春の使者・桜。木材としても優秀な桜についてのお話

投稿日カテゴリーALL BLOGBREAK OUT

3月27日は「桜の日」。

もうすぐ春ですね。

 

先日、出掛けた先で河津桜を見かけました。

ほかの桜より一足早く、2月上旬あたりから開花しはじめる早咲きの桜です。

名前の通り、伊豆の河津町が河津桜の誕生の地。ここ数年で全国各地に知られるようになり、現地で行われる「河津桜まつり」は200万人規模のイベントになっているそうです。

お花見が始まったのは平安時代

 

古くから日本人の目を楽しませてきた桜。お花見は春の楽しみのひとつですね。

桜をめでるお花見が始まったのは平安時代と言われています。鑑賞意識の高まりとともに、種子や接ぎ木によって園芸品種として広まっていきました。

桜の代名詞といえば「ソメイヨシノ」。桜の交配が盛んになった江戸時代後期、「エドヒガン」と「オオシマザクラ」を交配させて誕生した栽培品種です。

接ぎ木で育てられるため、全国にある「ソメイヨシノ」は、すべて原木のクローンなんですよ。

木材としても優秀な桜

 

ほかにも枝垂桜や山桜など国内だけで10数種類が分布している桜ですが、木材としても利用されています。

 

桜は広葉樹の中でも密度が高いという特性があります。つまり、強度があり耐久性に優れているといえます。

また、品種によって独特の美しい木目があり、高級家具や楽器などに重宝されることも。

 

桜材の代表格は「ヤマザクラ」。芯はピンク色、緑色の縞模様が特徴です。桜のなかでも耐久性が高いといわれています。木肌がなめらかで光沢があり、使い込むほどに深みがでます。特にピンクがかった木目がだんだんと褐色になっていくにつれ、アンティーク感が増すというのが魅力です。

ちなみに「カバザクラ」や「ミズメザクラ」といった品種を目にすることもありますが、実はこの2種は桜材ではないんです。この2種はカバノキ科。白樺などと同じ種類になります。

もう1つ海外の樹種でブラックチェリーがあります。ウォールナットやメープルと並んで北米三大銘木と呼ばれていたりします。

加工しやすく狂いが出にくいとして、ヨーロッパを中心に意匠性の高い家具や建具、フローリング材として高い人気を誇っています。

そうそう、燻製用スモークチップとしても桜は人気ですよね。暖かくなってきたので、お花見にキャンプにアウトドアの計画でも立てて春を満喫しましょう!

 

 

【参考】

農林水産省「aff」

https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2303/spe1_01.html

(一財)日本木材総合情報センター

https://www.jawic.or.jp/woods/sch.php?nam0=sakura

 

森林総合研究所関西支所研究情報 No.95

https://www.ffpri.affrc.go.jp/fsm/research/pubs/joho/documents/res_info_095.pdf

 

Matsuoライタープロフィール
古道具や古着、古民家など“お古”に惹かれるライター。雑誌、webを中心にまちづくり、ものづくり、グルメ、音楽、著名人インタビューなど多ジャンルの取材・執筆を手がけています。生活者の視点で、身の回りの“木”に関する話題をお届けしていきます。

水野 照久監修者
名古屋で創業60年を迎える家具店の代表。2代目代表として約30年「家具は人をシアワセにする」を理念として、木を素材としたいくつかのブランドをプロデュースし、新しいモノづくりにデザイナーと作り手と取り組む。