<木曽五木>東京スカイツリーのモデルになった木!コウヤマキ

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「コウヤマキ(高野槙)」は、日本固有種の常緑針葉樹で、1科1属1種という植物学上では珍しい日本の特産種です。

名前の由来は、和歌山県にある高野山に多く自生しているところから。高野山では、アカマツ、スギ、ヒノキ、ツガ、モミと共に「高野六木(こうやりくぼく) 」に指定されています。

ヒマラヤスギ、ナンヨウスギと同様に世界三大美樹に選ばれるほど美しい木で、一般的な高さは約20~30mですが、大きいものだと40mを超えることも。

水に強い性質があり、弥生・古墳時代から木棺の材料として使われたり、船や風呂桶に使われたりした結果、個体が激減してしまいました。そのため、木曽五木や高野六木に指定されて保護されることになったのです。

現代では地球温暖化の影響もあり、日本と韓国の済州島といった限られた場所にしか自生しておらず、今でも希少な樹木です。

 

コウヤマキは東京スカイツリーのモデルになった木で、デザインを監修した彫刻家の澄川喜一さんの故郷である島根県にも自生しているそう。

放射状に広がる枝が傘の骨のように見えるので、英名はumbrella pine(傘松)。
そしてその美しい立ち姿から、スカイツリーを設計するうえで、イメージにピッタリの樹木だったのでしょうね。

コウヤマキは別名で「クサマキ(臭い槙)」と呼ばれることもあり、その由来は独特な甘いフルーティーな香りを持っているところから。

さらに抽出したオイルには保湿力があり、エッセンシャルオイルや美容液として使われたり、歯周病の治療に使われたりもするそうです。

見た目の美しさだけでなく、良い香りもする万能さを持ち合わせているということですね。(ユ)

Matsuoライタープロフィール
古道具や古着、古民家など“お古”に惹かれるライター。雑誌、webを中心にまちづくり、ものづくり、グルメ、音楽、著名人インタビューなど多ジャンルの取材・執筆を手がけています。生活者の視点で、身の回りの“木”に関する話題をお届けしていきます。

水野 照久監修者
名古屋で創業60年を迎える家具店の代表。2代目代表として約30年「家具は人をシアワセにする」を理念として、木を素材としたいくつかのブランドをプロデュースし、新しいモノづくりにデザイナーと作り手と取り組む。