ベビー歓迎の「おやこホテル」×rewoodで叶えるサステナブルステイ【後編】

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「とことんママが笑顔になるホテル」をコンセプトに掲げる「おやこホテル」。前回は、子連れ旅行の大変さを経験したオーナーが、ママを笑顔にするためにこだわりぬいたサービスとホスピタリティについてご紹介しましたが、今回はその続編です。

◆ママパパに徹底的に寄り添ったホテルを作るしかない!

みなさんがホテルや旅館と聞いて思い浮かべるのはどんなものでしょうか。

「日本のホテルって、有名な観光地や料理、温泉といった魅力がないとなかなか集客が見込めません。大きな観光資源があるわけでもない名古屋で『おやこホテル』を選んでもらうには、徹底的にターゲットに寄り添ったホテルを作るしかないと考えました」と語るのは、オーナーの沼田さん。

ターゲットとは、もちろん小さいお子さんのいるファミリーのこと。特にママの負担をケアすることに注力したといいます。

子連れ旅は荷物が増えがちですが、このホテルにはおむつやオーガニックの離乳食、着替え、おもちゃ、絵本、バスグッズやベビー用の食器、哺乳瓶の洗浄機など、あらゆるベビー用品がアメニティとして揃えられています。その充実ぶりは、ほかに類を見ないほど。あのミキハウスの「ウェルカムベビーのお宿」としての認定も受けています。

◆子どもがのびのび遊べる空間デザイン

「おやこホテル」の魅力は充実したアメニティだけではありません。

居心地のよい空間デザインも大きなポイントです。大きな壁面は子どもの落書きもOK! 白い壁にプロジェクターで動画を投影して、みんなで映画鑑賞も楽しめるんです。

しかも、1フロアに1部屋だけなので、隣の部屋を気にする必要もなく、のびのびと過ごせます。

まさに、「おうちのような安心感」で「おうちとは違う特別感」を味わえるホテルだな~と感じました。

 

◆サステナブルな家具「rewood」を採用

さらにもうひとつ、居心地よい空間を作るために沼田さんがこだわったのは、部屋のしつらえ。実は「おやこホテル名古屋東山4F」のお部屋には「rewood」の家具を採用しているんです。

「rewood」とは、役目を終えた木材を加工して、新しい家具として再生させるブランド。キッチンの天板には座敷机を再生した一枚板が使われ、カウンター部分には机の脚を再生した遊び心溢れるデザインに仕上がっています。形の違う脚を並べることで、こんなにおしゃれに見えるんですね!

天板は座敷机を再生した一枚板。ぎっしりと並んでいるのは座敷机の脚なんです!

 

「rewood」を採用した理由について沼田さんに聞いてみました。

「僕が長年携わっている建築業界は、環境に対する負荷が大きい業界だというのは昔から感じていました。店舗設計やデザインに関わっていくなかで、今はサステナブルというのは重要な視点です。今後も全国に『おやこホテル』を展開していこうと考えたとき、やはり環境に配慮したものでなくてはいけないと考え、再生と循環をテーマに掲げる『rewood』を採用することにしました」。

洗面台の天板やダイニングテーブルにも「rewood」の再生板を使用。さらに、岐阜県産の針葉樹を使ったソファやキャビネットが置かれていて、温もりある空間を演出しています。

ホテルライクな滞在もいいですが、やはり子連れファミリーにとっては、木の温もりがあるほうが落ち着きそうですよね。

 

◆泊まるプラスαの体験を

「ママを笑顔にする」というコンセプトに加え、「泊まるプラスαの体験を」というのが沼田さんの想い。

「rewood」に限らず、木の家具がある空間は、子どもにとって五感を刺激する特別な場所になります。木のぬくもりや手触りは安心感につながり、自然な素材にふれることで想像力や創造力も育まれるそうです。

<イメージ>

さらに、再生木材の背景を知ることで「ものを大切にする」「再び価値を見いだす」といった体験が、子どものころから環境への意識を育てるきっかけになるのかもしれませんね。

 

◆お誕生日やお食い初めなどイベントにも活躍

そんな「おやこホテル」ですが、宿泊だけでなく誕生日や記念日のお祝いなどで利用する人も多いのだとか。

「ママ友会で利用していただく機会も増えています。最大で8名(大人は6名まで)泊まれるので、里帰りした時にパパママのご両親を呼んで、食事をしたりする場所として使う方もいらっしゃいます」(沼田さん)。

料理人の出張サービスやケータリングなどのオプションも充実

 

名古屋は日本のちょうど真ん中あたり。名古屋市内でも抜群のアクセスを誇る東山地区は、集合場所に選ばれることが多いとか。東山動物園までは徒歩10分、ジブリパークへは車でも電車でも30分程度で行ける距離。たっぷり遊んでクタクタになっても、ホテルがすぐそばにあるのは心強いですよね。

旅行だけでなく、ちょっと特別な日常を「おやこホテル」で演出してみるのも楽しそう。ぜひ、親子で訪れてみてください。

 

【取材協力】

「おやこホテル」

https://oyako-hotel.com/

 

<住所>

名古屋市千種区東山通2-4-1 HARVEY MOTOYAMA 4F・6F

<問い合わせ>

052-793-7787(受付時間9:00-21:00)

<アクセス>

電車:名古屋地下鉄「本山駅」2番出口 徒歩3分

車:東名高速「名古屋IC」から車で14分、または名古屋高速2号東山線「四谷出入口」から車で5分

<IN/OUT>

チェックイン15:00 / チェックアウト11:00

<宿泊人数>

最大8名(大人は6名まで)

<料金>

¥55,000~

 

子連れ旅、口コミで話題の「おやこホテル」を取材!ママを笑顔にする理由とは【前編】

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秋の行楽シーズンがやってきました!

みなさんは旅行の計画などたてていますか?

大人旅は比較的気軽に行けるけれど、子連れ旅ともなると、いろいろ大変ですよね。

遊ぶ場所や泊まる場所、荷物の量や安全面など、気がかりなことが多すぎて、出発前の準備段階ですでに疲労が…なんていう方もいるのではないでしょうか。

そんなパパママたちが注目している、親子に特化したホテルがあるのを知っていますか。

その名も「おやこホテル」。HPを拝見して、どうしてもお部屋を見てみたくなり、取材をお願いしてみました。

おやこホテル名古屋東山6F

 

◆とことんママが笑顔になるホテル

「おやこホテル」のことを知ったのは、旅行シーズンに向けて親子旅のリサーチをしていたとき。子連れで楽しめる遊び場とともに、宿泊施設も紹介できたらいいな~と思っていたところ、出てきたのが「おやこホテル」だったんです。

コンセプトは「とことんママが笑顔になるホテル」。そう、ママは大変。「旅行で気分転換なんて無理無理。大変なだけだよ」と嘆くママたちの顔が浮かびそうです。

そんなママの笑顔のためのホテル、といわれると興味がわきますよね。「おやこホテル」を運営するリンゴボーイデザイン株式会社・代表取締役/店舗デザイナーの沼田敦郁(あつか)さんにお話を聞きました。

 

◆ワンルーム貸し切り、ベビー連れでも安心のアメニティ

「このホテルを作ったのは僕自身の経験が大きいんです」と話す沼田さん。

もともと旅行が好きで、子どもが生まれる前は夫婦でいろいろなところに出かけていたそうですが、「子どもができて初めて、子連れ旅行ってこんなに大変なんだなと感じました。僕も手伝いはしますが、手が届かない部分もある。だから奥さんの負担をなるべく減らして、ママ自身が楽しめるようなホテルというのがあったらいいなという発想から生まれたのが『おやこホテル』なんです」。

第1号が、2021年に誕生した「おやこホテル名古屋東山6F」。2024年には、2部屋目が同じビルの4Fに誕生しました。

ホテルの場所は名古屋市千種区東山通。名古屋のど真ん中を走る広小路通り沿いにあります。

一見するとシンプルな商業ビル。エントランス左手にあるエスカレーターから4階または6階に上がります。

取材でお邪魔したのは4Fのお部屋。玄関に一歩入ると、ワンルームがのびのびした空間が広がります。80㎡の部屋にはカーペットが敷かれていて、小さな赤ちゃんがハイハイしても大丈夫そう。ワンフロア貸し切りだから、子どもの声や物音を気にしないで済むのも、子連れには喜ばれている点です。

おやこホテル名古屋東山4F

 

さらに!、ミルク、離乳食、おむつなど、赤ちゃん連れの必需品が全部そろっているのに驚きました。ルームウエアもあって着替えが足りない!なんていうことになっても大丈夫。洗濯機もあります(驚)!

離乳食にいたっては、ホテルが厳選したオーガニック素材のスペシャルミールが用意されています。離乳食やミルクが快適に作れるコンドミニアム風のキッチンも設置されていて、食洗器や哺乳瓶の洗浄機もあるという充実ぶり。本当に手ぶらでも大丈夫そうです。

これは、もう家にいる感覚にかなり近いのでは?と感じました。

 

◆口コミ4.9の理由は“かゆいところに手が届く”工夫

「旅先では『触らないで、静かにして、危ないよ』とか、子どもから目が離せなくて気が休まらないというパパママもいますよね。ホテルに帰ってきたときくらいは、自分の家のような感覚でリラックスして休んでほしいと、設計に工夫をしました」(沼田さん)。

例えば、床がカーペット敷になっているのもそうだし、浴室に上がるステップの角も、子どもがぶつかっても大丈夫なように丸みを帯びたデザインに。キャビネットの扉は、小さい子どもが勝手に開けられないような特別な仕様になっていたり、キッチンの引き出しもすべてロックがかかるようになっていたりと、部屋の隅々まで配慮されています。

こうした工夫が「とことんママが笑顔になるホテル」として評価されているんですね。沼田さんによるとGoogleの口コミでは4.9の高評価を獲得。ホテルのHPにも

「3歳と0歳の子どもと初めての旅行でしたが、おやこホテルに宿泊できて大満足でした。清潔で広い空間、おもちゃやベビーグッズ等、たくさんのサービスや心遣いに溢れた空間にみんなが笑顔になりました」

「はじめての赤ちゃんを連れてのお泊まりだったのでこちらのホテルを選びましたが、おむつ、おしりふき、オーガニックのちょっといいベビーフード、ミルクなどが用意されており、本当に手ぶらでよかったんだ!と嬉しくなりました」

「かなり快適でこのまま住みたいくらいでした!私的にはリファのシャワーヘッドとドライヤーとマットレスの寝心地が最高でした♡パパはルームウェアとマットレスが気に入っており、子供達も映画館のようなスタイルで動画を見たり壁にお絵描き楽しんだりお風呂も広くて大喜びでした!」

など、宿泊した人の感想が寄せられています。

落書きできる大きな壁に夢中!
プロジェクターでNetflixも観れます!

 

お絵描きできたり、動画を投影したりできる大きな壁も、子どもにとっては特別な経験ですよね。木のおもちゃ専門店から導入したインポート木製おもちゃも用意されていて、自由に遊ぶことができます。

まさに、かゆいところに手が届くサービスとホスピタリティ!

ベビー用のバスグッズも完備

 

さらに、部屋のしつらえにもこだわりが。森の循環、木を再生するというコンセプトで作られた家具を採用しているんです。

ただ泊まるだけじゃなく、プラスαの体験をしてもらいたいという沼田さんの想いを含め、【後編】でお伝えしようと思います。

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8月は雷のピーク!木の下で雨宿りは絶対NG! 雷が木に落ちる理由

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そろそろ雷のシーズンがやってきますね。最近では7月に関東を中心に発生したゲリラ豪雨の際にも、激しい雷鳴が響き渡っていたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。

夏は雷が一番多い季節。雷の観測や情報提供を行う株式会社フランクリン・ジャパンのデータによると、8月は90万回を超える雷が観測されています。

2014~2023の月別落雷数(出典:フランクリン・ジャパン雷ぶらり)

 

木の下で雨宿りは危険度マックス!

外出中に大雨が降ってきたり雷が鳴ったりしたとき、みなさんはどうしますか? 建物の軒先や雨がしのげる場所に避難するという人が多いのではないでしょうか。

雨宿りするとき、木の下に逃げ込むという人もいると思いますが、実はこれはとても危険なこと。

雷は地面から突き出たものや高さのあるものをめがけて落ちるという性質があります。木は本来、電気を通しにくいのですが、雷が木に落ちると、近くにあるものや人を通って地面に逃げるという現象が起こる場合があります。これを「側撃雷」といい、人体が木よりも電気を通しやすい性質があるために起きる現象です。

巨大な電流が木に落ちたとき、傍に木よりも電気を通しやすい人間がいれば、そちらにも電流が流れるのは想像できますよね。飛び火のようなものをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

万が一そんなことがあった場合、人は雷の直撃を受けたのと同じくらいの電流を受けることになり、命の危険に直結する率が高くなるのです。

木の下での雨宿りは、開けた場所での直撃に次いで多く発生していて、全体の25%を占めるというデータもあります。木の下と同じように、木造建築にも同じような危険があります。軒下ではなく、建物の中に入って落雷の危険が去るまでは外に出ないという注意が必要です。

 

落雷の仕組みとは

そもそも、雷はどうやって起きるのでしょうか。

雷の元は、発達した積乱雲。よく入道雲といわれたりするあのモクモクとした雲です。

雲の中にある氷の粒がぶつかり合って、プラスとマイナスの電荷が発生することで静電気が発生。プラスの電荷は雲の上の方に、マイナスの電荷は下の方に集まりやすい性質を持っているため、その間には引き合う力が働き、そこに電界が生まれます。

この電荷の偏りが大きくなると、雲の中だけでなく地面との間にも電位の差ができて、それを解消するために放電、つまり落雷現象が起こるという仕組み。つまり、雲の下に集まったマイナスの電荷が、地面がもつプラスの電荷に引き寄せられ、落雷が起きるのです。

 

高所や木から離れて建物や乗り物の中へ

外にいて雷が鳴り始めた場合、より安全な場所に避難することが大切です。

例えば

  • 鉄筋コンクリート製の建物の内部
  • 自動車や電車・飛行機などの乗り物の内部
  • 避雷設備の施された建物の内部
  • 本格的な木造建築物の内部

といった場所です。(※フランクリン・ジャパン「落雷時の安全な避難場所/行動」より抜粋)

高さ20メートル(だいたい5階建くらい)以上の建物には避雷針の設置が義務づけられています。避雷針がついた建物の中は人命は安全といえます

雷が聞こえたら、まずは高い場所や木の近くから離れて、安全な建物や車の中に避難することが大切。グラウンドやゴルフ場など、開けた場所では危険度が高くなります。実際に、今年4月には奈良市の高校でグラウンドに落雷があり、生徒が意識不明の重体になるという痛ましい事故も起きています。

雷は身近な場所でも突然発生することがあります。天気の変化に気を配りながら、早めの避難を心がけましょう。

知識と情報で予測して身を守る

気象庁の「雷ナウキャスト」では、雷雲の動きや放電の情報をもとに、1時間先までの雷の予測を見られるようになっています。図のように、雷の活動度を4段階で表示。地図上でリアルタイムの動向をチェックすることができるので、お出かけ前や外にいるときは、こまめにチェックして備えておくと安心です。雷のピークを迎える前に、正しい知識と情報を使って、身を守ってくださいね。

気象庁「雷ナウキャスト」の見方より

 

 

<参考>

フランクリン・ジャパン「雷(らい)ぶらり」

気象庁「雷ナウキャストの見方」

 

 

 

 

 

 

2025年も注目の“サステナブル”と、再生テーブル『rewood』の話

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気候変動や資源の枯渇といった地球規模の問題が、いよいよ現実味を帯びてきた今。「サステナブル」という考え方は、もはや一時的な流行ではなく、私たちの暮らしの中に根づきはじめています。

ファッション、食、住まい、さまざまな分野で、「環境への配慮」と「長く大切に使うこと」が、もの選びの基準になりつつあります。そんな時代の流れのなかで、家具業界でも注目されているのが循環型素材の活用やアップサイクルの取り組み。

「CONNECT」の髙橋さんに2025年の家具のトレンドと、インテリアのアップサイクルについて話を聞いてみました。

 

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CONNECTのインスタにもたびたび登場する店長の髙橋さん

 

最近は、家具のデザインというより素材を意識しているお客さまが本当に増えています。

SDGsやサステナブルというテーマは何年も前からいわれています。

家具は長く使えば使うほど味わいが出て、愛着もわくもの。ただ、経年変化や使い勝手、家族構成の変化などで処分を検討しなくてはいけない場面も出てきますよね。

最近ではそういった場面を視野に入れて、素材そのものがリサイクル、またはリメイク可能かどうかという点を、購入の時点から気に掛ける方が多くなってきました。

家具のリサイクルは環境への負荷を減らす有効な手段ですし、不要な家具を捨てないことは、ゴミ処理の負担を減らすことができるので廃棄物の削減にもなります。

“サステナブル”は一時のトレンドではなく、この先もずっとテーマになり続ける重要な要素です。

 

2025年のトレンドは3つ

2025年に注目の代表的なインテリアスタイルとしては、3つ挙げられます。

◆ビンテージナチュラル

・自然素材を活かし、使い込まれた味わい

・無垢材とアイアンなど、落ち着きのあるアンティークな風合い

 

◆モダンスタイル

・洗練された直線的なデザインが特徴

・モノトーンや光沢のある素材との組み合わせでシンプルにまとめる

 

◆ジャパンディスタイル

・和と北欧のミックススタイル

・木材、リネン、ウールなど自然素材を多く取り入れた温かみのある空間づくりを演出

 

どのスタイルにもマッチするのが自然素材を使ったサステナブルなインテリア。デザインの好みだけでなく、環境負荷の少ない素材、製造方法でつくられているか、そういった部分にも目をむけて選んでみるのがおすすめです(髙橋さん)。

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「木を、もう一度。」──再生木材が紡ぐストーリー

 

循環型の素材やアップサイクルの取組みが進むなか、注目されているのが「rewood(リウッド)」。

「rewood」の語源は、「re(再び)」と「wood(木)」。つまり、“木を、もう一度”。

「使われていた一枚板を再生し、地球の未来を明るく」というコンセプトを掲げ、30年~40年前につくられた座敷机のアップサイクルに取り組んでいます。

インスタグラムを見てみると、現在の木材市場では見られないサイズや貴重な樹種が揃っているのがわかります。加工の工程もストーリーズにアップされていて、新たな命が吹き込まれているんだな~と感じることができます。

テーブルとしてだけでなくソファの背板として使う、オリジナルデザインも展開。世界に本当に1つだけの家具を手に入れることができるのもおもしろそうですよね。

サステナブルは“我慢”じゃない。“選ぶ喜び”へ

 

“サステナブル”という言葉は、どこか“制限”や“我慢”と結び付けられて、少し窮屈に感じることもあります。
でも、rewoodのような取り組みは、むしろ気持ちをスッキリさせてくれるというか、新しい選択肢をもらったような感覚です。

捨てることへの罪悪感や、「古いものを使っている」という意識すら感じさせず、自然と“これがいい”と思える家具になっている。それがこれからの家具選びの、新しいスタンダードになっていくのかなと思いました。

rewoodのようなアップサイクルの取組みは、“モノとの付き合い方”そのものを見直すきっかけを与えてくれているのかもしれませんね。

買って、使って、壊れたら捨てるという一方通行の消費ではなく、修理しながら育てていく。やがてまた誰かの手に渡るかもしれない。そんな循環を前提としたモノづくりは、今まさに私たちが必要としているライフスタイルの在り方だなと感じました。

 

【参考】

rewood

https://re-wood.jp/?srsltid=AfmBOoqGffaj6zpn0tb9Ef5o1mbQSiZ1CoMoldOLBdivxDP2ykqyxOGw

 

ピアノを売ろうとして気づいたこと。一生モノの家具に共通する“木の価値”

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私の家には、ピアノがあります

KAWAIのアップライトピアノで、祖父が入学のお祝いに買ってくれたものです。まだ小さかった私にとって、それはとても大きな贈り物で、記憶のなかでも強く印象に残っています。

小学4年生くらいまでは、ピアノ教室に通ってレッスンを受けていました。でも次第に他の習い事に夢中になり、通わなくなってしまいました。

大人になった今では、年に数回ふと弾いてみる程度。ほとんど出番がなくなってしまったピアノを見て、「ちゃんと使ってくれる人のところに行ったほうが幸せなんじゃないか」と思うようになりました。

そんな気持ちもあって、よくテレビCMで見かける「ピアノ売ってちょうだい♪」のような買い取りサービスに査定をお願いしてみました。製造から30年以上経っているし、値段なんてつかないだろうな……と正直、あまり期待していませんでした。

ところが、想像していたよりもずっと高い金額を提示されて、驚いてしまったのです。

普通なら「ラッキー!」と即決してしまいそうなところですが、不思議なことに心がざわついてしまい、その場で「やっぱりやめます」と保留にしてしまいました。

なぜ私は迷ってしまったのか

その理由を改めて考えてみたところ、私の中で引っかかっていたのは「想い出の価値」だったのだと気づきました。

祖父に買ってもらったこと、一緒に育ってきたこと、発表会の前に必死で練習したこと。そんな記憶が、ピアノの音や姿とともに自分のなかに刻まれていたのです。

今ではあまり弾いていないとはいえ、私の暮らしの風景の中にそのピアノは当たり前のようにあって、「いなくなったら寂しいな」と思ってしまったのでした。

ピアノって、場所もとるし、引き取ってもらえれば部屋も広くなるし、合理的には手放したほうがいいのかもしれません。でも、なんだかそれだけでは説明できない、情のようなものがあるのですね。

今では電子ピアノもだいぶ普及してきました。電子ピアノは音量調整や録音機能などもあって便利ですが、いわゆる“電化製品”の分類になるため、2~3年ほどで買い取り価格がつかなくなると言われています。その点、アップライトやグランドなどのアコースティックピアノは、ほとんどの構造が木材でできていて、きちんとメンテナンスすれば30年、40年たっても価値が残るということを今回の経験から知りました。

この話、実は「家具」にも通じる気がしています

ファストインテリアのように、手軽に買い替えられる家具が身近になった一方で、コロナ禍以降、「一生モノ」と呼ばれるような無垢材の家具への関心も高まっています。
木の家具は、時間とともに色や手触りが変わっていきます。傷やシミさえも、“想い出”として味わいになっていく。それは、私にとってのピアノと同じように、ただの“モノ”ではなく、“一緒に育っていく存在”になっていくのだと思います。

そして、メンテナンスしながら長く付き合えるところもまた、木の家具やピアノの魅力です。手をかけることで、より愛着が深まっていくのです。

貴重な一枚板の座敷机をダイニングテーブルとして再生したrewoodの家具

 

読者のみなさんの家には、長く付き合っている家具はありますか? また、これから一緒に“育てていきたい”と思える家具、どんなものを思い浮かべますか?

 

【参考】

https://re-wood.jp/

隠れた日本の財産!?「クリプトメリア・ジャポニカ」の正体は国産杉だった

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スギの学名は「隠れた日本の財産」

「クリプトメリア・ジャポニカ(Cryptomeria Japonica)」って何かわかりますか?

聞きなれない言葉かもしれませんが、「クリプトメリア」というのはスギの学名で、日本固有の種を指します。

「クリプトメリア」は、ラテン語で「隠れたもの」という意味があります。スギの果実のような「球果(きゅうか)」が葉におおわれていることに由来していますが、「隠れた日本の財産」という意味でも広く知られています。

近年では、花粉症の原因として嫌われがちなスギですが、実は昔から日本人の暮らしを支えてきた大切な存在です。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、スギがなければ、今の日本の発展はなかったかもしれない――それほど重要な木だったのです。

 

日本初の電信柱もスギでできていた!

昔は、家屋の建材としてはもちろん、桶や樽などの日用品にもスギが使われていました。柱や屋根、道具、薪として、さらには葉が線香として使われることも。明治2年(1869年)、東京と横浜を結ぶ日本初の電信柱が建てられましたが、そのほとんどもスギ製だったそうです。

スギで作られた電信柱が描かれた清親畫帖 [2]/出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」

 

杉の苗の仕立て方、枝打ちなどの生育法と、杉の用法が描かれた明治初期の教育錦絵/出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」

 

スギの苗の仕立て方が描かれた錦絵。学校教育に使われていました/出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」

 

国策によって増えすぎたスギ

現在、日本の森林の約4割が人工林で、その中でもスギは最も多く植えられている木です。これは、戦後の国策が大きく影響しています。

焼け野原となった戦後の日本では、大量の木材が急ぎ必要とされました。そのため、成長の早いスギが全国各地に植えられたのです。こうした背景があって、今では青森県から屋久島まで広く分布し、秋田県、三重県、富山県、京都府、奈良県、高知県、宮崎県では、県や府の木にも指定されています。

日本の森林におけるスギの割合は44%。人工林のうちトップシェアとなっています(出典:林野庁「スギ・ヒノキ林に関するデータ」より)

 

ちなみに、スギの名前の由来には諸説ありますが、まっすぐに立つ姿から「直木(すぎ)」と呼ばれるようになったとも、成長が早く「すぐ木になる」ことから「スギ」と名づけられたとも言われています。

スクスクと育つスギは、日本の復興を支えてくれた存在でした。しかし一方で、今では手入れが行き届かない人工林が増え、荒廃してしまっているという現実もあります。そんななか、「隠れた日本の財産」であるスギをもっと活用していこうという動きも出てきています。

 

環境保護の視点からスギの利用を考えてみる

こちらは、コダマプロジェクトが制作する東濃杉を使ったソファ。

コダマローソファー3人用。岐阜県東白川村の東濃杉材だけで作られたオリジナルソファです

宙に浮いているかのような軽やかなデザインと、スギの柔らかい素材感がマッチした人気のソファ。ファブリックも洗える素材なので、お子様がいる家庭でも安心して使えそうですね。カラーリングも豊富なので、室内の雰囲気に合わせて選べるのが人気の理由となっているようです。

ウォールナットの無垢オイル仕上げのCNT-S-Kodama-3P。ドライクリーニング可能なカバーリングはカラーも豊富です

 

天然木のソファは、木の柔らかさや快適な座り心地が特徴。湿度の吸排気に優れた素材なので、室内の快適性が向上するというメリットもあります。生態系のバランスが崩れかけている今、国産のスギ材を生活の中で使う事は環境的にもとても意味のある事。

日本の発展に大きく貢献してきたスギは、まさに「隠れた日本の財産」です。健全な森を維持するためにも、スギの活用が進むといいなと思います。

 

<アイキャッチ画像出典・参考>

国立国会図書館NDLイメージバンク「杉と日本人のお付き合い」

https://ndlsearch.ndl.go.jp/imagebank/column/sugi

 

<参考>

林野庁「森林資源の利用と造成の歴史(2)」

https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/r5hakusyo_h/all/tokusyu1_2.html

 

北欧×和のインテリア「Japandhi(ジャパンディ)」で、暮らしにちょうどいい居心地の良さを

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前回、『異端の奇才―ビアズリー展』で見た、アートと家具に息づくジャポニズム』では、19世紀に流行っていた「アングロジャパニーズ様式」の家具についてお届けしましたが、今回は「Japandhi(ジャパンディ)について書いてみようと思います。

先日、インテリア好きな友人の家に遊びに行ったのですが、数年ぶりに訪れた彼女の家は、以前とは違った雰囲気になっていました。彼女いわく「ジャパンディスタイルでまとめた」とのこと。

「Japandi(ジャパンディ)」とは、「Japanese(日本の)」と「Scandinavian(北欧の)」の意匠を融合させたスタイルのこと。日本の伝統的な和とニュートラルな北欧デザインがミックスされたスタイルは、とてもリラックスできて居心地のいいものでした。

 

 2010年ごろから台頭してきた「ジャパンディ」ブーム

北欧のデザイナーが日本の文化に注目したことから生まれた「ジャパンディ」は、2010年頃にはすでにインテリア業界では使われていた用語のようです。

私たちがよく目にするようになったのは2020年より少し前くらいだったような気がします。大型家具店などでも“ジャパンディ”スタイルが大きく取り上げられていたのを覚えています。

コロナ禍を経て、家の居心地の良さを求める人が多くなったこともあり、すっかり定着してきたように思いますが、ここでどんなものなのか、特徴を整理してみようと思います。

 

「ジャパンディ」の特徴

 

◆ミニマルで機能的

・和の直線的なデザインや、引き戸、障子などに見られる空間を仕切る機能的な要素がつまっている。

・余白の美を追求するレイアウト

・必要最低限のものしか置かないミニマルな美

 

◆自然素材を使う

・陶器、和紙、木工など、日本の職人技や北欧のハンドクラフト感があるものを置く

・木、竹、麻、リネンなど、自然素材を使用したナチュラルな風合いを重視

・観葉植物などグリーンを配置

 

◆配色はアースカラー

・主張しない色、例えばベージュ、アイボリー、グレージュ、淡いブラウンなどのナチュラルなアースカラーを使う

 

◆ローアングル

・日本の「座」の文化を意識した床に近い目線

・低めの家具で揃えることで開放感を演出

 

◆柔らかな光

・直接的な光より柔らかく空間を照らす間接照明が中心

・白色より電球色で温かみを出す

 

和ベースが「和モダン」、北欧ベースが「ジャパンディ」

 

和モダンと何が違うの?と思う人もいるかもしれませんね。和モダンは、日本の伝統美をベースに現代風のデザインを取り入れたもの。つまり「和」がベースになっています。

一方、ジャパンディは、北欧のスタイルに和の雰囲気をプラスするという考え方。「北欧」がベースになっているという違いがあります。

ちなみに、「ジャパンディスタイル」に向いているのは、こんな家具。

コダマ「ローバックソファ」 /木の柔らかさや快適な座り心地を感じられる天然木のローソファ。アイボリー、ベージュなどファブリックの色を選べます

 

北欧 120ダイニングベンチNRT-CH-002/アッシュ材のフレームにしっかり編み込まれたペーパーコードの座面。クラフト感とナチュラルな質感で「ジャパンディ」スタイルを実現できそう

 

ピークチェアNRT-C-156 /シンプルで機能的な美を追求した人気の高い一脚。座面やフレームの色も選べます

 

背の低い家具、「座」の文化、余白の美といったジャパンディのコンセプトは、子育て世代にもフィットしそう。実際に友人宅の子どもたちも、床でおもちゃを広げたり、ローテーブルでお絵描きしたりと、楽しそうに遊んでいました。

 

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友人宅で印象的だったのは、南部鉄器の茶器。凛とした佇まいだけれど、柔らかなフォルムを帯びた急須に日本の美しさを感じました。

日本の美学ともいえる「わび」「さび」。風合いや味わい深さを神髄とする精神と、北欧の“ヒュッゲ”(=居心地のいい空間)が融合した「ジャパンディスタイル」。日本の生活や文化にもちょうどいい心地よさをもたらしてくれそうだなと、美味しいお茶をいただきながら改めて感じたのでした。

 

 

 

 

 

オフィスで天然木のテーブルを使うメリットとは

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木製会議用テーブルが増えている理由。その魅力と効能とは

前回、木造の高層ビルが増えているというお話をしましたが、そこまで大規模でないにしろ、中小企業にも木質化のブームはすでに到来。会議室や休憩室など部分的な内装の木質化を進める動きが年々活発化しています。

■オフィスで無垢材を使うメリット

オフィス内を木質化すると生産性があがるとか、リラックスした気分になれるというメリットが実証されています。とある実験では、木質化(ウォールナット)された空間と非木質化(クロス張り)の空間で脳の血流と心拍を測定したところ、木質化空間のほうがだるさやぼやけなどの疲労感が軽減するという結果に。

会社の休憩スペースがこんな感じだったら素敵ですね!樹齢600年のブビンガ材を輪切りにした一枚板

 

林野庁も「建物の内装木質化のすすめ」として取組みを進めています。木質化の効果について、検証により実証された効果を資料から一部紹介してみますね。

<心理面の効果>

スギ材から揮発した匂いがストレスを抑制

<身体面・衛星面の効果>

ヒノキの匂い成分がヒトの免疫機能の働きを上昇

感情の落ち込み、疲労感、ストレスが緩和

木の吸放湿作用が室内空間の湿度をある程度一定に保つ

空気浄化効果、精油の抗菌効果

<生産性の効果>

無垢材の部屋は深睡眠の時間が長く日中の作業効率が向上

集中しやすい、発想力が発揮しやすい効果

サイズオーダー無料・CONNECTのカスタムテーブル。足をスチール製にすることも可能。天板の樹種も選べます

 

などなど。空間に占める木の割合が増えるほど、その効果もあがっていくそう。無機質な会議室より木に囲まれた空間のほうが、積極的なディスカッションができるというイメージも、こうした実験結果を見ると納得できますね。

 

一枚板 テーブル ウォルナット。ダイニング用テーブルも組み合わせによってはミーティングデスクとして利用できます

 

私の個人的な自己分析結果でいくと、従来の会議室では「会議だ、がんばらねば」というやや硬いモード。それに対して木質化された空間での会議だと「よし!会議がんばるぞ」というテンションになります(笑)。

単純に木質化空間が好きという主観的要素もありますが、みなさんもそんな気がしませんか? 会議室もしくは個人で使うテーブルや椅子が木に替わった、というシーンを想像してみてください。テンションが下がる人っていない気がしますがいかがでしょう。

もしかしたら殺伐とした会議も穏やかに進んでいくとか、そんなメリットもあるかもしれませんね。

 

来客用のVIPルーム。無垢材ならではの落ち着いた空間が広がります

 

■デスクだけでも無垢材に

大きな改装は今すぐ無理という場合、デスクだけでも無垢材に替えてみるという会社も最近増えています。

これまでは、汚れにくい、傷がつきにくいといった理由から化粧板のデスクが主流でしたが、今の時代は木の温もりです!

一日の多くを過ごすオフィス。快適な空間になったらいいですよね。

杉材の一枚板でできた個人のワークデスク。リラックスして仕事に打ち込めそうです
会社のエントランスに置かれた東濃杉の特注ベンチ

 

※画像はすべてCONNECT

 

【参考】

林野庁補助事業「木材利用に取り組む民間 企業ネットワークの構築事業」

https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/kidukai/attach/pdf/wckyougikai-47.pdf

 

家具のトレンドは有機的デザイン。暮らしのなかにインスピレーションと癒しを

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUTDIY天然素材 木のテーブル

ここ数年のインテリアのトレンドは「有機的なデザイン」。自然界のもの、例えば植物などにインスピレーションを受けた曲線的なデザインが人気となっています。

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◆丸みがあって素材感重視の「有機的デザイン」

 

毎年4月にイタリアで開催される家具の祭典「ミラノサローネ」。

会場では曲木加工された天然木のテーブルセットや、丸みを帯びたデザインのソファが注目を集めていたのだとか。曲木のカーブや丸いフォルムなど、柔らかさがあるデザインが最新のトレンド。素材感も重視されていて、タオル素材やコーデュロイなど思わず触れてみたくなるようなものが数多く出品。日本の伝統的な素材・い草を使った家具なども展示されていたそうです。

ふんわりした座り心地とさわりたくなるコーデュロイ生地が人気の「CONNECTテーブル付きソファ」

 

自然の中には、人間がつくり上げることができないような緻密なデザインがいたるところにちりばめられています。植物の葉脈や昆虫の羽の模様、水の波紋など、自然のデザイン美にふれるとなぜかリフレッシュできたり、自然とふれあってリラックスできたりという経験はみなさんにもありますよね。

それは、自然界からのエネルギーを受け取り、壮大な自然の中のミクロの世界をのぞき見て新しいインスピレーションを受け取っているからともいわれています。

 

 

◆サステナビリティを重視した素材

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素材そのものが重要視されているという点も、今の時代を反映している気がします。先ほども書いたように、タオル素材や、い草以外にも木材、テラコッタ、リネンなどオーガニックなものがトレンドの中心に。

さらに、サステナビリティを意識している点も押さえておきたいところ。適切なメンテナンスで長期間使えるレザーや、リサイクル素材にも注目が集まっています。

自然の素材は手触りがよく、ふれたときにホッと落ち着きますよね。そんな家具を暮らしのなかに取り入れることで、よりリラックスできる空間を演出するというのが今のトレンドなのです。

 

◆有機的デザインを象徴する「一枚板」

ダイナミックな一枚板。自然のエネルギーを享受できるように暮らしを整えることが、癒しの空間を作る一番の方法かもしれません。@rewoodworks

 

自然の形状をそのまま生かした一枚板の天板は、有機的デザインを象徴するものといえるかもしれません。一枚いちまい違う木目、ゴツゴツした耳があったりウロがあったり…。手で触れると自然のエネルギーが伝わってくるようです。

見た目や触り心地から、人は多くのインスピレーションを受け取ります。何気なくふれているだけでも、癒されているような感覚になるから不思議ですよね。

天然木の一枚板のなかでもサステナビリティを実現しているのが、循環型一枚板「rewood」です。

厚みのある天然木の丸テーブル。今では手に入らない素材に出会えるのも「rewood」の魅力

 

使われなくなった座敷机の天板を再利用する「rewood」は、半永久的に使える素材を丁寧につむいでいく、というコンセプトのもと、たくさんの座敷机を循環させています。

何百年という長い時間をかけて成長してきた木材を伐採してつくられた座敷机。流行らなくなったからといって、簡単に捨てていいはずがありません。ストック素材をできる限り再利用して乱伐を防ぎ、新しいアイデアで流通させる「rewood」の取り組みは、今改めて注目されています。

サステナビリティが新時代のトレンドであるならば、「rewood」はまさにその象徴ともいえるプロダクトだといえます。

一枚板とスチール製の足の組み合わせがスタイリッシュ。「rewood1500 テーブル」。トレンドにも左右されない魅力があります

 

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“トレンド”と書いてはみたものの、実際のところ有機的デザインは流行に左右されにくい印象もあります。たとえば、建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの「有機的建築」思想は、時代を超えて今も色あせていません。人間の根幹には自然に触れていたいという自然回帰のような思いがきっとあるんだろうな、と感じます。

昔々、山や森に囲まれていた暮らしから何千年も経った現代の人間。ビルやコンクリートに囲まれた現代にせめて身近に自然を感じていたいと思うのは、人としての根幹、もっというなら動物的本能のようなものなのかもしれませんね。

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御神木って何? 白蛇が住む御神木と伊勢神宮の御神木の話

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUT天然素材 木のテーブル木曽五木

 

神霊が宿るとされる御神木

神社に行くと、木の幹にしめ縄を張り巡らせてあったり、柵が設けてあったりしますね。一般的には神社の境内にあり、神聖視されている樹木のことをいいます。

 

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御神木と聞いて、愛知県名古屋市の熱田神宮の「大楠」を思い出しました。熱田神宮は三種の神器のひとつ「草薙剣」を祀る神社として有名ですが、境内には大きなクスノキが茂っています。

なかでも「7本楠」という、ひときわ大きなクスノキが7本あるのはご存知ですか? 参拝客が目にすることができるなかで一番大きなものは手水舎の傍にある「大楠」。樹齢1000年以上といわれるその姿には神気を感じます。弘法大師のお手植えともいわれているこの「大楠」。幹の中には白蛇が住んでいて、時折顔を出すそうです。なんでもこの白蛇、神の化身とも言われていて、見かけると金運があがるという言い伝えもあるのだとか。

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残念ながら、私はいまだに白蛇を拝んだことがありません…。

「大楠」の根本には、卵のお供えが置かれています。白蛇がおなかをすかせて卵を食べにくるときが、顔を見られるチャンスかもしれませんね。

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伊勢神宮の御神木の行事

御神木絡みでいえば、来年は20年に一度の伊勢神宮の式年遷宮ですね。社殿と神宝を新調し、大御神を新宮へ遷すという一大イベント。9年の歳月をかけて行われる神宮最大の行事です。

来年の式年遷宮に向けて、御神木のお祭りがすでにスタートしています。

新宮用のご用材の安全な伐採を祈祷する「山口祭」、正殿の心御柱(しんのみはしら)用の御神木の神を祀る「木本祭(このもとさい)」、御神体を納める器に使う檜を伐りだす「御杣始祭(みそまはじめさい)」、伐採されたご用材を曳き入れる「御樋代木奉曳式(みひしろぎほうえいしき)」など、全部で10の御神木に関するお祭りや行事が執り行われます。

 

「御木曳行事」は遷宮諸祭・行事の中で最もにぎやかとされる行事です

 

その後、「鎮地祭」、「後鎮祭」など、社殿建築に関する行事が14、「御装束神宝読合(おんしょうぞくしんぽうよみあわせ)」から、最後の「御神楽(みかぐら)」など9つある神還しの儀式を合わせ、全部で33ものお祭りと行事が行われます。

御神木の行事、「御木曳(おきひき)行事」は、遷宮一連の祭事のなかでも、最もにぎやかな行事。市民が参加できる数少ない機会というのもありますし、全国から見物客もやってきて盛り上がるそうですよ。

「御木曳行事」の際、御神木はこの五十鈴川を川曳して運ばれます

 

ちょっと気になった御神木についてのお話でした。

 

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ちなみに、CONNECTにも「御神木」があるんです。もちろん通称ですが、特別なパワーに敬意をこめて「御神木」と呼んでいます。

CONNECTの「御神木」

 

樹齢1500年以上の木曽檜の巨木。樹齢を重ねた木は包み込むような柔らかさと特別なエネルギーが宿っているなぁと感じます。

木肌に触れるだけでエネルギーを感じたり、癒されたりするのって「木」ならではの感覚なんじゃないかな~と思っています。

 

そんな御神木も、環境の変化や腐朽によって厳しい状況になっているものもあり、伐採するか否かの決断を迫られているものもあるそうです。。

2020年の「令和2年7月豪雨」で、岐阜県瑞浪市「大湫神明神社」の樹齢約670年のスギが倒木したのが思い出されます。地盤が緩んだことも原因のひとつではあるけれど、それだけでなく根の体積が幹に比べて小さく経年腐朽などの要因も加わってバランスを崩したという見方もあるようです。

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ご神木が置かれている環境も厳しいのだなと感じてしまいました。そんななかで1000年以上樹齢を重ねているって、もう奇跡に近いことなんじゃないかとすら思ってしまいますね。

 

 

【参考】

熱田神宮「大楠」

https://www.atsutajingu.or.jp/jingu/about/keidai/keidai22.html

 

伊勢神「式年遷宮」

https://www.isejingu.or.jp/sengu/the62nd/

 

伊勢御遷宮委員会

https://isesengu.jp/okihiki/index.html

 

CONNECT Instagram

https://www.instagram.com/connect.interior/