年中素足で歩いても快適に過ごせます。

そして水に強い特長を活かし、浴室や浴槽の材料に使われたり、軽量であるため屋根の材料としても使われたりしているのです。

世界遺産である京都の銀閣寺の屋根もサワラで造られているとのことで、古くから重宝されている木材なんですね。(ユ)

木曽五木(きそごぼく)とは?

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「木曽五木(きそごぼく)」って、聞いたことありますか?

「ヒノキ・サワラ・アスナロ・コウヤマキ・ネズコ」の5種類の樹木を指し、長野県の木曽地方を産地とする常緑針葉樹林です。

江戸時代、長野県の木曽地方にある山林は、優秀な建築材料が採れることで有名で、城や住居の建築に多用されたことで伐採が進みました。約100年にわたって山林が伐採され続けたため、ついに木材が枯渇することに。

そこで当時木曽の山林を領地にしていた尾張藩は、木材を保護するため、「木一本、首一つ」といわれるほど厳しい「停止木制度(ちょうじぼくせいど)」で伐採を禁止。

保護された利用価値の高い樹木を木曽五木と呼びました。

それでは木曽五木のそれぞれの特徴を見ていきましょう。

まず「ヒノキ(檜)」について。木曽といえばヒノキといわれるほど有名ですよね。
五木を代表する樹種で、伊勢神宮にも使われるなど、高級建築用の木材としても知られています。

とても硬い材質なので反りやねじれが少なく、耐久力は世界トップクラスともいわれています。

「サワラ(椹)」は木目が整った美しい樹種です。
山の谷間に生息していて、湿気に強く、殺菌作用もあるので桶の材料によく使われます。
国内にある木材の中で軽量な部類に入るので、扱いやすいのも特長です。

「アスナロ(翌檜)」は頑丈さがヒノキに似ていて、反りやねじれが起こりにくいとされています。湿気や腐食に対して耐性があるので、高級なまな板などに使用される木材の1つです。

「コウヤマキ(高野槙)」は木目が鮮明で、光沢があります。
五木のなかで一番湿気に強く、風呂桶や水桶の材料に使われることが多い木材です。
他の樹種と比べて成長が遅いため、成木があまり採れず、希少な樹木とされています。

「ネズコ(鼠子)」は湿った場所を好み、標高2,000m以上の寒い環境でも育つ樹木です。軽量で傷つきにくいので、タンスに使われたり天井板や建具材に使われたりもします。

木曽五木について書いていきましたが、それぞれに素晴らしい特長があり、木曽地方を代表する樹木というのは頷けますね。(ユ)

【参考】中部森林管理局HP