読書の秋。
みなさん本を読むのは好きですか?
途中読みになっている本に挟んでおく「栞(しおり)」について、今日は書いてみたいと思います。
「しおり」とは「枝折る(しおる)」が名詞化された言葉。山道などを歩く際、迷わないように木の枝を折って道しるべにするという動作からきた言葉なのだそう。
本に挟む栞をこれまであまり意識してこなかったのですが、先日とある場所を訪れてから、栞って素敵だな~と思ったのでご紹介させてください。
場所は名古屋市中川区。「中川運河しおりのアトリエ」。
この日は「図書館と読書週間のしおり展」が開催中で、戦時中に印刷されたしおりや、作家さんのイラストが載っているポップなものなど、栞コレクターの豊嶋利雄さんの所蔵品も含め、幅広く展示されていました。
「“モノづくりや芸術文化にふれる場所をつくりたい”という思いからオープンした場所です」と話す館長の古田正宏さん。栞についてあれこれ伺っていると、木でできた栞を発見!
「木の栞は神社仏閣や図書館、出版社で配るノベルティで作られることが多いですね。お寺からの依頼で、取り壊す本堂の柱を使って栞を作ってほしいというものもありました。檀家さんにお配りする用にとのことでしたが、こうしたストーリーがあると栞が単なるモノではなく、思い入れのあるものになっていくと思います」と話してくれた古田さん。
薄くスライスされた木に、これまた薄い和紙を挟んで作る木の栞。古田さんによると「ねじれたり、たわんでしまったりして、シート状にするのが非常に難しい」とのこと。
実はアトリエを運営しているのはお隣にある近藤印刷という老舗印刷会社。長年の技術によって木を安定したシート状の製品化を販売できるようになりました。
同社のノベルティ専門ブランド「印刷工房エシカ」でも木を扱った商品が開発されています。たくさんの人に配られるのがノベルティ。 “いらないもの”として捨てられてしまうことが多いのが現実だったりしますよね。
「捨てられてしまうものを作りたくない」と誕生したのが「印刷工房エシカ」なのだそう。
廃材の木質チップからできたMDF材や、間伐材を使用した栞やコースターを制作。木の温もりを感じるうえ、さりげなくおしゃれで印象に残るノベルティですよね。
もちろん、オリジナルでロゴを印刷したり箔押ししたりもできるそうですよ。
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「栞」をきっかけに、いろいろ考えた一日でした!
環境のこと、木のこと、運河のこと…。私にとって道しるべとなるものって何だろう???とか。
一冊の本が道しるべになるということもあるはず。
そんな本と出合えたらいいな~と思いながら、栞を片手に本を読み進めたいと思います。
みなさんの道しるべは何ですか?(ま)
◆「中川運河しおりのアトリエ」※要予約
https://www.canalbookmark.com/
◆「印刷工房エシカ」