無垢フローリング、水拭きはNG! お手入れ方法と楽しみ方

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みなさんの家のリビングは、どんな床ですか?
とある企業が実施したアンケートによると、リビングの床材は「フローリング」が7割強、「畳」が約2割、「そのほかカーペットなど」と答えた人が残る1割程度という結果に。「フローリング」とひとくちにいっても、無垢、合板、複合といろいろな種類がありますが、経年変化により味わい深くなる無垢のフローリングを選ぶ人が最近増えてきているようです。

多くの家でフローリングが採用されるようになった今、どんな材質を使うかで部屋の印象は変わってきますよね。何より足触りがやわらかく、夏は少しひんやり、冬はじんわりと温かく感じることころが無垢材の魅力だと思います。
以前のブログでも紹介したように、木の香りには殺菌作用と気分をリフレッシュさせる効果もあります。さらに、木の年輪がもつ自然界の動き「1/f ゆらぎ」によって、人の体や心に心地よい刺激をもたらすことも知られています。
さて、そんな無垢材ですが、正しいお手入れ方法をご存じでしょうか。

具体的なメンテナンス方法として、今回は浸透性塗料を紹介します。浸透性塗料とは、オイルや蜜蝋ワックスのように木材の内部に浸透して保護する塗料のこと。ウレタン塗装などのコーティング系塗装のように表面に硬い塗膜が形成されないため、肌触りや質感を大事にしたい無垢材には相性のいい塗料です。

日常のお手入れ

1)表面の埃を掃除機などで除去
2)雑巾で乾拭き
・水拭きは避けましょう。無垢材は水を含んだ雑巾を使用すると水分を吸収してしまい、表面の毛羽立ちや白濁の原因になる可能性があります。
・化学繊維や化学薬品を含むウエットタイプのモップも控えたぼうが無難です。

定期的なお手入れ

1年に1回程度、浸透性塗料を塗る
・木材が吸収できる塗料には限りがあるため、頻繁に塗るとベタつきの原因となり逆効果。
・キッチン周りなど汚れが気になる場所については半年に1度くらいを目安に。
・最初の数年間しっかりとお手入れを行うことで、塗料がなじみ次第に保護力が安定していきます。

1年に1度の定期メンテナンス。家具を移動させるのが面倒だな~とかいろいろ考えてしまいますよね。いっそのこと、家族総出の楽しいイベントにしてみるのがいいかもしれません。子どもと一緒にオイルを塗りながら家を大切に守っていく暮らし。家族みんなで一緒にお手入れした記憶は、きっと子どもたちの豊かな感性と暮らしに向き合う力を育むことにもつながります。無垢の床は、質感の素晴らしさや使うほどに増す味わいだけでなく、こうしたお手入れを通じて家族の思いが形作られていくところにもあるのかもしれませんね。

そういえば、小学生のころ、年に1度全員総出で教室のワックス掛けしたっけなぁ。今の子どもたちも経験しているのでしょうか。特別感があって面白かった記憶。おうちの塗装も、そんな楽しいイベントにして愛情たっぷりのメンテナンスをしていきたいですね。(ま)

Matsuoライタープロフィール
古道具や古着、古民家など“お古”に惹かれるライター。雑誌、webを中心にまちづくり、ものづくり、グルメ、音楽、著名人インタビューなど多ジャンルの取材・執筆を手がけています。生活者の視点で、身の回りの“木”に関する話題をお届けしていきます。

水野 照久監修者
名古屋で創業60年を迎える家具店の代表。2代目代表として約30年「家具は人をシアワセにする」を理念として、木を素材としたいくつかのブランドをプロデュースし、新しいモノづくりにデザイナーと作り手と取り組む。