木曽五木(きそごぼく)とは?

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「木曽五木(きそごぼく)」って、聞いたことありますか?

「ヒノキ・サワラ・アスナロ・コウヤマキ・ネズコ」の5種類の樹木を指し、長野県の木曽地方を産地とする常緑針葉樹林です。

江戸時代、長野県の木曽地方にある山林は、優秀な建築材料が採れることで有名で、城や住居の建築に多用されたことで伐採が進みました。約100年にわたって山林が伐採され続けたため、ついに木材が枯渇することに。

そこで当時木曽の山林を領地にしていた尾張藩は、木材を保護するため、「木一本、首一つ」といわれるほど厳しい「停止木制度(ちょうじぼくせいど)」で伐採を禁止。

保護された利用価値の高い樹木を木曽五木と呼びました。

それでは木曽五木のそれぞれの特徴を見ていきましょう。

まず「ヒノキ(檜)」について。木曽といえばヒノキといわれるほど有名ですよね。
五木を代表する樹種で、伊勢神宮にも使われるなど、高級建築用の木材としても知られています。

とても硬い材質なので反りやねじれが少なく、耐久力は世界トップクラスともいわれています。

「サワラ(椹)」は木目が整った美しい樹種です。
山の谷間に生息していて、湿気に強く、殺菌作用もあるので桶の材料によく使われます。
国内にある木材の中で軽量な部類に入るので、扱いやすいのも特長です。

「アスナロ(翌檜)」は頑丈さがヒノキに似ていて、反りやねじれが起こりにくいとされています。湿気や腐食に対して耐性があるので、高級なまな板などに使用される木材の1つです。

「コウヤマキ(高野槙)」は木目が鮮明で、光沢があります。
五木のなかで一番湿気に強く、風呂桶や水桶の材料に使われることが多い木材です。
他の樹種と比べて成長が遅いため、成木があまり採れず、希少な樹木とされています。

「ネズコ(鼠子)」は湿った場所を好み、標高2,000m以上の寒い環境でも育つ樹木です。軽量で傷つきにくいので、タンスに使われたり天井板や建具材に使われたりもします。

木曽五木について書いていきましたが、それぞれに素晴らしい特長があり、木曽地方を代表する樹木というのは頷けますね。(ユ)

【参考】中部森林管理局HP

Matsuoライタープロフィール
古道具や古着、古民家など“お古”に惹かれるライター。雑誌、webを中心にまちづくり、ものづくり、グルメ、音楽、著名人インタビューなど多ジャンルの取材・執筆を手がけています。生活者の視点で、身の回りの“木”に関する話題をお届けしていきます。

水野 照久監修者
名古屋で創業60年を迎える家具店の代表。2代目代表として約30年「家具は人をシアワセにする」を理念として、木を素材としたいくつかのブランドをプロデュースし、新しいモノづくりにデザイナーと作り手と取り組む。