昔から、タンスや押し入れに入れて衣類の防虫剤として使われていた樟脳。その匂いは独特で、苦手という人もいるかもしれませんね(筆者はなんとなく懐かしい香りがして好きなのですが)。この香りが虫よけ効果の秘密。
樟脳の原料となっているのはクスノキ。
名前の由来は「臭し(くすし)木」または「薬の木」だといわれています。
暖かい地域に自生する常緑高木で、大きなものは高さ35メートルほどにもなるそうです。
そんなクスノキをチップ状にし、水蒸気蒸留法という製造方法で結晶を取り出し、パウダー状にしたものが樟脳となります。蒸留の過程でできたオイルは、カンフル(樟脳)オイルとなり、天然のエッセンシャルオイルとして利用されています。
虫が活発に動き出す季節。
クスノキの成分をギュッと凝縮したアイテムを使って虫除け対策をしてみるのはいかがでしょう。
佐賀県の地域資源であるクスノキを使い、木材を無駄にしない循環型のものづくりに取り組んでいる株式会社中村の「KUSU HANDMADE」シリーズ。完全自社生産のこだわりアイテムを2点ピックアップしてみようと思います。
佐賀県で50年以上、住宅建材や内装材の卸販売をしてきた会社が運営する「KUSU HANDMADE」。頑丈なクスノキからフローリングなどの建材を製造していく過程で出た端材をどうにか有効活用したいと考えだされたのが「エコブロック」です。
タンスや衣装ケースに3~5個入れて、防虫・消臭剤として使用します。香りが弱くなってきたら、クスノキから抽出したカンフルオイルを塗り足せば、繰り返し使うことができます。
このオイルにもこだわりが。
クスノキと一口にいっても個体差があり、抽出にかける時間などが変わってきます。それぞれに適した環境で、熟練した職人さんが10日間もかけてじっくり丁寧に抽出したものが製品化されているのだそう。
木工職人が手間をかけて加工したエコブロックとカンフルオイル、完全自社生産という点にも安心感がもてますね。
天然クスノキから抽出した樟脳とクスノキオイル、さらに虫が嫌うゼラニウムとレモングラスのオイルを配合した渦巻型のお香。
清涼感のある香りでアロマ効果があるだけでなく、消臭や蚊遣りとしても活躍しそう。室内屋外問わず利用してみたいアイテムです。
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防虫効果だけでなく、耐湿、耐久性に優れているため、古くから内装材や社寺の建築、家具などに重宝されてきたクスノキ。
大木に成長するものの曲がったものが多く、製材の過程で多くの端材が出るそう。その端材を有効活用したい、地域資源を無駄にしたくないという想いが生んだ製品が「KUSU HANDMADE」です。
化学薬品に頼らず自然素材で暮らしたい、木の香りでリラックスしたい、そんな人にはおすすめのアイテムが揃っています。ほかのアイテムも気になる方はHPでチェックしてみてくださいね。(ま)
<取材協力・画像提供>
「KUSU HANDMADE」
http://www.kusuhandmade.com/
<参考>
林野庁関東森林管理局/高尾森林ふれあい推進センター
「Forest通信」NO.367