静岡市「駿府の工房 匠宿」で出会った隈研吾スツールと重厚な一枚板テーブル

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里山で工房体験ができる「駿府の工房 匠宿」

源氏・今川氏・徳川氏ゆかりの史跡が残る静岡県静岡市駿河区の丸子(まりこ)。東海道五十三次の20番目の宿場「鞠子宿」として有名ですが、そこから車で5分ほどの場所にある泉ケ谷(いずみがや)というエリアを散策してきました。

▲泉ケ谷に着いたときはあいにくの曇り空でしたが、里山の自然を感じられてリフレッシュできました(筆者撮影)

 

泉ケ谷は10年ほど前に訪れたことがあるのですが、その時にはなかったおしゃれなレストランやゲストハウスなどができていて里山の自然+モダンといった雰囲気に進化していました。

今川氏に使えた連歌師・宗長がおこした寺「吐月峰柴屋寺(とげっぽうさいおくじ)」、樹齢300年以上という大銀杏の丸太が見どころの「千手観音堂」など歴史的なスポットも点在していますが、なかでもたくさんの人で賑わっていたのが「駿府の工房 匠宿」です。

▲「駿府の工房 匠宿」の施設内。建物自体も伝統工芸の技術を用いて作られています

 

隈研吾氏監修のスツールを自分の手で

「匠宿」は国内最大級の伝統工芸体験施設。竹細工や和染め、木工、漆や陶芸など、さまざまな工芸体験が用意されています。工房をチラッとのぞいてみると、楽しそうに“マイ箸”を作っている子どもたちがいたり、慣れない手つきで電動ろくろをまわしながら土を成形しているカップルがいたりと、みんな楽しそうです。

さらに奥へ進んでみると、「匠宿伝統工芸館」と書かれた場所があったので入ってみました。メインで展示されていたのは隈研吾氏が監修したスツール「タテヨコナナメ」というもの。

▲「匠宿伝統工芸館」の展示(筆者撮影)。静岡市の工芸や職人にスポットライトを当て、年に数回企画展覧会を開催。2024年6月末までは「タテヨコナナメ」の紹介展示、夏休み期間はまた別の展示に切り替わります

 

隈研吾氏と言えば、木材をふんだんに使用した建築で世界的にも知られている建築家です。2021年の東京オリンピックのメインスタジアム・国立競技場の設計をしたことでも有名ですよね。

そんな隈研吾氏が「匠宿」のために設計したのが「タテヨコナナメ」なんです。最低限の構造でできた本体に、3本の木材を取り付けて完成させるスツール。3本をどこに取り付けるのかは使用者の自由というデザインです。「匠宿」では、このスツールを自分で作ることができる木工特別体験プログラムも開設しているそうですよ。

▲3本の柱をどう組み合わせるか。考えるのも楽しい

 

HPには隈研吾氏のメッセージが掲載されています。

「子供から大人まで楽しめる『育てる』スツールをデザインしました。

最初は不安定なスツールが、木の材料を補強していくことで人を支えられる程に強く育っていきます。

一本一本は小さく強度のない木をたくさん集めて強い建物を作る、日本古来の木造技術を学び体験できるスツールです。(後略)」

▲基本構造は同じなのに、作る人によって表情が変わるのがデザインの妙

 

デザインの斬新さだけでなく、強度や使い勝手などを自ら考えるツールなんですね。

地元・静岡のヒノキを使った贅沢な質感、木の香り、そしてデザイン—。自慢したくなるようなスツールが完成しそうです。

自分が使う道具(家具)がどのような素材でどうやって作られるのかを知ることはとても有意義なこと。子どもの場合、小さなうちから実体験として身についていると、その先のモノの見方がずいぶん違うだろうな~と思いました。

 

▲工程はさほど難しくないので、お子さんと挑戦してみるのもいいですね

 

ギャラリーで目に留まった一枚板のテーブル

ほかにも、施設内にある「ギャラリーTeto Teto」では、民藝品、工藝品のほか普段使いができる日用品まで、ものづくりの粋を集めたアイテムが展示・販売されています。

お土産やプレゼントにしたいアイテムがたくさん並ぶなか、私の目が釘付けになったのは、一角にど~んと置かれた一枚板のテーブルです。

▲この存在感、実物をぜひ見てほしいです

このカーブ、厚み、なんという存在感。立派ですよね。重厚感といい、艶と色、手触りといい…。憧れのまなざしで何度も見てしまいました。

ショップの入り口には隈研吾氏デザインの「TSUMIKI」が販売されていましたよ。

▲「ギャラリーTeto Teto」の一角(筆者撮影)

 

里山の自然に囲まれて、匠の技を身近に感じられる「駿府の工房 匠宿」。

ファミリーや友達と一緒に行ってみてください!きっと楽しい体験ができますよ。

▲裸足でのびのび遊べるキッズ工房「星と森」の木育スペース。この日もたくさんの子どもたちでにぎわっていました

 

【協力・画像提供】

駿府の工房 匠宿

https://takumishuku.jp/index.html

 

【参考】

丸子まちづくり協議会

https://mariko-mk.com/

国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所

「東海道への誘い」

https://www.ktr.mlit.go.jp/yokohama/tokaido/index.htm

 

アーティスト・荒井良二さんの展覧会にて~建築廃材を使用した“名前のない家たち”~

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先日、アーティスト・荒井良二さんの展覧会に行ってきました。 荒井良二さんといえば、絵本作家として有名ですが、2012年のNHK連続テレビ小説「純と愛」のオープニングイラストを記憶している方もいるのではないでしょうか。

≪荒井良二さん プロフィール≫

1956年山形県生まれ。『たいようオルガン』でJBBY賞を、『あさになったので まどをあけますよ』で産経児童出版文化賞・大賞を、『きょうはそらにまるいつき』で日本絵本賞大賞を受賞するほか、2005年には日本人として初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞するなど国内外で高い評価を得る。また、NHK連続テレビ小説「純と愛」のオープニングイラストを担当、「みちのおくの芸術祭山形ビエンナーレ」芸術監督に就任するなど、その活動の幅を広げている。(HPより引用)

『たいようオルガン』

 

ダイナミックでカラフルな色彩や、想像力をかきたてられるような文章、一緒に旅に連れて行ってくれそうな荒井さんの作品は、子どもから大人まで幅広い人気を誇っています。 今回の展覧会「new born~いつも しらないところへ たびするきぶんだった~」では、そんな荒井さんが手がけた作品が一同に会するということで、ワクワクしながら行ってきました。

会場には、これまで手がけた絵本や原画がずらり。絵本だけでなく絵画やイラスト、音楽、舞台美術なども展示されていました。 私の背丈ほどもある大きな絵本、構想段階のプロットやラフなども展示されていて、制作の過程をあれやこれやと想像しながら会場を回っていました。

2階にあがると小さな家が展示されたスペースが開設されていました。

『旅する名前のない家たちを ぼくたちは古いバケツを持って追いかけ 湧く水を汲み出す』 と名付けられた荒井さんのインスタレーションです。 展示スペースには、ユニークな「家」が約40点も並べられています。これは、2010年の荒井さんの作品「逃げるこども」という絵を立体作品として構成したもの。「家」には小さな男の子や女の子が住んでいて、それぞれの物語を紡いでいるようにも見えます。

“名前のない家たち”と名付けられたこれらの作品は、積水ハウス株式会社の協力のもと、すべて建築廃材を使用して作られたもの。同社が取組む≪ゼロエミッション≫の一環として、新築施工現場で分別されたコンテナ約2杯分の廃材を使って制作されているそうです。

≪ゼロエミッション≫とは、人の生活の中で発生するあらゆる排出(エミッション)をゼロに近付けることを目指す理念や手法のこと。国や自治体、住宅、食品やアパレルなど各企業が取組みを進めています。

新築の家や家具、新しいものを生み出す過程でどうしても出てしまう木端材。それをアート作品にアップサイクルするというアイデアは、近年さまざまなシーンで目にするようになりました。 以前、このブログで紹介したrewoodの「Living_bird」もアップサイクル作品のひとつです。

rewoodの「Living_bird」

建築とアートの親和性は言わずもがなですが、アートを見に行って、思いがけずアップサイクルについても考えることになった一日でした。

展示を堪能したあと、敷地内にある茶室でお抹茶と荒井さん考案の甘味をいただきました。たまにはこういう休日もいいですよね

 

【参考】

◆荒井良二「newborn」 https://arairyoji-nb.exhibit.jp/

◆刈谷市美術館 https://www.city.kariya.lg.jp/museum/exhibition/schedule/1010156.html

◆「”SEKISUI HOUSE meets ARTISTS”第二弾を開始 感性と想像力を刺激するアートのある暮らしを提案」 https://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/topics_2023/20230511/

家具の「フルオーダー」と「セミオーダー」。カスタマイズで理想を叶える

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セレクトショップなどで洋服を見ていて「あ~、この襟元がもう少し開いていたら」とか、「裾がもう少し長かったら」とか、ディテールが気になって買うかどうか二の足を踏んでしまうことってないですか?

洋服ならまだ失敗も許されそうですが、家づくりや家具選びとなると慎重になりますよね。

サイズの合った家具選びは、居心地のいい部屋づくりの基本です。

サイズが決まっている既製品の場合、どうしても妥協せざるを得ない箇所が出てくることがあります。買う時には「これくらいならまぁいいか」と思っていても、積み重なると大きなストレスになる場合も。「ほんの少しのがまん」は快適な生活を妨げる大きなストレスになりかねません。

そんなときの選択肢として、オーダーメイドという方法もあります。オーダーメイドには、「フルオーダー」と「セミオーダー」の2つのパターンがあります。それぞれの特徴とメリットを紹介してみようと思います。

 

フルオーダー

フルオーダーは素材やデザイン、サイズ、カラーなどすべてをゼロから注文する方法です。

好みの家具がなかなか見つからない人や、ジャストサイズの家具を作りたい人、デザインにしっかりこだわりたい人は、フルオーダーがいいかもしれません。すべてその人の依頼通りにつくるので、「デザインは気に入っているけれど、サイズが合わない」といった悩みが解消されます。

例えばテーブルの場合、天板の木材やサイズ、脚の太さや素材などをカスタマイズできるのがフルオーダーです。さらに「収納を付けたい」とか「部分的に異素材を使ってみたい」など、特別な注文が可能となります。

 

セミオーダー

あらかじめ用意されている選択肢の中から組み合わせるのがセミオーダー。フルオーダーほどの自由度はありませんが、既製品よりは好みに合わせることができ、フルオーダーと比べるとコストを抑えられるのがメリットです。

ある程度の希望や理想はあるけれど、ゼロから選ぶのは不安という人にはセミオーダーが向いています。

オイル塗装の自然なぬくもりが印象的な「CONNECT180ダイニングテーブル」。天板の厚みは1cm単位でオーダー可能。脚のタイプも3種類から選ぶことができます

 

家具店によってはサンプルが展示されていることもあり、仕上がりをイメージしやすく、基本となる選択肢があることで、失敗しにくいのもセミオーダーといえます。

シャビ―な雰囲気がヴィンテージ好きな人に人気。長さと奥行はサイズオーダー無料。脚のタイプも選べる杉古材のダイニングテーブル

 

場合によってはセミオーダー+特注も可能

セミオーダーの選択肢にないものでも、場合によっては特注できる場合もあります。

オプションを用意しているアイテムもあるので、家具店に相談してみてください。

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憧れのオーダーメイド家具。想像するだけでワクワクしますね。

サイズや材質にこだわって作るのももちろんOKですが、すでにお気に入りの家具がある場合、それに似合うテーブルを新調するとか、例えば「この椅子が映えるようなテーブルをオーダーしたい」とか、そんな目線で考えてみるのもオーダーの楽しいところです。

 

【参考】

CONNECT https://connect-m.jp/

LDKのダイニングテーブル選び。3つのポイント

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だいぶ暖かくなってきましたね。

春は引っ越しのシーズン。新しい生活がスタートしている人も多いかと思います。

暮らしをアップデートするために家具を新調する人も多い季節。限られたスペースで理想の暮らしを実現するために、LDKの家具選びのポイントをオリジナル家具ブランド「CONNECT」の高橋さんに聞いてみました。

CONNECT一枚板ダイニングテーブル

 

ポイント1

まずはダイニングテーブルから

 

LDKに配置する主な家具というと

・ダイニングテーブル

・椅子

・ソファ

・テレビ台

などがあります。

なかでも一番スペースをとるのがダイニングテーブル。家族で食事をしたり、子どもが宿題をしたり、最近ではワークスペースとして使う人も多い重要な存在です。

家具選びはまずサイズ感が大事。特に大きなダイニングテーブルから決めていくのがおすすめです。家族がどういう動きをするのか、動線や生活スタイルを見直してみてください。

一般的に大人1人が通る幅は60cm。物をもって歩く場合は75cm以上あるのが理想的といわれています。椅子に座った状態で後ろを人が通る場合には、テーブルから壁面まで1mほど空間を空けておいたほうがいいそうです。

確かに。椅子を引いたら壁に当たって立ち上がりにくいとか、ソファを置いたら歩きづらくなって窮屈!なんていう事態は避けたいですよね。

 

ポイント2

動線をシミュレーションする

 

動線の種類もいくつかあります。

家事動線、通勤動線、衛生動線、来客動線、さまざまなシーンで人の動きを想像することが大切。特にダイニングテーブルの周りは、頻繁に人が通るため動線の確保は必須です。

まずは、頻度の高い家事動線を優先に考えてみるといいでしょう。特にキッチンからダイニングへの動きの邪魔にならないか、回遊性をチェックしてみてください。

回遊性については、家族の人数によっても変わってきます。特にバタバタする朝の支度をイメージしてみてください。

ダイニングテーブルのどこに誰が座るのか、どういう動きをするのかを想像して、家族みんながストレスフリーに生活できる配置を実現させたいですね。

 

ポイント3

省スペースが目的なら形で選ぶ

 

スペースを確保しづらい場合は、家族の人数や来客によってテーブルの大きさが変えられるフレキシブルなタイプを選ぶのも一案です。

ソファに天板がついてテーブル代わりになるソファテーブルも省スペースになっておすすめ。

CONNECTソファー & テーブル VITA

 

CONNECTソファー & テーブル VITA

 

ダイニングテーブルの天板は長方形や正方形が多いですが、小さなお子さんがいる場合は丸型のものを選ぶ方も増えています。椅子を置く位置が自由なので、子どもとの距離を好きなように調節できるのが魅力。

長方形のテーブルだと動線が確保しづらい場合には、丸いダイニングテーブルにすることで、スムーズない動きがとれるかもしれません。

CONNECT一枚板テーブルケヤキ(納品事例)

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ポイントを3つに分けて紹介しましたが、何より一番大事なのは「気に入ったものを使うこと」と高橋さん。

ダイニングテーブルはLDKの顔。インテリア全体のイメージを決定づけるものでもあります。

これだ!と思う出会いがあったら、そのテーブルを軸にサイズの大きいものから順にイメージを固めていくのがいいかもしれませんね。

 

【参考】CONNECT

Instagram:https://www.instagram.com/connect.interior/

 

暮らしと家具の需要と変化

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ニトリ、IKEA、無印良品など、手ごろな価格で家具が手に入る時代。生活スタイルの変化によって、家具の需要もずいぶんと変化したように感じます。

 

名古屋市の老舗家具店「みずのかぐ」の高橋さんと、「暮らしと家具の需要と変化」についてお話してきました。

 

 

婚礼家具の黄金期! なんでも売れた時代

 

「みずのかぐ」の創業は1960年。ちょうど日本の高度経済成長期にあたります。一般家庭に洋家具が浸透し、生活様式も洋風化、家具産業が目覚ましく成長した時代です。

学校や会社もどんどん増えて、それにつれて家具産業もピークを迎えます。

 

「当時は何でも売れたと聞いています(笑)。家具屋の黄金期だったんじゃないでしょうか。婚礼家具の全盛期もあって、洋服箪笥、整理箪笥、和箪笥の3点セットは飛ぶように売れました」(高橋さん)

戦後のベビーブームで生まれた団塊の世代と呼ばれる人たちが1970年ごろに結婚適齢期を迎え、空前の結婚ラッシュが到来したことも追い風になっていたといいます。

国民の生活水準が向上し、結婚式や新生活への投資額も大きくなるとともに、その豪華さも競うようになりました。婚礼家具は嫁入り道具のメイン。華やかで豪華なものを持たせて嫁がせるのが親の誇りでもあった時代です。

「1990年ごろ、バブル期の手前までは婚礼家具は売れていた」と高橋さん。ただその後、住まいのスタイルが変わり、家具の需要も大きく様変わりします。

 

 

LDKの浸透で家具の需要に大きな変化

 

団塊世代の結婚ラッシュと高度成長期の流れのなか、住宅不足を補うように団地が形成されはじめ、建売住宅の建築が勢いを増します。狭いスペースをやりくりするなかでLDKという間取りが広まります。

「平成に入ると完全にLDKの時代に変わっていましたね。キッチンとダイニングが一体化。リビングにはローテーブルとソファを置くという暮らしが定着したように思います。

床は全面フローリングになり、LDKのつながりのある間取りが若い人たちに好まれるようになりました。

新築の家では洋服ダンスはクローゼットに代わり、食器棚も作り付けのケースが増えて、婚礼家具はだんだん衰退していきました」と高橋さん。

「まとめてド~ンと買うというより、1点ずつ好きなものを吟味して買いたいっていう人が増えましたよね。婚礼家具は親が買ってくれるものだったけれど、今は限られた居住スペースだからこそ、自分たちの好みで決めたいという人が多いと思います。そういう人たちに寄り添った提案ができるかどうかが、家具店の勝負どころなんじゃないかな」(高橋さん)。

 

 

オリジナルブランドで勝負する時代へ

 

2020年のコロナ禍を経て、一時的なマイナス要素があったものの、家具・インテリアの販売市場は伸びています。総務省の調査によれば、家具への家計支出額は前年比を上回っていることがわかります。

 

コロナ禍をきっかけに暮らしを見直す人は多かったですよね。そうした背景から、大手量販店やネット販売に注力してきた家具店などが好調だったようです。

 

「コスパ重視の人、ブランド好きな人、個性重視の人など、好みはさまざま。多様化の時代にどんな提案ができるのかが家具店の力の見せどころかなと思います」と高橋さん。

 

https://item.rakuten.co.jp/mizunokagu2/c/0000000117/

ニーズに対応するため、「みずのかぐ」では、オリジナルブランドの開発を続けています。

高橋さんが手掛ける「CONNECT」は、オリジナルのオーダー家具を扱うショップや、一枚板を再生し利活用する「rewood」、北欧デザインオリジナル輸入家具ブランド「NORTE」を展開しています。

 

「ダイニングテーブルやソファなど、暮らしのインテリアをトータルで提案できるのが家具店の強み。ネットの販売方法も含めて、工夫しながら時代にのっていかないと!と思っています」

 

「仕入れて売っていた時代は終わった」と高橋さん。これからは、中小規模の家具店もオリジナルブランドで勝負する時代なんですね。

 

【参考】

CONNECT https://connect-m.jp/

失敗しないタイニーハウス選び 2024

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コンパクトでミニマルな暮らしを実現できる「タイニーハウス」。

木製のタイニーハウスは「キトヒト」の読者のなかにも気になっている方が多いのではないでしょうか。住居以外の場所“セカンドプレイス”、“サードプレイス”として購入を検討する人も増えています。

タイニーハウスについては、以前もこのブログでご紹介しましたが、今回はもう少し深堀りしてみたいなと思います。

以前の記事はコチラ

失敗しないためのポイント

タイニーハウスを選ぶ時、みなさんが気になるのはやはり費用ではないでしょうか。

ブームになって以降、住宅メーカーだけでなくアウトドアブランドや生活雑貨ブランドまでタイニーハウスを手がけています。価格も100万円台~800万円と幅があります。

こうなってくると、何を基準に選べばいいの?と戸惑いますよね。本体価格だけ見て決めてしまうと、後で後悔することも。

当然、大きさや仕様によってかかる費用は変わってきますがそのほかにも意外な落とし穴があります。

今回は、失敗しないためのタイニーハウス選びについて、考えておいたほうがいいことをまとめてみました。

 

1.大きさと仕様

タイニーハウスの大きさは、10㎡以下か10㎡以上かで価格が大きく変わってきます。

10㎡以下であれば基本的に建築確認申請が不要(※)。手軽で費用が抑えられるのが魅力です。10㎡を超える場合は建築確認申請や現地調査が必要で、その分手間や費用がかさむため、費用は高くなります。

キッチンやトイレ、シャワーなどインフラ設備を付けるかどうかも大きな選択です。インフラを付けた場合、費用はさらに200万円以上ほど増えると考えておいたほうがよさそうです。標準仕様としてインフラ設備が備わっているタイプだと600万円~900万円が相場のようです。

10㎡以下、インフラなしであれば300万円ほどで手に入れることができます。

(※)建築確認要請不要の条件:10㎡以下であること/防火地域・準防火地域以外の地域であること/増改築・移転の場合

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2.自作する?完成品を買う?

とにかく価格を抑えたいという人は、キット販売という商品もあります。セルフビルドが前提のため、完成品よりも安価で200万円弱で購入できるものもあります。

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キット販売の場合、以下の点には注意が必要です。

◆組み上げまでの日数

パーツとなる木材が届いてからすぐに組み上げをしていかないと、部材に狂いが生じてしまいます。商品によっては、届いてから7日以内で完成させないといけないものもあるので、スケジュールをしっかり立てる必要があります。

◆最低でも大人2人必要

作業できる人材の確保も必須条件。丸太を組み上げる作業の場合、最低でも大人2人の手が必要になります。組み上げをプロにお願いするとなれば、さらに200万円ほど上乗せという可能性もあります。

◆一般資材は別途必要

キットとはいっても塗料や補助材、養生材などの資材は含まれていない場合も。必要な資材を別途購入していたら、意外と高額になってしまったということがないように、必要なものはあらかじめ洗い出して予算を立てたほうがいいかもしれませんね。

キット商品は、家族や仲間でつくり上げるのが魅力。本体以外の必要経費を踏まえ、しっかり計画を立てる必要がありあそうですね。

 

3.オプションに要注意

自分で作るのは自信がないという人は完成品を選べばいいのですが、その際にも注意しておきたいことがあります。

100万円~300万円の手ごろな価格帯の場合、断熱材が入っていないことがほとんど。タイニーハウスを離れや書斎、小さな店舗として使う場合、断熱材は必須です。これがオプションなのかどうかチェックしておいたほうがいいでしょう。

またエアコンなど設置したい場合はコンセントがないと使えません。電気系統の工事もオプションとなっている場合、しっかりと見積もりをとって比較検討するのがおすすめです。

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4.配送料や見積もり料金にも落とし穴が

タイニーハウスがいくらコンパクトとはいえ、やはり納品するためには4tトラックやユニックなどの大型車両が必要。そのため、納品設置料を別途上乗せしなくてはいけない場合もあります。設置料無料なのか別途必要かどうかで、かなり金額が変わってくるので要注意です。

「現地調査と見積もりだけで30万円」というちょっとびっくりする情報も耳にします。事前の確認はしっかりしておきたいところですね。

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めんどうなのは苦手。あれこれ考えずに理想を手に入れたいという人は

1.10㎡以下

2.インフラなし

3. 完成品を納品

4.コンセント、分電盤設置済み

というタイニーハウスを選ぶのが賢い選択。

国産ヒノキの無垢材を使ったタイニーハウス「コダマベース」を作るコダマプロジェクトの表を参考までにチェックしてみてください。

メーカーごとにサイズや仕様が違うのがわかります。

コダマプロジェクト2024年作成

 

「コダマベース」の場合、断熱材は標準仕様。愛知県・岐阜県は送料・設置料込みで納品が可能。駐車場1台分のスペースがあれば設置できるサイズです。他メーカーと同じく10㎡以下なので固定資産税や確認申請も不要です。

コダマベース

 

もう1つ特徴的なのが国産材を使用している点。

この国で育った針葉樹の檜は、外国からの輸入材に比べて調湿・断熱効果が高いことがわかっています。高温多湿の日本で生まれ育った木材を使うことは、長期的な管理のしやすさに加え、国内の林業活性化にもつながります。

檜風呂の効果はみなさんも一度は体験したことがあるのではないでしょうか。なめらかな手触りや香りが心身ともにリラックスさせてくれますよね。国産の檜をつかったタイニーハウスであれば、そんなリラックス効果も期待できます。

 

コダマベース/販売開始から2年。コスパの良さで注目されているアイテムです

 

まとめ

コロナ禍を経て、タイニーハウスはさらに注目を浴びるアイテムとなりました。

限られたスペースだからこそ、自分のこだわりを実現できる夢の箱ともいえます。自分だけの空間は、想像以上に豊かな時間を育んでくれそうですよね。

デザイン性やサイズ、材質、メンテナンスのしやすさのほか、今回紹介した意外な落とし穴にも気を付けて理想のタイニーハウスを選んでください。

 

 

【参考】

コダマベース https://kodama-p.com/category/item/architecture/

 

お正月の玄関を彩る門松。竹と松をあしらう理由とは

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新しい年がもうすぐそこまで来ています。

早いものですね。新年を迎える準備は進んでいますでしょうか。

今日は、お正月の玄関を彩る門松についてご紹介してみようと思います。

門松は、松飾り、飾り松、立て松などとも呼ばれ、鏡餅やしめ縄とおなじく、年神様を家に迎え入れるための飾り。年神様が降りてくる時の目印として飾るものです。

門松は、松や竹といった常緑の木が使われています。長さの違う3本の竹に松と梅の枝をあしらって荒縄で結んだものが一般的ですね。

門松が飾られるようになったのは平安時代。当時は、貴族の間で松の木を引き抜く「小松引き」という遊びが行われていました。遊びの後、持ち帰った松を長寿祈願のために飾ったことが門松のはじまりだといわれています。

神聖な松と繁栄長寿を意味する竹

松や竹は冬になっても枯れず、青々としていることから生命力の象徴とされてきました。また、松は「祀る」という言葉につながることから、神聖な樹木ともいわれています。竹は、成長が早くまっすぐ伸びるのが特徴。健やかな成長や繁栄、長寿を表すとも言われています。

竹を切るとき、節の部分を入れて切ると、その切り口が笑っているように見えることから「笑う門に福来る」で、さらに縁起がいいという説もあるんですよ。

 

門松はどこに飾っても大丈夫

生活スタイルの変化やマンションなど集合住宅が発達してきたことで、門松が飾られることは以前より少なくなりました。門松は名前の通り、玄関の門に飾るのが習わしではありますが、マンションなどの場合、どこに飾ったらいいのかわからないという人も多いようです。

門松は神様への目印なので外に飾るのが一般的。でも、玄関周辺にスペースがない場合は、リビングやキッチンなど好きな場所に飾っても問題ありません。

最近、ホームセンターや園芸ショップなどでは、ミニサイズの門松や、門松をモチーフにしたかわいらしい寄せ植えが販売されているのを目にしますよね。各地でワークショップも開催され、現代風にアレンジした門松を自分で作ることもできます。

昔ながらの風習は大事にしつつ、今のライフスタイルに合うようにアレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。

竹を使ったモダンなインテリアが人気

若い世代には、特に竹は直線的なフォルムがモダンでおしゃれというイメージもあるようで、日常的なインテリアに取り入れる人も増えてきました。

竹に穴をあけて光が透ける用に細工した照明は、みなさんも目にしたことがあるのではないでしょうか。竹でできた間接照明も、スタイリッシュでなかなか素敵ですよね。

竹は毎年地下茎の節にある芽から成長し、あっという間に大きくなるのが特徴。1日で100センチ以上伸びたという記録もあります。竹は上には伸びても幹が太くなることがないため、洗練された植栽アイテムとして利用されることも多くなりました。

そうそう、松といえば盆栽。小さな鉢のなかに自然界を映し出す日本伝統の盆栽に、松は欠かせないアイテムです。いま海外では「BONSAI」として、密かなブームがきているんですって。

縁起のいい松竹梅。門松を飾って日本文化を再確認してみるというのもおすすめです。

 

 

【参考】

森林・林業学習館

https://www.shinrin-ringyou.com/topics/kadomatu.php

「クロモジ」を使った「森ノ茶」。山の素材を活用して新しい価値を生み出す人に出会いました

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とある山奥。

秘密のアトリエで催された、特別な食事会に行ってきました。

山道の途中にあるアトリエは古民家を改築した一軒家で、石垣や縁側、大きな引き戸や小上がりがあり、おおらかさと凛とした空気がとても心地よく感じられました。

スパイスを使ったお料理をコースで堪能したあと、食後にオーダーしたのがこちら。

「クロモジ」を使ったほうじ茶のチャイです。

「クロモジ」って聞いたことありますか?

クスノキの一種で、山地に生える落葉低木です。幹が細く、大きな木の陰に隠れて育つため、あまり目立たない存在なのですが、実は和製ハーブといってもいいくらい香りがいいんです。

漢字では「黒文字」ですが、英語では「spicebush(スパイスブッシュ)」。その名の通り、樹皮や枝葉に爽やかでスパイシーな香りがあるのが特長です。香りには、抗不安作用、リラックス効果があるとされるシネオールやリナロールが含まれているので、アロマオイルや生薬としても活用されているそうです。

今回いただいたチャイのベースになっているのは、愛知県北設楽郡設楽町で作られている「森ノ茶」。「クロモジ」とほうじ茶をブレンドしたお茶です。

発案したみやびさんにお話を聞きました。

「設楽町は町の9割が山なんです。森林資源をどうやったら活用できるのか森を持続させるためには何ができるのか、というのを町のおじいちゃんたちと考えていて、できあがったのが『森ノ茶』なんです」と、みやびさん。

設楽の森では下草として刈られてしまう「クロモジ」。採取・乾燥など地元の集落の方たちが力を合わせて行い、山を隔てた隣町・新城市の製茶メーカーと連携して有機栽培のほうじ茶とブレンドすることで製品化に成功したそうです。

みやびさん https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

「繋ぐ人/forestderector」として活動しているみやびさんは、“森と街をつなぐ”をコンセプトに森の新しい価値を生み出す活動をしています。

「『森ノ茶』を通して、森林の可能性や持続性に目を向けてもらえたらうれしいです」と話していました。

https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

森の木1本1本にストーリーがある。それを大切にしていきたい」と話していたみやびさん。

家や家具、暮らしの中で身近にある木。それだって元をたどればふるさとの山がある。そんな風に考えたら、家も家具も木でできたものすべてがとても愛しいものに思えてきそうですよね。

温かいチャイに癒されながら、みやびさんの言葉に深くうなずいたのでした。

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すっかり秋の香りに包まれた山道を、旧友とドライブしながら訪れた秘密のアトリエ。

鳥の声や川のせせらぎをBGMにしながらいただいたブランチ、デザート、そして「森ノ茶」のチャイ。街でいただくのとはちょっと違った特別な食事会で、心身ともにほぐれるひとときでした。

 

 

 

【写真提供】

https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

【参照】

「リナロール香気の持つ抗不安作用と その脳内機序」柏谷英樹著

https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/57/3/57_204/_pdf/-char/ja

東北森林管理局

https://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/sidou/jumoku/shubetu/kuromoji.html

公益社団法人日本薬学会

https://www.pharm.or.jp/flowers/post_50.html

 

日本初!総ヒノキのトレーラー式木製サウナが登場

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空前のサウナブーム到来からだいぶ経ちますが、いまだその熱は冷めやらず。今や「街を歩けばサウナ―に当たる」くらい、サウナ好きが増えている印象を受けます。

サウナといっても仕様はさまざま。

最近では家庭用サウナボックスや、浴槽にかぶせるだけのサウナ傘など、リーズナブルで簡単に設置できるサウナも販売されています。

ほかにもベランダ用のテントサウナや室内に設置できる据え置きサウナなど、バリエーションはさまざま。

今ではサウナ施設に行くだけでなく、こうしたアイテムを使って「家サ活」を楽しむ人が増えたと聞きます。

「家サ活」派にとっては、いつでも好きなときにサウナが楽しめるおうちサウナはとっておきの場所ですね。

ただ、本当のサウナ好きならやっぱり木でできた空間にこだわりたいところ。木の香りに包まれた空間でまったり過ごす時間は、心身ともに“ととのう”最高のリラックスタイムですよね。そんなこだわり派に注目されているのがサウナトレーラーです。

サウナトレーラーとは、その名の通りトレーラーをサウナに改造したもの。けん引車でひいて運べるタイプのサウナ。思いついたらいつでも山へ!海へ!好きな景色の中でサウナが楽しめる「コダマカーゴ/サウナタイプ」もそのひとつ。

岐阜県産のヒノキを使った日本初の木製トレーラー「コダマカーゴ」をサウナにカスタマイズしたアイテムで、キャンプギアとしても注目を集めています。

総ヒノキ材でできた薪式サウナの温度は100℃超え!ロウリュも楽しめちゃう本格派です。

なんといっても、けん引免許不要で自家用車でお気に入りの場所にサウナを持っていけるのは最高ですよね。

動画サイトはコチラ

景色のいい川沿いでサウナを堪能して、水風呂の代わりに川に飛び込む、なんていう大人の遊びも可能にしてくれます。思う存分サウナを楽しんだら、お気に入りの景色に囲まれて河原で外気浴をするという贅沢な時間も夢ではなくなります。

医学的に未解明ではあるものの、サウナには多くの健康増進効果があるとされています。汗をかいて血流が促進されることで肌の新陳代謝が活発になったり、肩こりなどの解消、疲労回復、低温サウナの場合は安眠効果も得られたりと、さまざまな効果が挙げられています。さらに、ヒノキには殺菌・抗菌・抗ウイルス作用、血圧低下の効果があることも知られています。

現代人の健康志向にサウナはぴったりなのかもしれませんね。

最近では、サウナトレーラーがイベントに登場し、目にする機会が増えました。どこかで目にすることがあったら、ぜひ試してみてください。

【参考】

コダマカーゴ

北海道森林管理局「ヒノキ(ヒノキ科)」

 

タイニーハウスとは? 人気の理由とメリット・デメリット

投稿日カテゴリーALL BLOG憧れのライフスタイル

コロナ禍を経て需要の高まりをみせている「タイニーハウス」。

人気の理由としては

・安価でマイホームが手に入る

・ランニングコストが節約できる

・DIYしやすい

・種類によって移動が可能

といった点が挙げられます。固定資産税がかからない、建築申請が不要などほかにもメリットはたくさんあります。

木材で作られているものも多く、木の暮らしに憧れている人たちからも支持されている「タイニーハウス」について、紐解いてみます。

 

1.タイニーハウスとは?

タイニーハウスとは「Tiny(小さな)」+「House(家)」。明確な規定はないものの、概ね20㎡ほどの家のことをいいます。日本の一戸建ての広さはおよそ92㎡(※)なので、通常の家よりもとてもコンパクトな設計となっています。

「タイニーハウス」の発祥の地であるアメリカでは、2008年のリーマンショックをきっかけにムーブメントとなり、世界に広がっていきました。日本に広まったのは、2011年東日本大震災がきっかけ。広々とした家に住むことが豊かさの象徴のようにいわれてきたそれまでの日本。たくさんの家が一瞬にして倒壊するのを目の当たりにした人々は、この震災をきっかけに“モノを所有すること”、“これまでの生き方”を見つめ直すようになりました。

(※)総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」による

 

2.シンプルでミニマルな暮らしを実現させる家

平均的な家と比べると1/4くらいのスペースになるので、「本当にそれで暮らせるのかな」と心配になる人もいるかもしれませんね。

でも、ちょっと自分の身の回りを見渡してみてください。本当に生活に必要なものって、意外と絞られてきませんか。

最近ではミニマリストも増えてきました。人々の“豊かさ”への考え方も「たくさんのモノを持つこと」から「必要最低限のモノで身の丈にあった暮らしをする」という考え方へとシフトしてきました。

こうした背景から、身の丈にあったシンプルな「タイニーハウス」が注目されているのです。

必要最小限の設備だけでシンプルに暮らすミニマリストにも注目されるタイニーハウス

 

3.タイニーハウスの種類

大きく分けると2種類あります。

  • 基礎付きタイプ

一般の住宅と同じように土地に定着させるタイプで、タイニーハウスのなかでは最もスタンダードなスタイルといえるかもしれません。地中にコンクリートを流し込み、上部構造となる建物を支える基礎工事をします。「スモールハウス」や「マイクロハウス」と呼ばれるものもこれにあたります。

  • 移動できるタイプ

シャーシといわれるタイヤ付きの土台に載せて車で牽引できるタイプで、トレーラーハウスと呼ばれています。アメリカではこちらが主流。建物ではなく車両として扱われるので、不動産取得税や固定資産税も発生しません。いつでもどこにでも移動できるという自由さと身軽さが魅力です。

ほかにも、コンテナを改造した「コンテナハウス」や、木の上につくられた「ツリーハウス」などもタイニーハウスの仲間です。

 

4.タイニーハウスのメリットとデメリット

冒頭でもチラッと人気の理由について紹介しましたが、メリットとデメリットについてもう少し細かくみてみましょう。

<メリット>

・初期費用が抑えられる

タイニーハウスの価格帯はおよそ300万円~800万円(土地代別)。もちろん設備をどこまで揃えるかで価格は変わってきますが、一般的な新築住宅よりもかなり低価格ですよね。選ぶものや場所によっては長期のローンを組んで無理する、という選択をしなくても済みそうです。

・ランニングコストが抑えられる

居住空間が小さいので、照明や空調など電気代が抑えられるのもメリットのひとつ。最近では太陽光パネルを設置して自家発電をしている人もいるそうです。

・こだわりの空間がつくりやすい

大きな家の場合、外装、内装、建具など、こだわりを実現しようと思うとコストがかさみますよね。例えば、材質。小さい空間なら、国産の木材にこだわったとしても最小限のコストで抑えられるはず。限られた予算でこだわりを実現することができます。DIYしやすいのもメリットです。

構造・外・内装材の木、合板、積層材に全て東濃スギや東濃ヒノキを使用したタイニーハウス(コダマベース

 

<デメリット>

・プライベート空間が少ない

小さな家だけあって、必然的にプライベートの確保は難しくなります。2人以上で暮らす場合、テラスや庭など、周囲の空間を利用してストレスなく暮らせる方法を考える必要があるかもしれません。

・家族が増えたらどうする?

子どもができた、となった場合はタイニーハウスに住み続けるのは難しい場合も。土地に余裕がある場合は、もう1つタイニーハウスを増やすという選択もあります。まずは「家族が増えた場合はどうするのか」を話し合っておくのがいいかもしれませんね。

 

5.増築したい場合にも活躍

タイニーハウスの中でもさらにコンパクトな10㎡未満の「小屋」タイプも最近注目を浴びています。家族が増えた、子ども部屋が欲しい、プライベート空間を増やしたいという場合、小屋タイプのタイニーハウスを設置するのも一案です。

10㎡未満の建物の場合、建築確認申請(※)は不要、セルフビルドできるキットも販売されているので、家族で作ってみるというのもいいかもしれません。

セカンドプレイスとしての需要も(コダマベース)

小屋タイプを購入する人は、すでに住まいとしての家は所有している場合が多いとか。例えば、国産材のスギとヒノキを使った「コダマベース」の場合、「趣味の部屋がほしい」、「集中できるワークスペースがほしい」、「夢だった小さなお店を開きたい」という理由から、セカンドプレイスとして購入するパターンが多いそうです。

小さなお花屋さん、パン屋さん、エステ店を開業したい人からの問合せも多いそう

10㎡以下というと車一台分のスペース。駐車場くらいのスペースがあれば、簡単にこだわりのセカンドプレイスが実現できます。生活と一線をひいた自分だけの場所っていいですよね~。仕事場にしても趣味にしても、創造的なインスピレーションがわいてきそうです。

(※)新築や増築工事の際、特定の機関や行政に必要書類を添えて申請。建築基準法や条例に適合しているかの確認を受けること。建物の床面積に応じて手数料がかかります。地域によって10㎡未満でも建築確認が必要なケースもあるので自治体に確認を。

岐阜県東白川村の東濃スギと東濃ヒノキを使用。駐車場一台分のスペースに設置可能な確認申請のいらない動かせる小屋「コダマベース」
~まとめ~

最近ではレンタルできるタイニーハウスも出てきているのだとか。使わなくなったら返却もできるし、そのまま買い取りもできるモノもあるそう。タイニーハウスを設置して宿泊施設にしていたり、見学や体験できる場所もあったりします。購入を検討している人は一度チェックしてみるといいかもしれませんね。

 

【コダマベース】

https://kodama-p.com/

https://www.youtube.com/@kodamabase