古くから燃料として重宝され、日本人の暮らしに深く関わってきた「炭」。キャンプシーズンには欠かせないアイテムですよね。冬は暖を取るために使われたりもしますし、天然の消臭剤として使っているという人も多いのではないでしょうか。
この炭、どうやって作られているのか知っていますか?
炭の原料は木です。
木は空気中で燃やすと酸素と結合して二酸化炭素を出しますが、空気を遮断して蒸し焼き状態にすることで炭化した固形物「炭」となるのです。
炭にも種類があります。
【黒炭】
原材料は主にナラ、クヌギ、カシ。炭窯の中に入れ400℃~700℃で熱して炭化させたもの。比較的着火が簡単で大きな熱量が得られます。バーベキューや暖炉によく使われるのはこの黒炭です。
【白炭】
原材料はウバメガシ、カシ類など。1000℃以上で熱した後、炭窯の外に出して灰をかけて消火させて作ります。炭質は硬く着火しにくいものの、安定した火力を長時間保つことができます。うなぎのかば焼きなどに使われる備長炭はこの仲間です。
【オガ炭】
木工加工の際にでるおがくずや樹皮を高温・高圧力で圧縮形成し炭化したものです。備長炭に似た性質から、焼き肉や焼き鳥などに使用されます。
◆木炭の性質
木炭には無数の小さな穴があります。これが水分やにおいの元を吸い取ってくれる理由。家の湿度調節や消臭、有毒な化学物質の吸着に威力を発揮します。
木炭の中でも有名な紀州備長炭の場合、小さな穴は特に多いらしく、炭1グラムあたりテニスコート1面分(※)にもなるのだとか! 驚きですね。(ま)
<次回「炭を使ってごはんをおいしく炊こう!」に続く>
※道の駅 紀州備長炭記念公園HPより
【参考】
林野庁「木炭のはなし」
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/mokutan/
道の駅 紀州備長炭記念公園
「子どもに伝えたい和の技術8 木づくり」
(2017年/和の技術を知る会著、株式会社文溪堂発行)