そろそろ雷のシーズンがやってきますね。最近では7月に関東を中心に発生したゲリラ豪雨の際にも、激しい雷鳴が響き渡っていたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。
夏は雷が一番多い季節。雷の観測や情報提供を行う株式会社フランクリン・ジャパンのデータによると、8月は90万回を超える雷が観測されています。
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木の下で雨宿りは危険度マックス!
外出中に大雨が降ってきたり雷が鳴ったりしたとき、みなさんはどうしますか? 建物の軒先や雨がしのげる場所に避難するという人が多いのではないでしょうか。
雨宿りするとき、木の下に逃げ込むという人もいると思いますが、実はこれはとても危険なこと。
雷は地面から突き出たものや高さのあるものをめがけて落ちるという性質があります。木は本来、電気を通しにくいのですが、雷が木に落ちると、近くにあるものや人を通って地面に逃げるという現象が起こる場合があります。これを「側撃雷」といい、人体が木よりも電気を通しやすい性質があるために起きる現象です。
巨大な電流が木に落ちたとき、傍に木よりも電気を通しやすい人間がいれば、そちらにも電流が流れるのは想像できますよね。飛び火のようなものをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
万が一そんなことがあった場合、人は雷の直撃を受けたのと同じくらいの電流を受けることになり、命の危険に直結する率が高くなるのです。
木の下での雨宿りは、開けた場所での直撃に次いで多く発生していて、全体の25%を占めるというデータもあります。木の下と同じように、木造建築にも同じような危険があります。軒下ではなく、建物の中に入って落雷の危険が去るまでは外に出ないという注意が必要です。
落雷の仕組みとは
そもそも、雷はどうやって起きるのでしょうか。
雷の元は、発達した積乱雲。よく入道雲といわれたりするあのモクモクとした雲です。
雲の中にある氷の粒がぶつかり合って、プラスとマイナスの電荷が発生することで静電気が発生。プラスの電荷は雲の上の方に、マイナスの電荷は下の方に集まりやすい性質を持っているため、その間には引き合う力が働き、そこに電界が生まれます。
この電荷の偏りが大きくなると、雲の中だけでなく地面との間にも電位の差ができて、それを解消するために放電、つまり落雷現象が起こるという仕組み。つまり、雲の下に集まったマイナスの電荷が、地面がもつプラスの電荷に引き寄せられ、落雷が起きるのです。
高所や木から離れて建物や乗り物の中へ
外にいて雷が鳴り始めた場合、より安全な場所に避難することが大切です。
例えば
- 鉄筋コンクリート製の建物の内部
- 自動車や電車・飛行機などの乗り物の内部
- 避雷設備の施された建物の内部
- 本格的な木造建築物の内部
といった場所です。(※フランクリン・ジャパン「落雷時の安全な避難場所/行動」より抜粋)

雷が聞こえたら、まずは高い場所や木の近くから離れて、安全な建物や車の中に避難することが大切。グラウンドやゴルフ場など、開けた場所では危険度が高くなります。実際に、今年4月には奈良市の高校でグラウンドに落雷があり、生徒が意識不明の重体になるという痛ましい事故も起きています。
雷は身近な場所でも突然発生することがあります。天気の変化に気を配りながら、早めの避難を心がけましょう。
知識と情報で予測して身を守る
気象庁の「雷ナウキャスト」では、雷雲の動きや放電の情報をもとに、1時間先までの雷の予測を見られるようになっています。図のように、雷の活動度を4段階で表示。地図上でリアルタイムの動向をチェックすることができるので、お出かけ前や外にいるときは、こまめにチェックして備えておくと安心です。雷のピークを迎える前に、正しい知識と情報を使って、身を守ってくださいね。

<参考>
フランクリン・ジャパン「雷(らい)ぶらり」
気象庁「雷ナウキャストの見方」
