縁側は現代のエコハウス!?

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春の陽気になってきましたね。

日差しが心地よい日は縁側に座って日向ぼっこでもしてみたい気分です。

縁側というと、昔の家というイメージがあるかもしれませんが、実はいままたその機能やデザインが見直されているのをご存じでしょうか。

縁側とは、部屋と屋外を区切る板張りの通路のような場所。日本家屋独特の構造です。種類もいくつかあり、たとえば「くれ縁」は、雨戸や窓の内側につくられたもの。椅子やテーブルを置いて家族のくつろぎスペースとして利用されます。「濡れ縁」は、壁や雨戸の外に作られた縁側を指します。庭と家の中を出入りするための踏み台として利用されることもあります。「くれ縁」と違い、家に固定されていないため、移動させることもできるものをいいます。

この縁側、実は先人の知恵がつまったエコな代物なんです。エアコンが今のように普及していなかったころ、縁側は日本家屋には不可欠のものでした。

縁側の上にある屋根の庇(ひさし)は夏の直射日光を遮り、軒があることで日陰ができます。室内の温度上昇を防いでくれて、冷房などの省エネ効果もあがり、光熱費の節約にもつながるという仕組み。エコですよね!

また、冬になると冷気を遮断し、暖かな陽だまりができるため、温かい空気をためてくれるのです。ほかにも、梅雨時期には洗濯物を干しておく場所としても活躍してくれます。

 

古民家や純和風の家にしか似合わないんじゃないの?と思う方もいるかと思いますが、意外とモダンテイストやアジアンスタイルにもマッチします。人気の北欧テイストとも相性がいいといわれています。フローリングと同じ色味や材質を使うことで、一体感が出て部屋を広く見せられるメリットもありますよ。

 

もしも縁側があったら、どんな生活ができるでしょう。猫がまったりゴロゴロする場所、子どもが遊ぶ場所、ご近所さんとのコミュニケーションの場所、ただただぼ~っとする場所。なんだか生活にゆとりをもたらしてくれる場所のような気がしてきます。

 

生活に絶対必要な空間ではないかもしれませんが、こうした余白のようなスペースは、生活にも心にも必要ですよね。

縁側と庭を使ってバーベキューとかもいいですね~。縁側に座って夏は花火、秋になったらお月見とか。夢が広がります。(ま)

Matsuoライタープロフィール
古道具や古着、古民家など“お古”に惹かれるライター。雑誌、webを中心にまちづくり、ものづくり、グルメ、音楽、著名人インタビューなど多ジャンルの取材・執筆を手がけています。生活者の視点で、身の回りの“木”に関する話題をお届けしていきます。

水野 照久監修者
名古屋で創業60年を迎える家具店の代表。2代目代表として約30年「家具は人をシアワセにする」を理念として、木を素材としたいくつかのブランドをプロデュースし、新しいモノづくりにデザイナーと作り手と取り組む。