rewoodの幸せの鳥「Living_bird」。 廃材に新しい“いのち”を

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幸せの象徴 “鳥”をモチーフにした「Living_bird」

さて、画像のこちら、何だかわかりますか?

実はこれ、座敷机の脚なんです。

 

座敷机は、昔ながらの和風住宅の客間や居間に置かれて畳の上で使うための机のこと。どっしりした脚で「座卓」ともよばれています。

古くから日本に親しまれてきた座敷机ですが、生活スタイルの変化により和室が減ったことから、座敷机も不要なものとして廃棄されているのが現状です。この廃棄される座敷机の脚を使って作られたのが「Living_bird」。可愛らしいフォルムでおうちを彩ってくれそうなアイテムですよね。

天然の木ならではの温もりを感じられる「Living_bird」。幸せを呼ぶ象徴と言われる「鳥」をモチーフに3タイプつくられています。

 

rewood 「Living_bird」

 

 

優しい人が集まる場所に―。「Swallow(燕~ツバメ~)」

rewood 「Living_bird」

 

昔からツバメが巣をつくると商売が繁盛するという言い伝えがありますよね。さらに、ツバメは自分を守ってくれそうな優しい人のところに巣をつくるともいわれています。つまり、ツバメがいるところには優しい人が集まり幸せが訪れるということ。

どんな角でも自立するデザインも秀逸ですよね。どこに置くか考えるのが楽しくなりそうなアイテムです。

 

 

“森の賢者”をモチーフにした「Owl(梟~フクロウ~)」

rewood 「Living_bird」

 

「福老」=豊かに年を重ねる

「不苦労」=難を逃れる

として、古来の人々もフクロウを身近に置いていたといいます。アイヌや西洋の神話には守り神としても登場するフクロウ。一家の守り神としてお部屋に置いてみたくなります。

 

夫婦円満の象徴「Crane(鶴~ツル~)」

rewood 「Living_bird」

 

鶴の夫婦は仲が良く一生連れ添うことから「夫婦鶴(めおとづる)」と呼ばれ、昔から夫婦円満の象徴とされてきました。“鶴は千年”という言葉もあるように「長寿」を象徴する鳥でもあります。

「鶴九皐に鳴き声天に聞こゆ」(つるきゅうこうになき こえ てんにきこゆ)ということわざがありますが、高く響き渡る声は深い谷底からでも天に届くという意味で、身を隠しても名声が広がるというたとえでも使われます。

天にもつながる神聖な声をもつ鶴。大切な人への贈り物としても喜ばれそうです。

 

貴重な一枚板を無駄にはしない。rewoodの試み

「Living_bird」を手掛けるのはrewood。日本各地で不要とされた座敷机を救出し、今の暮らしに寄り添うアイテムへとつくりかえる活動をしています。

そもそも座敷机は、樹齢200年をこえる木から作られています。一枚板でできた天板は、一本の丸太から切り出した贅沢なもの。自然がつくりだした貴重な資源です。

1990年~2000年ごろ一枚板ブームがおこり、約30万台もの座敷机が生産されました。それが、時代の移り変わりとともに廃棄されている―なんとも悲しい現実です。

「Living_bird」は、こうした廃棄される座敷机の脚を再利用しています。

材質はブビンガとタガヤサンという木材。ブビンガは赤みがかった色と美しい縞模様が特徴。タガヤサンは、漢字で書くと「鉄刀木」。紫檀、黒檀と並び「三大唐木」のひとつで高級家具に使われてきました。現在は流通量が少なく、貴重価値の高い銘木です。

一枚板でできた座敷机って、かなり貴重な材でできていたんですね。

 

 

 

rewood 「Living_bird」

 

貴重な地球の資源を再利用することは、現代に生きるわたしたちの使命といえるかもしれません。新しく生まれ変わった“幸せの鳥たち”。家族の幸せを見守るアイテムとして、新築のお祝いやお子様誕生のお祝いなんかにも喜ばれそうですね。

 

【参考】

rewood https://re-wood.jp/

 

お正月の玄関を彩る門松。竹と松をあしらう理由とは

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUTリビング空間に合う暮らしの提案憧れのライフスタイル

新しい年がもうすぐそこまで来ています。

早いものですね。新年を迎える準備は進んでいますでしょうか。

今日は、お正月の玄関を彩る門松についてご紹介してみようと思います。

門松は、松飾り、飾り松、立て松などとも呼ばれ、鏡餅やしめ縄とおなじく、年神様を家に迎え入れるための飾り。年神様が降りてくる時の目印として飾るものです。

門松は、松や竹といった常緑の木が使われています。長さの違う3本の竹に松と梅の枝をあしらって荒縄で結んだものが一般的ですね。

門松が飾られるようになったのは平安時代。当時は、貴族の間で松の木を引き抜く「小松引き」という遊びが行われていました。遊びの後、持ち帰った松を長寿祈願のために飾ったことが門松のはじまりだといわれています。

神聖な松と繁栄長寿を意味する竹

松や竹は冬になっても枯れず、青々としていることから生命力の象徴とされてきました。また、松は「祀る」という言葉につながることから、神聖な樹木ともいわれています。竹は、成長が早くまっすぐ伸びるのが特徴。健やかな成長や繁栄、長寿を表すとも言われています。

竹を切るとき、節の部分を入れて切ると、その切り口が笑っているように見えることから「笑う門に福来る」で、さらに縁起がいいという説もあるんですよ。

 

門松はどこに飾っても大丈夫

生活スタイルの変化やマンションなど集合住宅が発達してきたことで、門松が飾られることは以前より少なくなりました。門松は名前の通り、玄関の門に飾るのが習わしではありますが、マンションなどの場合、どこに飾ったらいいのかわからないという人も多いようです。

門松は神様への目印なので外に飾るのが一般的。でも、玄関周辺にスペースがない場合は、リビングやキッチンなど好きな場所に飾っても問題ありません。

最近、ホームセンターや園芸ショップなどでは、ミニサイズの門松や、門松をモチーフにしたかわいらしい寄せ植えが販売されているのを目にしますよね。各地でワークショップも開催され、現代風にアレンジした門松を自分で作ることもできます。

昔ながらの風習は大事にしつつ、今のライフスタイルに合うようにアレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。

竹を使ったモダンなインテリアが人気

若い世代には、特に竹は直線的なフォルムがモダンでおしゃれというイメージもあるようで、日常的なインテリアに取り入れる人も増えてきました。

竹に穴をあけて光が透ける用に細工した照明は、みなさんも目にしたことがあるのではないでしょうか。竹でできた間接照明も、スタイリッシュでなかなか素敵ですよね。

竹は毎年地下茎の節にある芽から成長し、あっという間に大きくなるのが特徴。1日で100センチ以上伸びたという記録もあります。竹は上には伸びても幹が太くなることがないため、洗練された植栽アイテムとして利用されることも多くなりました。

そうそう、松といえば盆栽。小さな鉢のなかに自然界を映し出す日本伝統の盆栽に、松は欠かせないアイテムです。いま海外では「BONSAI」として、密かなブームがきているんですって。

縁起のいい松竹梅。門松を飾って日本文化を再確認してみるというのもおすすめです。

 

 

【参考】

森林・林業学習館

https://www.shinrin-ringyou.com/topics/kadomatu.php

日本最古の椅子と椅子の歴史

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インテリアの中でもひときわ注目されるのが椅子。時代のなかでたくさんの名作が生み出されてきました。

そんな椅子についての歴史を、「歴史の流れがひと目でわかる 年表&系譜付き 新版 名作椅子の由来図典」に基づいてちょっとさかのぼってみましょう。

日本で一番古い椅子は弥生時代前期

椅子、というと想像するのが背もたれと肘掛けが付いているタイプではないでしょうか。日本では、この「チェア」タイプが普及したのは明治以降。それまでは“腰掛けのようなスツールタイプが使われていました。

日本で一番古い椅子(腰掛け)は弥生時代前期と推定される機織用のもの。徳島市の庄・蔵本遺跡で1992年に見つかりました。

素材は広葉樹のクヌギ。装飾などはなく、ずっしりと重たい椅子で、形状などから機織りをするときに女性や子どもが座っていたといわれています。

機織りの様子(イメージ)

静岡県の登呂遺跡では、座面と脚をホゾ組みした椅子が出土しています。座面と脚を外せばコンパクトに収納できるし、移動するのにも簡単ですよね。こちらは地元静岡県産のスギでできています。弥生時代から古墳時代にかけて、数多くの椅子(腰掛け)が見つかっていますが、その用途は日常生活で使うというよりも、作業用または祭礼用に使われたのではないかと推測されています。

椅子は権威の象徴だった

でもやっぱり「椅子」と言われてイメージするのは背もたれと肘掛けがあるタイプですよね。日本に現存する肘掛けタイプで一番古いのは、正倉院に所蔵されている「赤漆槻木胡床(せきしつつきのきこしょう)」です。

あぐらをかいて座れるくらい座面が広く、直線的なデザインが特徴です。ケヤキ材に赤い漆が塗られていて、脚先や座面の角には金銅製の金具が取り付けられています。

これは天皇が儀式の際に座るためのものだそう。貴族たちは背もたれのないスツールタイプの椅子に座っていたということから、椅子は権威や身分の高さを示す道具だったとされています。

背もたれのないタイプは胡床(こしょう)や床几(しょうぎ)と呼ばれています

明治時代には学校で椅子が使われるように

家庭に椅子が普及してきたのはいつごろなのでしょう。

床に座る生活をしてきた昔の日本人。鎖国が終わり欧米諸国との交流が始まったころから椅子にふれる機会が増え、明治時代になるころには学校で椅子が使われるようになったことで、少しずつ一般家庭にも普及していったとされています。

イメージ

海外から持ち込まれた椅子をもとに、江戸時代末期には日本人の大工も椅子をつくり始めます。日本の職人たちは、外国から入ってきた椅子を真似てつくり、和室でも使える椅子なども考案されました。

時を経て、戦後はアメリカ文化が流入し、住宅には洋間が作られるようになり椅子の生活が広まっていきました。日本でもデザイナーたちの名作が作り出され、ニューヨーク近代美術館(MOMA)のパーマネントコレクションに選定される椅子が次々と登場するなど、世界でも認められるようになっていきました。

イメージ

今ではすっかり当たり前になった椅子ですが、さかのぼれば歴史があるものですね。

ちなみに、世界中で現存する最古の椅子は紀元前5500年~7000年ごろ、新石器時代。トルコのチャタルホユック(チャタル・ヒュユク)遺跡から出土したものだそうですよ。

【参考】

「歴史の流れがひと目でわかる 年表&系譜付き 新版 名作椅子の由来図典」西川栄明著(誠文堂新光社)

 

 

クリスマスツリーはなぜモミの木なのか

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わくわくするクリスマス。もうすぐやってきますね。

お父さんお母さんサンタさんは、子どもの願を叶えるべくがんばっていらっしゃるころかなと思います。

 

さて、クリスマスといえばクリスマスツリー。モミの木ですよね。なぜクリスマスにモミの木を飾るようになったのか。

ちょっと気になったので調べてみました。

 

永遠の命と力強さの象徴

 

クリスマスツリーの起源は諸説あるようです。

「クリスマスの文化史」(若林ひとみ著)によると、「クリスマスツリーは、キリスト教以前の異教時代に、冬至に魔よけとして常緑樹を家の内外に飾った習慣にその起源を持つ」と書かれています。

モミの木は過酷な冬も緑を保つ常緑針葉樹。永遠に枯れない、生命の力強さの象徴として、冬の特別な時期・クリスマスに飾られるようになったという説もあります。

また、キリスト教の教えを見せる劇のなかで、アダムとイブが住んでいた「エデンの園」の場面でリンゴを吊るしたモミの木を小道具に使ったことがクリスマスツリーの始まりという言い伝えもあります。

 

クリスマスツリーの発祥は北ヨーロッパ

クリスマスツリーは北ヨーロッパが発祥といわれています。原住民が冬至のお祭りに木に飾りをつけていたことがはじまりとか。ちなみに、ドイツ東部ではセイヨウイチイ、南西部ではツゲ、スイスではセイヨウヒイラギ、地域によっては樫の木が用いられていました。

 

 

1860年、日本初のクリスマスツリーが登場

日本で初めてクリスマスツリーが登場したのはいつだったのでしょう。

 

「1860年にプロセインの公使オレインブルクが、杉、竹、椿の木などを使って初めてクリスマスツリーを飾った」

 

と「クリスマスの文化史」(P46)に書かれています。

 

天井まで届くほどの木にフルーツや精巧な砂糖菓子やロウソクを飾ったそうです。

 

その後、輸入食材などを扱う明治屋が1886年12月7日、横浜にクリスマス装飾を施し大売出しをしたことから、クリスマスの認知度が高まり民間にも浸透していきました。このことから12月7日は「クリスマスツリーの日」とされています。

 

クリスマスツリーの飾りつけの意味とは

ツリーに飾り付けをするのも楽しみのひとつですが、それぞれの飾りにも意味があるのを知っていますか。

例えばリンゴは、アダムとイブの象徴のようなもの。リンゴの赤は愛、丸い形は永遠と地上を表しています。お菓子やケーキをモチーフにしたものは、神様の恵みを意味しているそうです。

昔はいつでも甘いお菓子を食べられたわけではないので、子どもたちはこのクリスマスをとても楽しみにしたいた、というのもわかる気がしますね。

 

実は身近な存在のモミの木

モミの木が多いのは日本では本州の中南部。その立ち姿が美しいことから神社の境内に植えられていることも。

モミは私たちの身近なところにも。香りがなく、調質性に優れ、抗菌性が高いことから、かまぼこの板や米びつ、すし桶など、直接食材がふれるものにも使用されてきました。

薄い黄色や白い木肌は神聖なイメージがあるということで、冠婚葬祭に使う道具にも使われています。

家の内装材に使われることもあるので、みなさんのおうちのどこかにもあるかもしれませんね。

 

一部の地域ではモミの天然林が見られますが、近年木の衰弱が目立っているという話もきかれます。

「永遠の命や力強さの象徴」と紹介しましたが、実はモミの木はデリケート。大気汚染や煙、暑さには弱い樹種です。

ここでも人の生活が木に与えている影響は少なくなさそうです。

 

日本のクリスマスツリーは「ウラジロモミ」

 

さて、そんなモミの木。

日本でクリスマスツリーとして使われているのは「ウラジロモミ」という種類で、実はこれ正確には「モミ」とは別の種なんだとか。

「ウラジロモミ」は葉の裏が白っぽいのが特徴。表面は艶やかな緑の葉をつけ、美しい円錐形の樹形に育つためクリスマスツリーにぴったりということで、使われるようになったようです。

「ドイツでは、ツリーの飾りつけは部屋を閉めきって大人が行い、子供は24日の晩まで見てはいけないことになっていた。ツリーの下にプレゼントを並べ終え、ロウソクに火を灯して準備万端整ったところで〈開かずの間〉のドアが開き、子供たちは目の前の光景に息をのむのであった。」(「クリスマスの文化史」P42)

みなさんのおうちでは、どんなクリスマスを演出するのでしょう。想い出に残る素敵なクリスマスを!!

 

【参照】

「クリスマスの文化史」若林ひとみ著(白水社)

「クリスマス事典」(あすなろ書房)

森林・林業学習館「日本の樹木」

https://www.shinrin-ringyou.com/tree/momi.php#sec02

 

「クロモジ」を使った「森ノ茶」。山の素材を活用して新しい価値を生み出す人に出会いました

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とある山奥。

秘密のアトリエで催された、特別な食事会に行ってきました。

山道の途中にあるアトリエは古民家を改築した一軒家で、石垣や縁側、大きな引き戸や小上がりがあり、おおらかさと凛とした空気がとても心地よく感じられました。

スパイスを使ったお料理をコースで堪能したあと、食後にオーダーしたのがこちら。

「クロモジ」を使ったほうじ茶のチャイです。

「クロモジ」って聞いたことありますか?

クスノキの一種で、山地に生える落葉低木です。幹が細く、大きな木の陰に隠れて育つため、あまり目立たない存在なのですが、実は和製ハーブといってもいいくらい香りがいいんです。

漢字では「黒文字」ですが、英語では「spicebush(スパイスブッシュ)」。その名の通り、樹皮や枝葉に爽やかでスパイシーな香りがあるのが特長です。香りには、抗不安作用、リラックス効果があるとされるシネオールやリナロールが含まれているので、アロマオイルや生薬としても活用されているそうです。

今回いただいたチャイのベースになっているのは、愛知県北設楽郡設楽町で作られている「森ノ茶」。「クロモジ」とほうじ茶をブレンドしたお茶です。

発案したみやびさんにお話を聞きました。

「設楽町は町の9割が山なんです。森林資源をどうやったら活用できるのか森を持続させるためには何ができるのか、というのを町のおじいちゃんたちと考えていて、できあがったのが『森ノ茶』なんです」と、みやびさん。

設楽の森では下草として刈られてしまう「クロモジ」。採取・乾燥など地元の集落の方たちが力を合わせて行い、山を隔てた隣町・新城市の製茶メーカーと連携して有機栽培のほうじ茶とブレンドすることで製品化に成功したそうです。

みやびさん https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

「繋ぐ人/forestderector」として活動しているみやびさんは、“森と街をつなぐ”をコンセプトに森の新しい価値を生み出す活動をしています。

「『森ノ茶』を通して、森林の可能性や持続性に目を向けてもらえたらうれしいです」と話していました。

https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

森の木1本1本にストーリーがある。それを大切にしていきたい」と話していたみやびさん。

家や家具、暮らしの中で身近にある木。それだって元をたどればふるさとの山がある。そんな風に考えたら、家も家具も木でできたものすべてがとても愛しいものに思えてきそうですよね。

温かいチャイに癒されながら、みやびさんの言葉に深くうなずいたのでした。

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すっかり秋の香りに包まれた山道を、旧友とドライブしながら訪れた秘密のアトリエ。

鳥の声や川のせせらぎをBGMにしながらいただいたブランチ、デザート、そして「森ノ茶」のチャイ。街でいただくのとはちょっと違った特別な食事会で、心身ともにほぐれるひとときでした。

 

 

 

【写真提供】

https://www.instagram.com/miyabi.lien/

 

【参照】

「リナロール香気の持つ抗不安作用と その脳内機序」柏谷英樹著

https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/57/3/57_204/_pdf/-char/ja

東北森林管理局

https://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/sidou/jumoku/shubetu/kuromoji.html

公益社団法人日本薬学会

https://www.pharm.or.jp/flowers/post_50.html

 

世界から森が消滅する日―。動物園に行って考えたこと

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動物園というものがそんなに好きではなかった子ども時代。動物たちを見て「窮屈な檻に入れられてかわいそう」という気持ちのほうが大きくて、あまり楽しめなかったような記憶があります。

そんな私ですが、先日所用があって久しぶりに東山動物園を訪れました。約450種類の動物たちがいて、そのユニークな生態を見て回るなかで、目に付いたのが「森林破壊」についてのパネルです。

オランウータンの展示場に設置されたパネル

オランウータンのエリアでは、「食べものが実る木も、寝床も、ヒトの畑になった」というキャッチコピーがついたポスターが張られていました。近くには「失われるスマトラ島の森」についてのパネルも。

オランウータンが生息するスマトラ島。島の58%が森林だった1985年から約30年経った2016年には24%にまで減少。森が小さく分断されることで、オランウータンたちの生息地が減少してしまっていることが紹介されていました。

東山動物園のポスター

 

理由は、私たち人間の暮らしにあります。

日本で食用油や洗剤として使われるパーム油、タイヤなどに使われる天然ゴム、ベニヤ板の素材となるラワンなどの木材、これらを作るために、遠いスマトラ島の森が伐採されているのです。

遠いスマトラ島の森林から多くの資源が日本に輸入されています

 

森林破壊はスマトラ島に限ったことではありません。世界の森林面積は1990~2020年の30年間で1億7800万ha(日本の国土面積の約5倍)が減少したという調査結果があります(※)。

国連の報告によると、2015年以降、1年ごとに約10万平方キロメートルの森林が失われているとのこと、ほぼ東京都と同じくらいの面積の森が毎年失われていると知って驚きました。このままいったら、世界から森が消滅する日も遠くない気がします。森がなくなったら、人間も生きてはいけません。

日本の消費が世界の森林に影響を及ぼしている現状。何とかしないと、とは思っても私たちにできることって何があるのでしょう。

パネルで紹介されていたのは、「森林保全の取り組みをしている企業の製品を選ぶこと」。パーム油の持続可能な生産を認証する「RSPO」、持続可能な森林管理を認証する「FSC森林管理」などのマークがついている製品を購入することで、森林保全に貢献できます。

たとえば「FSC(Forest Stewardship Council)」は森林管理協議会という国際的な第三者機関が定めた規格をもとに「責任ある森林管理につながる木材」として認証されたラベル。

「FSC」の認証材を取り扱うお店は、日本ではまだ多くないそうですが、家具を購入するとき、DIYで木材を買うとき、印刷用の紙を選ぶときなど、日々の買い物の中でちょっと意識してみるといいかもしれません。

大きなことはできなくても、まずは「知る」ということが第一歩。

みんなの人気者・コアラや、アフリカゾウ、トラも森林破壊によって絶滅のおそれが危惧されています。あとで調べたところ、東山動物園内の約450種類のうちなんと100種類が絶滅危惧種に指定されていました。

動物園の役割には、来て見て楽しむというレクリエーションのほかに「種の保存」、「調査研究」、「環境教育」が挙げられています。

絶滅の危機に瀕している生き物たちを保護し、生態の調査や研究をして、こうした生き物たちがどうやって生きているのか、人はどう関わっていけばいいのかを考えるきっかけづくりの場として、動物園が機能しているんですね。動物園の大きなミッションを知って、印象がだいぶ変わった気がします。(ま)

 

 

※世界森林資源評価(FRA)2020 メインレポート概要より

https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaigai/attach/pdf/index-5.pdf

 

【参考】

東山動物園

https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/

世界自然保護基金(WWF)

https://www.wwf.or.jp/campaign/forest/

不思議な根っこは地球を守る!? 災害の軽減・地球温暖化を防止するマングローブの偉大なチカラ

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アジア、アフリカ、オセアニア、中南米などの熱帯・亜熱帯地方には100種類以上のマングローブ植物が存在しているといわれています。生育地の最北端は、日本の鹿児島県南部。日本にもマングローブ林は存在するんですね。

その容姿は実に独特。干潮時にあらわれる根はかなりインパクト大です!

タコの足みたいな根「支柱根」を持つものや、タケノコのような根っこ「旬根(しゅんこん)」、板状に広がって発達した「板根(ばんこん)」を持つものなど、根の種類もさまざま。

タコの足のように伸びた「支柱根」

 

 

マングローブが生育する熱帯地方は、台風が発生する地域でもあります。過酷な環境課でも自分が倒れてしまわないよう、独自の進化で根を張り支えているのですね。

地中から伸びるタケノコのような根っこ「旬根」

 

さらに、湿地帯の土に残るわずかな酸素を取り入れるため、地下にあるべき根の一部が地上に出て呼吸をするという重要な役目も担っています。
通常の植物の根は地中にあって普段目にすることはありませんが、マングローブの根は潮が引いた時間であれば地上に見えているのでじっくりと観察することができますよ。

板状に発達した「板根」

 

こうしたマングローブの特性は、私たち人間に大きな恩恵をもたらしてくれます。

例えば、2004年に起きたスマトラ沖の大地震。翌年の読売新聞の記事によると

「ペナン島があるペナン州では55人が死亡し、約300人が住む島西海岸の漁村パンタイ・アチェでは3メートルの津波が見舞われたが、パンタイ・アチェでは小舟が30隻壊されただけで、家屋は破壊されずに済み、犠牲者も漁に出ていた2人だけという最小限の被害で済んだ。なぜなら、マングローブの群生林が「緩衝装置」の役割を果たしたからである。」と記されています。

津波の際、マングローブの根につかまって流されずに済んだという人の記録もたくさん残っているそうです。

海の災害から守ってくれるだけでなく、地球温暖化の防止にも重要な役割をしています。

世界各国で二酸化炭素の排出量を削減する取り組みが行われているのは皆さんもご存じかと思います。地球温暖化は二酸化炭素の排出により進行し、今やかなり深刻な状態に陥っています。

 

調査によると、マングローブ林は陸上の森林と比べて大量の二酸化炭素を吸収していることがわかっています。満潮時に海水におおわれるマングローブは、通常の森林より空気にふれる時間が短いため、落ち葉や枯れた枝などが分解されるスピードが遅いことが理由とされています。

河口部分の湿地に根を張り、地中に多くの炭素を貯蔵するマングローブ林。私たち人間の生活も守ってくれる貴重な天然資源なのですね。(ま)

 

 

 

 

消滅の危機!? 海水でも育つ不思議な植物群「マングローブ」

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「マングローブ」とは海水と淡水が入り交じる沿岸に生育する植物群のこと。

満潮時、水面から木が生えているように見える景色は “海の森”とも呼ばれています。


マングローブを構成する植物は、オヒルギ・メヒルギ・ヤエヤマヒルギなど。

特徴はなんといっても、塩水に浸かっても枯れないこと。

普通の植物を塩水につけるとすぐに枯れてしましますが、マングローブの植物はその独特な構造によって海水中の塩分を排出する機能を備えているのです。例えば、ヤエヤマヒルギやメヒルギは、水を吸収する際に塩分が入らないようにする仕組みがあったり、体内に入った塩分を古い葉にためて、それを落葉させたりして余分な塩分を外に出しています。ヒルギダマシには葉の両面に「塩類線」という特別な器官をもち、体内の塩分を結晶にして排出する機能をもっています。

厳しい環境に育つマングローブ林は、多くの稚魚やカニ類、貝類などを育てる豊かな環境をつくり出していますが、人の手の入っていない原生林は現代ではほぼ全滅。今は植林して再生を図る時代になってきています。

東南アジアのマングローブ林に影響を及ぼしたのが、炭焼き産業、エビの養殖業、スズの採掘が挙げられます。工場やそこで働く人々の家をつくるため、マングローブ林はどんどん伐採されていきました。それには日本も大きく関わっています。

例えば、私たちが大好きなエビ。マングローブ林を伐採してつくられたエビの養殖池で育ったブラックタイガーの多くは日本に輸出されています。さらに、マングローブを使った木炭も日本に多く輸出されています。バーベキューの時に使う炭、産地に着目してみてください。「植林マングローブ炭」と書かれているものもありますよ。

マングローブ林が失われると、そこに生きていた生き物が姿を消し、その恩恵を受けて生活してきた人も生活が苦しくなります。

消滅したマングローブ林を再生するには30~50年はかかるといわれています。

 

森林は守らなければいけない貴重なもの。ただ、再生可能な天然資源でもあります。自然環境として守るべき森林と、資源として利用する森林と、うまくバランスをとる必要があるのかなと感じました。

 

次回も引き続き、マングローブの生態や役割についてお伝えしてみようと思います。(ま)

 

 

 

【参考】

農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0311/02.html

オオクワガタの大好物! どんぐりのなる身近な木・クヌギ

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セミの声が元気に響く夏。夏休みに入り、子どもたちもセミに負けないくらい元気いっぱいですね。

 

夏休みの思い出といえば、虫採りという方も多いのではないでしょうか。

朝早く森に行くと、なんだか甘い匂いがして自分まで虫になったような気分になったことを思い出します。あの匂いは、クヌギやコナラの幹の匂いなのだということを大人になってから知りました。カミキリムシやハチ、ガなどの幼虫が幹をかじって、その傷からにじみ出した樹液が独特の匂いを放っているそうです。

オオムラサキやカナブン、クワガタムシやオオクワガタは夜になるとこの樹液を求めて集まってくるのです。

 

さて、このクヌギはどんな木なのか―。

コナラとともに雑木林に植えられるブナ科の落葉広葉樹です。森林公園などにもよく植えられています。どんぐりのなる木といえばわかりやすいでしょうか。クヌギの名前は「国の木」からきているという説もあり、日本人にはなじみ深い木です。

 

材質は硬く、薪や炭、シイタケ栽培の木として利用されています。シイタケ栽培に使われるのは8~15年くらいたったクヌギ。紅葉が始まるころに1mほどに切り出したクヌギの原木に穴をあけて、シイタケの菌を植え込みます。その後1~2ヶ月ほどビニールで覆いをして保湿・保温。これがほだ木となります。

菌がまんべんなくいきわたりシイタケができる準備が整うのが春頃。ほだ木を水に沈めて引き上げて数日でシイタケの芽が出てきます。1週間ほどで収穫できるほどの大きさになっているそうですよ。

ホームセンターなどで、シイタケの栽培キットなども販売されているので、興味のある方はチェックしてみてください。

 

切り倒しても20年ほどで元どおりになるという再生力を持っているのがクヌギ。生育も早く、植林してから10年度補で木材として利用できるまでになるとか。

建築材としてだけでなく船舶の材料、神社の鳥居などにも使用されています。

 

クヌギの実・どんぐりは、縄文時代には主食として利用されていたといいます。また、樹皮やドングリのかさを使って染めた衣服は「橡染め(つるばみぞめ)」といい、一般庶民の衣服などに用いられていたそうです。

 

里山には欠かせないクヌギ。昔からさまざまな用途で使われていたんですね。(ま)

 

 

【参考】

「雑木林の20年」(偕成社)

 

炭を使ってごはんをおいしく炊こう!

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「炭火で焼くとおいしくなる」と言われていますが、その理由はなぜか知っていますか。
それは、炭が出す輻射熱と赤外線の効果によるもの。

食材を芯から熱し、うまみ成分であるグルタミン酸を生成してくれるからなんです。

うなぎや焼き鳥などに炭が使われるのは、水分を含まない炭を使うことでパリッとした食感に仕上がるからなんですって。

 

焼き物だけでなく、ごはんを炊く時にも炭は大いなる力を発揮します。

方法は簡単です。ごはんを炊く時に炊飯器に白炭(備長炭)をポイっと入れておくだけ。

炭から出た遠赤外線が米を芯から熱し、うまみ成分を引き出してふっくらおいしいごはんに仕上がります。

前回の記事で、炭には小さな穴がたくさん空いているという話を紹介しましたが、それもごはんをおいしくしてくれる秘密。この穴が炊飯に使われる水のカルキ臭や不純物を炭が吸着してくれるのです。穴からは炭のミネラル分が溶けだすため、水質がまろやかになり、いっそう米をおいしく炊き上げてくれますよ。

さらには、水道水に入れておくだけで浄水器と同じような効果を発揮したり、生野菜や果物を長持ちさせたりする効果も。

炭をつくる時に出る煙から抽出した木酢液には殺菌作用があり、土壌改良や病虫害対策など農業や園芸の分野でも使われています。

 

炭って本当にすごいですね。

 

最後に、炭をとことん楽しめる施設をご紹介したいと思います。

炭といえば備長炭。日本有数の備長炭の産地・和歌山県にある「道の駅 紀州備長炭記念公園」です。

写真提供:道の駅 紀州備長炭記念公園

 

江戸時代に生まれた「紀州備長炭」の歴史的背景だけでなく、炭焼き窯の見学や、炭焼き体験もできます。

さらに、備長炭を使ったおもしろいメニューをいただくことも。

インパクト大なこちらは備長炭を麺に練り込んだ「備長炭ラーメン」。ほかにも夏季限定の「冷炭めん」や「梅炭そば」などが楽しめます。

「備長炭ラーメン」(写真提供:道の駅 紀州備長炭記念公園)

 

備長炭で丁寧に濾過した水を使った「備長炭コーヒー」も味わえます。
屋根付きのBBQ場も用意されていて、備長炭を使ったバーベキューも体験できます。(時期や料金などはHPで要確認)

旧石器時代にすでに炭は使われていたという記述もありあす。いにしえから日本人の暮らしに根付いてきた炭について、2回にわたってお届けしました。

ぜひみなさんの暮らしにも役立ててみてください。(ま)

 

【参考】

林野庁「木炭のはなし」

https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/mokutan/

 

道の駅 紀州備長炭記念公園

https://www.binchotan.jp/

 

「子どもに伝えたい和の技術8 木づくり」

(2017年/和の技術を知る会著、株式会社文溪堂発行)