先日、長野県の白樺湖へ遊びに行ってきました。
周囲約4km、標高約1500mに位置する人口の湖です。夏は涼しく冬は白銀の世界を楽しませてくれる観光地で、その名の通り、白樺の木が茂る美しい景観が広がっています。
白樺は、長野だけでなく福井、岐阜、静岡県より北の標高の高い地域に生育する樹木。国内だと北海道の白樺林も有名ですね。白い樹皮と美しい木目は、“高原の白い貴公子”ともよばれ、北欧フィンランドでもシンボル的な存在として扱われているそうです。
そんな白樺は、なんともけなげな木でもあるのです。放牧や山火事などで裸になってしまった場所にいち早く芽吹き定着。太陽の強い光にさらされても、たくましく発育して林を作り上げていくのです。荒地にいち早く命を吹き込む白樺ですが、ほかの樹木が茂るようになると、光が遮られ、育つことができなくなって枯れてしまうのだそう。
逆にいうと、放牧や伐採といった人間の行為がなければ、白樺は育たないともいえます。
最近では、人々の生活が変化し山の手入れが行き届かない地域も増えてきました。一部の白樺林では手入れがされず、腐って風や雪による倒木が深刻化しているそう。白樺の景観を維持するためには、適切な管理が不可欠なんですね。
さて、白樺の木の特徴についてですが、材質は柔らかいため、木材としてはマイナーな存在。ただ、一部では建材や家具などに使用されているケースもあります。
白く美しい樹皮にはベチュリンと呼ばれる抗菌作用のある物質が含まれています。倒木して木が腐っていっても樹皮だけは残るのだそう。一般的には雑貨に使われることが多く、樹皮を編み込んだカゴやオーナメントなどが人気。パンやお菓子を入れてナチュラルなテイストを楽しむ人が多いようです。
また、北欧では昔から美容や健康のために白樺の樹液をスキンケアとして利用していたそう。日本でも白樺の樹液を使ったスキンケア商品が開発・販売されています。
そうそう、あのキシリトールガムに含まれる甘味料も白樺の樹液から採取されているんですって!
調べてみると、白樺って身近な存在なんですね。(ま)
<参考>
(一財)日本木材総合情報センター
国立研究開発法人森林研究・整備機構