ウッドトーチとは、簡単に言うと火を起こす丸太のこと。昨今のキャンプブームに乗って注目されているアイテムなのです。フィンランドのかがり火が発祥といわれ、やがてスウェーデンに伝わったことからスウェーデントーチとも呼ばれています。
見た目は、切れ目の入った丸太。木くずや焚き付け用の小枝などをトーチの上部に置いて着火すると、次第に丸太に火が移って燃え続けます。切れ目から空気が流入して、小さな火種でも長く強く燃える仕組みです。
ウッドトーチのいいところは、薪・焚火台・五徳といったさまざまな用途で使えるところ。火をつけたトーチの上に直接、メスティンやスキレットを置いて調理ができるんです。
調理以外にも、ウッドキャンドルとして眺めて楽しむことも。切り込みから炎がゆらゆらとあがっていく様は、SNS映え必至です。
そんなウッドトーチ。ネットでも検索すれば大きさや材質の違うものがたくさん出てきますが、今回紹介したいのは、愛知県知多郡の大藤材木店さんがつくるウッドトーチです。明治10年創業の歴史ある材木店の6代目が考案したウッドトーチは、家の柱になるべくして生まれた材木を使っています。
伝統的な日本家屋の床の間などに使用される「磨き丸太」と呼ばれる杉の柱材。先代から受け継いだこの希少材を、現代的に利活用するべくアップサイクルしたのが大藤さんのウッドトーチなのです。
商品ページの説明によると「柱になるためには、寒い冬を過ごして、いらないもの(節)をそぎ落とし、最後には冷たい水で磨かれて『磨き丸太(柱)』となるのです。そんな材は、密度が詰まっているので非常に硬い! 通常針葉樹は薪には向かないといわれていますが、この柱たちは違いますよ!木目が堅く締まっているから火持ちが良いのです」とのこと。
キャンプ場などで販売されている一般的なトーチはサイズが大きいものがほとんどで、点火から約3~4時間ほど燃え続けます。大藤さんのウッドトーチは、直径10cm~15cmのコンパクトなもの。燃焼時間は約1時間程度とのことなので、ソロキャンプにおすすめです。
トーチとしての利用だけでなく、鍋や食材を並べてみたり、切り込みにスマホを差し込んでスマホスタンドにしたりと、日常使いもできる優れもの。スマホを立てて音楽を再生すると、木が共鳴してウッドスピーカーにもなるそうなので、試してみたくなりますね!
もともと京都や奈良の一部の地域のみで生産され、京都府伝統工芸品の指定も受けた立派な木材。エアープランツなどを置く小さな花台にしてみたり、インテリアとしての活用の幅も広がりそう。
使われなくなった希少材をアップサイクルしたウッドトーチは、プレゼントにもぴったり。気になる方はチェックしてみてください。(ま)
写真提供:合資会社大藤材木店 https://daito-wood.jp/