"銘木のお箸"から考える日本の割りばし事情について

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最近、木曽檜や黒檀といった銘木の端材を使用したお箸が人気を集めているようです。銘木のお箸には鮮やかな色彩や綺麗な木目の物があり、値段は5千円から7万円もする高級品まであります。お箸は普段の生活でよく使う物ですし、贈り物などにもちょうど良さそうですね。家具店でオーダーメイドができるお箸もあり、長さや太さ、形状などを選んで作ってもらえるようですよ。

ところで、お箸といえばコロナウイルスの感染症対策として、割り箸を使う機会が以前よりも増えているように感じます。資源のことを考えると、本当はマイ箸を使ったほうがエコではありますよね。多くの人が毎日のように割り箸を使えば、その分木材が必要になり、環境への負荷も大きいような気がします。年間で一体どれほどの割り箸が消費されているのかも気になるところです。

日本の割り箸の消費量はどれぐらいなのでしょうか? ピーク時の年間消費量は約250億膳といわれています。2007年以降は減少していて、現在は年間約200億膳(国民1人あたり年間約150膳)となっているそうです。計算すると、2〜3日に1膳のペースで割り箸を消費していることになります。

日本で使われている割り箸の90%以上は輸入していて、そのほとんどが低価格の中国産。管理に費用がかかる間伐材ではなく、丸太を使用するので森林の減少が懸念されているそうです。輸入材に頼らず日本にある木材を有効活用するため、林野庁では2005年から、「木づかい運動」を開始。割り箸をはじめ、家具や建築物などに国産材の端材や残材、間伐材などを積極的に利用する活動が行われています。公表によると、1955年頃まで木材の自給率はほぼ100%。国内に余っている木材を有効活用し、輸入に頼らない状態に戻れば、木材の循環もうまくいくのかなぁと思いました。

限りある資源。割り箸もなるべく無駄使いせずにしていきたいものですね。(ユ)

【参照元】https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/24hakusyo/pdf/21hon6-3.pdf

Matsuoライタープロフィール
古道具や古着、古民家など“お古”に惹かれるライター。雑誌、webを中心にまちづくり、ものづくり、グルメ、音楽、著名人インタビューなど多ジャンルの取材・執筆を手がけています。生活者の視点で、身の回りの“木”に関する話題をお届けしていきます。

水野 照久監修者
名古屋で創業60年を迎える家具店の代表。2代目代表として約30年「家具は人をシアワセにする」を理念として、木を素材としたいくつかのブランドをプロデュースし、新しいモノづくりにデザイナーと作り手と取り組む。